ベルシステム24ホールディングス 通期 決算速報

CRM事業の収益改善施策奏功で営業利益率8.7%に向上、生成AI活用の次世代ソリューション群が来期の成長基盤を形成

配信日2026年4月8日 19:10 JST

通期決算を踏まえた評価点

営業利益12,652百万円(前年比+9.2%)と増益基調が鮮明化。売上総利益率は18.9%(前年比+1.2pt)に改善し、販管費削減(▲576百万円)も寄与した。生成AI関連の新サービス投入が加速しており、ソリューション型への収益構造転換が着実に進展。

  • 売上総利益27,517百万円(前年比+8.3%)、売上原価がほぼ横ばい(+114百万円)で増収分を利益に転換
  • 営業利益率8.7%(前年比+0.6pt)に改善。販管費15,606百万円(同▲3.6%)と効率化が進展
  • 親会社所有者帰属持分比率43.5%(同+3.3pt)と財務体質が改善。有利子負債48,738百万円(同▲5,308百万円)で借入金圧縮が進行
  • 「BellCloud+CX」「ヒトトナリAI」「Knowledge Generator」等、生成AI搭載ソリューションの投入が加速し、来期の収益貢献余地を確保
  • 来期ガイダンスは売上収益152,000百万円(+4.2%)、営業利益13,000百万円(+2.7%)と増収増益を計画

通期決算を踏まえた懸念点

親会社帰属当期利益8,181百万円(前年比+2.2%)と営業利益の増益幅(+9.2%)対比で利益の伸びが限定的。金融費用774百万円(同+33.7%)の増加が収益拡大を一部相殺しており、金利上昇環境下での有利子負債管理が課題。

  • CRM事業の税引前利益は11,687百万円(前年比▲3.3%)。前期の子会社株式売却益37.6億円の剥落が主因だが、本業利益の伸長幅は限定的
  • 金融費用774百万円(同+195百万円)と利払い負担増。インタレスト・カバレッジ・レシオは25.0倍(前年33.9倍)に低下
  • 売上収益の成長率+1.5%はCRMアウトソーシング市場の成長率対比で低水準。トップライン拡大の加速が必要
  • のれん94,669百万円(総資産比55.7%)が重い。CRM事業の割引率10.7%(前年9.6%)への上昇は将来の減損リスク感度を高める
  • その他セグメントは売上収益270百万円(同▲34.4%)と縮小。収益の柱がCRM事業に偏重

注目点/今後確認したいポイント

  • 来期ガイダンス売上収益+4.2%の内訳として、AI関連ソリューション(BellCloud+CX、Knowledge Generator等)の収益貢献額と新規顧客獲得のパイプライン規模。中計達成に向けたAI収益化の進捗が最重要確認事項
  • 金利上昇環境下における有利子負債48,738百万円の管理方針。長期借入金の加重平均利率1.43%が今後どの程度上昇する見込みか、財務コスト見通しの精度が重要
  • AVILENとの合弁会社「BA Intelligence」(2026年4月営業開始予定)によるAIエージェント実装型BPOモデルの具体的な売上目標と損益分岐点到達時期
経営陣への論点
  • 来期売上収益+4.2%の成長ドライバー別内訳(既存顧客の取引拡大/新規顧客獲得/AI関連新サービス)
  • BellCloud+CXの導入社数・パイプライン状況と平均単価の水準
  • Knowledge Generatorの商用化スケジュールと課金モデル
  • AIエージェント合弁会社(BA Intelligence)の初年度売上目標と投資規模
  • 伊藤忠商事・TOPPANとの協業による新規顧客獲得の定量的効果
  • 金利上昇を踏まえた有利子負債の最適水準と今後の財務戦略
  • CRM事業の割引率10.7%(前年9.6%)上昇の背景と、のれん減損テストにおける感応度分析の前提
  • 人件費上昇(平均昇給率8%超)の利益への影響額と価格転嫁の進捗
  • ベトナム事業の回復見通しと海外展開の中期的な方針
  • 配当性向目標50%に対する当期54.4%の乖離と、今後の株主還元方針の変更可能性

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年比
売上収益145,826百万円+1.5%
売上原価▲118,309百万円+0.1%
売上総利益27,517百万円+8.3%
販売費及び一般管理費▲15,606百万円▲3.6%
営業利益12,652百万円+9.2%
税引前利益12,290百万円+9.4%
当期利益8,359百万円+1.2%
親会社帰属当期利益8,181百万円+2.2%
EPS110.22円+1.3%
営業利益率8.7%+0.6pt
ROE11.4%▲0.3pt
営業CF16,533百万円▲4.9%

