船井総研ホールディングス 2Q 決算プレビュー

月次支援の2桁成長持続と中堅企業コンサル拡大を確認、先行投資の利益圧迫が2Qで緩和に向かうかが焦点

配信日2026年8月5日 15:30 JST

サマリー

中期経営計画(2026~2028年)初年度の2Q決算では、コア事業である月次支援コンサルティングの成長モメンタムが維持されているかが最大の確認事項となる。同社は中小企業コンサルに加え、国策が追い風となる「中堅企業コンサルティング」および「中堅企業化コンサルティング」のリーディングカンパニーを志向しており、AX・DXコンサルティングの推進やグループ内アライアンス強化を通じた顧客単価引き上げの持続性が問われる。1Qでは人的資本投資・M&A投資・オフィス投資による販管費増が営業利益率を押し下げたが、2Q累計の会社計画は営業利益4,700百万円(前年同期比+0.3%)と増益転換を見込んでおり、売上成長の加速と費用吸収のバランスが計画どおり進捗しているかを見極める局面にある。ロジクリエイトのグループイン効果やグループ内FAS統合など、M&A・組織再編の成果が業績にどう反映されるかも注目に値する。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上成長2Q累計売上高の会社計画17,500百万円に対する進捗

1Q実績7,944百万円(進捗率45.4%)にとどまり、2Q単独で9,556百万円が必要。月次支援の2桁成長(1Q: +10.2%)が持続しているかが鍵

利益率改善営業利益率の前年同期比推移

1Qは26.4%(前年同期29.7%、▲3.3pt)。2Q累計計画の営業利益率26.9%(4,700/17,500)への回復に向け、販管費増加ペースの鈍化を確認したい

先行投資の効果販管費の内訳(人件費・のれん償却・オフィス関連)

1Q販管費は1,285百万円(前年同期比+47.6%)、のれん償却額は89百万円(同+230.8%)。2Qでの増加ペース安定化が利益計画達成の前提条件

受注動向コンサルティング受注高・受注残高の推移

1Q受注残高9,640百万円(前年同期比+9.1%)は堅調だが、受注高5,234百万円(同▲7.0%)の回復が今後の成長持続を左右する

中堅企業戦略中堅企業向けコンサルティングの売上・顧客数

中計の成長ドライバーと位置づける中堅企業・中堅企業化コンサルティング領域のKPI開示の有無を確認したい

AX・DXコンサルAX(AIトランスフォーメーション)・DX関連サービスの進捗

大手コンサルがAIエージェント関連で攻勢を強める中、同社独自のグローバルプラットフォーマー連携による差別化の具体策を注視

資本効率自己資本比率・ROEの推移

自己資本比率78.2%(前期末72.4%)と高水準。通期純利益6,550百万円に対し自己資本約24,500百万円で当レポート試算のROEは約26%。株主還元策とのバランスを確認

前回決算(2026年12月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

1Q決算は売上高7,944百万円(前年同期比+2.2%)、営業利益2,100百万円(同▲9.0%)と増収減益。月次支援・経営研究会は堅調に拡大した一方、物流BPOの政策的縮小と先行投資費用の増加が利益を圧迫した。2026~2028年中期経営計画の初年度として成長投資を優先するフェーズであり、投資効果の顕在化時期が今後の論点となる。

1. 月次支援コンサルティングの成長持続性

  • 前期: 月次支援売上4,620百万円(前年同期比+10.2%)、全売上の58.2%を構成
  • 今期確認: 契約単価の上昇トレンドと新規顧客獲得の持続、中堅企業向け比率の変化
  • 注目指標: 月次支援の前年同期比成長率(2桁維持が目安)、顧客単価・顧客数の推移
月次支援は売上構成比58.2%を占めるコア事業であり、1Qは契約単価上昇と顧客数増により+10.2%の2桁成長を達成した。中堅企業向けの拡大戦略が奏功すれば、単価・顧客数の両軸での成長が継続する公算が高い。

2. 先行投資と営業利益率のバランス

  • 前期: 営業利益率26.4%(前年同期29.7%)、販管費1,285百万円(同+414百万円)
  • 今期確認: 2Q累計の営業利益率が会社計画26.9%に接近しているか、販管費増加ペースの鈍化
  • 注目指標: 販管費の前年同期比増加率(1Qの+47.6%からの変化)、のれん償却額の水準
1Qの販管費は1,285百万円と前年同期(871百万円)から+47.6%増加し、営業利益率を3.3pt押し下げた。人的資本投資・M&A関連費用・新オフィス投資が主因であり、事務所移転費用138百万円も特別損失に計上された。

