みらいワークス 3Q 決算説明会速報

営業生産性の回復とFY26新卒23名の戦力化を成長加速の起点に、事業ポートフォリオ再編で収益体質への転換を推進

配信日2026年8月17日 18:26 JST

サマリー

2026年9月期3Q累計の売上高8,649百万円(前年同期比+3.3%)、営業利益241百万円(同+5.8%)と増収増益を維持したが、プロフェッショナル人材事業の契約数が計画を下回り通期業績予想を下方修正。営業利益は600百万円→370百万円(▲38.3%)へ引き下げ、Greenroom社のれん減損113百万円も特別損失に計上した。経営陣は営業人員の純増と階層別育成による生産性改善を最優先課題に掲げ、地方創生・ソリューション事業では収益性の低い一部サービスの縮小・撤退に着手。2027年9月期事業計画も売上高16,000百万円→12,500百万円、営業利益1,000百万円→600百万円へ修正し、FY26新卒23名が戦力化する2028年9月期に営業工数90.0人体制で成長加速を見込む方針を示した。

ポイント(決算の要点と成長アクション)

  • 経営戦略と市場認識
    • 生成AIの進化により若手コンサル業務の代替が進む一方、経験に基づくハイレベル人材へのニーズは増加と認識
    • 第2期トランプ政権発足後、日本大企業のESG訴求姿勢が後退しGreenroom社のPR・広告需要が急減
    • グロース市場の時価総額100億円基準を意識し、利益創出を優先する体質改善へ方針転換
  • 足元の事業進捗と要因
    • 主力事業の契約数は計画11,400に対し見込10,000、直接営業人員数は計画65.0人に対し見込61.5人と双方未達
    • 営業1人当たり契約数/月が13.1件と過去最低水準に低下、新卒・若手の戦力化に想定以上のタイムラグ
    • 中途採用は前年比200%超を達成したが離職も発生し、中途社員のみの純増は微増にとどまった
    • ソリューション事業は売上・粗利は計画通りも、プロジェクト品質維持のための人件費増で営業赤字が拡大
  • 戦略的な重要施策や変化点
    • 収益性が低くシナジーの薄い事業の縮小・撤退に着手、事業ポートフォリオの選択と集中を明言
    • 営業プロセスの型化とAI活用トレーニングにより新卒・若手の立ち上がり期間短縮を目指す方針
    • デジタル証明書による「プロフェッショナル人材スキル証明プラットフォーム」の事業化検討を開始
    • 大企業向けにソーシャルデザイン事業を新設、3年で50プロジェクト支援を目標に設定

今後の見通しと戦略

  • 修正後通期予想:売上高11,650百万円、営業利益370百万円、当期純利益144百万円。3Q累計の営業利益進捗率40.3%にとどまり4Q偏重の構図
  • 2027年9月期計画を売上高12,500百万円、営業利益600百万円に修正。契約数11,000件、営業工数67.6人(FY26新卒除く)、1人当たり契約数13.6件/月を計画
  • 2028年9月期にはFY26新卒23名の戦力化で営業工数90.0人に拡大、契約数14,800件を見込む。生産性がFY27水準(14.3件/月)でも約15,850件まで伸長可能との試算
  • M&A方針を転換し、事業開発型は少額投資、既存事業型に重点を置くメリハリある投資へシフト
  • 中途社員は年10人以上の採用を継続し、オンボーディング強化で早期離職を抑制する方針

ポジティブ要因

  • プロフェッショナル人材の累積登録数98,000名超、全国130金融機関・107市区町村との連携基盤は引き続き拡大
  • 大手企業取引実績230社超、時価総額上位10社中7社・上位30社中20社と取引する顧客基盤の厚み
  • 1契約当たり売上総利益は全体245千円、大手企業248千円と安定推移し、単価面での競争力は維持
  • 厚労省・経産省の大型官公庁事業を複数受託、富山エアポートとの空港型地方創生モデルなど新領域を開拓
  • 売上総利益率は3Q累計26.0%(前年同期25.2%、+0.8pt)と改善傾向
  • FY26新卒23名が2028年9月期に戦力化すれば営業工数が現状比約45%増となり、成長加速の蓋然性あり

