東京エレクトロン 3Q 決算速報

3Q売上高は前年並みも営業利益率は21%へ低下 - 通期利益計画の小幅上方修正、自己株式取得(1,500億円)と配当増額で株主還元を強化

配信日2026年2月6日 19:20 JST

3Q決算を踏まえた評価点

3Q累計は減収減益ながら、通期計画は純利益を上方修正し、配当も引き上げる形で株主還元姿勢を明確化。自己資本比率75.3%まで上昇し、財務余力の厚みも確認材料。

  • 通期予想の親会社株主に帰属する当期純利益を550,000百万円へ上方修正(前回予想488,000百万円から+62,000百万円、+12.7%)
  • 年間配当予想を601円へ増額修正(前回予想533円から+68円、期末配当337円)
  • 自己資本比率75.3%(前期末70.1%)への上昇によるバランスシート健全性の改善
  • 3Q累計で営業活動によるキャッシュ・フロー333,964百万円を確保し、投資・還元を両立するキャッシュ創出力を維持
  • 自己株式数の減少(13,522,282株→13,227,864株)による資本政策の継続性

3Q決算を踏まえた懸念点

売上高は前年同期比-2.5%と横ばい圏ながら、利益は二桁減となり収益性の振れが顕在化。研究開発・販管費の増加も重なり、マージン回復の確度が次四半期以降の焦点。

  • 3Q累計の営業利益419,293百万円(前年同期比-18.3%)と利益成長の一服感
  • 3Q累計の売上総利益率44.7%(前年差-2.3pt)と粗利率の低下
  • 販管費合計355,399百万円(前年同期比+10.3%)、うち研究開発費201,069百万円(同+13.4%)とコスト増局面
  • 投資活動CF▲129,732百万円(前年同期比で支出拡大)と設備投資負担の増勢
  • 現金及び現金同等物284,726百万円(前期末比▲176,881百万円)と手元流動性の低下

注目点/今後確認したいポイント

  • 通期上方修正のドライバー内訳(営業面の上振れか、非経常・特別要因の寄与か)の精査
  • 売上総利益率の低下要因(製品ミックス、原価、稼働率、価格条件等)と4Qでの反転可能性
  • 研究開発・設備投資の増勢が将来成長(先端/メモリ/生成AI関連投資)に結び付く時期の確認
経営陣への論点
  • 通期純利益上方修正(+62,000百万円)の内訳
  • 3Q累計で売上総利益率が前年差-2.3pt低下した主因(製品構成、部材・外注、稼働率、価格)
  • 研究開発費が前年同期比+13.4%となった重点領域と、将来の受注・装置ラインアップへの反映時期
  • 4Qの売上・利益の季節性、ならびに通期営業利益593,000百万円達成に必要な4Q水準の考え方
  • 投資活動CF支出拡大の内訳(有形固定資産、投資その他)と投資回収のKPI
  • 自己株式取得(上限750万株/150,000百万円)の狙いと、取得ペース・消却方針
  • 中国向け需要の現状と、先端/生成AI向け投資の立ち上がり見通し
  • 装置生産性とフィールド生産性向上(DXソリューション等)による収益貢献の定量目標
  • 受注残・納期・供給制約の足元状況(ボトルネックの有無)

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高1,731,715百万円-2.5%
売上原価957,023百万円+1.8%
売上総利益774,692百万円-7.3%
販売費及び一般管理費355,399百万円+10.3%
└研究開発費201,069百万円+13.4%
営業利益419,293百万円-18.3%
経常利益423,796百万円-18.7%
親会社株主に帰属する四半期純利益360,164百万円-10.2%
EPS(四半期累計)785.90円-9.7%
潜在株式調整後EPS(四半期累計)783.23円-9.7%