3. 物流BPOの戦略的縮小とロジクリエイト統合効果

  • 前期: 物流BPO売上610百万円(前年同期比▲30.2%)、ロジクリエイトのグループイン(2026年1月)
  • 今期確認: 物流BPO縮小の進捗と収益性改善、ロジクリエイト統合によるSCMコンサル売上の上乗せ
  • 注目指標: 物流BPO売上の前年同期比、のれん残高1,298百万円(前期末1,125百万円)の推移
物流BPOは政策的に売上を縮小(▲30.2%、610百万円)させており、セグメントも単一の「経営コンサルティング事業」に変更した。一方、2026年1月にロジクリエイトがグループインし、SCMコンサルティング体制を強化している。

4. 受注高の回復動向

  • 前期: 受注高5,234百万円(前年同期比▲7.0%)、受注残高9,640百万円(同+9.1%)
  • 今期確認: 受注高の前年同期比がプラス転換するか、M&A案件やプロジェクト案件の大型受注の有無
  • 注目指標: 受注高の前年同期比増減率、受注高/四半期売上高で算出するブックトゥビル比率
1Qの受注高は5,234百万円(前年同期比▲7.0%)と減少した。受注残高は9,640百万円(同+9.1%)と積み上がりを維持しているが、受注高の減少が続けば将来の売上成長に影響が及ぶ。

5. M&A関連売上とFAS体制再編の効果

  • 前期: M&A売上237百万円(前年同期比▲12.9%)、FAS統合を2026年7月に予定
  • 今期確認: FAS統合後の受注パイプライン拡大、M&A案件の成約件数回復
  • 注目指標: M&A売上の前年同期比推移、事業承継・M&Aの相談件数・成約率
M&A売上は1Qで237百万円(前年同期比▲12.9%)と減少。一方、2026年7月にはグループ内FAS統合(船井総研あがたFAS×MIコンサルティング)を予定しており、M&Aアドバイザリーからバリュエーション・PMIまでの一貫支援体制が構築される。

今期中の主要な適時開示

  • 2026/06/05
    船井総合研究所がSapporo PRO Frontier MarketのS-Adviser資格を取得 - J-Adviser、F-Adviserに続き地方プロマーケットのIPO支援体制を拡充。中堅企業の成長支援メニュー拡大として評価できる。 S-Adviser資格取得に関するお知らせ

前四半期の着地(2026年12月期 1Q実績)

船井総研ホールディングスは、中小・中堅企業向け経営コンサルティングを主軸とし、月次支援・経営研究会・M&A支援・DXソリューション等を展開する独立系コンサルティンググループ。2026年2月に公表した中期経営計画(2026~2028年)では、中堅企業コンサルティングのリーディングカンパニーを目指すとともに、AX・DXコンサルティングの推進を掲げる。1Q決算は増収減益ながら、月次支援・経営研究会の堅調な成長を確認。前年同期に計上した減損損失2,155百万円の反動で四半期純利益は大幅増益となった。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高7,944百万円+2.2%-月次支援+10.2%が牽引、物流BPO▲30.2%が下押し
営業利益2,100百万円▲9.0%-販管費+47.6%増が主因、営業利益率26.4%(▲3.3pt)
経常利益2,136百万円▲8.0%-受取利息+19百万円、情報セキュリティ対策費+7百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益1,391百万円+1,658.8%-前年同期の減損損失2,155百万円の反動
EPS15.31円+1,700.0%-株式分割(1:2)後ベース

通期計画に対する進捗率: 売上高21.5%(前年同期:23.3%、当レポート試算)、営業利益23.1%(同:26.2%、当レポート試算)

会社情報

  • 会社名
    : 株式会社船井総研ホールディングス
  • 証券コード
    : 9757
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 プライム市場
  • 決算期
    : 12月
  • 主要事業
    : 中小・中堅企業向け経営コンサルティング(月次支援、プロジェクト、M&A支援、経営研究会、DXソリューション、物流BPO等)
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