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株式会社 イチケン

1847東証スタンダード建設業

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株式会社 イチケン1847

事業内容

株式会社イチケンは1930年創業の総合建設会社で、商業施設・店舗の新築・内装・リニューアル工事を中核事業とする。連結子会社の片岡工業株式会社(土木工事)、ベトナム現地法人(ICHIKEN VIETNAM CONSTRUCTION CO.,LTD.)を含むグループを形成し、建設事業と不動産事業の2セグメントで構成される。

主要顧客はイオンリテール、三井不動産、住友商事、アパホテルグループ等の大手民間企業で、民間工事が完成工事高の約90.7%を占める。東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

建設事業では商業施設・宿泊施設等の建築工事を受注し、工事完成時に完成工事高として売上計上する。特命受注比率が2026年3月期に58.6%(前期46.0%)へ上昇しており、顧客との関係深化が収益安定に寄与する。

不動産事業では販売用不動産・仕掛販売用不動産(合計7,538百万円)を保有し、バリューアップ後に売却する循環投資モデルを採用する。

企業の強み

2026年3月期の建築工事における特命受注比率は58.6%(前期比12.6ポイント上昇)。イオンリテール、三井不動産、住友商事等の大手企業から継続的に受注しており、長年の施工実績と企画・提案力が顧客の信頼を裏付けている。

2026年3月末時点の個別次期繰越工事高は101,328百万円(建築工事)で、当期売上高101,548百万円とほぼ同水準。アパホテル2件・三井不動産・米軍基地改修等の大型案件を含み、翌期以降の売上計上が高い確度で見込まれる。

2026年3月期末の自己資本比率は53.7%(前期50.4%)、純資産合計は400,021百万円。D/Eレシオ0.3倍以下を中期目標として掲げ、財務健全性を維持しながら成長投資を実行できる財務基盤を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高106,176百万円(前期比+7.2%)、営業利益9,033百万円(同+32.2%)、営業利益率8.5%(前期6.9%)と収益性が顕著に改善。当期純利益6,408百万円(同+36.9%)、ROE17.3%(前期13.7%)と資本効率も向上した。

売上総利益率の改善(10.6%→12.3%)が主因であり、採算性の構造的改善と評価できる。

2027年3月期の連結業績予想は売上高108,000百万円(+1.7%)、営業利益8,500百万円(△5.9%)と減益見通し。次期繰越工事高が高水準にもかかわらず、第2四半期累計での売上高がなだらかになる見込みを会社側が明示している。

4週8休の働き方改革推進による施工ペース調整が主因とみられ、外部要因(労働規制強化)が短期的な業績の重石となる点は留意が必要。

前期(2025年3月期)に売上高の10%超を占めていた㈱ニトリ向け売上高は当期12,469百万円(売上高比11.7%)と依然高水準だが、当期の主要顧客開示では10%超の相手先なしとなった(2027年3月期予想ベース)。一方、個別受注高における官公庁向けが8,790百万円(前期比538.5%増)と急増しており、受注基盤の多様化が進展。

特定顧客集中リスクの緩和は評価できるが、官公庁受注の持続性は引き続き確認が必要。

成長戦略

ビジョン2035・中期計画(2026-2028)で3ヶ年100億円投資、売上高1,100億円・ROE10%以上を目指す

中核の商業施設建築・リニューアル工事への積極受注継続。次期繰越工事高101,328百万円(前期比+16.5%)の高水準を維持し、2027年3月期売上高108,000百万円を目指す。4週8休の働き方改革推進と並行して施工管理者育成・採用に15億円を投資。

保有不動産のバリューアップ等に3ヶ年で40億円を投資し、建設事業の収益補完機能を強化。販売用不動産5,317百万円・仕掛販売用不動産2,221百万円(合計7,538百万円)が将来の売上計上源泉。2027年3月期業績予想にも不動産売却収益を織り込み済み。

事業拡大のためのM&A等に3ヶ年35億円を投資。2024年7月の片岡工業株式会社子会社化(のれん残高815百万円)による土木領域拡大に続き、環境分野・FC等の新規事業からの収益確保も模索。ベトナム現地法人との提携を含む海外事業体制強化も推進。

デジタル技術を活用した業務変革等に3ヶ年10億円を投資。AIを活用した業務刷新と人材の再配置、社内システム環境再構築を推進。本社移転に伴う建物附属設備等の取得(固定資産増加額調整額619百万円)も完了し、インフラ整備が進展。

2026年3月期年間配当230円(分割前)・配当性向26.1%・DOE4.5%を実現。2027年3月期予想は年間125円(分割後)・配当性向32.4%と増配基調を継続。

中期計画目標の配当性向40%程度またはDOE4%程度に向けて段階的に引き上げ。2026年4月1日付で1株→2株の株式分割を実施し投資家層の拡大を図った。

最終更新: 2026年7月19日