サマリー
中間期の売上高は過去最高、営業利益は連結決算移行後の最高を更新。中古トレカ、中古ゲーム、新品ホビーが販管費の増加を吸収した。経営陣は質疑で、トレカと中古ゲームの見通しを晴れやかと表現した。次の段階として、TAYSの海外展開、台湾での人材育成と現地買取の開始、買取チャネル強化とセットでのEC拡大を示した。通期予想は9月25日に上方修正済み。配当は成長投資とのバランスを踏まえ4円に据え置いた。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- トレカは市場の一層の拡大を想定し、直営出店とBtoB取引拡大の主要商材に位置付け。人材面と事業基盤の早期形成を急ぐ方針
- 中古ゲームはレトロゲーム市況が底堅い。潜在的な商品を獲得するため、買取チャネルの多様な拡大を志向
- コロナ禍以降の環境変化を受け、リアル店舗の出店を強化。テイツーが店舗、山徳がECを担う役割分担を確立
- 足元の事業進捗と要因
- 1Qは新型ゲームハードの価格改定前の駆け込み需要が寄与し、営業利益率は6.8%の高水準
- 2Q単独売上高は104.0億円(前年同期107.7億円)にとどまった一方、営業利益率は3.6%→5.2%に改善
- 中古の構成比が+2pt上昇(中古トレカ+3pt、新品ゲーム▲2pt)。この商品構成の変化が粗利率の改善に寄与
- EC販売を大型ECモール経由に特化し、テイツー単体のEC事業収益が改善。グループの調達と販売のバランスが整い、当期業績に反映
- 戦略的な重要施策や変化点
- TAYSは導入拠点の拡大で商品マスターの信頼性が向上。次の段階として海外展開を試行する方針
- 台湾は試験段階。国内からの商品供給中心の運営から、人材育成の強化と現地買取の開始へ移行する方針
- IoT自販機は2027年上期のリリースへ向け調整に入った段階。直営店舗のないエリアで新たなBtoB収益源に育てる位置付け
- ふるいちオンラインを2026年6月に終了し、グループのEC機能を山徳へ集約。八潮市では店舗と倉庫を兼ねるロードサイド拠点を計画
今後の見通しと戦略
- 通期予想は売上高43,500百万円、営業利益2,000百万円、純利益1,000百万円に上方修正済み。上期の進捗率は売上高50.8%、営業利益66.6%(当レポート試算)
- 通期予想が示す下期営業利益は668百万円で、前年同期の771百万円を下回る保守的な前提(当レポート試算)
- 中長期目標は2029年2月期に売上高500億円、営業利益25億円。既存の小売事業に加え、IPビジネス領域とグローバル領域の新規開拓が前提
- ECは新たな買取チャネルの強化とセットで拡大する方針。業績予想へ反映する段階に向け、現在事業を調整中
- TAYSの海外展開準備と台湾の店舗インフラ整備は投資が段階的に発生する見通し。台北2店舗目は物件探索を継続中
- 配当予想は1株4円で据え置き。1Qに自社株買い248百万円を実施し、総還元性向は50.4%の計画
ポジティブ要因
- 2026年9月の月次売上高はグループ全体で前年同月比129%、新品は154%(月次開示)。新品トレカが牽引し、下期は好スタート
- トレカ大会の開催は2025年度に年間32,540回。店舗数の増加に合わせ、前年度を上回る開催回数を継続する予定で、顧客コミュニティの基盤が厚い
- TAYSは特許を取得した自社開発システム。付帯サービスのPOP×THREEも投入し、買取から売場づくり、販促までを一貫して支援
- 中古ゲームと中古トレカでインバウンド需要を獲得。レトロゲームの買取強化で、市況の底堅さを取り込む体制
- 直営店、FC店、BtoB取引の展開は山形県を除く全都道府県と台湾に拡大。FC業務委託を通じたストック型収益の構築が進展
- 会員基盤は240万人規模。モール出店は累計49店舗に達し、新たな出店でも再現できる運営ノウハウを持つ
懸念事項・リスク
- 熊本地震による災害損失32百万円は最終的な影響額ではない。被災店舗(イオンモール熊本店は休業中)の扱いは関係先と協議予定
- 新型ゲームハードの反動と価格変更で新品ハードの売上が減少。2Qは前年同期比で減収となり、ハードのサイクルに業績が左右されやすい
- 人件費は+12%(新規出店、給与水準の引き上げ)、手数料は+17%と増加。FC委託販売手数料+100百万円、キャッシュレス決済手数料+34百万円が要因で、コスト上昇圧力が続く
- 在庫の積み増しで営業CFは▲150百万円。短期借入金は2,600百万円(前期末比+1,100百万円)に増加し、在庫回転の管理が重要
