船井総研ホールディングス 2Q 決算速報

月次支援とM&Aが牽引し2Q累計で過去最高、成長投資を吸収した営業利益進捗52%と東京海上との資本提携が次の成長軸

配信日2026年8月7日 17:00 JST

2Q決算を踏まえた評価点

売上高16,825百万円(前年比+4.9%)、営業利益4,736百万円(同+1.1%)といずれも第2四半期として過去最高(会社開示)。大阪本社移転に伴うオフィス投資、人的投資、M&A投資を吸収しつつ増益を確保し、営業利益は上期計画を0.8%上回り、通期計画に対する進捗率も52.0%と順調。ストック収入である月次支援・経営研究会の単価上昇が収益基盤を押し上げ。

  • 売上総利益7,349百万円(前年比+11.0%)、粗利率43.7%(同+2.4pt)へ改善。売上原価は+0.6%に抑制(当レポート試算)
  • 月次支援9,367百万円(同+9.9%)、経営研究会会費1,674百万円(同+8.2%)とストック2区分が増収を牽引
  • 月次支援の月単価288,753円(同+6.2%)、経営研究会月単価31,025円(同+4.9%)と単価上昇が継続(会社開示)
  • 中堅企業化コンサル領域(100億企業化・M&A・補助金)は1,408百万円(同+112.0%)、M&A単体も938百万円(同+128.4%)
  • 特別損失が171百万円に縮小(前年は減損2,155百万円)、中間純利益3,218百万円(同+94.9%)

2Q決算を踏まえた懸念点

販管費が2,613百万円(前年比+34.8%)と増収率を大きく上回り、営業利益率は28.1%(同▲1.1pt)へ低下。人員増と本社移転に伴う固定費増が先行し、生産性指標は前年割れとなっており、下期の売上加速が収益率回復の条件。

  • 販管費率15.5%(前年12.1%)へ上昇。増益率+1.1%は増収率+4.9%を下回る(当レポート試算)
  • 従業員1人当たり営業利益2,641千円(同▲5.8%)、1人当たり売上高9,383千円(同▲2.3%)と生産性が低下(会社開示)
  • 売上進捗率45.5%(前年同期48.6%)。通期売上+11.0%計画に対し上期累計は+4.9%と乖離が残る。一方、2Q単独では売上+7.4%、営業利益+10.9%まで加速しており、下期にさらに増収率を引き上げられるかが焦点
  • 物流BPO1,221百万円(同▲31.0%)、プロジェクト1,614百万円(同▲4.2%)、広告運用1,253百万円(同▲2.9%)と非ストック・BPO区分が減収
  • 営業CF2,853百万円(前年3,717百万円)。法人税支払1,988百万円への増加と前年還付823百万円の剥落が影響

注目点/今後確認したいポイント

  • 月次支援・プロジェクトに限った受注高は+1.7%、受注残高は+1.6%にとどまる。対象範囲が全社売上と異なるため単純比較はできないが、既存コンサル案件の積み上がりを確認する上では下期の伸びが注目される。
  • 大阪本社移転による年間約6億円の固定費増(会社開示)の下期反映度合いと、営業利益率28%台からの回復パス。
  • 東京海上日動との資本業務提携(自己株式2,196千株処分、払込23億円)による顧客送客・共同ソリューションの収益貢献時期。
経営陣への論点
  • 通期売上37,000百万円達成に向けた下期の増収ドライバーと積み上げ根拠
  • 販管費+34.8%の内訳(人的投資・本社移転・M&A関連)と2027年以降の水準感
  • 東京海上日動との提携における収益化スキームとKPI設定
  • 物流BPOの政策的縮小の到達点と、SCMコンサルへの転換に伴う収益性変化
  • 船井総研JAICキャピタル設立によるファンド事業参入の投資額・連結損益への反映方法