前期にその他の収益3,988百万円(子会社株式売却益含む)が計上されていたのに対し、当期は921百万円に減少。営業利益の+9.2%増益は、売上総利益の改善(+2,105百万円)と販管費削減(+576百万円)による本業の収益力向上に起因。一方、法人所得税費用が3,931百万円(前年比+963百万円)と増加し、最終利益の伸びを抑制。

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年比税引前利益前年比利益率
CRM事業145,556百万円+1.6%11,687百万円▲3.3%8.0%
その他270百万円▲34.4%603百万円黒字転換-
好調な事業
  • CRM事業(売上収益):前年比+1.6%、収益改善施策奏功で増収。伊藤忠商事・TOPPANの企業ネットワーク活用による新規顧客獲得とAI関連ソリューションの投入が寄与
  • その他(損益):コンテンツ事業の吸収分割による一部譲渡が奏功し、税引前利益603百万円と黒字転換(前年は▲856百万円)
不調な事業
  • CRM事業(税引前利益):前年比▲3.3%。前期に子会社株式一部売却益37.6億円があった反動。一過性要因を除いた実質ベースでは増益
  • その他(売上収益):前年比▲34.4%、コンテンツ販売収入の減少が主因

来期の業績予想

来期予想は売上収益152,000百万円(+4.2%)、営業利益13,000百万円(+2.7%)を計画。売上成長率の加速を見込むものの、営業利益の伸びはやや控えめであり、人件費上昇(平均昇給率8%超)やAI関連投資の増加を織り込んでいるものと推察。

勘定科目当期実績来期計画前年比
売上収益145,826百万円152,000百万円+4.2%
営業利益12,652百万円13,000百万円+2.7%
税引前利益12,290百万円12,600百万円+2.5%
親会社帰属当期利益8,181百万円8,500百万円+3.9%
EPS110.22円114.33円+3.7%
  • 該当なし

業績予想の変更有無

当期は通期決算のため業績予想修正の該当なし。来期(2027年2月期)のガイダンスを新規開示。

株主還元への言及

当期配当は年間60円(中間30円+期末30円)を維持。配当性向54.4%(前年55.1%)。来期も年間60円(中間30円+期末30円)を予定し、配当性向52.5%を見込む。基本方針として連結配当性向50%を中期目標。当期の配当原資には資本剰余金が含まれている(中間・期末ともに1株30円、配当金総額各2,236百万円)。

財務状況

有利子負債を▲5,308百万円圧縮し、親会社所有者帰属持分比率43.5%(前年40.2%)に改善。借入金構成の長期化(長期借入金31,438百万円、前年比+8,191百万円)を進め、短期借入金依存を低減。コミットメントライン未実行残高7,400百万円、当座貸越未実行残高11,000百万円と十分な流動性バッファを確保。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物7,194百万円前期比+2.9%
資産合計169,821百万円前期比▲2.6%
└ 流動資産合計29,717百万円前期比+6.0%
└ 非流動資産合計140,104百万円前期比▲4.3%
のれん94,669百万円総資産比55.7%
有利子負債合計48,738百万円前期比▲9.8%
└ 短期借入金8,100百万円加重平均利率1.14%
└ 1年内返済予定の長期借入金9,200百万円加重平均利率1.56%
└ 長期借入金31,438百万円加重平均利率1.43%
親会社帰属持分73,928百万円前期比+5.4%
EBITDA21,599百万円営業利益12,652+減価償却費8,947

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/04/8
    2026年2月期(2025年度)決算および中期経営計画に関する補足資料2026年2月期(2025年度)決算および中期経営計画に関する補足資料

足許四半期中の主要発表

  • 2026/03/25
    正社員等約2,000名を対象に平均昇給率8%超の賃上げを決定。専門人材の確保・定着を通じてサービス高度化を推進 ベルシステム24、2026年3月1日より賃上げを実施
  • 2026/03/02
    AVILENとAIエージェント実装型BPOモデル構築を目的に合弁会社「BA Intelligence」設立に合意。2026年4月営業開始予定 ベルシステム24、AVILENとAIエージェント実装型のBPOモデル構築を目的とした合弁会社設立に関するお知らせ
  • 2026/02/12
    2026年11月予定の新免税制度に向け、伊藤忠商事等と連携し免税・税還付業務支援BPOを開始 ベルシステム24、新免税制度に対応した免税・税還付業務支援を開始
  • 2026/01/19
    マンション管理業務特化のBPOセンターを池袋・札幌に構築、支援領域を拡大しサービス提供開始 ベルシステム24、不動産DX支援の「マンション管理BPOサービス」提供開始
  • 2026/01/15
    アルフレッサと製薬企業向け委託型情報提供活動支援サービス「D-REACH」展開で提携。2027年4月の本格提供開始を目標 株式会社ベルシステム24とアルフレッサ株式会社が製薬企業向けの委託型情報提供活動支援サービス「D-REACH」の展開に向けて提携

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