ネットスターズ 2Q 決算速報

GPV11,289億円と2Q過去最高を更新し営業利益2.6倍、端末刷新とステーブルコイン領域の立ち上がりが下期を左右

配信日2026年8月13日 20:00 JST

2Q決算を踏まえた評価点

コスト構造改善が継続し、売上高+14.3%に対し営業利益は161.6%増と利益レバレッジが顕在化。GPV11,289億円(前年比+15.2%)の拡大が受取利息増を通じて経常段階の押し上げにも寄与し、各段階利益はいずれも会社計画を上回った。

  • 営業利益154百万円(前年比+161.6%)、経常利益243百万円(同+61.0%)。会社計画対比でも各+13百万円、+5百万円と上振れ
  • 販管費1,731百万円(同+6.6%)と売上成長率を下回る伸びに抑制。人件費881百万円は同+0.6%に留まる
  • GPVは2Q単体5,792億円と2Qとして過去最高。累計11,289億円で全社成長を牽引
  • DX/ミニアプリ売上183百万円(同+32.0%)が計画比+1.5%と唯一の計画超過。横浜元町・横浜中華街の商品券事業受託が寄与
  • 中間純利益203百万円(同+59.5%)は通期計画493百万円に対し進捗41.3%(当レポート試算)

2Q決算を踏まえた懸念点

売上高は計画比▲225百万円(▲8.4%)と1Qに続き未達。GPVも計画比▲4.2%で、原油高による流通系小売・ガソリンスタンドの決済単価影響と中国インバウンドの低調が重なった点は、下期の計画達成に向けた確認事項となる。

  • 売上高2,467百万円は計画2,692百万円に対し▲8.4%。GPV11,289億円も計画比▲501億円
  • 決済関連(端末販売除く)は1,952百万円で前年比+4.7%と、GPV伸長率+15.2%を下回る(当レポート試算)
  • 売上総利益率76.4%(前年比▲1.6pt)。1Qの端末売上構成上昇に伴う原価増が主因
  • 端末販売は2Q単体12百万円と通常水準40百万円を▲28百万円下回る。新端末は9月投入予定で空白期間が発生
  • 営業CFは1,181百万円(前年2,624百万円)。預り金増加額が1,220百万円と前年2,457百万円から縮小

注目点/今後確認したいポイント

  • 9月投入の新端末「SUNMI P3H」の販売立ち上がり。競合ゲートウェイ事業者からのリプレイス獲得が端末販売と新規GPVの両面に効くか
  • 通期営業利益500百万円のうち下期に359百万円(71.8%、当レポート試算)を計画。3Q以降の大型新規案件の稼働時期
  • ステーブルコイン決済「Stablecoin Pay」の商用化進捗。ローソンでの実証を経た加盟店実装ペースと収益貢献時期
経営陣への論点
  • 決済関連(端末販売除く)の伸びがGPV成長率を下回った要因と、テイクレートの構造変化の有無
  • 通期GPV25,474億円計画に対する上期進捗44.3%の織り込み前提、インバウンド・原油高影響の下期想定
  • 新端末SUNMI P3Hの販売台数計画と、端末販売の粗利率が全社売上総利益率に与える影響
  • 株主優待新設に続く配当開始の判断基準、成長投資と株主還元の資本配分方針
  • StarPay-X構想における各パートナー協業(Canton、Startale、Bitget Wallet等)の収益化ロードマップ

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高2,467百万円+14.3%
└ 決済関連2,179百万円+12.2%
└ DX/ミニアプリ183百万円+32.0%
└ その他104百万円+36.7%
売上原価581百万円+22.3%
売上総利益1,886百万円+12.1%
売上総利益率76.4%▲1.6pt
販売費及び一般管理費1,731百万円+6.6%
└ 人件費881百万円+0.6%
└ 減価償却費109百万円▲11.2%
営業利益154百万円+161.6%
└ 受取利息95百万円+31.8%
経常利益243百万円+61.0%
親会社株主に帰属する中間純利益203百万円+59.5%
EPS12.06円+57.6%
潜在株式調整後EPS11.90円+58.5%
決済取扱高(GPV)11,289億円+15.2%
営業活動によるキャッシュ・フロー1,181百万円▲55.0%

売上原価が売上高を上回るペースで増加した主因は1Qの端末販売集中。累計端末販売226百万円のうち2Q単体は12百万円に留まる(当レポート試算、会社開示のサービス別構成比より算出)。

