GENDA 通期 決算速報

M&A26件で売上高1,707億円(前年比+52.7%)へ急拡大、調整後EBITDA+48.6%成長と初配当開始で新ステージへ

2026年3月12日 19:00 JST

通期決算を踏まえた評価点

調整後EBITDA 22,839百万円(前年比+48.6%)、調整後当期純利益9,405百万円(同+55.6%)とNon-GAAP指標で高成長を実現。年間M&A26件・連結子会社45社体制への拡大が収益基盤の厚みを増し、来期ガイダンスでも売上高215,000百万円(+25.8%)と成長継続を見込む。

  • 売上高170,787百万円(前年比+52.7%)。アミューズメント売上118,221百万円(同+58.7%)が成長を牽引、国内22店舗新規出店+M&Aで69店舗取得
  • 北米Player One取得後、Kiddleton式プライズゲーム機を累計305店舗に追加投入完了。実施店舗の売上が投入前比で伸長
  • SMART EXCHANGEはグループイン後の全月で前年超えの売上を達成、2025年10月に過去最高の単月売上を記録。「ツーリズム」「ライフスタイル」の新事業領域が加わりポートフォリオ拡充
  • カラオケ事業は合計100店舗を取得、カジ・コーポレーション取得によりカラオケ機器流通で業界1位・2位を傘下に収め垂直統合が進展
  • 来期より初配当(年間8.00円)を開始、IFRS任意適用方針の公表と合わせ資本市場への対応を強化

通期決算を踏まえた懸念点

GAAP営業利益7,425百万円(前年比▲6.1%)、経常利益5,979百万円(同▲17.5%)とGAAP利益ベースでは減益。M&A関連費用1,999百万円(同+624百万円増)や支払利息1,566百万円(同+887百万円増)が利益を圧迫しており、のれん残高50,664百万円への膨張もリスク要因。

  • GAAP営業利益率4.3%(前年7.0%)と▲2.7pt低下。M&A加速に伴うのれん償却3,632百万円・販管費31,844百万円(同+82.1%)の増加が収益性を押し下げ
  • のれん残高50,664百万円(総資産比22.8%)。暫定的な会計処理未了のPlayer One分(10,760百万円)を含み、PPA確定後の追加償却リスクが残存
  • 有利子負債合計102,951百万円(短期借入金39,626百万円+1年内返済予定長期借入金14,270百万円+長期借入金37,755百万円+社債11,300百万円)。自己資本比率29.2%(前年30.8%)と財務レバレッジが上昇
  • 投資CF▲71,641百万円と子会社株式取得(▲39,061百万円)・有形固定資産取得(▲26,433百万円)で大幅な支出先行、営業CFとの乖離拡大
  • EPS 20.59円は前年22.30円から▲7.7%低下。株式分割・新株発行による希薄化影響

注目点/今後確認したいポイント

  • Player Oneの統合進捗とEBITDA改善度合い。取得時の直近実績18百万ドルから中長期目標35百万ドルへの道筋と、305店舗へのKiddleton式機器投入後の具体的な売上伸長率の開示が重要
  • 英国GENDA Playnation Entertainmentの季節性(4~10月ピーク)を踏まえた来期への業績寄与幅。みなし取得日2025年12月31日のため当期貢献はわずか1ヶ月分にとどまっており、通期化による影響を確認
  • 来期IFRS適用に伴うのれん会計変更(償却→非償却+減損テスト)の影響と、調整後指標とGAAP指標の乖離縮小の見通し
経営陣への論点
  • Player OneのEBITDA改善に向けたKPI(プライズゲーム機の追加投入台数・1店舗当たり売上等)の定量的なマイルストーン
  • 北米アミューズメント事業全体(NEN+Kiddleton+Player One+Barberio)の統合後のPMI体制と組織構造
  • 英国GENDA Playnation Entertainmentの季節性が連結業績に与える四半期別影響の試算
  • のれん残高50,664百万円に対する減損テストの前提条件(割引率・成長率)
  • IFRS適用後の経営管理指標(KPI)の見直し方針と、Non-GAAP指標の継続開示の有無
  • 短期借入金39,626百万円の借り換え・長期化計画と金利上昇リスクへの対応
  • カラオケ機器流通(カジ・コーポレーション+音通)の統合シナジーの定量目標
  • SMART EXCHANGEの外貨両替機設置台数の拡大目標とインバウンド需要の前提
  • 来期初配当(年間8.00円)の配当方針(配当性向目標・増配の考え方)
  • M&A資金調達における今後のエクイティファイナンスの可能性と既存株主への希薄化配慮

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高170,787百万円+52.7%
売上総利益39,270百万円+54.6%
営業利益7,425百万円▲6.1%
経常利益5,979百万円▲17.5%
親会社株主に帰属する当期純利益3,655百万円+12.3%
EPS20.59円▲7.7%
調整後EBITDA22,839百万円+48.6%
調整後営業利益13,345百万円+27.2%
調整後当期純利益9,405百万円+55.6%
調整後EPS52.98円+27.8%
包括利益5,912百万円+62.3%
営業CF13,473百万円+70.8%
投資CF▲71,641百万円-
財務CF64,958百万円+153.2%
ROE7.2%▲4.6pt
総資産経常利益率3.5%▲5.1pt
売上高営業利益率4.3%▲2.7pt

GAAP営業利益は▲6.1%の減益だが、M&A関連費用1,999百万円(前年比+624百万円)を加味した調整後指標では+27.2%~+55.6%の増益。売上総利益率23.0%(前年22.7%、+0.3pt)は微改善。

