テイツー 1Q 決算プレビュー

新品ゲームハード特需の反動下で中古トレカ・EC領域の収益力と営業利益率3.8%への引き上げが焦点

配信日2026年7月13日 15:30 JST

サマリー

2026年2月期通期は売上高42,233百万円(+15.8%)、営業利益1,377百万円(+51.1%)と収益性を伴う成長を達成し、営業利益率は2.5%→3.3%へ改善した。2027年2月期の会社計画は売上高42,500百万円(+0.6%)に対し営業利益1,600百万円(+16.1%)と、トップライン横ばいのなかで利益率の引き上げを明確に志向する構成となっている。1Qでは、前年同期に寄与した新型ゲームハードの販売特需が剥落する一方、中古トレカや山徳社のEC売上がどこまで補完できるかが最大の確認項目となる。ショッピングモール出店の継続(4月に2店同時オープン)、ふるいちオンライン閉鎖によるEC経営資源の集約効果、そしてBtoBツール「TAYS」の外販動向など、成長戦略の質的転換が数値に表れ始めるかを見極める四半期である。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上成長1Q売上高の前年同期比推移と新品/中古構成比

6月月次はグループ売上前年比80%と新品反動減が顕在化。中古売上122%の持続性が通期計画42,500百万円の蓋然性を左右

利益率1Q営業利益率の前年同期比変化

通期計画の営業利益率3.8%(当レポート試算)は前期3.3%から+0.5pt改善が必要。1Qでの売上総利益率33.2%超の維持と販管費率の抑制が確認材料

EC事業山徳社への経営資源集中後のEC売上高

ふるいちオンライン閉鎖・山徳への集約方針が発表済。1QでのEC売上推移がグループ内シナジーの進捗を示す

店舗展開ショッピングモール新規出店数と既存店売上

前期末175店舗に4月2店追加。中期目標(2029年2月期売上高500億円、営業利益25億円)に向けた出店ペースと投資回収効率の確認

資本効率ROEの改善トレンド

前期ROE13.2%(前々期8.4%)。今期会社計画の純利益800百万円に基づくROE水準(当レポート試算:約11%)は低下見込みであり、特別損益を除いた本業ベースの収益力が重要

前回決算(2026年2月期 通期決算)を踏まえた主要論点

2026年2月期は売上高+15.8%、営業利益+51.1%と、前々期の減益基調から一転して収益拡大を達成した。ショッピングモール出店の加速(累計45店舗)、新品ゲーム売上の急伸(+49.0%)、中古トレカの好調(+19.5%)が三本柱となった一方、持分法投資損失の拡大(▲21百万円)や減損損失137百万円の計上など投資局面特有のコストも発生している。2027年2月期は「量から質」への転換局面と位置づけられ、利益率の持続的改善と成長投資のバランスが問われる。

1. 新品ゲームハード特需の反動と商材ミックスの変化

  • 前期: 新品ゲーム売上10,014百万円(+49.0%)、新品構成比49.9%
  • 今期確認: 1Qでの新品売上減少幅と、中古・ホビー・トレカによる補完の程度
  • 注目指標: 月次売上速報における新品/中古別の前年同月比推移
前期の新品ゲーム売上は10,014百万円(前年比+49.0%)と大幅に伸長し、新品売上全体を21,068百万円(+24.1%)へ押し上げた。しかし5月月次の新品売上前年比217%から6月は52%へ急減速しており、ハード発売サイクルの一巡が鮮明。

2. 売上総利益率と営業利益率の改善余地

  • 前期: 売上総利益率33.2%、販管費率29.9%、営業利益率3.3%
  • 今期確認: 新品比率低下による粗利率改善と、人件費・賃借料増加の相殺状況
  • 注目指標: 1Q営業利益率が通期計画3.8%を上回るペースかどうか
前期の売上総利益率は33.2%(前期33.7%)と新品構成比上昇に伴い小幅低下した一方、販管費率は29.9%(前期31.2%)へ改善し、営業利益率3.3%を実現した。今期通期計画は営業利益1,600百万円/売上高42,500百万円で営業利益率3.8%(当レポート試算)を示唆する。

3. EC事業の再編と山徳社の成長

  • 前期: 山徳社の営業拠点集約完了、宅配買取試験運用開始
  • 今期確認: ふるいちオンライン閉鎖後のEC売上推移と山徳社の売上成長率
  • 注目指標: EC関連売上の前年同期比、グループ内物流コストの変動
前期はリユースEC領域で山徳社の新拠点稼働・商材拡大が進み、宅配買取の試験運用も開始した。2027年2月期はふるいちオンラインを閉鎖し、EC経営資源を山徳社に集中する方針を明示。グループ内EC事業の効率化が収益に反映される初年度となる。

