通期決算を踏まえた評価点
経常利益1,550億円(前年比+26.2%)、純利益1,065億円(同+28.6%)と2桁増益を達成。ソリューションビジネスの深化による預貸金利息・役務収益の伸長に加え、L&Fアセットファイナンスの子会社化(取込利益49億円)が収益基盤を厚くした。ROE7.9%(+1.5pt)へ改善し、来期9.0%を展望する点も資本効率向上を裏付ける。
- 3行合算コア業務純益(除く投信解約損益)1,696億円(前年比+358億円)、預貸金利息+209億円・役務+24億円が牽引
- 貸出金利回(国内)1.35%(+0.28pt)、総資金利鞘0.43%(+0.12pt)と利鞘改善が加速
- 貸出金末残17兆3,763億円(3行合算国内店、+4.2%)、法人+7.6%・個人+2.1%とバランスよく拡大
- 与信関係費用74億円(同▲20億円)、不良債権比率1.2%と低水準を維持
- 自己株式取得400億円・年間配当38円(配当性向40.4%)と株主還元を拡充
通期決算を踏まえた懸念点
営業経費1,498億円(前年比+11.7%)と増加ペースが粗利益増加率を下回るものの、物件費・人件費の双方が拡大。預金利息577億円(同+88.4%)と調達コスト上昇が資金利益の伸びを一部相殺しており、金利環境次第では利鞘改善の持続性にリスクがある。
- OHR48.7%(連結、▲2.8pt)と改善も、経費絶対額は前年比+157億円と増勢
- 預金利息577億円(前年比+271億円)、調達コスト上昇が続けば利鞘圧迫要因に
- 有価証券関係損益は国債等債券損益▲304億円(5勘定尻)と損失が拡大、債券ポートフォリオの入替コスト継続
- 営業CF▲1,217億円と支出超過、貸出金増加に伴う資金繰り変動に留意
- 東日本銀行のコア業務純益89億円(同▲7億円)と低調、グループ内収益偏重が進行
注目点/今後確認したいポイント
- L&Fアセットファイナンスの来期取込利益53億円計画(+4億円)の蓋然性。不動産担保融資特有の信用コスト動向と、横浜銀行との顧客シナジー実現ペースが焦点
- 来期連結純利益1,290億円(+21.1%)・ROE9.0%の達成可否。3行合算実質業務純益1,770億円(+379億円)計画は貸出金利回の更なる改善と経費率抑制の両立が前提
- 三井住友トラスト・パナソニックファイナンスへの15%出資など非銀行領域拡大の進捗。リース・総合金融機能の収益貢献時期と規模感
- 預金利息上昇が続く中での預貸金利回差の維持・拡大シナリオ
- L&Fアセットファイナンスにおける外国人・高齢者向けローンの信用コスト推移と引当方針
- 東日本銀行のコア業務純益回復に向けた具体施策とタイムライン
- 有価証券ポートフォリオの入替方針と今後の債券損益見通し
- 自己株取得の来期方針と総還元性向の目標水準
- 神奈川銀行の不良債権比率3.0%(3行中最高)の改善計画
- 人員372名増(連結6,313名)の背景と中期的な人件費コントロール方針
- バーゼル Ⅲ 最終化完全実施ベース CET1 ⽐率 11.4% 程度(有価証券評価差額金除くベース)における資本政策の⽅向性
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 490,724百万円 | +22.9% |
| 経常利益 | 155,018百万円 | +26.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 106,523百万円 | +28.6% |
| EPS | 94.02円 | +31.3% |
| 包括利益 | 196,514百万円 | +236.2% |
| 連結粗利益 | 307,136百万円 | +17.9% |
| └ 資金利益 | 260,262百万円 | +25.1% |
| └ 役務取引等利益 | 65,373百万円 | +9.5% |
| 営業経費 | 149,879百万円 | +11.7% |
| 連結業務純益 | 156,610百万円 | +24.8% |
| 与信関係費用 | 8,982百万円 | ▲17.1% |
| 総資産 | 25,670,496百万円 | +3.5% |
| 純資産 | 1,418,344百万円 | +9.7% |
| 自己資本比率 | 5.4% | +0.3pt |
| BPS | 1,263.05円 | +12.0% |
| 年間配当 | 38.00円 | +9.00円 |
| 配当性向 | 40.4% | - |
| ROE(東証基準) | 7.9% | +1.5pt |
事業セグメント別の業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 銀行業(単一セグメント) | 490,724百万円 | +22.9% | 155,018百万円(経常利益) | +26.2% | 31.5% |
- 横浜銀行・法人向け貸出:末残7兆8,630億円(+9.1%)、うち中小企業向け+8.8%。シンジケートローン等の手数料収益188億円(+30億円)も拡大し、ソリューション型営業が奏功
- 横浜銀行・役務取引等利益:421億円(+22億円)。法人向け預金・貸出業務収益356億円(+31億円)が牽引、為替業務101億円(+6億円)も堅調
