プログリット 3Q 決算説明会速報

マーサージャパン提携とEC社黒字化でToB戦略が具体化、サブスク比率44%到達とアプリ間連携構想が次の成長軸に

配信日2026年7月9日 20:30 JST

サマリー

3Q単体売上高1,808百万円(前年同期比+27.5%)、営業利益352百万円(同+43.9%)と売上・利益ともに過去最高水準で着地。イングリッシュカンパニー(EC社)はグループイン初四半期で黒字化を達成し、PMIが想定以上に進行。マーサージャパンとの戦略的業務提携を発表し、ToB×グローバル人材育成の事業拡張を本格化。M&Aに伴い通期連結業績予想を売上高7,600百万円(前期比+32.2%)、営業利益1,450百万円(同+20.5%)に上方修正した。

ポイント(決算の要点と成長アクション)

  • 経営戦略と市場認識
    • 日本企業の海外売上比率上昇に伴うグローバル人材育成ニーズの拡大を成長機会と認識
    • ToB法人事業を最優先戦略と位置付け、マーサージャパン提携やグローバル人財シンポジウム開催で接点を拡大
    • AI時代における英語学習の最適解として人×テクノロジーの融合を強調、シャドテン添削は人が行うべきとの方針を堅持
  • 足元の事業進捗と要因
    • 英語コーチング売上972百万円(前年同期比+13.9%)、サブスク売上836百万円(同+48.0%)で、3Q単体の売上構成比はサブスク46%、3Q累計ではサブスク44%に到達
    • シャドテン有料会員11,673名(+32.5%)で月間売上約220百万円、年換算約25億円規模に成長
    • EC社は4四半期連続赤字からグループイン初四半期で黒字転換、PMIが想定以上のペースで進行
  • 戦略的な重要施策や変化点
    • マーサージャパンと海外駐在マネージャー向けマネジメント特化型英語コーチングを共同開発、大手企業向けに提供開始
    • 取締役副社長・山碕氏の辞任に伴い、ToSTNeT-3で最大125万株(発行済約10%)の自己株買付を実施しオーバーハング懸念を抑制
    • プロワーズ(無料英単語アプリ)のポイント交換機能でプログリット各サービスへのアップセル導線を構築

今後の見通しと戦略

  • 通期連結業績予想を売上高7,600百万円、営業利益1,450百万円に修正、単体ベースの売上高7,100百万円は達成を見込む
  • EC社4Qは不採算スタジオ閉鎖・設備投資・AIインフラ整備の先行投資を実施するが、下期通期では黒字着地を見込む
  • 法人ビジネスはエンタープライズ企業のカバー率が売上高1兆円以上で23%にとどまり、新規開拓と取引深耕で拡大余地が大きい
  • M&AはToB×グローバル人材育成領域をファーストプライオリティとし、数億~数十億円規模で検討継続
  • サービスポートフォリオ戦略としてプロワーズを入口にシャドテン・スピフル・ディアトーク・プログリットへのアップセル循環を構築
  • 配当は年間22.00円(中間11.00円実績+期末11.00円予想)、配当性向30%目安を維持

ポジティブ要因

  • サブスク売上比率44%到達によりストック型収益の厚みが増加、上場時の10数%から構造転換が進行
  • シャドテン月間売上約220百万円、スピフル月間売上約61百万円と各アプリが独立した収益柱に成長
  • 卒業生満足度4.5/5.0、継続コース入会率72%、友人紹介比率19%と高いサービス品質指標を維持
  • EC社PMIが想定を上回るペースで進行、プログリットのノウハウ移管による粗利率改善余地あり
  • マーサージャパン経由で東証プライム上位100社の9割超にアクセス可能な販路を確保
  • 3Q末現金及び預金3,717百万円と手元流動性は潤沢、追加M&A余力を維持

懸念事項・リスク

  • EC社連結に伴い売上総利益率74.0%→72.6%(通期予想)、営業利益率20.0%→19.1%に低下
  • シャドテン有料会員数は前四半期比+100名程度と伸びが鈍化、2Q急成長後の短期解約増が影響
  • EC社4Q先行投資により連結営業利益への寄与は下期で収支均衡~若干の黒字にとどまる見込み
  • 副社長・山碕氏退任に伴う約200万株のオーバーハング懸念(ToSTNeT-3で一部吸収予定)
  • のれん294百万円(11年均等償却)の計上に伴い、自己資本比率が54.2%→47.7%に低下
  • 賃上げ促進税制の適用を見込まないため、実効税率が前期比で上昇し純利益率を圧迫

業績ハイライト

3Q単体の売上高は1,808百万円(前年同期比+27.5%)で過去最高を更新。営業利益は352百万円(同+43.9%)と、上期投資・下期回収への方針転換どおり3Qで利益を積み上げた。3Q累計の売上高進捗率72%、営業利益進捗率74%と通期予想に対し順調に推移。

  • サービス別売上高(3Q単体・単体ベース)
  • 通期連結業績予想(修正後)
サービス売上高前年同期比
英語コーチングサービス972百万円+13.9%
サブスクリプション型英語学習サービス836百万円+48.0%
合計1,808百万円+27.5%
  • シャドテン有料会員数: 11,673名(前年同期比+32.5%)
  • スピフル有料会員数: 15,199名(前年同期比2.5倍)
  • 法人研修導入企業数: 396社(前年同期比+70社)
  • 卒業生満足度: 4.5/5.0
  • 継続コース入会率: 72%
  • 友人紹介割合: 19%
  • コンサルタント職: 166名(前四半期末比+15名)
  • 1株当たり年間配当金(予想): 22.00円

