プログリット 通期 決算速報

サブスク+44.5%と英語コーチング伸長で計画超過着地、EC社統合と10円増配で次の成長段階へ

配信日2026年10月14日 20:35 JST

通期決算を踏まえた評価点

売上高7,647百万円(前年比+33.1%、FY25単体比)、営業利益1,521百万円(同+26.5%)と全利益段階で過去最高を更新し、7月修正計画も上回って着地。成長をけん引したのはサブスクリプション型英語学習サービス(同+44.5%)で、ストック収益の積み上がりとS&M費の期中コントロールが両立した。

  • 7月9日修正計画に対し売上高+47百万円、営業利益+71百万円、純利益+130百万円の超過着地
  • 4Q営業利益は450百万円(前年同期比+185.1%)、営業利益率19.9%に回復。上期に広告を集中投下し、下期で利益を平準化する運営が機能
  • シャドテン有料会員13,363名(同+31.3%)、スピフル15,926名(同2.2倍)。2サービスの月間売上は合計約289百万円規模に拡大(当レポート試算)
  • 継続コース入会率72%、友人紹介割合23%(4Q)と顧客ロイヤルティ指標は高水準を維持し、広告依存度の抑制に寄与
  • 法人研修導入企業412社(前期末比+72社)。グローバル人財フォーラムを軸に法人チャネルの基盤が拡大

通期決算を踏まえた懸念点

自社株買い830百万円を借入で賄ったため、自己資本比率は36.3%(前期末50.4%)へ低下した。FY27計画は売上総利益率70.4%(▲3.1pt)、営業利益率18.4%と利益率の低下を前提としており、増収の利益への転換効率が課題。

  • 営業利益率19.9%(前年比▲1.0pt)。広告費▲541百万円、人件費・採用費▲332百万円の増加が粗利増の一部を相殺
  • EC社は期首から連結した場合の影響額が営業損失▲56百万円(7カ月分)で、取得前は赤字。FY27の「のれん償却後黒字」前提の実現性を見極める局面
  • 4Qサブスク売上は前四半期比+3.6%と伸びが鈍化。スピフル有料会員も同+4.8%と、2Q(+46.8%)からペースが落ちている(当レポート試算)
  • 営業外費用42百万円は投資有価証券評価損20百万円と寄付金14百万円が中心。寄付は今後「経常利益の1%目安」で毎期発生
  • 長期貸付金199百万円が新たに計上されたが、貸付先と目的は短信に記載がない

注目点/今後確認したいポイント

  • EC社の通期寄与とのれん償却後黒字化の進捗。英語コーチング計画+23〜28%のうち、オーガニック成長と連結効果の内訳が利益率評価の鍵を握る
  • プログリットポイントと学習データ連携による英語学習アプリ群の解約率低下・クロスユース効果。4Qに鈍化したサブスク売上の再加速が焦点
  • 2校舎新設とコンサルタント20〜25名純増を前提とした受講待機期間のコントロール。S&M比率35〜40%を維持した状態での新規獲得効率も確認したい
経営陣への論点
  • EC社の売上規模・利益率の現状と、黒字化に向けたコスト・価格施策の具体像
  • 2027年8月期の売上総利益率70.4%への低下要因の内訳(EC社構成比、校舎新設、開発費の原価計上)
  • 純利益計画+8.0%と営業利益+15.0%の伸び率差の要因(FY26の法人税等調整額▲129百万円の反動有無)
  • 長期貸付金199百万円の貸付先・目的と回収見通し
  • 子ども向け英語・グローバル人材育成領域でのM&A方針と、借入増加後の資本配分・財務規律の考え方

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高7,647百万円+33.1%
└ 英語コーチングサービス4,477百万円+26.0%
└ サブスクリプション型英語学習サービス3,169百万円+44.5%
売上総利益5,617百万円+32.0%
売上総利益率73.5%▲0.5pt
販売費及び一般管理費4,095百万円+34.2%
営業利益1,521百万円+26.5%
営業利益率19.9%▲1.0pt
経常利益1,496百万円+23.9%
純利益1,110百万円+25.0%
EPS90.33円+27.0%
4Q売上高2,262百万円+48.9%
4Q営業利益450百万円+185.1%

※当期から連結決算に移行したため、前年同期比はいずれもFY25単体との比較。販管費とEPSの前年比は当レポート試算、その他は会社開示。 ※営業利益増減の内訳(会社開示):粗利増+1,362百万円に対し、広告費▲541百万円、人件費・採用費▲332百万円、支払手数料▲64百万円、サーバ・API費用▲64百万円、その他▲41百万円。 ※純利益は法人税等調整額▲129百万円(税負担の軽減方向)を含む。

事業セグメント別の業績

英語コーチング事業の単一セグメント。4Qは英語コーチング・サブスクとも四半期売上が過去最高を更新し、EC社連結の寄与も加わって通期で3割超の増収となった。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
英語コーチング事業(全社)7,647百万円+33.1%1,521百万円+26.5%19.9%
好調な事業
  • 英語コーチングサービス:4Q売上1,384百万円(前年同期比+53.8%、前四半期比+14.9%)。EC社の連結効果に加え、継続コース入会率72%の高水準と法人導入増が寄与
  • シャドテン:有料会員13,363名(前年同期比+31.3%)、月間売上約225百万円。コンテンツ拡充とアプリ改善で平均継続期間が伸長
  • スピフル:有料会員15,926名(前年同期比2.2倍)、月間売上約64百万円。瞬間英作文とAI添削を組み合わせたスピーキング特化型の訴求が奏功
  • 法人研修:導入企業412社(前期末比+72社)。売上高1兆円以上の企業195社のうち44社に導入済み(カバー率23%)
不調な事業
  • サブスクリプション型サービス全体:4Q売上877百万円で前四半期比+3.6%と伸びが鈍化。スピフルは「濃淡をつけた戦略的マーケティング」へ移行し、獲得ペースが落ち着いた
  • ディアトーク:AI英会話はUI/UXで差別化する領域と会社は認識。FY27は「プロダクト強化に注力、マーケティングは段階的」と位置付けており、収益貢献は先の段階

