サマリー
ネットスターズは2025年12月期通期で営業黒字転換を果たし、決済取扱高が前年比+33.2%の2兆1,228億円へ急拡大した。2026年12月期は売上高5,760百万円(+20.3%)、営業利益500百万円(+70.8%)と増収増益の継続を計画しており、1Qではこの計画に対する序盤の進捗率が焦点となる。同社はマルチQRコード決済「StarPay」を軸に国内最大級のブランドカバレッジを強みとし、直近ではステーブルコイン決済やアプリ外課金事業、B2B決済領域への展開など、決済プラットフォームとしての拡張性を積極的に示している。1Qでは、大型加盟店の新規獲得ペース、DX関連サービスの収益貢献、受取利息を含む営業外収益の安定性を複合的に確認したい。
翌四半期の注目ポイント
| 注目点と焦点 | 示唆 |
|---|---|
売上成長1Q売上高の通期計画5,760百万円に対する進捗率 | 前期1Q売上構成比を基準に20%台前半の進捗が目安。前期通期+22.7%成長の勢いが持続するか |
決済取扱高1Q決済取扱高の前年同期比成長率 | 前期は+33.2%で2兆1,228億円。大型加盟店効果の一巡後も高成長を維持できるかが収益の先行指標 |
営業利益率1Q営業利益率の水準と販管費の増減 | 前期通期で6.1%に回復。通期計画8.7%に向け、DX投資やエンタメ事業の先行コストとのバランスを確認 |
営業外収益受取利息の四半期推移 | 前期は142百万円(前年7百万円)と急増。預り金30,131百万円に起因する金利収入の安定性が経常利益の鍵 |
新規事業StarPay-Entertainment(アプリ外課金)およびUSDC決済の収益貢献 | 2025年12月設立の新子会社やステーブルコイン実証の進展が中期成長ストーリーの蓋然性を左右 |
資本効率ROEの改善トレンド | 前期6.6%(前年▲0.5%)。累積損失▲4,685百万円の解消ペースと自己資本比率19.9%のバランスに注目 |
前回決算(2025年12月期 通期決算)を踏まえた主要論点
2025年12月期は、売上高4,788百万円(+22.7%)、営業利益293百万円と前期の営業損失▲84百万円から黒字転換を達成した。決済取扱高は大型加盟店の獲得を主因に前年比+33.2%へ急拡大し、成長の「量」の面では想定を上回る進捗となった。一方、黒字化はなったものの営業利益率6.1%にとどまり、利益の「質」の向上が2026年12月期の中核論点となる。
1. 決済取扱高の成長持続性と収益化率(テイクレート)
- 前期: 決済取扱高2兆1,228億円(+33.2%)。大型加盟店獲得が主因で、決済関連売上は順調に成長
- 今期確認: 大型加盟店効果の一巡後、中小加盟店の新規開拓や既存加盟店の取扱高増加による自律的成長への移行度合い
- 注目指標: 1Qの決済取扱高前年同期比、および売上高÷決済取扱高で算出されるテイクレート(当レポート試算:前期約0.23%)の推移
2. 営業利益率の改善と費用構造の変化
- 前期: 売上総利益率76.6%(前期76.3%)を維持しつつ、販管費3,372百万円(+10.1%)を売上成長+22.7%以下に抑制し営業黒字化
- 今期確認: 通期営業利益計画500百万円(営業利益率8.7%)に向け、販管費の増加ペースが売上成長率を下回る構造が継続するか
- 注目指標: 1Q販管費の前年同期比増減率(前期通期+10.1%が基準)、減価償却費(前期242百万円)の四半期推移
3. 受取利息と営業外収益の持続性
- 前期: 受取利息142百万円(前年7百万円)。預り金30,131百万円から生じる金利収入が経常利益443百万円の重要な構成要素
- 今期確認: 日銀の金融政策動向と預り金の水準変動により、受取利息の四半期ベースでの安定性を確認
- 注目指標: 通期経常利益計画707百万円に対する受取利息の寄与度。当レポート試算では、営業利益500百万円との差額207百万円の大半を受取利息が占める構造
4. 新規事業領域(エンタメ・ステーブルコイン・B2B決済)の進捗
