タムロン 通期 決算説明会速報
26年は自社レンズ新製品10本以上を上期から順次投入、総還元性向60%継続も機動実行へ
サマリー
25年は写真OEMの大幅出荷減が響き減収減益となった一方、4Qは全セグメントで増収増益と回復軌道を確認した決算。説明会では、26年の成長ドライバーとして自社ブランド新製品10本以上の上期前倒し投入を明言し、欧州・中国のテコ入れを収益回復の中心に据えた点が注目点。還元面では、26年は期初からのバイバック枠設定を行わず、タイミングと方法を見極めつつも総還元性向60%は実施予定と説明。供給面の不確実性に関しては、部材高は計画織り込み済みでコストダウン吸収、レアアース規制は現時点で影響限定との見解を示した。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- 交換レンズ市場は数量横ばい、金額は高付加価値需要を背景に微増との見立て、地域別では欧州・アジアがプラス、日本・米国は厳しめ、中国は横ばいからW11次第で+5%の余地との整理
- 写真事業は自社ブランドの伸長で稼ぐ体制へシフトを加速、OEMは調整局面を前提にしつつ中長期で開発機種数増を志向
- 監視市場は安定成長、車載はADASで需要拡大継続も、中国ではプレイヤー増加に伴う価格要求強まりを織り込み慎重計画
- 長期ビジョンを撮り、測り、つなぐ。人と自然の健康を創造する企業へへ刷新、総合光学センシングソリューション企業への認知転換を強調
- 資本コストを上回るROEを中核KPIに据え、成長投資と還元の両輪を継続する姿勢を再確認
- 足元の事業進捗と要因
- 25年通期は写真OEMの所要減が最大の減益要因、売上減による粗利減が営業利益を▲13億円押し下げ
- 4Qは全セグメント増収増益で着地し回復を示唆、写真自社は四半期で初の売上100億円突破
- 一方で説明会では、写真セグメントの3Q→4Qの利益悪化要因として欧州・中国の販売不振に伴う在庫増と内部利益消去増、米国関税影響の増加、期末要因、広告宣伝費・R&D等の販管費増を具体的に説明
- 監視&FAは売上微減でもミックス改善と販管費抑制で利益率を約14%へ引き上げ、収益基盤の強化を確認
- モビリティ&ヘルスケアは車載売上高100億円突破、医療売上高10億円突破を明確化し、成長投資局面へ移行
- 戦略的な重要施策や変化点
- 26年の自社ブランドは新製品10本以上投入を約束、前年の下期偏重から上期の早い時期より随時投入へ前倒し
- 自社ブランドの地域回復シナリオを具体提示、欧州+10%、中国+5%、日本+5%、米国+10%、代理店地域+5%(現地通貨ベース計画)
- 監視&FAは新規分野で最低1テーマの新製品上市を26年ミッションとして明言、技術の事業化フェーズへ
- 還元は総還元性向60%を継続する一方、自己株取得はタイミングと方法を見極めた機動運用へ
- 供給リスク対応としてレアアース規制の影響評価を説明、レンズは加工工程で規制回避、マグネットは規制対象外水準かつDYフリー材対応推進と整理
今後の見通しと戦略
- 通期計画は売上高91,000百万円、営業利益18,500百万円と増収増益、営業利益率20.3%を目標
- 写真関連は売上高63,000百万円、営業利益17,200百万円を計画、自社390億円へ伸長、OEMは240億円へ微減を織り込み
- 写真の上期はOEM受注減の継続が重しとの説明、上期から新製品投入でもミックス上の伸びは下期寄与が中心との構造認識
- 監視&FAは売上高14,500百万円へ約2割増を計画、FA在庫調整継続の完了とカメラモジュールの新機種開発遅れのキャッチアップを回復要因に設定
- モビリティ&ヘルスケアは売上高13,500百万円へ増収計画も、コストダウン要請・育成投資で営業利益率は18.5%へ低下を織り込み
- 株主還元は総還元性向60%を実施予定、自己株取得は実施時期・方法を検討し機動的に対応
- 部材高は計画に織り込み済み、コストダウンで吸収を継続する方針...
ポジティブ要因
- 自社ブランド新製品10本以上を上期から順次投入し、新製品ドリブンで販売回復を狙う方針の具体化
- 自社ブランド地域別計画として欧州+10%、中国+5%、米国+10%を提示し、回復ターゲットが明確
- 監視&FAで25年に営業利益率13.9%まで改善、26年も13%台維持計画で収益基盤の安定感
- 車載は25年に売上高100億円突破、ADAS需要を背景に26年も売上高+9.5%計画で成長継続
- 医療は25年に売上高10億円突破、26年も+19.9%計画で高成長継続
- 還元姿勢として総還元性向60%の継続を明言、実施タイミング最適化で資本効率の改善余地
- レアアース規制に関する影響を限定的と説明し、供給面の不確実性を相対的に抑制
懸念事項・リスク
- 写真OEMの受注調整が26年上期も継続見通し、上期の売上・利益の重しとなる構造
- 欧州・中国での販売不振が在庫増や内部利益消去増につながった説明があり、需要回復の確度が焦点
- 米国関税影響は25年の減益要因であり、26年も織り込み済みとはいえ追加影響の不確実性が残存
- 新製品10本以上の前倒し投入は実行負荷が高く、開発・供給・販促の同時並行に伴う費用増リスク
- モビリティ&ヘルスケアは増収でも利益率低下計画で、顧客のコストダウン要求強まりが収益を圧迫し得る
- 部材価格上昇は計画織り込みでも、想定超過時はコストダウン吸収の難易度が上昇
- 中国車載市場はプレイヤー増加と価格競争激化を会社側も認識、成長率の上振れ余地よりも収益性維持が焦点
業績ハイライト
25年通期は売上高85,071百万円、営業利益16,638百万円と減収減益。写真OEMの出荷減を主因に利益が押し下げられた一方、4Qは売上高21,967百万円、営業利益3,251百万円と増収増益で回復を確認。
- 連結業績サマリー
- セグメント別業績
| 項目 | 当期累計 | 前年同期 | 前年同期比 | 当四半期 | 前年同四半期 | 前年同四半期比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 85,071百万円 | 88,475百万円 | -3.8% | 21,967百万円 | 20,019百万円 | +9.7% |
| 営業利益 | 16,638百万円 | 19,201百万円 | -13.4% | 3,251百万円 | 2,469百万円 | +31.7% |
| 純利益 | 11,761百万円 | 14,526百万円 | -19.0% | 1,702百万円 | 2,297百万円 | -25.9% |
- 配当金(年間): 36.25円 (前年同期比 +1.25円)
- 配当性向: 49.8% (前年同期比 +10.0pts)
- 総還元性向: 84.1% (前年同期比 +30.1pts)
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