ベルシステム24ホールディングス 1Q 決算速報

CRM事業の収益改善施策が奏功し営業利益前年比+11.2%、AI自動化基盤HOLの商用化に向けた取組みが進展

配信日2026年7月8日 20:35 JST

1Q決算を踏まえた評価点

売上収益は微増にとどまったものの、営業利益率は7.9%→8.7%へ+0.8pt改善し、収益改善施策の継続的な効果を確認。CM1人当たり生産性は年換算114万円と過去最高水準を更新しており、構造改革の進展が顕著。

  • 売上総利益率18.3%→18.9%(前年比+0.6pt)に改善。請求単価の引き上げ、拠点整理による家賃減少が寄与
  • 販管費は前年比▲1.2億円と費用減少。減価償却費の減少が人件費増を吸収し、営業利益32.1億円(同+11.2%)
  • 親会社帰属利益22.7億円(同+22.2%)。優遇税制適用等による法人所得税費用の一過性減少+1.5億円が増益を押し上げ
  • 伊藤忠シナジー売上44.4億円(同+5.5%)。通信キャリア増加とCRMシステム統合支援業務が寄与し成長継続
  • BellCloud+導入席数9,800席(前四半期比+1,000席)。HOLパイプラインは確定6社、内示4社、最終協議12社と商用化の取組みが親展

1Q決算を踏まえた懸念点

売上収益は前年比+0.3%と微増にとどまり、トップライン成長の加速は今後の課題。一方で、CM人数は31,130人(前年比▲1,100人)と減少しており、今後はAI活用や収益改善施策による生産性向上を、売上成長にもつなげられるかが注目点となる。

  • SC業務(スマートコンタクトセンター)売上は前年比▲0.3%と微減。人材関連業務を中心としたサービス業(▲5.1億円)の落ち込みが重荷
  • 金融費用が前年比+0.4億円増加(1.9億円→2.3億円)。市場金利上昇に伴う借入金利息増が今後も利益圧迫要因に
  • 製造業(▲2.0億円)、卸売・小売業(▲1.8億円)など複数業種で減収。顧客ポートフォリオの偏在リスクに留意
  • 有形固定資産・持分法投資の減少(合計▲12.3億円)が非流動資産の縮小要因。成長投資とのバランスが問われる

注目点/今後確認したいポイント

  • HOLの商用化進捗と収益貢献。確定6社・内示4社・最終協議12社のパイプラインが今後の四半期で売上に転換する時期とARR規模
  • AVILEN合弁会社BA Intelligenceの事業立ち上がり。営業開始後3案件受託とのことだが、2030年度200社目標に対する受注モメンタムと収益化時期
  • CM人数減少トレンドの中での売上収益成長の持続可能性。AI活用・価格転嫁によるCM1人当たり生産性向上がトップライン成長をどこまで補完できるか
経営陣への論点
  • HOL各ステップ(Knowledge Generator→Sherpy→音声AI自動応答)の単体での売上貢献額・粗利水準の見通し
  • SC業務のサービス業(人材関連)▲5.1億円の減少要因と今後の回復見込み
  • 平均昇給率8%超の賃上げが通期売上原価・販管費に与える影響額の定量開示
  • BA Intelligenceの損益分岐時期と2030年度200社目標の達成蓋然性
  • BellCloud+導入席数の通期目標と中期経営計画2028での最終目標席数
  • SB業務の通期計画230億円に対する成長ドライバーの内訳(通信キャリア・Horizon One等)
  • シンカー×TOPPANグループ連携における店舗DXの初期導入事例数と売上規模感
  • 金利上昇環境下での有利子負債削減方針とNet DER目標水準
  • M&A・事業投資のパイプライン状況と投資余力
  • のれん946億円の減損リスク評価に使用する前提条件の変更有無

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上収益36,701百万円+0.3%
└ SC業務31,340百万円▲0.3%
└ SB業務5,360百万円+3.5%
売上総利益6,924百万円+3.3%
売上総利益率18.9%+0.6pt
営業利益3,213百万円+11.2%
営業利益率8.7%+0.8pt
税引前利益3,090百万円+10.9%
親会社帰属四半期利益2,268百万円+22.2%
四半期包括利益2,379百万円+32.5%
基本的EPS30.51円+21.5%
希薄化後EPS30.42円+21.5%

営業利益は前年比+324百万円。売上総利益の+219百万円改善と販管費の▲121百万円減少が主因。親会社帰属利益は法人所得税費用の一過性減少(前年比+155百万円)が上乗せされ、+22.2%の二桁増益。

