タナベコンサルティンググループ 2Q 決算プレビュー

HR・ストラテジー領域の2桁成長が、据え置かれた2Q累計計画をどこまで上回るかを確認する中間決算

配信日2026年11月6日 15:30 JST

サマリー

1Qは全5領域で増収となり、過去最高の売上高・営業利益で着地した。一方、会社は2Q累計計画を据え置いた。計画どおりなら2Q単独(7-9月)の売上高・営業利益は前年同期を下回る水準となるため(当レポート試算)、1Qの成長がどこまで続くかが2Q決算の最大の焦点となる。利益面では、人的資本投資の拡大とM&A由来ののれん償却増加が続くなか、前年に高い利益率を示した2Q単独で営業利益率をどこまで回復できるかを確認したい。あわせて、8月に過半数株式の取得を決議した米国Actus Consulting Groupについて、連結開始時期と業績予想への織り込みの開示が中期経営計画「TCG Future Vision 2030」の成長M&A戦略を評価する材料となる。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

計画進捗2Q累計売上高・経常利益の会社計画に対する超過幅と業績予想修正の有無

1Q売上高の2Q累計計画8,100百万円に対する進捗率は47.5%(当レポート試算)。計画どおりなら2Q単独売上高は前年同期比▲2.3%となり(当レポート試算)、上振れ余地の確認が中心となる。

収益性2Q単独営業利益率の前年同期比推移と販管費の伸び

1Q営業利益率は7.4%、前年同期の2Q単独は16.4%(当レポート試算)。1Qの販管費+19.6%を吸収し、2Q累計営業利益計画910百万円を超えられるかが利益成長の評価を分ける。

領域別成長HR・ストラテジー&ドメインを中心とした領域別売上高の前年同期比

1QはHRが+27.8%、ストラテジー&ドメインが+17.6%。2桁成長が2Q累計でも続くかが、通期売上高計画17,200百万円の上振れ余地を左右する。

成長M&AActus Consulting Groupの連結開始時期・のれん計上額と非支配株主損益

1Q末ののれんは1,479百万円、非支配株主に帰属する四半期純損失は▲25百万円。M&Aの業績寄与と償却負担の両面を確認したい。

前回決算(2027年3月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

1Qは売上高3,844百万円(+16.5%)、営業利益285百万円(+18.9%)となり、同期間として過去最高を更新した。会社は2026年5月13日公表の2Q累計・通期計画を据え置いており、2Qは1Qの勢いと計画の差、利益率の回復、成長M&Aの進展を確認する決算となる。中期経営計画では2031年3月期に売上高250億円、ROE15%を目標に掲げる。

1. 2Q累計計画に対する上振れ余地

  • 前期: 1Q売上高3,844百万円の2Q累計計画8,100百万円に対する進捗率は47.5%(当レポート試算)。前年同期の1Q進捗率(2Q累計実績比)は43.1%(当レポート試算)。
  • 前期: 経常利益292百万円の2Q累計計画910百万円に対する進捗率は32.1%(当レポート試算)。
  • 今期確認: 2Q累計計画を達成するのに必要な2Q単独売上高は4,256百万円となり、前年同期4,356百万円比▲2.3%(当レポート試算)。計画には上振れ余地があり、2Q決算時に会社が業績予想をどう扱うかを確認したい。
  • 今期確認: 会社は前受金の増加を説明している。1Q末の流動負債「その他」は2,100百万円(前期末1,604百万円)で、受注の先行指標として推移を確認する。
  • 注目指標: 2Q累計の売上高・経常利益の計画比と前年同期比。あわせて業績予想修正の有無と流動負債「その他」の残高。

2. 2Q単独の利益率と投資負担のバランス

  • 前期: 売上総利益率は47.7%(+1.2pt)に改善したが、販管費は1,548百万円(+19.6%)に増え、営業利益率は7.4%(+0.2pt)。
  • 前期: のれん償却額は45百万円(前年同期28百万円)、減価償却費は53百万円(同32百万円)に増加。
  • 今期確認: 2Q累計計画が前提とする2Q単独営業利益率は14.7%で、前年同期実績16.4%を下回る水準(ともに当レポート試算)。人的資本投資やAX/DX投資を続けながら、売上増で固定費をどこまで吸収できるかが焦点となる。
  • 今期確認: 1Qは四半期純利益が▲3.1%、親会社株主に帰属する四半期純利益が+25.9%と方向が分かれた。法人税等は157百万円(前年同期98百万円)に増えており、2Q累計でも特別損益および法人税等の内訳を確認する。
  • 注目指標: 2Q累計営業利益の計画910百万円比、売上総利益率、販管費の前年同期比。