Q&A 一覧

  • Q: シャドテンとスピフルのサブスクサービスについて、値上げの余地はどのように考えているか。
    A: 常に値上げ余地はあると思っている。当社のスタンスとして、全ての事業・サービスにおいてサービスをより良くし、お客様に喜んでいただけるという確信を持ちながら値上げをしていく。それによって利益を高め、社員の給与を上げ、再投資をしていくというのが基本的な経営方針。シャドテンは英語アプリの中では日本で最も高いサービスの1つだと認識しているが、まだ値上げ余地はなくはない。スピフルは現在月額約5,000円で、サービスを向上させていけば値上げ余地はある。いつまでにするということではないが、余地自体はある。
  • Q: 修正後の売上総利益率が下がっている背景と、今後の粗利益率の変化について。
    A: 単体ベースでプログリットとイングリッシュカンパニーの粗利率が異なり、当社の方が高いため連結すると下がるという構造的な要因。加えて売上の約4割がサブスクサービスに置き換わってきており、粗利率構造の違いも一因。今後については、当社が似たようなビジネスモデルで成り立たせてきたモデルをイングリッシュカンパニーに導入していくことで、PMIの過程として粗利率の改善はできると見込んでいる。
  • Q: より大きな市場でチャレンジするような見込みは今後あるのか。
    A: 英語市場のポテンシャル自体も非常に大きく、業界1位の会社が売上約500億円程度であり、最低でも500億は間違いなくいけると考えている。ただそれでも500億円なので、もっと大きくなる必要がある。当社としては英語教育に固執するつもりはなく、日本企業が世界で勝つための競争力を上げることをやりたい。海外M&Aが活発化する中で、ビジネスのグローバル化に対し組織・人材のグローバル化が追いついていない現状があり、英語力だけでなく組織のグローバル化を全体的に支援できる会社に進化していきたい。
  • Q: マーサージャパンとの戦略的業務提携は、法人顧客の獲得が課題だからか。
    A: ネガティブな課題ドリブンの提携ではなく、オポチュニティをより探っていこうというポジティブなところから発生したもの。法人事業をもっと加速的に、社内だけでなく外部リソースもレバレッジして企業のサポートを加速したいという思いがあり、マーサーに提案して座組を作った。彼らのグローバルネットワークと人事組織のプロフェッショナルの知見を吸収し合い、両者で新たにプログラムを作って販売していく。課題解決のためではなく、拡大のためのオポチュニティを求めた提携と理解いただきたい。
  • Q: 日本企業が海外進出した際、日本人が現地人とのマネジメントで英語以外にどのような知識が必要か。
    A: 色々あるが、例えば文化の違いから来るコミュニケーションギャップがある。日本だとこうやってほしいなと言えばやってくれるが、海外では同じ言い方だとやらなくていいと受け取られることがある。相手がイエスと言ったのに実際やってくれないということがよく起こる。英語力だけでなく文化の違いを理解して、現地の人が動いてくれるよう適切にコミュニケーションを取る実践的な英語コミュニケーション能力が必要。今回マーサーと作った教材にはそういった細かいことも含めて盛り込んでいる。
  • Q: LinkedInなどを活用した海外への認知拡大についてはどう考えているか。
    A: 現時点でLinkedIn等との具体的な提携の話はしていないが、将来的には大いにあり得る。当社は日本人の英語力向上に固執するつもりはなく、世界中の人を相手にビジネスをしていきたい。今は市場と当社の強みを考えて日本市場でやっているが、適切なタイミングで海外の人にも最高のサービスを使っていただけるようにしていきたい。
  • Q: イングリッシュカンパニーの人材をプログリットに配置することで、今後の採用コストを抑制できるのか。
    A: 基本的にはプログリット、イングリッシュカンパニーを別々で運営していく方針。両方ともお客様がたくさんいて大人気なので、それぞれサービス提供していく。ただ2つ持っているメリットとして、仮にプログリットのニーズが減ってイングリッシュカンパニーのニーズが高ければコンサルタントを移動させることもでき、逆も然り。必要に応じて調整できるという手札は持っているが、両方とも需要が活況な状況ではそれぞれ独立して運営していく。
  • Q: 今後利益の質をストック型などに変えていく方針はあるか。
    A: 実際すでに大きく変わっている。上場約4年前はサブスク売上比率が20数%だったが、現在は40数%まで上昇しており、売上の質はストック型に寄ってきている。今後やっていきたいのは、プログリットもサブスクも伸ばし続けた上で、法人事業、企業のサポートにコミットしていくこと。組織のグローバル化ニーズはますます大きくなると予想しており、企業と長い付き合いをして安定感のある会社にしていきたい。EPSをしっかり伸ばし、期待いただいてPERを上げることで株価向上を目指す。
  • Q: 山碕COOの退任に伴う保有株式比率に変化はあるか。
    A: 本日16時15分に副社長山碕の退任リリースとToSTNeT-3による自社株買いを開示した。上限125万株、発行済株式総数の約10%規模を本日終値ベースで明日朝買い付ける予定。山碕および資産管理会社の合計で約200万株弱保有しているが、今回の条件設定により過半の部分が減っていく見込みで、オーバーハング懸念を一気に抑制したい考え。
免責事項

株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。

  • 目的と投資判断に関する免責

    本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。

  • 情報源、正確性、および保証の否認

    本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。

  • 責任の限定

    本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。

  • 利益相反の可能性

    エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。

  • 報告内容の変更・更新義務の否認

    本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。

  • 言語の優先順位

    本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。

  • 著作権

    本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。

  • 他の投資商品への利用

    本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。