ベルシステム24ホールディングス 2Q 決算プレビュー

通期売上収益+4.2%計画に向けた増収加速と、賃上げ下での売上総利益率18.9%維持を確認する2Q

配信日2026年10月9日 15:30 JST

サマリー

2027年2月期1Qは売上収益+0.3%にとどまる一方、営業利益+11.2%、税引前四半期利益+10.9%と利益先行の構図。通期計画は売上収益152,000百万円(+4.2%)、営業利益13,000百万円(+2.7%)であり、増収率の計画と実績のギャップをどこまで縮められるかが2Qの第一の焦点。2026年3月1日実施の正社員等約2,000名・平均昇給率8%超の賃上げを織り込みながら、1Qは売上原価が前年同期比で減少し売上総利益率18.9%(前年同期18.3%)へ改善しており、この採算構造が2Qも継続するかを確認したい。AI自動化ソリューション群は2026年8月の「Knowledge Generator」連携開始が2Q末近傍のため、収益寄与よりCRM事業の売上収益・税引前利益の水準で進捗を測る局面。利益面では1Qで通期営業増益計画額の大半を確保した格好であり、2Q累計での進捗維持が通期計画の確度を左右する。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上成長2Q累計売上収益の前年同期比と通期計画に対する進捗

通期計画152,000百万円(+4.2%)に対し1Qは+0.3%。2Q以降は前年同期間比+5.6%の増収が必要との試算(当レポート試算)であり、2Q累計の増収率が計画確度を左右する。

採算性売上総利益率と売上原価の前年同期比

1Qは売上総利益率18.9%(前年同期18.3%)、売上原価29,777百万円(前年同期29,900百万円)。平均昇給率8%超の賃上げ下で同水準を維持できるかが焦点。

利益進捗2Q累計営業利益・税引前四半期利益の通期計画進捗

1Q営業利益3,213百万円は通期計画13,000百万円に対し24.7%(当レポート試算)。通期増益計画額348百万円に対し1Qで+324百万円を確保しており、2Q累計での維持が重要。

事業ポートフォリオCRM事業セグメントの売上収益・税引前利益

1QはCRM事業売上収益36,675百万円(+0.4%)、税引前利益3,081百万円(+11.1%)。その他セグメントはコンテンツ事業一部譲渡で26百万円(▲68.8%)と小規模化し、CRM事業単独の動向が全社を規定。

利益帰属法人所得税費用と非支配持分に帰属する四半期利益

1Qは税引前+10.9%に対し親会社帰属利益+22.2%と乖離。法人所得税費用772百万円(前年同期927百万円)は、優遇税制の適用等に伴う一過性の減少を含む。非支配持分帰属利益50百万円(同4百万円)と合わせ、2Q以降の親会社帰属利益への影響を確認したい。

前回決算(2027年2月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

1Qは増収率0.3%と横ばいながら、収益改善施策により営業利益+11.2%、親会社帰属四半期利益+22.2%の増益。通期計画(売上収益152,000百万円、営業利益13,000百万円)は据え置かれ、中期経営計画2028の3本柱「データ活用の拡張」「ヒトの価値最大化」「パートナー資本の深化」が進行中。2Qは利益先行型の進捗が増収を伴う成長に転じるかの検証局面。

1. 通期売上収益+4.2%計画に対する増収加速

  • 前期: 1Q売上収益36,701百万円(前年同期比+0.3%)、うちCRM事業36,675百万円(+0.4%)。通期計画は152,000百万円(+4.2%)で据え置き。
  • 今期確認: 残り3四半期で115,299百万円、前年同期間109,221百万円比+5.6%の増収が必要との試算(当レポート試算)。2Q累計での増収率回復ペースを確認する。
  • 注目指標: 2Q累計売上収益の前年同期比(前年同期実績73,143百万円)、通期計画に対する進捗率。

2. 賃上げ実施下での売上総利益率の持続性

  • 前期: 2026年3月1日に正社員等約2,000名を対象に平均昇給率8%超の賃上げを実施。1Qは売上原価29,777百万円(前年同期29,900百万円)、売上総利益率18.9%(同18.3%)。
  • 今期確認: 賃上げコストを吸収しつつ単価改定・高付加価値業務比率の向上で粗利率を維持できるか。未払従業員給付は期首11,362百万円から13,280百万円へ増加しており、人件費の期中負担推移も確認する。
  • 注目指標: 2Q累計の売上総利益率(前年同期18.5%)、売上原価の前年同期比。