4. 店舗ネットワーク拡大と投資効率

  • 前期: 期末175店舗(モール45店舗)、有形固定資産取得784百万円
  • 今期確認: 1Q出店ペース(4月に2店オープン済)と既存店売上高の推移
  • 注目指標: 店舗あたり売上高・営業利益、減価償却費の増加額
前期は9店出店・6店退店で純増3店(期末175店舗)。ショッピングモール出店店舗数は累計45店舗に達した。建物及び構築物(純額)は563百万円→1,607百万円へ急増し、減価償却費も445百万円(+16.8%)に拡大。今期もモール出店・地方ロードサイド出店を継続する方針。

5. 財務体質とキャッシュ創出力

  • 前期: 営業CF1,936百万円、自己資本比率48.8%、債務償還年数1.5年
  • 今期確認: 出店投資と有利子負債圧縮の両立状況
  • 注目指標: 1Q末のネット有利子負債残高、フリーキャッシュ・フロー水準
前期は営業CF1,936百万円(+32.4%)を創出し、有利子負債を圧縮(短期借入金▲500百万円、長期借入金返済355百万円)。債務償還年数は1.5年、自己資本比率は48.8%へ改善した。社債200百万円が1年内償還予定に振替済であり、今期中の返済が見込まれる。また、財務体質の改善とキャッシュ創出力の向上を背景に、成長投資と株主還元の両立を進めている。2027年2月期会社計画では、配当4.00円/株、配当性向31.8%を予定しており、創出したキャッシュを事業成長に向けた投資に充当しつつ、株主還元にもつなげる方針が示されている。

今期中の主要な適時開示

  • 2026/07/07
    2026年6月月次売上概況 - グループ売上前年同月比80%。新品52%と反動減が顕在化する一方、中古122%と堅調を維持。新品ゲームハード特需一巡の影響度を測る重要データ。 2026年6月の月次売上概況のお知らせ
  • 2026/06/05
    2026年5月月次売上概況 - グループ売上前年同月比166%、新品217%と新型ゲームハード効果が顕著。中古135%も好調で、1Q前半の業績モメンタムの強さを示唆。 2026年5月の月次売上概況のお知らせ
  • 2026/05/19
    駿河屋との資本業務提携解消・業務提携への移行 - 資本関係を見直しつつ、店舗・EC・物流等の業務提携は継続。投資有価証券の異動に伴う損益影響(前期に売却益98百万円計上済)は限定的とみられるが、提携関係の変質に注視が必要。 株式会社駿河屋との資本業務提携解消及び業務提携への移行に関するお知らせ
  • 2026/04/23
    ふるいちイオンモール茨木店・筑紫野店の2店舗同時オープン - 関西・九州エリアでのモール出店を推進。成長戦略の具体的な進展として、1Q売上への寄与が期待される。 ふるいちイオンモール茨木店、筑紫野店 2026年4月23日(木)2店舗同時グランドオープン

前四半期の着地(2026年2月期 通期実績)

テイツーは「古本市場」「ふるいち」「トレカパーク」を中心とした多業態リユース店舗網と、100%子会社山徳のEC事業を両輪とするマルチパッケージ販売事業を展開する。「リユースで地域と世界をつなぐ」をグループビジョンに掲げ、2029年2月期の売上高500億円・営業利益25億円を中期目標として設定している。2026年2月期は新品ゲームハードの販売伸長とショッピングモール出店の加速が牽引し、全利益項目で前期比+47%超の増益を達成。自己資本比率48.8%、債務償還年数1.5年と財務体質も改善し、成長投資と株主還元の両立を果たした。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高42,233百万円+15.8%-新品ゲーム+49.0%、中古トレカ+19.5%が牽引
営業利益1,377百万円+51.1%-販管費率29.9%(前期31.2%)へ改善
経常利益1,355百万円+47.3%-持分法投資損失▲21百万円を計上
当期純利益867百万円+73.0%-特別利益167百万円(投資有価証券売却益98百万円等)計上
EPS13.65円+71.9%--

2027年2月期通期会社計画: 売上高42,500百万円(+0.6%)、営業利益1,600百万円(+16.1%)、経常利益1,600百万円(+18.1%)、当期純利益800百万円(▲7.8%)、配当4.00円/株(配当性向31.8%)

会社情報

  • 会社名
    : 株式会社テイツー
  • 証券コード
    : 7610
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 スタンダード市場
  • 決算期
    : 2月
  • 主要事業
    : 「古本市場」「ふるいち」「トレカパーク」等の多業態リユース店舗運営およびEC事業(子会社山徳)を通じた書籍、ゲーム、トレーディングカード、ホビー等の販売・買取(マルチパッケージ販売事業)
免責事項

株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。

  • 目的と投資判断に関する免責

    本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。

  • 情報源、正確性、および保証の否認

    本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。

  • 責任の限定

    本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。

  • 利益相反の可能性

    エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。

  • 報告内容の変更・更新義務の否認

    本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。

  • 言語の優先順位

    本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。

  • 著作権

    本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。

  • 他の投資商品への利用

    本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。