タムロン 通期 決算速報
写真関連のOEM減・円高逆風を増収事業が下支え、26/12期は売上高910億円・営業利益185億円計画
通期決算を踏まえた評価点
写真関連の外部環境逆風下でも、車載・医療を含む成長領域が収益の下支えとして機能し、営業利益率19.6%と高水準を維持した点を評価。モビリティ&ヘルスケア、その他事業が売上高123億36百万円(前年差+8.9%)、営業利益26億99百万円(前年差+9.0%)と伸長し、事業ポートフォリオ分散の進展を確認。
- モビリティ&ヘルスケア、その他事業の増収増益:売上高123億36百万円(前年差+8.9%)、営業利益26億99百万円(前年差+9.0%)と堅調推移
- 監視&FA関連の利益体質改善:売上高120億91百万円(前年差-1.8%)ながら、営業利益16億75百万円(前年差+7.0%)と増益確保
- 高い収益性の維持:売上高850億71百万円(前年差-3.8%)の減収局面でも営業利益率19.6%(前年差-2.1pt)を確保
- 財務余力の継続:自己資本比率81.0%(前年差+0.4pt)、インタレスト・カバレッジ・レシオ199.0倍と高水準
- 株主還元と資本政策の継続:配当は業績低迷も期初計画通り実施し配当性向50%、自社株買い前年比2倍の規模で実施し総還元性向80%以上
通期決算を踏まえた懸念点
利益面はコストダウンを進めるも、減収影響に加え原材料・光熱費、人件費、研究開発費の増加が重石となり、営業利益166億38百万円(前年差-13.4%)と減益。写真関連事業のOEM出荷減と為替(対米ドル円高)影響が、主力事業の伸びを抑制した構図。
- 写真関連事業の減収減益:売上高606億43百万円(前年差-6.5%)、営業利益156億30百万円(前年差-13.7%)と全社減益の主因
- 全社利益の減少:営業利益166億38百万円(前年差-13.4%)、経常利益166億99百万円(前年差-13.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益117億61百万円(前年差-19.0%)
- 研究開発・販管費増の継続:技術研究費73億13百万円(前年差+3.1%)、販管費合計207億79百万円(前年差+2.9%)と増加基調
- 為替差損の拡大:為替差損4億39百万円(前年差+2億81百万円)と営業外での下押し
- キャッシュ創出力の低下と資本政策負担:営業CF150億96百万円(前年差-14.4%)、財務CF▲111億29百万円(前年差支出拡大)、期末現金及び現金同等物353億71百万円(前年差-30億12百万円)
注目点/今後確認したいポイント
- 写真関連のOEM回復可否と、自社ブランド新製品投入増による数量・ミックス改善の実現度合いの見極め
- 監視&FA領域における在庫調整解消後の需要回復タイミングと、カメラモジュール新機種立ち上げ遅れのキャッチアップ進捗
- 車載(ADAS)・医療(極小径・薄膜技術)での案件積み上げが、売上高100億円/10億円到達後も継続成長へ接続可能かの検証
- 写真関連OEMの減収要因(受注機種の販売低迷、在庫、顧客別要因)の内訳と、26/12期の前提置き
- 自社ブランドの地域別(日本・米国・インド増、欧州・中国弱含み)を踏まえた販促・チャネル戦略の再設計方針
- 研究開発費増(技術研究費73億円)の重点領域と、売上貢献までの時間軸
- 監視&FAの売上総利益率改善の中身(製品構成、原価改善、価格改定)と持続性
- FA/マシンビジョンの在庫調整の解消見立てと、受注回復の先行指標
- カメラモジュールの開発遅れ要因と、顧客要求仕様・リソース配分の課題認識
- 車載レンズの「初の100億円」到達後の伸長ドライバー(採用品目数、搭載台数、単価)の内訳
- 医療用レンズ「初の10億円」到達の主要用途・顧客構成と、量産体制の拡張計画
- 為替前提(26/12期:1米ドル=148円、1ユーロ=175円)に対する感応度とヘッジ方針
- 自己株取得・消却の方針(取得ペース、ターゲット水準)と、成長投資とのバランス
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 85,071百万円 | -3.8% |
| 売上総利益 | 37,417百万円 | -5.0% |
| 売上総利益率 | 44.0% | -0.5pt |
| 販売費及び一般管理費 | 20,779百万円 | +2.9% |
| 営業利益 | 16,638百万円 | -13.4% |
| 営業利益率 | 19.6% | -2.1pt |
| 経常利益 | 16,699百万円 | -13.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,761百万円 | -19.0% |
| EPS | 72.79円 | -17.2% |
| 包括利益 | 13,339百万円 | -25.5% |
| 総資産 | 106,046百万円 | +3.8% |
| 純資産 | 85,911百万円 | +4.3% |
| 自己資本比率 | 81.0% | +0.4pt |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 35,371百万円 | -7.8% |
| 営業CF | 15,096百万円 | -14.4% |
| 投資CF | -7,339百万円 | 支出拡大 |
| 財務CF | -11,129百万円 | 支出拡大 |
