松井証券 3Q 決算速報

株式委託と金利環境追い風で純営業収益+23.4%、利益成長継続

2026年1月29日 10:00 JST

3Q決算を踏まえた評価点

個人投資家の取引拡大を背景に委託手数料・金融収支・FX損益が揃って伸長し、9ヶ月累計で純営業収益34,952百万円(前年同期比+23.4%)、営業利益16,509百万円(同+32.3%)と収益レバレッジ発現。販売費・一般管理費は広告宣伝費等の先行で増加するも、利益率は改善傾向。

  • 営業収益37,293百万円(前年同期比+25.6%)、経常利益16,905百万円(同+36.0%)と高い増益率の確保
  • 委託手数料17,217百万円(同+19.7%)と取引拡大が牽引、株式等委託売買代金も同+26%増(会社説明資料)
  • 金融収支12,451百万円(同+23.6%)と金利上昇・預託金増加が寄与、収益源の一角が拡大
  • トレーディング損益4,419百万円(同+44.8%)とFX中心に伸長し、収益の上振れ要因に
  • 経常利益率(営業収益経常利益率)45%水準まで改善(会社説明資料)

3Q決算を踏まえた懸念点

収益の大宗が株式市場の出来高・ボラティリティ、金利水準に左右される構造は不変。加えて、広告宣伝費の増加や不正取引対応に伴う一過性コスト(補償・準備金繰入)が発生。

  • 販管費18,443百万円(前年同期比+16.4%)と増加継続、うち広告宣伝費2,549百万円(同+39.0%)と上昇が目立つ
  • 金融費用2,341百万円(同+70.4%)と急増、金利局面次第で金融収支の伸びを相殺するリスク
  • 信用取引収支は買残高減少等で減少と会社説明、金利上昇局面でも信用残高次第で伸びが限定される可能性
  • 自己資本比率6.0%(前期末6.8%)と低下、資産膨張局面での資本効率・規制指標の推移確認が必要

注目点/今後確認したいポイント

  • 金融収支の持続性確認:預託金773,912百万円(前期末比+24.6%)の水準維持と、調達コスト上昇(金融費用)のバランス推移が焦点
  • 販管費の増加対効果検証:広瀬アリス起用CM等の広告投資が口座数・預かり資産・取引回転率に与える実績の定量評価が必要
  • 新規事業の収益化蓋然性:エージェントIGHへの出資(取得価額約9.5億円、議決権比率27.4%)のシナジー実装とKPI設定の明確化が鍵(会社説明資料)
経営陣への論点
  • 委託売買代金増加(市場+21%に対し当社+26%)の内訳(新規顧客・既存顧客の回転率・商品別寄与)整理
  • 広告宣伝費増加(前年同期比+39.0%)のROI指標(新規口座、取引口座数、預かり資産、CAC等)と投下ペース見通し
  • 金融収支拡大のドライバー分解(預託金運用収益、信用金利、調達コスト)と金利感応度の前提妥当性
  • 不正取引関連(受取保険金212百万円、支払補償金359百万円、責任準備金繰入803百万円)の再発防止策・追加コスト見通し
  • 信用取引収支が減少した背景(買残・金利・競争環境)と回復施策
  • FX収益拡大の再現性(スプレッド縮小恒久化、アプリ改善の効果、建玉・回転率の変化)整理
  • 米国株のプレマーケット対応・情報ツール提供の獲得KPI(口座稼働、売買代金、収益)提示
  • エージェントIGH提携の収益モデル(送客・保険販売・顧客LTV向上)とガバナンス体制
  • 期末配当の方針決定タイミングとDOE/配当性向運用(中間25円実施後の考え方)明確化
  • 自己資本規制比率の目標レンジと、資本配分(還元・投資・リスクテイク)方針の優先順位

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
営業収益37,293百万円+25.6%
└受入手数料18,083百万円+19.0%
└委託手数料17,217百万円+19.7%
└トレーディング損益4,419百万円+44.8%
金融収益14,792百万円+29.2%
金融費用2,341百万円+70.4%
金融収支(金融収益-金融費用)12,451百万円+23.6%
純営業収益34,952百万円+23.4%
販売費・一般管理費18,443百万円+16.4%
営業利益16,509百万円+32.3%
経常利益16,905百万円+36.0%
税引前四半期純利益15,934百万円+30.4%
四半期純利益11,069百万円+30.5%
EPS42.98円+30.5%

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
オンライン証券取引サービス37,293百万円+25.6%16,509百万円+32.3%44.3%
好調な事業
  • 株式・受益証券等(委託手数料内訳):16,457百万円(前年同期比+21.5%)と個人投資家売買活性化が寄与
  • FX(トレーディング損益中心):4,419百万円(同+44.8%)と収益貢献拡大
不調な事業
  • 先物・オプション取引(委託手数料内訳):759百万円(前年同期比-9.5%)と相対的に伸び悩み

業績予想比の進捗率

業績予想は非開示(相場環境の影響が大きく予想困難)方針。従って通期計画に対する進捗率算定は不可。もっとも、9ヶ月累計で経常利益16,905百万円(前年同期比+36.0%)と高成長を維持しており、足元の取引環境と金利環境が継続する前提では利益水準の底上げが進行する局面。

勘定科目数値 (第3四半期累積)通期計画進捗率
売上高(営業収益)37,293百万円非開示-
営業利益16,509百万円非開示-
純利益11,069百万円非開示-
  • 該当なし

業績予想の変更有無

業績予想の開示なし(相場環境に大きく左右され、業績予想の提示が困難との方針)につき、修正の概念なし。

株主還元への言及

年間配当予想は未定。中間配当は1株当たり25.00円を実施(配当予想修正なし)。期末配当予定額は2月下旬に発表予定(会社説明資料)。

財務状況

顧客預り資産の増加を背景にBSが拡大する局面。預託金増加により資産が積み上がる一方、預り金・受入保証金の増加で負債も拡大。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金・預金68,474百万円前期末比+1.6%
預託金773,912百万円前期末比+24.6%
信用取引資産342,111百万円前期末比+1.0%
└信用取引貸付金337,088百万円前期末比+1.1%
投資有価証券9,279百万円前期末比+20.5%
総資産1,283,314百万円前期末比+14.4%
預り金484,986百万円前期末比+33.3%
受入保証金366,810百万円前期末比+30.8%
短期借入金263,900百万円前期末比-12.9%
自己資本--
EBITDA--

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/01/26
    米国株の新規取扱8銘柄追加、取扱銘柄数5,000銘柄超の訴求強化(〖米国株〗新たに8銘柄の取り扱いを開始します。取扱銘柄は業界最多水準※の5,000銘柄以上!) matsui.co.jp
  • 2026/01/28
    2026年3月期第3四半期決算発表(会社IRスケジュール掲載)(IRスケジュール) matsui.co.jp

足許四半期中の主要発表

  • 2025/11/14
    エージェントIGホールディングスとの資本業務提携、第三者割当増資引受等を公表(株式会社エージェントIGホールディングスとの資本業務提携同社第三者割当増資の引受、及び同社普通株式の譲受(予定)に関するお知らせ) matsui.co.jp
  • 2025/12/11
    広瀬アリス出演の新TVCM放映開始を公表、ブランド投資を強化(広瀬アリスさん出演、新TVCM『松井で投資チュウ』篇を12月20日(土)より放映開始) matsui.co.jp
  • 2025/12/26
    MATSUI Bankの円普通預金金利を年0.65%(税引前)へ引上げ公表(MATSUI Bank、円普通預金金利を業界最高水準の年0.65%(税引前)に引上げ) matsui.co.jp

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 該当なし
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