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高16,825百万円+4.9%
└ 売上原価9,476百万円+0.6%
売上総利益7,349百万円+11.0%
└ 売上総利益率43.7%+2.4pt
販売費及び一般管理費2,613百万円+34.8%
営業利益4,736百万円+1.1%
└ 営業利益率28.1%▲1.1pt
営業外収益206百万円+265.6%
経常利益4,902百万円+4.6%
特別損失171百万円▲92.2%
└ 事務所移転費用165百万円+431.2%
親会社株主に帰属する中間純利益3,218百万円+94.9%
EPS35.36円+98.5%
受注高11,740百万円+1.7%
受注残高10,528百万円+1.6%
コンサルタント人財数1,195名+7.6%

(前年同期のEPSは株式分割調整後17.81円。売上総利益率・営業利益率・比率計算は当レポート試算。前年特別損失2,196百万円には五反田オフィス売却に伴う減損2,155百万円を含む)

事業セグメント別の業績

当中間期より報告セグメントを「経営コンサルティング事業」の単一セグメントへ変更(従来は経営コンサルティング/ロジスティクス/デジタルソリューションの3区分)。ロジスティクス・デジタル両事業もコンサルティング分野中心に推進する中期計画を踏まえた集約で、セグメント別記載は省略。以下は会社開示の業務区分別売上(外部顧客ベース)で代替。

  • セグメント別業績表
  • 業務区分別売上(会社開示)
セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
経営コンサルティング事業(単一)16,825百万円+4.9%4,736百万円+1.1%28.1%
好調な事業
  • M&A:+128.4%。大型案件の成約が寄与し、中堅企業化コンサル領域全体で+112.0%
  • 月単価+6.2%と6月末コンサルティング社数4,315社(+1.6%)の両面が寄与
  • 製造業向け:1,638百万円(+43.0%)。1Q+13.4%から加速、価値向上支援・AI/DX支援の構成拡大が背景
  • 流通・小売向け:1,187百万円(+41.4%)。1Q+54.6%に続き高い伸びを継続
不調な事業
  • 物流BPO:▲31.0%。政策的に売上を縮小させる方針が継続(会社開示)
  • 外食・フード向け:466百万円(▲54.2%)。物流BPO・その他区分の縮小が同業種の売上に反映
  • プロジェクト:▲4.2%。1Q+3.4%から反転、スポット案件依存の変動が顕在化
  • 士業向け:1,022百万円(▲3.3%)。1Q▲6.1%から減少幅は縮小

業績予想比の進捗率

売上高進捗率45.5%(前年同期48.6%)に対し、営業利益52.0%(同52.6%)、経常利益53.9%(同52.7%)と利益は前年並みの進捗を確保。純利益進捗49.1%は前年同期25.0%(前年は1Qに減損2,155百万円を計上)から大きく改善。7月に連結子会社化したMTUSも下期の増収要因。

勘定科目数値(第2四半期累計)通期計画進捗率
売上高16,825百万円37,000百万円45.5%
営業利益4,736百万円9,100百万円52.0%
経常利益4,902百万円9,100百万円53.9%
親会社株主に帰属する当期純利益3,218百万円6,550百万円49.1%
  • 前年同期の営業利益進捗52.6%、経常利益進捗52.7%と、利益進捗は前年同期並み
  • 上期計画(2026年2月6日公表)比では売上▲3.9%に対し営業利益+0.8%、経常利益+4.3%と利益超過(会社開示)

業績予想の変更有無

通期連結業績予想の修正なし。売上高37,000百万円(前期比+11.0%)、営業利益9,100百万円(同+3.3%)、経常利益9,100百万円(同+2.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益6,550百万円(同+0.4%)を据え置き。営業利益成長率が売上を下回る計画は、大阪本社移転に伴う年間約6億円の固定費増を織り込んだもの(会社開示)。

