3Q決算を踏まえた評価点
3Q累計は減収減益ながら、通期計画は純利益を上方修正し、配当も引き上げる形で株主還元姿勢を明確化。自己資本比率75.3%まで上昇し、財務余力の厚みも確認材料。
- 通期予想の親会社株主に帰属する当期純利益を550,000百万円へ上方修正(前回予想488,000百万円から+62,000百万円、+12.7%)
- 年間配当予想を601円へ増額修正(前回予想533円から+68円、期末配当337円)
- 自己資本比率75.3%(前期末70.1%)への上昇によるバランスシート健全性の改善
- 3Q累計で営業活動によるキャッシュ・フロー333,964百万円を確保し、投資・還元を両立するキャッシュ創出力を維持
- 自己株式数の減少(13,522,282株→13,227,864株)による資本政策の継続性
3Q決算を踏まえた懸念点
売上高は前年同期比-2.5%と横ばい圏ながら、利益は二桁減となり収益性の振れが顕在化。研究開発・販管費の増加も重なり、マージン回復の確度が次四半期以降の焦点。
- 3Q累計の営業利益419,293百万円(前年同期比-18.3%)と利益成長の一服感
- 3Q累計の売上総利益率44.7%(前年差-2.3pt)と粗利率の低下
- 販管費合計355,399百万円(前年同期比+10.3%)、うち研究開発費201,069百万円(同+13.4%)とコスト増局面
- 投資活動CF▲129,732百万円(前年同期比で支出拡大)と設備投資負担の増勢
- 現金及び現金同等物284,726百万円(前期末比▲176,881百万円)と手元流動性の低下
注目点/今後確認したいポイント
- 通期上方修正のドライバー内訳(営業面の上振れか、非経常・特別要因の寄与か)の精査
- 売上総利益率の低下要因(製品ミックス、原価、稼働率、価格条件等)と4Qでの反転可能性
- 研究開発・設備投資の増勢が将来成長(先端/メモリ/生成AI関連投資)に結び付く時期の確認
- 通期純利益上方修正(+62,000百万円)の内訳
- 3Q累計で売上総利益率が前年差-2.3pt低下した主因(製品構成、部材・外注、稼働率、価格)
- 研究開発費が前年同期比+13.4%となった重点領域と、将来の受注・装置ラインアップへの反映時期
- 4Qの売上・利益の季節性、ならびに通期営業利益593,000百万円達成に必要な4Q水準の考え方
- 投資活動CF支出拡大の内訳(有形固定資産、投資その他)と投資回収のKPI
- 自己株式取得(上限750万株/150,000百万円)の狙いと、取得ペース・消却方針
- 中国向け需要の現状と、先端/生成AI向け投資の立ち上がり見通し
- 装置生産性とフィールド生産性向上(DXソリューション等)による収益貢献の定量目標
- 受注残・納期・供給制約の足元状況(ボトルネックの有無)
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,731,715百万円 | -2.5% |
| 売上原価 | 957,023百万円 | +1.8% |
| 売上総利益 | 774,692百万円 | -7.3% |
| 販売費及び一般管理費 | 355,399百万円 | +10.3% |
| └研究開発費 | 201,069百万円 | +13.4% |
| 営業利益 | 419,293百万円 | -18.3% |
| 経常利益 | 423,796百万円 | -18.7% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 360,164百万円 | -10.2% |
| EPS(四半期累計) | 785.90円 | -9.7% |
| 潜在株式調整後EPS(四半期累計) | 783.23円 | -9.7% |
事業セグメント別の業績
単一セグメント(半導体製造装置)につき、全社業績として整理。3Q累計は売上高1,731,715百万円(前年同期比-2.5%)と横ばい圏も、売上総利益率の低下と販管費増により営業利益419,293百万円(同-18.3%)へ減益着地。コスト面では研究開発費が201,069百万円(同+13.4%)と増勢で、次世代領域への先行投資色が強い構図。
セグメント別業績表
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 半導体製造装置(連結) | 1,731,715百万円 | -2.5% | 419,293百万円 | -18.3% | 24.2% |
- 該当なし
- 該当なし
業績予想比の進捗率
3Q累計の売上高進捗は71.9%(通期2,410,000百万円に対し1,731,715百万円)と順調圏。営業利益進捗は70.7%(通期593,000百万円に対し419,293百万円)で、利益面は4Qでの粗利率・費用コントロールが達成可否を左右する局面。純利益進捗は65.5%(通期550,000百万円に対し360,164百万円)で、通期上方修正後のハードルは相応に上昇。
| 勘定科目 | 数値 (第3四半期累積) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,731,715百万円 | 2,410,000百万円 | 71.9% |