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年同期比セグメント利益(EBITDA)前年同期比利益率
エンタメ・プラットフォーム156,519百万円+55.1%19,353百万円+44.6%12.4%
エンタメ・コンテンツ21,363百万円+47.7%764百万円+90.8%3.6%
好調な事業
  • アミューズメント(国内):新規出店22店舗+M&Aで69店舗取得により前年比+58.7%の伸長。GiGO六本木(GiGO POKER併設)等の旗艦店出店も寄与
  • アミューズメント(海外):Player One(米国・カナダ、ゲームセンター104店舗+ミニロケ約2,000箇所)、英国GENDA Playnation(約100店舗+ミニロケ約150箇所)等の大型M&Aで海外売上が急拡大
  • ツーリズム(SMART EXCHANGE):グループイン後の全月で前年超え、2025年10月に過去最高の単月売上を記録。AI活用の集金ルート最適化等が奏功
  • カラオケ:100店舗取得に加えVSING渋谷(新業態)開業、カジ・コーポレーション取得で機器流通のバリューチェーン垂直統合が進展
  • コンテンツ&プロモーション:ギャガ「サブスタンス」(アカデミー賞受賞)「栄光のバックホーム」(興収16.7億円)等26作品を配給。映画.comのグループインによるオンライン×オフライン広告連携も開始
不調な事業
  • 該当なし(全サービスで増収を達成。ただしGAAP営業利益率はM&A関連費用・のれん償却増加により低下)

業績予想比の進捗率

当期は通期実績であり、来期(2027年1月期)ガイダンスとして売上高215,000百万円、調整後EBITDA 30,000百万円、調整後当期純利益10,600百万円を公表。当期実績対比で売上高+25.8%、調整後EBITDA+31.3%の成長を見込む。期中M&A分の通期寄与やオペレーション改善が成長ドライバーとなる見通し。なおGAAP営業利益・経常利益の来期予想は開示されていない。

  • 当社既存事業は下期(8~1月)偏重の傾向。英国GENDA Playnation Entertainmentは4~10月がピーク(ホリデーパーク需要)であり、来期以降は季節変動の一部補完が期待される

業績予想の変更有無

来期(2027年1月期)業績予想を新規公表。GAAP営業利益・経常利益・純利益の予想は非開示であり、Non-GAAP指標(調整後EBITDA・調整後当期純利益)のみの開示にとどまる。

株主還元への言及

来期(2027年1月期)より初配当を実施予定。年間配当金8.00円(中間4.00円+期末4.00円)を計画。当期(2026年1月期)までは無配。自己株式取得は当期中に2,033百万円を実施(期末自己株式2,881,076株)。

財務状況

M&A加速に伴い総資産222,214百万円(前年比+93.3%)へ急拡大。のれん50,664百万円(同+173.3%)、アミューズメント施設機器31,887百万円(同+157.7%)が固定資産増加の主因。負債もM&A資金調達で157,032百万円(同+97.9%)に膨張し、自己資本比率は29.2%(前年30.8%、▲1.6pt)へ低下。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物32,209百万円前期比+26.1%
総資産222,214百万円前期比+93.3%
└ 流動資産合計63,845百万円前期比+40.0%
└ 固定資産合計158,315百万円前期比+128.3%
のれん50,664百万円前期比+173.3%、総資産比22.8%
自己資本65,051百万円前期比+83.6%
有利子負債合計102,951百万円短期借入金+長期借入金+社債
└ 短期借入金39,626百万円前期比+249.8%
└ 1年内返済予定の長期借入金14,270百万円前期比+56.9%
└ 長期借入金37,755百万円前期比+33.0%
└ 社債11,300百万円新規発行
EBITDA(調整後)22,839百万円会社開示

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/03/09
    自己株式の取得状況および取得終了を公表。取得株数が上限に達したため取得を終了 自己株式の取得状況および取得終了に関するお知らせ

足許四半期中の主要発表

  • 2025/12/17
    ブシロードと海外展開およびIP活用を軸にした包括的な業務提携契約を締結 GENDAとブシロードが業務提携契約を締結
  • 2026/02/03
    推し活AXカンパニー「アソビダス」が始動。推し活/ファンビジネス領域でプラットフォーム拡張を推進 GENDAが出資する推し活AXカンパニー「アソビダス」が始動
  • 2026/02/13
    壽屋と業務提携契約を締結し、コンテンツ(IP)をGENDAのグローバルプラットフォームへ展開する協業を推進 GENDAと壽屋が業務提携契約を締結
  • 2026/02/26
    子会社シン・コーポレーションが、マレーシアでカラオケ施設を運営するOttotree Entertainmentの発行済株式100%取得を決議。東南アジアへの本格進出 GENDAのカラオケ事業がマレーシアへ進出
  • 2026/03/02
    子会社シン・コーポレーションがカラオケ施設1店舗を譲受、「カラオケBanBan御茶ノ水店」として再オープン GENDAがカラオケ店舗のロールアップM&Aを実施

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • ミダスキャピタル: 32.95%→29.11%(2025/12/23) - 安定株主として保有。担保契約等重要な契約の締結に伴う変更
  • Zennor Asset Management LLP: 0%→5.62%(2025/12/17) - 投資一任契約に係る顧客資産の運用目的。状況に応じて経営陣との意見交換や重要提案行為等を行う場合がある旨を記載
  • レオス・キャピタルワークス: 0%→5.17%(2024/09/13) - 新規5%超過
  • Capital Research and Management Company: 変更報告書提出(2024/11/22) - 顧客である日本国外の投資信託のための純投資目的
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