- 前期: DX関連サービスにおいて展示会出展など販促活動を強化。ステーブルコイン(USDC)決済の羽田空港実証を開始
- 今期確認: 2026年1月設立の100%子会社StarPay-Entertainmentによるアプリ外課金事業の立ち上がり、B2B決済「StarPay-Biz for Hotel」の導入実績
- 注目指標: 新子会社の初期費用が1Q営業利益に与える影響
5. 繰延税金資産の活用と実効税率の正常化
- 前期: 法人税等調整額▲144百万円を計上し、繰延税金資産150百万円を新規認識。法人税等合計は▲82百万円(税効果による利益押し上げ)
- 今期確認: 通期計画の当期純利益493百万円(営業利益比1.0倍弱)は実効税率の正常化を織り込む構造。前期の税効果一巡の影響を確認
- 注目指標: 1Q実効税率の水準、累積損失▲4,685百万円の繰越欠損金活用状況
今期中の主要な適時開示
- 2026/01/13琉球銀行と企業間キャッシュレス決済推進で業務提携 - 沖縄県の宿泊事業者向けB2B決済「StarPay-Biz for Hotel」の展開を推進。地域金融機関チャネルを通じた加盟店開拓の新モデルとして注目。 琉球銀行と、企業間キャッシュレス決済推進に関して業務提携
- 2025/12/23日本初、ステーブルコイン(USDC)による店舗支払いの取扱いを羽田空港で実施 - 「QR コードを活用し実店舗でサービス実証、インバウンド旅行客対応を支援。 QR コードを活用し実店舗でサービス実証、インバウンド旅行客対応を支援
- 2025/12/19アプリ外課金事業への参入(100%子会社StarPay-Entertainment設立) - エンタメ向けオンライン決済・ゲームプラットフォーム事業を開始。決済ゲートウェイ技術を活かした新収益源として期待されるが、先行投資負担に留意。 ネットスターズ、アプリ外課金事業に参入
前四半期の着地(2025年12月期 通期実績)
ネットスターズは、マルチQRコード決済サービス「StarPay」を中核に、国内外40種類以上のキャッシュレス決済ブランドを一括提供するフィンテック企業。決済代行プラットフォームとしてのポジションに加え、DX関連サービスの開発・販売を展開する。2025年12月期は決済取扱高が2兆1,228億円(+33.2%)へ急拡大し、大型加盟店の獲得を主因に売上高+22.7%、営業利益の黒字転換を実現。2026年12月期は売上高5,760百万円(+20.3%)、営業利益500百万円(+70.8%)を計画し、収益性の段階的な向上を目指す。
| 項目 | 金額 | 前年同期比 | 会社計画比 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,788百万円 | +22.7% | - | 決済取扱高+33.2%が牽引 |
| 営業利益 | 293百万円 | 黒字転換(前年▲84百万円) | - | 営業利益率6.1%(前年▲2.2%) |
| 経常利益 | 443百万円 | 黒字転換(前年▲22百万円) | - | 受取利息142百万円が寄与 |
| 当期純利益 | 485百万円 | 黒字転換(前年▲37百万円) | - | 繰延税金資産149百万円を新規認識 |
| EPS | 28.99円 | 黒字転換(前年▲2.25円) | - | 期中平均株式数16,733,082株 |
2026年12月期 会社通期計画: 売上高5,760百万円(+20.3%)、営業利益500百万円(+70.8%)、経常利益707百万円(+59.7%)、当期純利益493百万円(+1.7%)
会社情報
- 会社名: 株式会社ネットスターズ
- 証券コード: 5590
- 上場市場: 東京証券取引所 グロース市場
- 決算期: 12月
- 主要事業: マルチQRコード決済サービス「StarPay」を中核としたキャッシュレス決済代行およびDX関連サービスの提供(フィンテック事業の単一セグメント)
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