- 個人向け投資型商品:グループ合計残高3兆1,862億円(+10.5%)。投資信託(含むファンドラップ)8,302億円(+10.7%)、保険1兆5,389億円(+4.0%)と資産管理型ビジネスが拡大
- 東日本銀行:コア業務純益89億円(前年比▲7億円)、貸出金平残▲261億円と縮小。不良債権比率2.6%と3行中高水準で収益性に課題
- その他業務利益(3行合算):▲261億円(同▲135億円)。円債入替・投信損切りによる国債等債券損益▲304億円(5勘定尻)が重石
業績予想比の進捗率
来期(2027年3月期)予想が新たに開示された。連結経常利益1,915億円(+23.5%)、純利益1,290億円(+21.1%)と2桁増益を計画。3行合算実質業務純益1,770億円(+379億円)はソリューションビジネス強化による粗利益拡大を前提とする。与信関係費用100億円(+26億円)とやや保守的に見積もっている。
| 勘定科目 | 数値(2026/3通期実績) | 来期計画(2027/3) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 連結経常利益 | 155,018百万円 | 191,500百万円 | +23.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 106,523百万円 | 129,000百万円 | +21.1% |
| 3行合算コア業務純益(除く投信解約損益) | 1,696億円 | 1,851億円 | +9.1% |
| 3行合算与信関係費用 | 74億円 | 100億円 | +35.1% |
- 銀行業特有の季節性として、年度末(3月)に法人向け貸出・為替取引が集中する傾向
来期の業績予想
2027年3月期の新規業績予想として、連結経常利益1,915億円(前年比+23.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,290億円(同+21.1%)が公表された。
株主還元への言及
2026年3月期の年間配当は38円(中間17円+期末21円)、配当性向40.4%。前期比+9円の増配。自己株式取得は417億円を実施(期末自己株式数33,138千株、前期比+30,009千株)。2027年3月期は年間配当47円(中間23円+期末24円)を予想、配当性向40.4%を維持予定。累進配当方針を継続。
財務状況
総資産25.7兆円、自己資本1.4兆円と資産規模を拡大しつつ、バーゼルⅢ(国際統一基準)にもとづく総自己資本比率14.94%・CET1比率14.42%と質の高い資本構成を維持。L&Fアセットファイナンス子会社化に伴うのれん66億円が無形固定資産に計上されたが、財務健全性に影響は限定的。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 総資産 | 25,670,496百万円 | 前期比+3.5% |
| 貸出金 | 17,667,404百万円 | 前期比+5.5% |
| 有価証券 | 3,077,662百万円 | 前期比+5.3% |
| 預金 | 20,877,254百万円 | 前期比+2.3% |
| 現金預け金 | 4,152,428百万円 | 前期比▲6.6% |
| 借用金 | 1,976,520百万円 | 前期比▲5.4% |
| 社債 | 35,000百万円 | 劣後特約付社債発行+350億円 |
| 自己資本 | 1,403,856百万円 | 前期比+9.0% |
| 貸倒引当金 | 87,144百万円 | 前期比+5.1% |
| のれん | 6,666百万円 | L&Fアセットファイナンス子会社化 |
決算発表と同時に出たニュース
足許四半期中の主要発表
- 2026/03/26横浜銀行がJCBおよびNTTデータと協働し、中小企業向けの法人ポータル/デジタル総合金融サービス開発に着手。請求書管理、オンラインレンディング、法人カード、非対面口座開設などを順次提供予定で、法人顧客接点とソリューション収益拡大に資する取り組み 中小企業向けデジタル総合金融サービスの提供に向けて 株式会社ジェーシービーおよび株式会社NTTデータと協働し開発に着手
- 2026/03/30横浜FGが三井住友トラスト・パナソニックファイナンスへ15%出資し、三井住友信託銀行・芙蓉リースとの共同事業化を進める基本合意を締結。浜銀ファイナンスの機能強化やリース・総合金融機能の拡充を狙う戦略的投資 三井住友トラスト・パナソニックファイナンスの株式取得(持分法適用関連会社化)に関する基本合意書締結について
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- フィデリティ投信: 新規→5.04%(2026/01/09提出、報告義務発生日2025/12/31) - 投資信託約款および投資一任契約等に基づく運用
- 三井住友信託銀行(共同保有者含む): 5.16%→5.19%(2025/09/19提出、報告義務発生日2025/09/15) - 政策投資、投資信託契約・投資一任契約に基づく運用等
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