懸念事項・リスク

  • 営業1人当たり契約数/月が13.1件と低下基調にあり、人員増だけでは利益成長に直結しないリスク
  • 通期営業利益進捗率40.3%と低く、4Qで129百万円の営業利益を必要とする計算。3Q単独は▲11百万円の営業赤字
  • Greenroom社のれん減損113百万円を計上、買収から約1年半での全額損失処理。M&A目利き力への懸念
  • 大手企業取引数は3Q時点で77社と前四半期比▲2社、前年同期比+1社にとどまり開拓ペースが鈍化
  • 代表・岡本氏の持株比率が52.36%→51.22%へ低下(変更報告書、報告義務発生日2025年12月)
  • 事業撤退・縮小の対象サービスは未開示、具体的な収益改善効果の定量化が困難な段階

業績ハイライト

3Q累計の連結売上高8,649百万円(前年同期比+3.3%)、営業利益241百万円(同+5.8%)と増収増益。ただしGreenroom社のれん減損損失113百万円を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は48百万円(同+21.1%)にとどまった。通期業績予想は売上高▲1,350百万円、営業利益▲230百万円、当期純利益▲216百万円の下方修正を実施。

セグメント別業績

セグメント名売上高前年同期比営業利益(配賦後)前年同期比
プロフェッショナル人材事業8,033百万円+1.3%455百万円+16.7%
地方創生事業390百万円+46.3%▲89百万円
ソリューション事業225百万円+31.6%▲101百万円
  • 月平均契約数(プロフェッショナル・エージェントサービス): 826件(前年同期798件、+3.5%)
  • 1契約当たり売上総利益(全体): 245千円(前年同期236千円、+3.8%)
  • 直接営業人員数(月平均): 62.9人(前年同期56.2人、+11.9%)
  • 大手企業取引数(売上高3,000億円以上): 77社(前年同期76社、+1社)
  • 営業1人当たり契約数/月: 13.1件(前年同期14.2件、▲1.1件)
  • 登録プロフェッショナル人材数: 98,000名以上(2026年6月末時点)