| 営業利益 | 419,293百万円 | 593,000百万円 | 70.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 360,164百万円 | 550,000百万円 | 65.5% |
- 該当なし
業績予想の変更有無
通期連結業績予想の修正あり。売上高・営業利益・経常利益を小幅増額しつつ、親会社株主に帰属する当期純利益を大きく上方修正する形で、利益計画の確度引き上げが示唆される内容。
- 売上高:従来2,380,000→新2,410,000
- 営業利益:従来586,000→新593,000
- 純利益:従来488,000→新550,000
- 修正理由:最新の顧客設備投資動向を踏まえ通期見通しを修正、投資有価証券売却益の織り込み
株主還元への言及
配当予想の修正あり。年間配当予想を601円(中間264円、期末337円)へ引き上げ。業績連動型配当を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目標とする方針を明記。
財務状況
自己資本比率75.3%まで上昇し、厚い自己資本を背景とした財務健全性の改善局面。一方、現金同等物は前期末比で減少し、投資・還元の実行に伴うキャッシュ配分の変化が進行。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 284,726百万円 | 前期末比▲176,881百万円 |
| 総資産 | 2,635,015百万円 | 前期末比+9,034百万円 |
| 流動資産合計 | 1,635,816百万円 | 前期末比▲164,939百万円 |
| 固定資産合計 | 999,198百万円 | 前期末比+173,973百万円 |
| 純資産 | 2,005,249百万円 | 前期末比+150,040百万円 |
| 自己資本 | 1,982,981百万円 | 前期末比+143,052百万円 |
| 自己株式 | ▲277,658百万円 | 前期末比で減少(前年差+5,507百万円相当の改善) |
| 有形固定資産合計 | 573,961百万円 | 前期末比+132,255百万円 |
| EBITDA | 476,724百万円 | 弊社試算(営業利益419,293+減価償却費57,431) |
決算発表と同時に出たニュース
- 2026/02/06自己株式の取得を決議(上限750万株、上限150,000百万円、取得期間2026/02/09〜2026/03/31、ToSTNeT-3含む市場買付想定)(決算短信「重要な後発事象の注記」)
足許四半期中の主要発表
- 2025/11/21東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ 東北生産・物流センター竣工(「生産・物流機能」の拡充による供給能力・サービス体制強化の示唆) 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ 東北生産・物流センター竣工のお知らせ tel.co.jp
- 2025/12/15300mmウェーハ塗布・現像装置CLEAN TRACK™ LITHIUS Pro DICE™ 販売開始(前工程の主力プロダクト強化、先端投資需要取り込み余地) 300mmウェーハ塗布・現像装置CLEAN TRACK™ LITHIUS Pro DICE™ 販売開始のお知らせ tel.co.jp
- 2025/12/15300mmウェーハ対応バッチ式熱処理成膜装置EVAROS™販売開始(成膜領域のラインアップ拡充、顧客投資局面での採用拡大に注目) 300mmウェーハ対応バッチ式熱処理成膜装置 EVAROS™販売開始のお知らせ tel.co.jp
過去1年間の大量保有報告/重要提案
該当なし
株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。
- 目的と投資判断に関する免責
本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。
- 情報源、正確性、および保証の否認
本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。
- 責任の限定
本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。
- 利益相反の可能性
エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。
- 報告内容の変更・更新義務の否認
本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。
- 言語の優先順位
本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。
- 著作権
本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。
- 他の投資商品への利用
本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。