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年同期比税引前利益前年同期比利益率
CRM事業36,675百万円+0.4%3,081百万円+11.1%8.4%
その他26百万円▲68.8%9百万円▲37.2%34.6%
好調な事業
  • 運輸・通信業:前年比+2.6億円増。通信キャリア向けCRM業務の拡大が牽引
  • 金融・保険業:同+1.2億円増。生命保険関連の需要が堅調に推移
  • その他業種:同+2.6億円増。新電力サービス関連・不動産管理関連が寄与
  • SB業務:同+1.8億円(+3.5%)増。通信キャリアの顧客・取引管理業務とHorizon Oneの人事・経理系業務が拡大
  • その他子会社:同+3.3億円増。グループ会社の事業拡大が寄与
不調な事業
  • サービス業:前年比▲5.1億円減。ネット関連サービスは増加も、人材関連業務の大幅減少が影響
  • 製造業:同▲2.0億円減。設備機器メーカーや医薬関連を中心に減少
  • 卸売・小売業:同▲1.8億円減。商品販売サービスの一部業務が減少

業績予想比の進捗率

売上収益の通期進捗率24.1%、営業利益24.7%と、基準進捗率25.0%に対して概ね想定通りの進捗。親会社帰属利益は優遇税制適用による一過性の法人所得税費用減少で26.7%と基準進捗率を上回った。現時点の進捗率は通期計画に対して順調な滑り出しと評価。

勘定科目数値 (1Q累計)通期計画進捗率
売上収益36,701百万円152,000百万円24.1%
営業利益3,213百万円13,000百万円24.7%
税引前利益3,090百万円12,600百万円24.5%
親会社帰属利益2,268百万円8,500百万円26.7%
  • CRM事業は四半期間の業績偏重は小さく、概ね均等型の収益構造。基準進捗率25.0%が目安

業績予想の変更有無

通期の連結業績予想について変更なし。2026年4月8日公表値を据え置き。

株主還元への言及

配当予想は1株当たり年間60円(中間30円・期末30円)で変更なし。連結配当性向50%を基本方針とし、利益拡大を通じた増配の実現を目指す方針。予想配当性向は52.5%。

財務状況

のれん946億円を抱える資産構造ながら、株主資本比率は43.9%(前期比+0.4pt)と改善傾向を維持。ネット有利子負債は借入金返済に充当することで前期比▲15.8億円減少し、Net DERは0.54倍へ低下。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物8,216百万円前期比+14.2%
資産合計168,697百万円前期比▲0.7%
└ 流動資産合計29,889百万円前期比+0.6%
└ 非流動資産合計138,808百万円前期比▲0.9%
のれん94,679百万円前期比+0.0%
親会社帰属持分74,031百万円前期比+0.1%
有利子負債(短期借入金)18,100百万円前期比+800百万円
有利子負債(長期借入金)30,089百万円前期比▲1,349百万円
ネット有利子負債39,973百万円前期比▲1,577百万円
EBITDA5,342百万円営業利益3,213+減価償却費2,129

決算発表と同時に出たニュース

該当なし

足許四半期中の主要発表

  • 2026/06/01
    自治体向けにZoom Contact Centerを活用したAIコンタクトセンター運用支援サービスを開始。2031年3月末までに20自治体への導入を目指す ベルシステム24、自治体のAIコンタクトセンター化に向け、「Zoom Contact Center」を活用した運用支援サービスの販売を開始
  • 2026/05/25
    HOL第二弾のAIチャットナビゲーター「Sherpy(仮称)」を提供開始。大手生保・エネルギー会社等で実証実験を推進 コンタクトセンター生成AI自動化ソリューション「Hybrid Operation Loop」の第二弾、複雑な問い合わせにも的確に回答するAIチャットナビゲーター「Sherpy(仮称)」を提供開始
  • 2026/05/22
    BellCloud+/BellCloud+CXにKCS準拠のナレッジ自動生成ソリューション「Knowledge Generator」を2026年8月より連携 音声基盤クラウドサービス「BellCloud+®/BellCloud+CX®」に、KCS準拠の高品質ナレッジ自動生成ソリューション「Knowledge Generator」を連携し、通話録音データの活用領域を拡大
  • 2026/05/01
    ライブコマース支援領域に参入。企画から効果測定まで一括支援し、千趣会「ベルメゾン・ファンミーティング」でプレ導入 ベルシステム24、ライブコマース支援領域に参入
  • 2026/04/08
    中期経営計画2028を策定。2029年2月期に売上収益1,750億円・営業利益160億円を目指す3カ年計画を公表 中期経営計画の策定に関するお知らせ

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • SOMPOアセットマネジメント: 新規→5.19%(2026/05/21報告) - 投資一任契約および投資信託による純投資目的
免責事項

株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。

  • 目的と投資判断に関する免責

    本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。

  • 情報源、正確性、および保証の否認

    本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。

  • 責任の限定

    本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。

  • 利益相反の可能性

    エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。

  • 報告内容の変更・更新義務の否認

    本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。

  • 言語の優先順位

    本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。

  • 著作権

    本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。

  • 他の投資商品への利用

    本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。