2Q決算を踏まえた評価点
売上収益は前年並みだったが、拠点整理や請求単価の適正化といった収益改善施策の効果が続き、営業利益は6,173百万円(前年比+4.4%)となった。CM人数を減らしながら一人当たり生産性を高める構造改善が、利益成長の土台となっている。AI関連施策もPoC(概念実証)から実稼働の段階へ移りつつあり、中計2028の成長ストーリーは具体化が進む。
- 販管費は7,520百万円(▲2.6%)。賃上げで人件費は増えたが、減価償却費の減少で吸収し、営業利益率は8.4%(+0.3pt)に上昇
- CM一人当たり売上総利益(年換算)は114万円と過去最高水準。CM人数は30,630人に減り、直雇用CM比率は85.8%に上昇しており、量から質への転換が進む
- 持分法投資損益は313百万円(+55.0%)。CTCファーストコンタクトとTrue Touchの2社が顧客基盤を広げ、営業外の利益源として育つ
- HOL(AIと人を組み合わせた運用モデル)のパイプラインは確定7社・内示4社・最終協議9社。2027年1月から500名規模で実運用を始める予定で、事業化は実稼働フェーズへ移行
- 子会社BA Intelligenceとの連携によるAI-BPOは、大手通信事業者やISPなどから4案件を受託。製造業・人材関連など10社強と商談中
2Q決算を踏まえた懸念点
売上収益は73,159百万円(+0.0%)と伸びず、人材関連業務の減少と前年参院選業務の反動を新規業務で補いきれなかった。通期計画を達成するには下期売上収益を前年下期比+8.5%伸ばす必要があり(当レポート試算)、HOLの売上計上も当初想定より遅れている。増収への転換が実現できるかが最大の論点である。
- 2Q単独の営業利益は2,960百万円で前年同期比▲2.1%(当レポート試算)。上期の増益は1Qに偏っている
- 2Q単独の売上総利益率は18.2%で、前年同期比▲0.5pt(当レポート試算)。物価上昇に伴う設備関連費用の増加が収益性改善の効果を打ち消した
- 親会社帰属中間利益の+12.0%には、1Qの優遇税制適用による法人所得税費用の減少(▲11.6%)が寄与。会社も一過性と説明している
- 金融費用は469百万円(+22.8%)。市場金利の上昇で借入金利息が増え、営業段階の増益幅の一部を相殺
- 営業CFは9,568百万円(▲13.5%)。法人所得税の支払増と未払消費税の減少が主因
注目点/今後確認したいポイント
- 下期の増収加速の実現性。2026年10月リリース予定のAIボイスボットと、2027年1月開始のHOL 500名規模運用が、どれだけ早く収益に貢献するかを確認したい
- Horizon One持分法化の業績影響。3Qに約8億円の評価益を計上する見込みの一方、SB業務の増収をけん引してきた同社の売上が連結から外れる影響の大きさが論点
- 売上総利益率の回復。2Q単独で低下した粗利率に対し、請求単価の適正化(価格転嫁)が設備関連費用の上昇にどこまで追いつくか
- 前年下期比+8.5%(当レポート試算)を要する下期売上計画の積み上げ内訳と新規受注の状況
- 下期に想定する売上総利益率19.6%(当レポート試算)の前提と、価格転嫁の進捗
- Horizon One評価益約8億円と連結除外による減収影響の、通期計画への織り込み有無
- HOL売上計上が後ろ倒しになった理由と、2027年度の売上・利益貢献規模
- 人材関連業務の減少が構造的なものかどうかと、伊藤忠シナジーを再び伸ばす施策
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 73,159百万円 | +0.0% |
| 売上総利益 | 13,577百万円 | +0.1% |
| └販売費及び一般管理費 | 7,520百万円 | ▲2.6% |
| 営業利益 | 6,173百万円 | +4.4% |
| 持分法による投資損益 | 313百万円 | +55.0% |
| 金融費用 | 469百万円 | +22.8% |
| 税引前中間利益 | 6,059百万円 | +5.1% |
| 法人所得税費用 | 1,661百万円 | ▲11.6% |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 4,284百万円 | +12.0% |
| 基本的EPS | 57.63円 | +11.7% |
| CM一人当たり売上総利益(年換算) | 114万円 | - |
営業利益の増加分+2.6億円の内訳は、売上総利益+0.1億円、販管費減少+2.0億円、その他収益・費用+0.5億円(主に為替差益)(会社開示)。純利益段階では、持分法投資損益+1.1億円と法人所得税費用の減少+2.2億円が上乗せされ、金融収益/費用の悪化▲0.8億円と非支配持分▲0.5億円を吸収した。
事業セグメント別の業績
報告セグメントはCRM事業のみで、外部収益の99.9%を占める。2026年度から売上をスマートコンタクトセンター(SC)業務とスマートビジネスサポート(SB)業務に分けて開示しており、SC業務の微減をSB業務の増収が補う構図となっている。
セグメント別業績表
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 税引前利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| CRM事業 | 73,106百万円 | +0.2% | 6,039百万円 | +5.6% | 8.3% |
| その他 | 53百万円 | ▲69.6% | 20百万円 | ▲57.3% | - |
| (売上区分)SC業務 | 625.4億円 | ▲0.4% | - | - | - |
| (売上区分)SB業務 | 106.2億円 | +2.4% | - | - | - |
※売上高は外部収益ベース、セグメント利益は税引前中間利益(会社開示)。SC業務には旧その他事業を含む。
- SB業務:106.2億円(+2.4%)。通信キャリア等の顧客・取引管理業務と、Horizon Oneの人事・経理系業務が拡大
- 金融・保険業:+5.2億円で134.9億円。生保を中心に堅調で、スポット業務の増加も寄与
