事業内容
不二精機株式会社は1965年創業の精密プラスチック金型メーカーで、国内(松山工場・鈴鹿工場・高知宿毛工場)および海外(タイ・中国・インドネシア)に製造拠点を持つ連結子会社5社を含むグループを形成する。事業は「射出成形用精密金型及び成形システム事業」と「精密成形品その他事業」の2セグメントで構成される。
主要顧客は医療機器メーカー、食品容器メーカー、自動車・二輪車部品メーカーであり、東南アジア市場(タイ・インドネシア)での自動車関連部品の安定受注と、国内での医療用精密金型の高付加価値受注を両輪とする。東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
精密金型事業は顧客仕様に応じた個別受注生産であり、医療・食品容器分野の高付加価値案件を中心に利益率の高い受注を積み上げる。精密成形品事業は東南アジアの海外子会社を活用した量産型モデルで、自動車部品向けに安定的な中期受注を確保する。
設備投資は金融機関からの長期借入と自己資金で賄い、減価償却費(2025期578百万円)を含む営業キャッシュフロー(同927百万円)で投資を自己循環させる構造をとる。
企業の強み
2025期において医療機器用精密金型の売上高増加が牽引し、射出成形用精密金型及び成形システム事業のセグメント利益は前期比107.6%増の166百万円を達成。利益率の高い医療分野向け案件の好調が営業利益全体の回復(前期比17.1%増の474百万円)に直結した。
2025期末の射出成形用精密金型及び成形システム事業の受注残高は前期比138.2%増の1,943百万円に達し、グループ全体の受注残高も2,402百万円(前期比125.2%増)と積み上がっている。個別受注生産の特性上、この残高は翌期売上高への直接的な貢献が見込まれる。
2001年のタイ子会社設立を皮切りに、中国(上海・常州)、インドネシアへと製造拠点を拡大。2021年にはPT. FUJI SEIKI INDONESIAを完全子会社化。東南アジアを中心とした海外生産体制により、自動車部品向け精密成形品事業(売上高5,629百万円)の安定的な量産供給を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2021期7,468百万円→2025期8,719百万円と緩やかな成長基調だが、営業利益は2021期606百万円をピークに2024期405百万円まで低下後、2025期474百万円と回復に転じた。2026年12月期第1四半期は売上高2,254百万円(前年同四半期比横ばい)に対し、両セグメントの売上総利益率改善により営業利益195百万円(前年同四半期比41.1%増)を達成。
精密成形品その他事業の原価率低下が主要ドライバー。外部要因として為替差損16百万円が経常利益を抑制したが、包括利益は為替換算調整勘定の改善により362百万円(前年同四半期比310.2%増)と大幅拡大。
通期予想(売上高8,836百万円、営業利益494百万円)に変更はなく、1Q進捗は順調。
成長戦略
医療・食品容器分野への集中とアジア自動車部品の拡充、EV対応を三本柱とする成長戦略
日本市場での医療・食品容器関連分野、中国市場での医療関連分野への集中営業を推進。個別受注生産の未検収受注残高が高水準で推移しており、翌期以降の売上計上への貢献が見込まれる。2026年12月期第1四半期の医療機器用精密金型売上高は前年同四半期比微増。
タイ・インドネシア子会社での自動化・半自動化投資による生産性向上とコスト競争力強化を推進。2026年12月期第1四半期において精密成形品その他事業のセグメント利益が前年同四半期比105.8%増の129百万円と大幅改善し、原価率低下の効果が顕在化している。
鈴鹿工場を拠点としたEV化対応の設備投資・研究開発投資を推進。2026年12月期第1四半期末の機械装置及び運搬具(純額)は前期末比101百万円増加の1,554百万円、建設仮勘定も463百万円と高水準を維持しており、継続的な設備投資が進行中。
最終更新: 2026年7月17日