3. 営業利益・税引前利益の通期計画進捗

  • 前期: 1Q営業利益3,213百万円(+11.2%)、税引前四半期利益3,090百万円(+10.9%)。販売費及び一般管理費は3,748百万円(前年同期3,869百万円)。
  • 今期確認: 通期営業利益計画13,000百万円は前期実績比+348百万円であり、1Qの増益額+324百万円でその大半を確保した構図。2Q以降に新規サービス立ち上げ費用やAI関連投資が販管費に乗る可能性を含め、進捗維持を確認する。
  • 注目指標: 2Q累計営業利益の通期計画進捗率(1Q時点24.7%、当レポート試算)、販管費の前年同期比。

4. AI・新規事業施策の収益化タイミング

  • 前期: 「Hybrid Operation Loop」がGENIAC-PRIZEでHDI-Japan賞を受賞。AVILENとの合弁会社BA Intelligenceが2026年4月に営業開始。
  • 今期確認: 「BellCloud+®」「BellCloud+CX®」への「Knowledge Generator」連携は2026年8月開始で、2Q(〜8月31日)の損益寄与は限定的。収益化は3Q以降の確認ポイントとなるため、2Qではパイプラインと費用先行の度合いを見極める。
  • 注目指標: CRM事業セグメントの売上収益・税引前利益、持分法による投資損益の推移。

5. 利益帰属構造とキャッシュ創出

  • 前期: 1Qは税引前+10.9%に対し四半期利益+24.6%、親会社帰属+22.2%。法人所得税費用772百万円(前年同期927百万円)、非支配持分帰属利益50百万円(同4百万円)。営業CFは6,193百万円(同6,067百万円)。
  • 今期確認: 優遇税制による一過性要因を除いた利益の伸びと、法人所得税費用・非支配持分の動向を確認する。投資CFは▲758百万円(前年同期▲99百万円)と拡大しており、有形固定資産・無形資産取得の使途を確認する。
  • 注目指標: 2Q累計の法人所得税費用、親会社帰属四半期利益(前年同期3,823百万円)、営業CF(同11,064百万円)。

今期中の主要な適時開示

  • 2026/09/03
    辻・本郷ITコンサルティングとベルシステム24、中堅・中小企業に向けた経理DXアウトソーシングサービスを提供開始 - 辻・本郷グループの顧問先20,000社以上と当社顧客基盤1,700社以上を対象とする提携。サービス提供開始は2026年9月のため損益寄与は3Q以降であり、BPO領域の顧客層拡大の進捗として確認。
  • 2026/08/03
    ベルシステム24、企業のコスト最適化・AI実装に伴走するBPX(ビジネスプロセス変革)支援サービスを提供開始 - 中期経営計画2028に沿う新サービスブランドで、2028年度末までに100億円の事業創出を掲げる。2Q期間中の開始だが寄与は限定的で、立ち上げ費用の販管費計上有無を確認。
  • 2026/07/28
    札幌の北海道電力様向けコンタクトセンター内に第2弾となるAIソリューションショールームを開設 - 福岡に続く拠点展開でAIソリューションの提案体制を強化。2Q以降のCRM事業の高付加価値案件獲得につながるかが論点。

前四半期の着地(2027年2月期 1Q実績)

コンタクトセンター運営および付帯業務を担うCRM事業を単一報告セグメントとし、売上収益の大半を同事業が占める構造。中期経営計画2028では「Hybrid Intelligence for All」を掲げ、「データ活用の拡張」「ヒトの価値最大化」「パートナー資本の深化」を推進。1Qは収益改善施策により増収率0.3%ながら2桁増益を確保し、通期計画は2026年4月8日公表時点から変更なし。親会社所有者帰属持分比率は43.9%へ上昇した。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上収益36,701百万円+0.3%-CRM事業36,675百万円(+0.4%)、その他26百万円(▲68.8%、コンテンツ事業一部譲渡)
営業利益3,213百万円+11.2%-売上原価29,777百万円、販管費3,748百万円の減少で営業利益率8.8%(当レポート試算)
税引前四半期利益3,090百万円+10.9%-持分法による投資損益109百万円、金融費用▲234百万円
親会社の所有者に帰属する四半期利益2,268百万円+22.2%-法人所得税費用772百万円(前年同期927百万円)、非支配持分帰属50百万円
基本的1株当たり四半期利益30.51円+21.5%-希薄化後30.42円、通期計画EPSは114.33円

注:四半期ベースの会社計画は未開示のため会社計画比は「-」。前年同期比は決算短信記載値、EPS前年同期比は当レポート試算。

通期計画に対する進捗率(税引前四半期利益ベース): 24.5%(当レポート試算、IFRS適用のため経常利益の開示がなく税引前四半期利益を使用)。前年同期の税引前四半期利益2,787百万円は前期通期実績12,290百万円の22.7%に相当(当レポート試算、前期は通期計画ではなく実績との対比)。

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