Q&A 一覧

  • Q: Greenroom社買収時点で、ESG投資への関心が減る可能性についてどのように考えていたか
    A: 買収時点ではトランプ政権の政策は確実に分かっていたわけではなかったが、可能性があったのは確か。ただ、ここまでのインパクトが出てくるというのは正直予想できなかった。AIの進化についても予想を上回る展開となっており、それにより事業を伸ばせた領域もあれば、シュリンクした領域もある。先行きが不透明な世の中であるため、分かっているところに対して臨機応変に対応し、ある程度見えるところに関しては事前に予測しながら動いていくことに努めていく。
  • Q: 今回の減損に伴い、社長として役員報酬の減額を検討しているか
    A: 取締役会等で社外取締役等からそういった議論をいただいた際には、しっかりと真摯に受け止めて対応していく。
  • Q: 収益性が見込めない、シナジーが想定通りでない事業のサービスの縮小・撤退について、対象事業と完了時期を教えてほしい
    A: 対象事業は地方創生事業に含まれる領域とソリューション事業に含まれる領域のいずれかとなるが、お客様やアライアンス先への説明が必要となるため、この場での明言は避けたい。今後の情報発信を見ていただきたい。収益性が見込めず、シナジーが想定通りに出せなかった事業についてはサービス縮小・撤退を進め、利益率の改善に努めるという方針はしっかりと進めていく。
  • Q: 営業1人当たりの生産性について、トップ層とボトム層でどのくらいの差があるか
    A: 1人前で成果を出せるようになるのはだいたい入社から2年ぐらい経ってからという構図にはなっているが、具体的な差についてはこの場ではお答えできない。
  • Q: 年間プロジェクトの受注状況はどうか
    A: 9月決算のため、4月から来年3月までのプロジェクトについてはかなり受注が積み上がってきている。受注額は昨年よりも多くのプロジェクトが受託できている状況であり、来期前半の数値には反映されていくと考えている。
  • Q: 修正値は保守的かどうか
    A: 内容的にお答えできないため、回答を控えたい。
  • Q: 営業人員数かける生産性という構造は人海戦術的ではないか。AIによるマッチングの効率化に取り組まないのか
    A: AIによるマッチングや効率化にはトライアルで進めている。一次データがどれだけ集まっているかによりマッチングの精度は変わるが、生産性改善にはそれなりのデータ蓄積が必要。現実で使えるレベルになるまでどのくらい蓄積が必要かはまだ分からないが、AIの進化に伴いすでに着手している活動である。
  • Q: 生成AIの進化によりコンサルタント業務が代替され、必要人員や稼働時間が減る可能性に対して、ビジネスモデルはどう変わるか
    A: 外資系コンサルティング会社、特に米国市場では若手の仕事がAIに置き換わり始めており、日本でも同様のことが起き始めているとみている。ただ、当社の登録者は平均年齢40歳超で、経験がものを言うAIに置き換わらない仕事が大多数を占めている。顧客企業でAI導入が進むことで、逆に人でないとできないニーズが増しており、その領域をしっかりつかむことで成長を維持できると考えている。
  • Q: 今期第4四半期の業績について
    A: 現時点ではお答えできないため、第4四半期の決算発表をお待ちいただきたい。
  • Q: 業績予想の計画と実績が乖離した原因について、経営管理体制を含めどう精度を高めていくか
    A: プロフェッショナル・エージェント事業での精度向上が急務。受託件数と案件終了数の2つを見定める必要があるが、一番読めないのが内部的な営業スキルの成長度合い。定量的な未来予測は難しいが、社内でのスキルレベルの可視化を進めており、それにより経営計画の精度向上を試みている。
  • Q: 今後の営業人員の確保と育成について、成長をどのように遂げていくか。中途と新卒の戦力化期間の違いは
    A: 中途採用の戦力化にかかる時間はサンプル数があり読める範囲でやってきた。一方、新卒社員は2023年入社が初めてで、戦力化の期間は全く初めての状態で取り組んできた。3年経ったタイミングでどの程度の戦力化割合なのかが見えてきたため、今後は育成の仕組みを作り上げることで戦力の早期化を図る。仮に早期化が図れなくても到達水準は見えており、2028年9月期の結果で確認いただきたい。
  • Q: 今回初めて言及されたサービスの縮小・撤退の判断基準は何か
    A: 判断基準は2点。共通費配賦前の営業利益が赤字であること、およびプロフェッショナル・エージェント事業とのシナジーがあるかどうか。シナジーを見込んでいなかったものが赤字であれば続ける意義はないと判断し、シビアに事業ポートフォリオの見直しを進めていく。
  • Q: Greenroom社で減損が発生したが、今後のM&A方針はどう考えているか
    A: 過去のM&Aは事業開発が必要なものしか手掛けていなかった。今後は事業開発型M&Aには少額投資、すでに事業としてある程度の規模になっているものには投資するというメリハリをつけた方針で進める。グロース市場の100億方針の影響でベンチャーマーケットの状況が変化しており、チャンスになることもあると思うが、今まで以上にしっかりと目利きをしなければならないと認識している。
  • Q: 上場維持基準の時価総額100億円への対応について
    A: 利益を上げることを優先しており、今回の事業ポートフォリオ見直しもその一環と考えている。営業利益を出せる体制を構築していく方針の転換として、利益が出せる体質改善を進めていく。
  • Q: ベンチャー三田会会長などの外部活動と業績との関係、経営者としての時間の使い方についてどう考えるか
    A: 外部ネットワーク構築と業績の関係を定量的に説明するのは難しい。個人のネットワークや課外活動で作られた人脈から生まれている売上は多分にあるが、それは10年・15年前からのつながりによるものも多い。この2年間の外部活動が今すぐ成果につながっているかというと少ないかもしれないが、10年後の売上につながっている可能性は多分にある。短期的な成果だけを出す活動は焼き畑的な経営になってしまうため、バリューである持続的な関係という価値観に基づき、すぐに成果につながるわけではない中長期的に大切な活動にも時間を使っていきたい。
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