株主還元への言及

配当予想の修正なし。2026年12月期は中間24円・期末24円の年間48円を計画し、達成すれば16期連続増配(株式分割考慮後の前期年間配当42.5円に対し+5.5円)。中期経営計画(2026〜2028年)の株主還元方針は総還元性向65%以上かつ配当性向60%以上、加えて機動的な自己株式取得と累進配当の実績維持を掲げる。2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施済み。なお7月17日付で東京海上日動火災保険への第三者割当により自己株式2,196,000株(払込総額2,343百万円)を処分。

財務状況

自己資本比率78.0%(前期末比+5.6pt)、有利子負債280百万円に対し現金及び現金同等物12,674百万円と実質無借金。余資運用として投資有価証券・長期預金を積み増しつつ、成長投資とのバランスを維持。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物12,674百万円前期末比▲5.1%
投資有価証券4,372百万円前期末比+37.5%
のれん1,209百万円前期末比+7.4%、子会社取得により増加
総資産33,980百万円前期末比▲1.5%
自己資本26,512百万円前期末比+6.2%
有利子負債280百万円短期・長期借入金合計
└ 短期借入金250百万円-
└ 1年内返済予定の長期借入金9百万円-
└ 長期借入金20百万円-

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/08/07
    日本アジア投資と合弁で「船井総研JAICキャピタル」を2026年9月設立予定、20〜30億円規模のモビリティ業界向け事業承継ファンド組成を計画 船井総研HDとJAIC、ファンド事業を行うキャピタル会社を合弁で設立することに合意
  • 2026/08/06
    8月19日から「第99回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2026」を開催、AI変革とスケールアップをテーマに特別講座を実施 8月19日から『第99回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2026』を開催
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    書籍『インド・ショット経営―6ヶ月でインドにGCC(開発拠点)をつくる方法』を8月5日発売、海外拠点設立ノウハウを外部展開 書籍『インド・ショット経営』を8月5日(水)に発売

足許四半期中の主要発表

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    船井総合研究所がSapporo PRO Frontier MarketのS-Adviser資格を取得、東京・福岡に続きIPO支援を全国展開 連結子会社(船井総合研究所)におけるSapporo PRO Frontier MarketのS-Adviser資格取得に関するお知らせ
  • 2026/06/18
    グループ全社員約1,500名の地域リレーションをデータ化し、地方創生プラットフォームを本格始動 船井総研グループ、1,500名の「地脈」をデータ化し、地方創生プラットフォームを本格始動
  • 2026/07/01
    東京海上日動火災保険を割当先に自己株式2,196,000株(1株1,067円、総額2,343百万円)を処分し資本業務提携を締結 第三者割当による自己株式の処分および資本業務提携契約の締結に関するお知らせ

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • SMBC日興証券(共同保有): 5.11%→3.98%(提出日:2026/07/23、報告義務発生日:2026/07/15) - 証券業務に係る一時保有、政策保有、純投資
  • SMBC日興証券(共同保有): 5.11%(提出日:2026/07/07、報告義務発生日:2026/06/30) - 新規大量保有報告。証券業務に係る一時保有、政策保有、純投資
  • Fidelity Management & Research Company LLC(共同保有): 5.09%→3.86%(提出日:2026/06/19、報告義務発生日:2026/02/27) - FMR LLCが2026/03/06に提出した同一の保有変動に係る訂正・再提出
  • Fidelity Management & Research Company LLC(共同保有): 6.22%→5.09%(提出日:2026/06/19、報告義務発生日:2026/01/30) - FMR LLCが2026/02/06に提出した同一の保有変動に係る訂正・再提出
  • 三井住友DSアセットマネジメント(共同保有): 5.03%→3.95%(提出日:2026/04/22、報告義務発生日:2026/04/15)
  • 三菱UFJ銀行等(共同保有): 5.28%→4.24%(提出日:2025/11/17)
  • 三井住友DSアセットマネジメント(共同保有): 5.21%→5.03%(提出日:2025/09/22)

※Fidelity Management & Research Company LLCの2026/06/19提出分は、従来FMR LLC名義で提出されていた大量保有報告書について、提出者の訂正に伴い再提出されたもの。新たな保有変動を示すものではない。

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