事業セグメント別の業績

フィンテック事業の単一セグメントのため、セグメント情報は非開示。サービス別では決済関連が売上の88.3%を占め、DX/ミニアプリが構成比7.5%へ上昇。決済関連(端末販売除く)は全社売上の79.1%を占める。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
フィンテック事業(単一セグメント)2,467百万円+14.3%154百万円+161.6%6.3%
好調な事業
  • DX/ミニアプリ:+32.0%。セルフレジ・自治体ウォレットの横展開に加え、横浜元町プレミアム付電子商品券および横浜中華街クーポンの事務局運営受託が新規寄与
  • GPV(全体):+15.2%。小売を中心とした内需の堅調さと大型加盟店の増加、新規加盟店獲得が計画通り進捗
  • 決済ブランド: USDT、JPYC等ステーブルコイン領域を含む4ブランドを上期に追加。7月に「Stablecoin Pay」をローンチし一般加盟店の申込受付を開始
  • 海外展開:カタールの加盟店数は2023年比+112.2%の3,000店舗超。JPQR Globalでカンボジア・インドネシアと接続
不調な事業
  • 端末販売(2Q単体):12百万円と通常水準40百万円を▲28百万円下回る。旧端末から新端末への認証移行期間により販売機会が消失
  • 海外QR(インバウンド):中国インバウンド消費の減少が想定以上に低調。2025年通期でGPV構成比7.3%と限定的ながら計画未達要因に
  • 流通系小売・ガソリンスタンド向けGPV:原油高による影響で計画をやや下回る。GPV計画比▲4.2%の主因

業績予想比の進捗率

売上高進捗42.8%は前年同期の45.1%をやや下回るものの、営業利益進捗30.9%は前年同期20.2%を上回る。会社の四半期別計画では下期に営業利益359百万円(通期の71.8%、当レポート試算)を配分しており、大型新規案件の稼働と9月の新端末投入が下期偏重計画の前提となる。

勘定科目数値(第2四半期累計)通期計画進捗率
売上高2,467百万円5,760百万円42.8%
営業利益154百万円500百万円30.9%
経常利益243百万円707百万円34.4%
親会社株主に帰属する当期純利益203百万円493百万円41.3%
決済取扱高(GPV)11,289億円25,474億円44.3%
  • 会社計画は下期偏重。四半期別計画で4Q売上高1,600百万円、GPV7,091億円と期を通じ最大水準を想定
  • 2025年実績も4Q売上高1,420百万円が最大。新規加盟店の積み上げによりGPVが期後半に拡大する構造

業績予想の変更有無

2026年2月12日公表の通期業績予想から変更なし。上期は各段階利益が計画超過の一方、売上高・GPVが計画未達となったが、会社は通期予想を据え置いた。

株主還元への言及

配当予想は年間0.00円で据え置き、前期からの変更なし。決算発表と同日に株主優待制度の新設を開示し、毎年12月31日基準日で100株以上保有株主にデジタルギフト2,000円相当を贈呈(2026年7月平均株価684円に対し優待利回り2.9%、会社開示)。初年度は保有期間の条件を設けず、次年度以降は1年以上の継続保有が条件。配当は財務状況と成長投資のバランスを踏まえ検討する方針を明示。

財務状況

借入金の計上はなく実質無借金を維持。総資産の94.1%を現金及び預金が占めるが、大半は加盟店送金前の決済代金である預り金に対応するもので、自己資本比率19.9%は前期末と同水準。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物37,425百万円前期末比+3.4%
総資産39,775百万円前期末比+3.7%
└ ソフトウエア427百万円前期末比▲13.6%
預り金31,351百万円前期末比+4.0%、負債合計の98.4%
有利子負債-借入金の計上なし
自己資本7,918百万円前期末比+3.7%
└ 利益剰余金▲4,482百万円中間純利益計上で203百万円改善
EBITDA264百万円営業利益154+減価償却費110(当レポート試算)

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/08/13
    2026年12月31日を基準日とする株主優待新設のお知らせ 株主優待新設のお知らせ

足許四半期中の主要発表

  • 2026/06/04
    9,000万人超のユーザーを持つ自己管理型ウォレットBitget Walletと協業で基本合意。StarPay-X構想のマルチウォレット化を推進 ネットスターズ、Bitget Walletと協業について基本合意
  • 2026/06/15
    日本円建てステーブルコイン開発を進めるStartale GroupとMOU締結。デジタル通貨のマルチコイン化を共同検討 ネットスターズ、Startale GroupとWeb3決済の普及に向けた協業について基本合意
  • 2026/07/07
    Canton NetworkのCanton FoundationとWeb3型決済の社会実装に向け基本合意。StarPay-X構想の技術基盤検討に反映 ネットスターズ、Canton FoundationとWeb3決済の社会実装に向けた協業について基本合意
  • 2026/07/13
    複数ステーブルコイン決済に対応する「Stablecoin Pay」を本格始動。手数料0.98%でUSDC・USDT・JPYCに対応 日本初※、ステーブルコイン決済に対応する「Stablecoin Pay」本格始動
  • 2026/08/03
    ローソン大崎アトリウム店でStablecoin PayのPOSレジ連動決済実証を8月17日実施と発表。コンビニ実店舗での社会実装を検証 ローソン店舗における「Stablecoin Pay」の店頭決済実証実験を8月17日に実施

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • LUN Partners Capital Limited(共同保有者含む): 9.38%→6.80%(2026/05/22) - 保有目的は「発行会社の成長により果実をとる純投資」、重要提案行為等は該当なし
  • LUN Partners Capital Limited(共同保有者含む): 6.80%→5.27%(2026/06/17) - 純投資目的。内訳はLUN Partners Capital Limited 2.85%、ルンパートナーズジャパンインベストメント 2.41%
  • LUN Partners Capital Limited: 訂正報告書提出(2026/06/17) - 変更報告書No.3の提出事由を保有割合1%以上減少に訂正
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