- 運輸・通信業:+4.1億円で151.7億円。通信キャリアを中心に増加し、業種別では最大規模を維持
- その他業種/その他子会社:その他業種は新電力サービスと不動産管理を中心に+3.4億円。その他子会社は+5.6億円で、SC業務の下支え役
- サービス業:▲8.1億円で197.7億円。ネット関連サービスやITサービスは増えたが、人材関連の大幅減を補えず
- 製造業:▲6.7億円で51.2億円。前年7月の参院選業務の反動減に加え、設備機器メーカーと医薬関連が減少
- 卸売・小売業:▲3.4億円で82.1億円。商品販売サービスの一部業務が減少し、伊藤忠シナジー(86.5億円、+0.1%)も同業種の業務終了で伸び悩む
- その他セグメント:コンテンツ販売収入の減少で外部売上は▲69.6%
業績予想比の進捗率
営業利益の進捗率は47.5%で、前年同期の46.7%(当レポート試算)を上回る。会社は「ほぼ上期計画通り」と説明している。一方、売上収益の進捗率48.1%は前年同期の50.2%(当レポート試算)を下回り、通期計画の達成には下期売上収益78,841百万円(前年下期比+8.5%)と売上総利益率の改善が必要となる。
| 勘定科目 | 数値 (第2四半期累積) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 73,159百万円 | 152,000百万円 | 48.1% |
| 売上総利益 | 13,577百万円 | 29,000百万円 | 46.8% |
| 営業利益 | 6,173百万円 | 13,000百万円 | 47.5% |
| 税引前利益 | 6,059百万円 | 12,600百万円 | 48.1% |
| 親会社の所有者に帰属する利益 | 4,284百万円 | 8,500百万円 | 50.4% |
- 過去3期の売上収益の上期比率は50-52%で、売上面の季節性は小さい(当レポート試算)
- 営業利益は前期の上期比率が46.7%で、下期に偏る年度がある。今期の会社計画も下期偏重の前提
- 前年2Qには7月の参院選に伴うスポット業務があり、今期2Qは反動減の影響を受けた
業績予想の変更有無
2026年4月8日公表の通期連結業績予想(売上収益152,000百万円、営業利益13,000百万円、親会社帰属利益8,500百万円)を据え置いた。3Qに約8億円の評価益を「その他の収益」に計上する見込みだが、短信ではこの評価益と連結除外による影響を業績予想に反映した旨の記載はない。
株主還元への言及
中間配当は30円(配当総額2,236百万円)で、配当原資には資本剰余金が含まれる。年間配当予想は60円(期末30円)で据え置き、予想配当性向は52.5%。連結配当性向50%を基本方針とし、利益拡大を通じた増配を目指す方針を示している。
財務状況
借入金の約定返済が進んでネット有利子負債は減少し、親会社所有者帰属持分比率は45.7%に上昇、財務の改善は続いている。総資産の57%をのれんが占める資産構成は、従来と変わらない。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 6,956百万円 | 前期末比▲3.3% |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 75,970百万円 | 前期末比+2.8% |
| 有利子負債(借入金) | 45,640百万円 | 前期末比▲6.4%(当レポート試算) |
| └借入金(流動) | 16,300百万円 | 前期末差▲1,000百万円 |
| └長期借入金 | 29,340百万円 | 前期末差▲2,098百万円 |
| ネット有利子負債 | 386.8億円 | 会社開示、前期末差▲28.7億円 |
| のれん | 94,691百万円 | 親会社帰属持分の124.6%(当レポート試算) |
| 営業CF | 9,568百万円 | 前年同期比▲13.5% |
| フリーCF | 84.4億円 | 会社開示、前年同期差▲24.0億円 |
| EBITDA | 10,429百万円 | 営業利益+減価償却費及び償却費(当レポート試算)、前年同期比+0.8% |
| 指標 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| Debt/Equity | 0.60倍 | 借入金÷親会社帰属持分、当レポート試算(前期末0.66倍) |
| Net DER | 0.51倍 | 会社開示(前期末0.56倍) |
| インタレストカバレッジレシオ | 13.2倍 | 営業利益÷金融費用、当レポート試算(前年同期15.5倍) |
| 自己資本比率 | 45.7% | 親会社所有者帰属持分比率、前期末比+2.2pt |
決算発表と同時に出た適時開示
- 2026/10/14中間配当30円を決議。年間60円予想を据え置き、安定配当を継続(剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ)
- 2026/10/14HOLのパイプライン(確定7社)とHorizon One持分法化による約8億円の評価益見込みを開示(2027年2月期(2026年度)第2四半期(中間期)決算補足資料)
足許四半期中の主要発表
- 2026/10/14中間配当を実施。配当原資に資本剰余金を含み、配当性向50%基準の還元方針を維持(剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ)
- 2026/10/14中計2028の「AI活用の深化」の進捗として、AIボイスボットの10月リリース予定とAI-BPO 4案件の受託を開示(2027年2月期(2026年度)第2四半期(中間期)決算補足資料)
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- SOMPOアセットマネジメント: -→5.19%(2026/05/21) - 投資一任契約および投資信託による純投資
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