事業セグメント別の業績

単一セグメント(半導体製造装置)につき、全社業績として整理。3Q累計は売上高1,731,715百万円(前年同期比-2.5%)と横ばい圏も、売上総利益率の低下と販管費増により営業利益419,293百万円(同-18.3%)へ減益着地。コスト面では研究開発費が201,069百万円(同+13.4%)と増勢で、次世代領域への先行投資色が強い構図。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
半導体製造装置(連結)1,731,715百万円-2.5%419,293百万円-18.3%24.2%
好調な事業
  • 該当なし
不調な事業
  • 該当なし

業績予想比の進捗率

3Q累計の売上高進捗は71.9%(通期2,410,000百万円に対し1,731,715百万円)と順調圏。営業利益進捗は70.7%(通期593,000百万円に対し419,293百万円)で、利益面は4Qでの粗利率・費用コントロールが達成可否を左右する局面。純利益進捗は65.5%(通期550,000百万円に対し360,164百万円)で、通期上方修正後のハードルは相応に上昇。

勘定科目数値 (第3四半期累積)通期計画進捗率
売上高1,731,715百万円2,410,000百万円71.9%
営業利益419,293百万円593,000百万円70.7%
親会社株主に帰属する当期純利益360,164百万円550,000百万円65.5%
  • 該当なし

業績予想の変更有無

通期連結業績予想の修正あり。売上高・営業利益・経常利益を小幅増額しつつ、親会社株主に帰属する当期純利益を大きく上方修正する形で、利益計画の確度引き上げが示唆される内容。

  • 売上高:従来2,380,000→新2,410,000
  • 営業利益:従来586,000→新593,000
  • 純利益:従来488,000→新550,000
  • 修正理由:最新の顧客設備投資動向を踏まえ通期見通しを修正、投資有価証券売却益の織り込み

株主還元への言及

配当予想の修正あり。年間配当予想を601円(中間264円、期末337円)へ引き上げ。業績連動型配当を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目標とする方針を明記。

財務状況

自己資本比率75.3%まで上昇し、厚い自己資本を背景とした財務健全性の改善局面。一方、現金同等物は前期末比で減少し、投資・還元の実行に伴うキャッシュ配分の変化が進行。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物284,726百万円前期末比▲176,881百万円
総資産2,635,015百万円前期末比+9,034百万円
流動資産合計1,635,816百万円前期末比▲164,939百万円
固定資産合計999,198百万円前期末比+173,973百万円
純資産2,005,249百万円前期末比+150,040百万円
自己資本1,982,981百万円前期末比+143,052百万円
自己株式▲277,658百万円前期末比で減少(前年差+5,507百万円相当の改善)
有形固定資産合計573,961百万円前期末比+132,255百万円
EBITDA476,724百万円弊社試算(営業利益419,293+減価償却費57,431)

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/02/06
    自己株式の取得を決議(上限750万株、上限150,000百万円、取得期間2026/02/09〜2026/03/31、ToSTNeT-3含む市場買付想定)(決算短信「重要な後発事象の注記」)

足許四半期中の主要発表

  • 2025/11/21
    東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ 東北生産・物流センター竣工(「生産・物流機能」の拡充による供給能力・サービス体制強化の示唆) 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ 東北生産・物流センター竣工のお知らせ tel.co.jp
  • 2025/12/15
    300mmウェーハ塗布・現像装置CLEAN TRACK™ LITHIUS Pro DICE™ 販売開始(前工程の主力プロダクト強化、先端投資需要取り込み余地) 300mmウェーハ塗布・現像装置CLEAN TRACK™ LITHIUS Pro DICE™ 販売開始のお知らせ tel.co.jp
  • 2025/12/15
    300mmウェーハ対応バッチ式熱処理成膜装置EVAROS™販売開始(成膜領域のラインアップ拡充、顧客投資局面での採用拡大に注目) 300mmウェーハ対応バッチ式熱処理成膜装置 EVAROS™販売開始のお知らせ tel.co.jp

過去1年間の大量保有報告/重要提案

該当なし

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