事業セグメント別の業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 写真関連事業 | 60,643百万円 | -6.5% | 15,630百万円 | -13.7% | 25.8% |
| 監視&FA関連事業 | 12,091百万円 | -1.8% | 1,675百万円 | +7.0% | 13.9% |
| モビリティ&ヘルスケア、その他事業 | 12,336百万円 | +8.9% | 2,699百万円 | +9.0% | 21.9% |
| 調整額 | - | - | -3,367百万円 | - | - |
| 連結合計 | 85,071百万円 | -3.8% | 16,638百万円 | -13.4% | 19.6% |
- モビリティ&ヘルスケア、その他事業:売上高+8.9%と増収、ADAS普及によるセンシング用途拡大で車載が増収、医療は売上高が前期比約1.5倍で初の10億円到達
- 監視&FA関連事業(利益):売上高-1.8%ながら営業利益+7.0%、売上総利益率改善と販管費抑制が寄与
- 写真関連事業:売上高-6.5%、OEMの出荷減および一部市場停滞が重石
- 監視&FA関連事業(売上):FA/マシンビジョンが顧客在庫調整、カメラモジュールが新機種開発遅れの影響で減収
業績予想の変更有無
2026年12月期会社計画の開示のみ(売上高910億円、営業利益185億円、経常利益185億円、親会社株主に帰属する当期純利益136億円90百万円)。為替前提は1米ドル=148円、1ユーロ=175円。
株主還元への言及
2026年12月期配当予想は年間37.00円(中間10.50円、期末26.50円)を計画。2025年12月期は株式分割影響を考慮した換算ベースで年間36.25円相当(中間10円、期末26.25円)となり、配当水準の維持・微増方針の位置付け。
財務状況
自己資本比率81.0%の高水準を維持し、実質的に低レバレッジな財務体質を継続。投資有価証券の積み上がりと設備投資を進めつつ、配当・自己株取得を並行させた資本配分局面。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 35,371百万円 | 前期比-7.8% |
| 総資産 | 106,046百万円 | 前期比+3.8% |
| 純資産 | 85,911百万円 | 前期比+4.3% |
| 自己資本 | 85,911百万円 | 前期比+4.3% |
| 有利子負債 | 1,045百万円 | 短期借入金798+長期借入金247 |
| └ 短期借入金 | 798百万円 | 前期比-56.9% |
| └ 長期借入金 | 247百万円 | 前期比-33.1% |
| 投資有価証券 | 8,997百万円 | 前期比+34.3% |
| 有形固定資産 | 20,335百万円 | 前期比+6.2% |
| EBITDA | 20,161百万円 | 営業利益16,638+減価償却費3,523(弊社試算) |
決算発表と同時に出たニュース
- 該当なし
足許四半期中の主要発表
- 2025/12/04「150-500mm F5-6.7 (Model A057)」ファームウェア(Ver. 4)アップデート公表(「150-500mm F5-6.7 (Model A057)」ファームウェア(Ver. 4)アップデートのお知らせ)(https://www.tamron.com/jp/consumer/news/2025/) tamron.com
- 2025/10/21高倍率ズーム「25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2(Model A075)」を11/20発売と発表(広角端25mm・AF性能等を訴求)(広角端25mm F2.8はじまり。光学・AF性能も向上した高倍率ズームレンズ。25-200mm F2.8-5.6 G2 (Model A075)ソニー Eマウント用2025年11月20日より発売)(https://www.tamron.com/jp/consumer/news/detail/a075_20251021.html) tamron.com
- 2025/10/07「70-180mm F2.8 G2(Model A065)」ニコンZマウント用の発売を発表(手ブレ補正搭載・小型軽量を訴求)(手ブレ補正機構を搭載した、クラス最小・最軽量* 70-180mm F2.8 G2 (Model A065) ニコン Z マウント用発売のお知らせ)(https://www.tamron.com/jp/consumer/news/detail/a065z_20251007.html) tamron.com
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- Effissimo Capital Management: 13.06%→14.12%(2025/12/03義務発生日、2025/12/10提出) - 追加取得による保有比率引き上げ(ポジション積み増し)
- Effissimo Capital Management: 12.04%→13.06%(2025/10/16義務発生日、2025/10/23提出) - 追加取得による保有比率引き上げ
- りそなアセットマネジメント: 5%超の変更報告(2025/06/13義務発生日、2025/06/20提出) - 保有比率変動(ポジション調整)
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