サマリー
2027年2月期1Qは売上高117.2億円(前年同期比+36.9%)、営業利益7.9億円(同+257.7%)と、連結決算移行以来の四半期過去最高を更新。新型ゲームハードの供給安定化と価格改定前の駆け込み需要が新品ゲーム売上を前年比226.5%へ押し上げたほか、中古トレカ(同139.1%)、中古ホビー(同119.7%)も好調に推移した。藤原社長は説明会で、本の粗利構造が前年同期比約5%改善している点や、台北2店舗目の契約締結済みであることなど、決算短信には記載のない定性情報を開示。通期予想は売上高425億円、営業利益16億円を据え置き、駆け込み需要の反動や後半の商材動向を見極める姿勢を示した。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- 再成長期の位置づけを継続し、出店・DX・海外への積極投資方針を堅持
- エンタメ市場の活況を自社システムと店舗網で全量取り込む力が競争優位と認識
- 後半にIP周年イベント等の需要喚起材料が控え、新品調達力を活かした販売準備を進行中
- 足元の事業進捗と要因
- 新品ゲーム前年比226.5%が1Q増収の最大ドライバー。ハード供給安定化と価格改定前駆け込みが背景
- 本の売上は前年比98.3%と微減だが、DX化推進で粗利構造が前年同期比約5%改善(口頭開示)
- 販管費率35.1%→27.9%(▲7.2pt)と規模効果が顕在化し、営業利益率2.6%→6.8%へ上昇
- 戦略的な重要施策や変化点
- 駿河屋との資本業務提携を解消し業務提携へ移行、同社保有株をToSTNeT-3で自己株取得(248百万円)
- ふるいちオンラインを6月末で終了、EC販売機能をAmazon・ヤフオクへ集約
- 台北2店舗目の契約を締結済み、今秋オープンを目標に準備中
- TAYS付帯サービスPOP×THREEをリリース、買取告知・売場POP生成まで現場業務を自動化
今後の見通しと戦略
- 通期予想は売上高425億円、営業利益16億円を据え置き。1Q進捗率は売上高27.6%、営業利益49.5%と高水準だが、駆け込み需要の反動を見極める方針
- 中長期目標は2029年2月期に売上高500億円、営業利益25億円。小売(EC含む)の成長にIP・グローバル領域の収益を上乗せする構想
- IoT搭載トレカ自販機の自社開発に着手、従来機比でコストを大幅低減し来期以降に現場導入予定
- 商材多様化(ブランド品・アパレル雑貨等)のテスト展開を推進、下期以降に本格展開へ移行予定
- 山徳のEC物流を日本郵便へアウトソースし、夜間・土日出荷体制とリードタイム短縮を実現
- 配当は1株4円を維持、自社株買い248百万円実施済みで総還元性向63.0%
ポジティブ要因
- 1Q営業利益7.9億円は通期予想16億円の49.5%に相当し、上方修正余地を示唆
- TAYS導入550拠点突破、POP×THREE投入によりBtoB収益のストック化が進展
- トレカ大会年間32,540回開催、240万人超の会員基盤がコミュニティ型リテールの差別化要素
- モール出店累計48店舗へ拡大、出店コスト低減と幅広い顧客層へのリーチを両立
- 台北2店舗目の契約完了により、海外展開の実行フェーズが加速
- 中古トレカ前年比139.1%と相場安定化が追い風、新品との相乗効果で主力商材としての地位を強化
懸念事項・リスク
- 新品ゲーム前年比226.5%にはハード価格改定前の駆け込みが含まれ、2Q以降の反動減リスクが存在
- 新品構成比上昇(42.3%→47.3%)は売上総利益率の低下要因(37.7%→34.7%、▲3.0pt)
- 短期借入金が1,500→2,900百万円へ+1,400百万円増加、純資産比率は48.8%→44.5%へ低下
- エンタメ市場の商材サイクルへの依存度が高く、IP・タイトルの出数次第で業績が振れる構造
- ふるいちオンライン終了に伴うEC移行期において、顧客離脱や一時的な売上減の可能性
- TORICO株の売却を段階的に進行中(19.25%→4.30%)、資本政策の変化に伴う提携先との関係変化に注意
業績ハイライト
2027年2月期1Qは売上高11,721百万円(前年同期比+36.9%)、営業利益792百万円(同+257.7%)、経常利益816百万円(同+309.5%)、四半期純利益475百万円(同+421.8%)。新型ゲームハード関連の爆発的な売上増とトレカ・ホビーの好調により、連結決算移行以来の1Q過去最高を達成。販管費は+8.9%の増加にとどまり、規模効果で販管費率は27.9%まで低下した。
セグメント別業績
当社は単一セグメントのため、主要商材別の前年比を記載。
| 商材区分 | 売上高前年比 | 備考 |
|---|---|---|
| 中古 本 | 98.3% | 電子書籍普及の影響あるも粗利構造は改善 |
| 中古 ゲーム | 123.3% | ハード発売前の買い控え反動で伸長 |
| 中古 トレカ | 139.1% | 相場安定化と在庫回転重視の商品展開 |