業績予想比の進捗率

7月9日修正計画に対し、売上高100.6%、営業利益104.9%、純利益113.3%で着地(当レポート試算)。会社説明どおり、上期に投資を先行させた後、下期に利益を積み上げる平準化運営で計画を達成した。

勘定科目数値 (第4四半期累積)通期計画進捗率
売上高7,647百万円7,600百万円100.6%
売上総利益5,617百万円5,520百万円101.8%
営業利益1,521百万円1,450百万円104.9%
経常利益1,496百万円1,440百万円103.9%
純利益1,110百万円980百万円113.3%
  • 1月の需要期に広告宣伝費を集中投下するため、2Qの営業利益率が低下しやすい。FY26の2Qは15.3%
  • 英語コーチングは営業日数に応じて売上を認識する。2Qは年末年始休業で営業日数が最少(83日)となり、1Q(91日)比で最大8.8%の売上差が生じ得る

来期の業績予想

FY27は売上高+24.2%、営業利益+15.0%の増収増益計画。EC社の通期連結を含め、英語コーチング+23〜28%、英語学習アプリ+20〜25%の成長を前提とする。S&M比率は35〜40%と今期並みを想定し、売上総利益率は70.4%への低下を織り込む。

  • 売上高: 9,500百万円 (+24.2%)
  • 営業利益: 1,750百万円 (+15.0%)
  • 経常利益: 1,735百万円 (+15.9%)
  • 純利益: 1,200百万円 (+8.0%)
  • EPS: 105.22円 (+16.5%)

株主還元への言及

  • FY26年間配当は22円(中間11円、期末11円)。前期の19円から3円増配、配当性向24.4%
  • FY27予想は年間32円(中間16円、期末16円)で10円増配、配当性向30.4%。「配当性向30%目安」の基本方針に到達
  • 期中に自己株式830百万円を取得。創業者側の売却意向に対応したToSTNeT-3取得で、期末の自己株式は1,350,416株
  • 創業10周年を機に、経常利益の1%目安の寄付と英語学習アプリの無償提供を毎年継続する方針を新設

財務状況

自社株買いを借入で賄ったため自己資本比率は36.3%へ低下したが、現預金4,241百万円が有利子負債1,069百万円を上回る実質無借金を維持。契約負債の積み上がりで営業CFは1,604百万円と厚い。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物4,241百万円前期末比+24.2%
自己資本2,207百万円前期末比▲2.4%(自社株買い・配当が利益計上を上回る)
有利子負債1,069百万円前期末249百万円
└ 1年内返済予定の長期借入金245百万円-
└ 長期借入金823百万円期中借入932百万円、返済322百万円
契約負債1,461百万円期中増加280百万円(CF計算書)
のれん283百万円EC社取得で294百万円発生、11年均等償却
長期貸付金199百万円当期新規計上
営業CF1,604百万円前期907百万円(単体)比+76.8%
EBITDA1,578百万円営業利益+減価償却費及びその他の償却費+のれん償却額(当レポート試算)

決算発表と同時に出た適時開示

  • 2026/10/14
    通期実績、FY27計画の前提、子ども向け英語・グローバル人材育成領域への展開を含む成長戦略を開示 (2026年8月期 通期決算説明資料(事業計画及び成長可能性に関する事項))

足許四半期中の主要発表

  • 2026/07/22
    事務局を務める「グローバル人財フォーラム」のシンポジウムを企画・運営し、150社超が参加。法人顧客基盤の拡大施策
  • 2026/08/31
    当座貸越契約を増額し、機動的な資金調達枠を拡充
  • 2026/09/07
    創業10周年を迎え、累計有料利用者数が10万名を突破
  • 2026/09/30
    サービス横断の共通ポイントを提供開始。アプリ間の回遊と長期利用によるLTV向上策として短信でも言及

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 山碕峻太郎(共同保有者:株式会社HOHETO): 15.84%→15.55%(2025/10/30) - 創業者および資産管理会社による安定株主としての保有
  • 山碕峻太郎(共同保有者:株式会社HOHETO): 15.55%→7.64%(2026/07/10) - 短期大量譲渡。当社のToSTNeT-3による自己株式取得に応じた売却で、HOHETOは主要株主でなくなった
  • 山碕峻太郎(共同保有者:株式会社HOHETO): 7.64%→7.64%(2026/07/15) - 担保契約等重要な契約の変更
  • アセットマネジメントOne: 8.47%→7.57%(2025/11/10) - 投資信託・投資一任契約に基づく保有
  • アセットマネジメントOne: 7.57%→6.43%(2026/02/06) - 投資信託・投資一任契約に基づく保有
  • アセットマネジメントOne: 6.43%→5.32%(2026/03/06) - 投資信託・投資一任契約に基づく保有
  • アセットマネジメントOne: 5.32%→4.20%(2026/04/22) - 5%未満へ低下、投資信託・投資一任契約に基づく保有
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