- トレカの売上構成比は新品と中古の合計44.0%で、相場が安定していることが好調の前提。相場が変動した場合の影響度は高い
- 台湾事業とTAYSの海外展開はいずれも試験段階で、先行投資の回収時期は未確定
業績ハイライト
中間期の売上高は過去最高、営業利益は連結決算移行後の最高を更新した。経常利益は1,364百万円(+130.3%)、親会社株主に帰属する中間純利益は788百万円(+134.0%)。純利益はコロナ特需期だった2021年2月期中間期を上回る水準。特別損失は64百万円で、熊本地震の災害損失と関連会社株式の売却損が中心。
- 売上総利益率: 36.0%(前年同期34.7%、+1.3pt)
- 販管費率: 30.0%(前年同期31.6%、▲1.6pt)
- 営業利益率: 6.0%(前年同期3.1%、+2.9pt)
- 中古商品の売上構成比: 53.7%(前年同期比+2pt)
- 商品在庫: 5,545百万円(前期末比+655百万円)
- グループ店舗数: 190店舗(2026年10月15日時点、2026年2月末は175店舗)
- TAYS導入拠点数: 550拠点超(2026年9月末時点、直営店とFC店を含む)
Q&A 一覧
- Q
トレカおよび中古ゲームなど主要商材の今後の見通しをどのように考えているか。
Aトレカについては、今後一層の市場拡大が予想されており、直営店の出店、BtoB取引の拡大についても主要商材として位置づけており、人材面、事業基盤の早期形成に努めてまいりたいと考えている。中古ゲームについては、レトロゲーム市況が底堅く活況であるため、潜在的な商品獲得を強化するための様々な買取チャネルの拡大を志向している。引き続き、これらの主要商材の見通しについては晴れやかであると考えている。
- Q
トレカの自動査定機TAYSの導入が順調に進んでいるようだが、今後TAYSを活用した事業をどのように発展させていきたいと考えているか。
A中古品の取扱業者の買取業務を支えるツールとして大変評価されていると実感しており、また、現在のように拠点が拡大したことで、より信頼性の高い商品マスターのクオリティを付与できているので、より一層ユーザーの獲得に結びつけることができればと引き続き考えている。次のフェーズとして海外での展開を試行したいと思うので、今後はその準備にかかる投資も段階的に発生するものと考えている。
- Q
台湾での店舗展開を進めているが、海外事業について今後どのような可能性を感じているか。
A現地の事業ポテンシャルの高さは十分認識することができており、現在は試験的なフェーズとして位置づけている。これまでは国内からの商品供給で売り場の展開をしているが、次の段階として店舗運営に不可欠な人材育成の強化と現地買取業務をスタートさせたいと考えている。また、取扱商品としてトレカが大きなユーザー支持を受けていることが期待されるので、当社が得意とする運営を実現するため、海外での店舗インフラ環境を整備し、海外展開、拡大に向けた投資を段階的に行ってまいりたいと考えている。
- Q
ふるいちオンラインのサービス終了後、外部モールへの販売機能強化を進めているとのことだが、今後のEC事業をどのように育てていく方針か。
A今期から100%子会社の山徳にグループ全体のECを機能集約することで、EC事業領域の効率化を実現させている。振り返ると、テイツーグループとしてはコロナが始まって以降、大きな事業環境の変化の中に身を投じることになったと思っており、試行錯誤の中で導き出した取り組みとしてリアル店舗の出店強化を行ってきた。その結果、グループ内においてテイツーと山徳それぞれの特性を活かした役割分担の形を導き出し、当期からテイツー単体におけるEC販売チャネルとしては大型ECモールを介した販売ルートに特化した営業活動を行い、事業単独収益としても大きな改善を実現している。グループ全体の商品調達と販売のバランスが整えられたことで、当期の業績の改善にしっかりと反映することができた状況であると思っている。今後のECの拡大については、新たな買取チャネルの強化とセットで前向きに検討し、業績予想に反映していく段階に結びつけていきたい。したがって、EC自体も調達とのバランスの中で、調達チャネルの増強、拡大の中でしっかりと増やしていくビジョンを持ちたいというフェーズに向かって、現在事業調整を加えている状況である。
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