| 中古 ホビー | 119.7% | インバウンド需要対応と買取強化 |
| 新品 ゲーム | 226.5% | 新型ハード供給安定化と駆け込み需要 |
| 新品 トレカ | 122.4% | 売れ筋銘柄の調達強化 |
| 新品 ホビー | 109.7% | グッズくじ調達とオリジナルIP商品開始 |
- 連結売上高: 11,721百万円(前年同期比 +36.9%)
- 営業利益率: 6.8%(前年同期 2.6%、+4.2pt)
- 売上総利益率: 34.7%(前年同期 37.7%、▲3.0pt)
- 販管費率: 27.9%(前年同期 35.1%、▲7.2pt)
- グループ店舗数: 185店舗(2026年7月15日時点)
- TAYS導入拠点数: 550拠点超(2026年6月末時点)
- トレカ大会年間開催回数: 32,540回(2025年度実績)
- 会員基盤: 約240万人規模
Q&A 一覧
- Q: 第1四半期の業績について、社長として特に評価している点を教えてほしいA: マーケット自体、メーカーの提供商材やいろんな施策が市場に与える影響、この活況であるということを捉えて、それを自社の業績に反映するという意味では大変うまく試合運びができたと思っている。元々の当社のシステム環境やお客様へのサービスの環境が相まって、店頭のスタッフ全員でデータベースで見ると大量のお客様との接点をこなしており、そういった一連の流れがうまく機能して、マーケットの活況を業績に反映できた。一方で、こういったマーケットの活況な動きにいい業績が導かれる反面、マーケットがなかなか大人しいという時には逆の現象も出がちであり、一部読み物を見ると業績が若干不安定であったりというのが、半分新品、半分中古で得意なものがエンターテインメント分野という業態の特徴ではあるが、改めて申し上げると自分たちの個性をうまく反映できた第1四半期だったと考えている。
- Q: 第1四半期の進捗を踏まえ、通期業績予想を据え置いている考え方を教えてほしいA: いいマーケットの環境があった時に、お客様のお財布の事情は1つなので、例えばそれが思ったより早く買いたいと。特にゲームのハードウェアの価格改定での駆け込み需要という言葉使いも資料の中でしているが、そういった部分で通期で得ていく利益を前倒しで取っているところは当然少なからずあるだろうと考えている。まだ始まって3カ月、第1四半期の段階なので、しっかり見極めてなるべく正確な公表をしていく必要があるという、会社の堅実な考え方を反映している部分もある。一方で通期で考えた時には有力商材やいろいろなIPタイトルの出数の推移がまだまだ後半では見えない部分もあり、その分は期待できる部分でもあるし、ゲーム等のタイトルでも過去にお客様の支持を得ている類のタイトルがリリースされるという情報もある。そういった部分がお客様の商品購入活動に直結してつながってくると思うので、今期については一定レベルで後半も安定した業績結果を導けるよう努力したいと考えている。
- Q: 第2四半期以降の事業環境と業績の見通しについて、現時点でどのように見ているかA: 今後の市場、マーケット環境という点では、エンターテインメント分野の様々なIPの取り扱いがあるが、やはり周年記念など非常にマーケットが盛り上がる、期待できるお祭りのような要素も後半に散りばめられているので、そういったところの取りこぼしが無いように、新品調達力の高い当社の特徴を活かしたお客様への提案ができるようにしっかりと準備して今後の盛り上がりを期待している。引き続き業績をより高く積み上げていけるよう努力してまいりたいと考えている。
株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。
- 目的と投資判断に関する免責
本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。
- 情報源、正確性、および保証の否認
本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。
- 責任の限定
本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。
- 利益相反の可能性
エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。
- 報告内容の変更・更新義務の否認
本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。
- 言語の優先順位
本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。
- 著作権
本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。
- 他の投資商品への利用
本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。