サマリー
中期経営計画(2026~2028年)初年度の2Q決算では、コア事業である月次支援コンサルティングの成長モメンタムが維持されているかが最大の確認事項となる。同社は中小企業コンサルに加え、国策が追い風となる「中堅企業コンサルティング」および「中堅企業化コンサルティング」のリーディングカンパニーを志向しており、AX・DXコンサルティングの推進やグループ内アライアンス強化を通じた顧客単価引き上げの持続性が問われる。1Qでは人的資本投資・M&A投資・オフィス投資による販管費増が営業利益率を押し下げたが、2Q累計の会社計画は営業利益4,700百万円(前年同期比+0.3%)と増益転換を見込んでおり、売上成長の加速と費用吸収のバランスが計画どおり進捗しているかを見極める局面にある。ロジクリエイトのグループイン効果やグループ内FAS統合など、M&A・組織再編の成果が業績にどう反映されるかも注目に値する。
翌四半期の注目ポイント
| 注目点と焦点 | 示唆 |
|---|---|
売上成長2Q累計売上高の会社計画17,500百万円に対する進捗 | 1Q実績7,944百万円(進捗率45.4%)にとどまり、2Q単独で9,556百万円が必要。月次支援の2桁成長(1Q: +10.2%)が持続しているかが鍵 |
利益率改善営業利益率の前年同期比推移 | 1Qは26.4%(前年同期29.7%、▲3.3pt)。2Q累計計画の営業利益率26.9%(4,700/17,500)への回復に向け、販管費増加ペースの鈍化を確認したい |
先行投資の効果販管費の内訳(人件費・のれん償却・オフィス関連) | 1Q販管費は1,285百万円(前年同期比+47.6%)、のれん償却額は89百万円(同+230.8%)。2Qでの増加ペース安定化が利益計画達成の前提条件 |
受注動向コンサルティング受注高・受注残高の推移 | 1Q受注残高9,640百万円(前年同期比+9.1%)は堅調だが、受注高5,234百万円(同▲7.0%)の回復が今後の成長持続を左右する |
中堅企業戦略中堅企業向けコンサルティングの売上・顧客数 | 中計の成長ドライバーと位置づける中堅企業・中堅企業化コンサルティング領域のKPI開示の有無を確認したい |
AX・DXコンサルAX(AIトランスフォーメーション)・DX関連サービスの進捗 | 大手コンサルがAIエージェント関連で攻勢を強める中、同社独自のグローバルプラットフォーマー連携による差別化の具体策を注視 |
資本効率自己資本比率・ROEの推移 | 自己資本比率78.2%(前期末72.4%)と高水準。通期純利益6,550百万円に対し自己資本約24,500百万円で当レポート試算のROEは約26%。株主還元策とのバランスを確認 |
前回決算(2026年12月期 1Q決算)を踏まえた主要論点
1Q決算は売上高7,944百万円(前年同期比+2.2%)、営業利益2,100百万円(同▲9.0%)と増収減益。月次支援・経営研究会は堅調に拡大した一方、物流BPOの政策的縮小と先行投資費用の増加が利益を圧迫した。2026~2028年中期経営計画の初年度として成長投資を優先するフェーズであり、投資効果の顕在化時期が今後の論点となる。
1. 月次支援コンサルティングの成長持続性
- 前期: 月次支援売上4,620百万円(前年同期比+10.2%)、全売上の58.2%を構成
- 今期確認: 契約単価の上昇トレンドと新規顧客獲得の持続、中堅企業向け比率の変化
- 注目指標: 月次支援の前年同期比成長率(2桁維持が目安)、顧客単価・顧客数の推移
2. 先行投資と営業利益率のバランス
- 前期: 営業利益率26.4%(前年同期29.7%)、販管費1,285百万円(同+414百万円)
- 今期確認: 2Q累計の営業利益率が会社計画26.9%に接近しているか、販管費増加ペースの鈍化
- 注目指標: 販管費の前年同期比増加率(1Qの+47.6%からの変化)、のれん償却額の水準
3. 物流BPOの戦略的縮小とロジクリエイト統合効果
- 前期: 物流BPO売上610百万円(前年同期比▲30.2%)、ロジクリエイトのグループイン(2026年1月)
- 今期確認: 物流BPO縮小の進捗と収益性改善、ロジクリエイト統合によるSCMコンサル売上の上乗せ
- 注目指標: 物流BPO売上の前年同期比、のれん残高1,298百万円(前期末1,125百万円)の推移
4. 受注高の回復動向
- 前期: 受注高5,234百万円(前年同期比▲7.0%)、受注残高9,640百万円(同+9.1%)
- 今期確認: 受注高の前年同期比がプラス転換するか、M&A案件やプロジェクト案件の大型受注の有無
- 注目指標: 受注高の前年同期比増減率、受注高/四半期売上高で算出するブックトゥビル比率
5. M&A関連売上とFAS体制再編の効果
- 前期: M&A売上237百万円(前年同期比▲12.9%)、FAS統合を2026年7月に予定
- 今期確認: FAS統合後の受注パイプライン拡大、M&A案件の成約件数回復
- 注目指標: M&A売上の前年同期比推移、事業承継・M&Aの相談件数・成約率
今期中の主要な適時開示
前四半期の着地(2026年12月期 1Q実績)
船井総研ホールディングスは、中小・中堅企業向け経営コンサルティングを主軸とし、月次支援・経営研究会・M&A支援・DXソリューション等を展開する独立系コンサルティンググループ。2026年2月に公表した中期経営計画(2026~2028年)では、中堅企業コンサルティングのリーディングカンパニーを目指すとともに、AX・DXコンサルティングの推進を掲げる。1Q決算は増収減益ながら、月次支援・経営研究会の堅調な成長を確認。前年同期に計上した減損損失2,155百万円の反動で四半期純利益は大幅増益となった。
| 項目 | 金額 | 前年同期比 | 会社計画比 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,944百万円 | +2.2% | - | 月次支援+10.2%が牽引、物流BPO▲30.2%が下押し |
| 営業利益 | 2,100百万円 | ▲9.0% | - | 販管費+47.6%増が主因、営業利益率26.4%(▲3.3pt) |
| 経常利益 | 2,136百万円 | ▲8.0% | - | 受取利息+19百万円、情報セキュリティ対策費+7百万円 |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 1,391百万円 | +1,658.8% | - | 前年同期の減損損失2,155百万円の反動 |
| EPS | 15.31円 | +1,700.0% | - | 株式分割(1:2)後ベース |
通期計画に対する進捗率: 売上高21.5%(前年同期:23.3%、当レポート試算)、営業利益23.1%(同:26.2%、当レポート試算)
会社情報
- 会社名: 株式会社船井総研ホールディングス
- 証券コード: 9757
- 上場市場: 東京証券取引所 プライム市場
- 決算期: 12月
- 主要事業: 中小・中堅企業向け経営コンサルティング(月次支援、プロジェクト、M&A支援、経営研究会、DXソリューション、物流BPO等)
株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。
- 目的と投資判断に関する免責
本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。
- 情報源、正確性、および保証の否認
本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。
- 責任の限定
本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。
- 利益相反の可能性
エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。
- 報告内容の変更・更新義務の否認
本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。
- 言語の優先順位
本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。
- 著作権
本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。
- 他の投資商品への利用
本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。