3. 領域別売上高の成長持続性

  • 前期: HRが824百万円(+27.8%)、ストラテジー&ドメインが800百万円(+17.6%)、ブランド&PRが759百万円(+15.7%)。
  • 前期: デジタル・DXは642百万円(+13.4%)、ファイナンス・M&Aは777百万円(+9.2%)。前年同期の数値は領域区分の組替後ベース。
  • 今期確認: HRは人事処遇制度の再構築や企業内大学の設立支援が好調。ピースマインドのストレスチェック等は売上が3Qに集中するため、2Qへの寄与は限られる点に留意する。
  • 今期確認: 2026年10月7日に提供を開始した「AI経営実装コンサルティング」は3Q以降に反映される施策であり、2Q決算では需要動向に関する説明を確認したい。
  • 注目指標: 2Q累計の領域別売上高の前年同期比。特にHRとデジタル・DXの伸び率。

4. 成長M&Aの進展と連結影響

  • 前期: 1Q末ののれんは1,479百万円(前期末比▲45百万円)。手元資金は現金及び預金6,298百万円と有価証券500百万円。
  • 前期: 中期経営計画では、2031年3月期売上高250億円のうち20〜30億円を、手元資金30億円以上を活用した成長M&Aで実現する方針。
  • 今期確認: 8月19日に決議したActus Consulting Groupの過半数株式取得について、取得完了日と連結開始時期を確認する。2Q末にB/Sのみ連結し、P/Lへの反映が3Q以降となるかどうかも焦点となる。
  • 今期確認: のれん計上額と通期計画への織り込みの有無を確認したい。1Qに計上された非支配株主に帰属する四半期純損失▲25百万円が続くかも利益の見通しに影響する。
  • 注目指標: 2Q末ののれん残高と非支配株主持分。あわせて、のれん償却額と親会社株主に帰属する中間純利益の計画575百万円比。

今期中の主要な適時開示

  • 2026/10/07
    タナベコンサルティング×JAPAN AI「AI経営実装コンサルティング」提供開始 - AI研修からAIエージェントの開発・導入までを一貫して支援するサービス。デジタル・DX領域の単価・案件数を押し上げる可能性があるが、損益への反映は3Q以降となる。
  • 2026/09/16
    従業員向け株式付与ESOP信託の導入 - 人的資本投資の一環。第三者割当による自己株式の処分を伴い、2Q以降の費用計上の規模と時期を確認したい。
  • 2026/08/19
    米国企業Actus Consulting Groupとの資本業務提携(過半数株式取得・グループ化) - 中堅企業の米国進出支援を強化する戦略的M&A。連結開始時期、のれん計上額、業績予想への影響が2Q決算の確認事項となる。

前四半期の着地(2027年3月期 1Q実績)

当社は、売上規模1兆円〜30億円の中堅企業層のトップマネジメントを主な顧客とする経営コンサルティンググループで、事業は単一セグメント。戦略策定からAX/DXによる実装・実行までをチームコンサルティングで支援し、ストラテジー&ドメイン、デジタル・DX、HR、ファイナンス・M&A、ブランド&PRの5領域を展開する。中期経営計画「TCG Future Vision 2030」では、2031年3月期の売上高250億円とROE15%を掲げる。1Qは全5領域で増収となり、同期間として過去最高の売上高・営業利益を達成した。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高3,844百万円+16.5%-全5領域で増収。HRは+27.8%
営業利益285百万円+18.9%-売上総利益率47.7%(+1.2pt)、販管費+19.6%
経常利益292百万円+23.1%-受取配当金4百万円を計上。投資事業組合運用損が縮小
親会社株主に帰属する四半期純利益160百万円+25.9%-特別損失0百万円。非支配株主に帰属する四半期純損失は▲25百万円
EPS5.00円+27.9%-期中平均株式数が32,093,944株に減少

注:1Q単独の会社計画は開示がないため、会社計画比は「-」とした。2Q累計計画に対する進捗率(当レポート試算)は売上高47.5%、営業利益31.4%、経常利益32.1%、親会社株主に帰属する四半期純利益27.9%。

通期計画に対する進捗率(経常利益ベース): 15.4%(前年同期:12.9%)

注:通期計画は1,900百万円。前年同期の値は、2026年3月期1Q経常利益の同期通期実績1,843百万円に対する比率(当レポート試算)。

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