事業内容
ZACROS株式会社(旧藤森工業)は1936年創業、2024年10月に現商号へ変更した東証プライム上場の素材・包装メーカーである。連結子会社14社を含むグループで、医薬・医療用包装材やバイオ製造用シングルユースバッグを扱うウェルネス事業(売上高比17.6%)、つめかえ包装・液体容器等の環境ソリューション事業(同20.5%)、偏光板用プロテクトフィルム・層間絶縁フィルム等の情報電子事業(同35.8%)、建築・土木資材と化成品の産業インフラ事業(同26.1%)の4セグメントを擁する。
国内外14拠点以上で製造・販売を行い、タイ・マレーシア・台湾・中国・米国・インドに子会社を持つグローバル体制を構築している。
ビジネスモデル
コーティング・ラミネーティング・精密塗工等の独自技術を基盤に、医薬・電子・建設・生活包装の各市場向けに高機能製品を製造・販売する。製品販売に加え、システム提案・受託製造・サービス提供を組み合わせた「ソリューション創造」モデルを標榜し、顧客の潜在的課題を先行して解決することで差別化を図る。
研究開発費は売上高比2.8%(4,510百万円)を継続投入し、技術優位を維持している。
企業の強み
情報電子事業は2026年3月期売上高56,800百万円、営業利益4,770百万円、営業利益率8.4%を達成。偏光板用プロテクトフィルムでは業界初となる3m幅生産設備の導入を計画し、AI・半導体市場向け層間絶縁フィルムも増収を牽引。
スーパーハイクリーン技術・薄膜精密塗工技術を基盤とした参入障壁の高い製品群を保有する。
産業インフラ事業は2026年3月期売上高41,325百万円、営業利益5,026百万円、営業利益率12.2%と全セグメント最高水準の収益性を誇る。2026年3月期末受注残高は16,455百万円(前年同期比5.9%増)に積み上がり、ビル用煙突・空調用配管・ボイドスラブ等の製品とシステムを組み合わせたソリューション提案が高付加価値化を支えている。
2026年3月期末の自己資本比率は60.5%、総資産156,791百万円に対し純資産104,339百万円を確保。キャッシュ・フロー対有利子負債比率は1.1年と低水準を維持し、インタレスト・カバレッジ・レシオは52.7倍。
積極投資局面においても財務健全性を維持しており、570億円規模の中長期投資計画を内部留保・借入で賄える財務余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期127,819百万円から2026期158,535百万円へ5期連続増収(5期累計+24.0%)。営業利益は2023期5,882百万円を底に回復し、2026期は11,054百万円と2022期水準(10,341百万円)を上回った。
当期利益も7,707百万円と2022期(7,693百万円)並みの水準を回復。情報電子事業(利益4,770百万円)・産業インフラ事業(利益5,026百万円)が牽引役。
外部要因として電子部材需要の拡大と都市部建設需要の継続が業績を下支えしている。ウェルネス事業は依然損失(△201百万円)が継続しており、同事業の収益化が次の利益成長の鍵となる。
成長戦略
2030年度売上高220,000百万円・ROE12%を目指す「ソリューション創造活動の進化」
バイオ製造用シングルユースバッグBioPhaS®の販売先拡大と三重事業所新棟稼働による生産能力増強を推進。医薬・医療用包装材の東南アジアでの生産強化・海外展開も加速。2026年3月期もセグメント損失201百万円が継続しており、収益化の実現が最重要課題。
業界初となる3m幅生産設備の導入を含む沼田事業所での設備増設により生産能力を増強。AI・半導体市場の成長による電子部材需要拡大を取り込む。2026年3月期の設備投資額8,435百万円と全セグメント最大規模の投資を継続中。
賽諾世精密材料(無錫)有限公司の設立によりアジア地域の競争力・収益基盤を強化。液体容器における血液検査用途を中心に北米・東南アジア・中国・インドでの事業拡大を推進。2026年3月期の設備投資額は5,097百万円と高水準。
空調用配管・ボイドスラブ・ビル用煙突等において製品とシステムを組み合わせたソリューション提案を強化。半導体市場・車載フィルム向け粘着製品の需要拡大も取り込み、12.2%の高利益率を維持・向上させる。受注残高の積み上がりが短期的な業績を下支え。
最終更新: 2026年7月19日

