ネットスターズ 通期 決算速報

決済取扱高2.1兆円(前年比+33.2%)で初の営業黒字転換、来期営業利益500百万円計画が成長の持続性を試す決算

配信日2026年2月12日 19:00 JST

通期決算を踏まえた評価点

決済取扱高が前年比+33.2%の2兆1,228億円へ急拡大し、売上高+22.7%・営業利益293百万円と通期で初の営業黒字化を達成。受取利息142百万円の貢献を含めた経常利益443百万円、繰延税金資産計上による法人税等調整額▲144百万円の効果で純利益485百万円と大幅な黒字転換を実現した。

  • 決済取扱高2兆1,228億円(前年比+33.2%)。大型加盟店獲得とキャッシュレス普及率向上が牽引
  • 営業損失▲84百万円→営業利益293百万円へ転換。売上総利益率76.6%(同+0.3pt)を維持しつつ、販管費増加率+10.1%を売上成長+22.7%が上回る
  • 受取利息142百万円(前年7百万円)。決済関連預り金残高301億円の運用益が経常利益を押し上げ
  • 繰延税金資産150百万円を新規計上、税効果で純利益485百万円を実現
  • 営業CF 2,377百万円を確保、実質無借金経営を継続

通期決算を踏まえた懸念点

売上高成長率は+22.7%と前期の+4.9%から加速したが、売上原価は+21.5%増と原価率は23.4%でほぼ横ばい。

  • 決済取扱高は前年比+33.2%だが売上高は+22.7%に留まり、テイクレートの構造的な低下リスク
  • 販管費3,372百万円(前年比+10.1%)は売上高の70.4%を占め、依然として高コスト体質。営業利益率6.1%と収益性は改善途上
  • 事業所閉鎖損失40百万円を特別損失に計上、拠点再編コストが発生
  • 営業CF 2,377百万円は前年7,510百万円から減少。預り金増加額の縮小(7,381百万円→2,015百万円)が主因
  • 利益剰余金は▲4,685百万円と累損解消には至っておらず、配当実施の見通し立たず

注目点/今後確認したいポイント

  • 来期売上高5,760百万円(+20.3%)・営業利益500百万円(+70.8%)の計画達成には、決済取扱高のさらなる拡大とDX関連売上の成長加速が不可欠。テイクレートの推移と大型加盟店パイプラインの状況を注視
  • スマホ新法施行に伴うアプリ外課金事業(子会社StarPay-Entertainment設立)の収益貢献時期と規模感。エンタメ領域への参入が既存決済事業とのシナジーをどの程度生むか
  • ステーブルコイン決済(羽田空港USDC実証)など新規領域の事業化進捗。決済手段の多様化が取扱高・売上高に与えるインパクト
経営陣への論点
  • 決済取扱高2.1兆円に対し売上高47億円。今後の加盟店構成変化に伴うテイクレートの方向性
  • 来期営業利益500百万円計画における販管費コントロールの具体策。人件費・開発費の伸び率想定
  • DX関連サービスの売上高構成比と粗利率の水準、今後の成長戦略
  • 受取利息142百万円の持続性。決済関連預り金の運用方針とリスク管理体制
  • StarPay-Entertainmentの初年度売上・投資計画。アプリ外課金市場における競合優位性
  • ステーブルコイン決済の事業化見通し。羽田空港実証の結果と他拠点展開計画
  • 海外事業(StarPay-Global)の売上高・利益貢献の見通し
  • 累損▲46億円の解消見通しと配当開始の目標時期
  • 大型加盟店獲得の具体的事例と今後のパイプライン状況

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高4,788百万円+22.7%
└ 売上原価1,122百万円+21.5%
売上総利益3,665百万円+23.1%
販売費及び一般管理費3,372百万円+10.1%
営業利益293百万円黒字転換(前年▲84百万円)
経常利益443百万円黒字転換(前年▲22百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益485百万円黒字転換(前年▲37百万円)
EPS28.99円黒字転換(前年▲2.25円)
潜在株式調整後EPS28.39円-
決済取扱高2兆1,228億円+33.2%
売上総利益率76.6%前年差+0.3pt
営業利益率6.1%前年差+8.3pt
ROE6.6%前年差+7.1pt
包括利益453百万円+1,435.7%

事業セグメント別の業績

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
フィンテック事業(全社)4,788百万円+22.7%293百万円黒字転換6.1%
好調な事業
  • 決済関連売上:決済取扱高2兆1,228億円(前年比+33.2%)。キャッシュレス決済比率42.8%(旧基準)達成を背景に、大型加盟店の獲得が寄与
  • 海外関連:カタール国立銀行のWeChat Pay EC決済導入支援、StarPay-Globalの展開が拡大
不調な事業
  • DX関連サービス:展示会出展等の販促活動に取り組むもの、具体的な売上高・成長率の開示なし。

業績予想比の進捗率

本決算は通期実績であり、2026年12月期の通期業績予想が新たに開示された。売上高5,760百万円(前年比+20.3%)、営業利益500百万円(同+70.8%)を計画。決済取扱高の継続的な拡大とDX関連サービスの成長により増収増益を見込むが、営業利益の計画達成には販管費の伸び抑制が鍵となる。

勘定科目2025年12月期実績2026年12月期計画前年比
売上高4,788百万円5,760百万円+20.3%
営業利益293百万円500百万円+70.8%
経常利益443百万円707百万円+59.7%
純利益485百万円493百万円+1.7%
EPS28.99円29.31円+1.1%
  • 決済取扱高はインバウンド需要の繁忙期(春節、GW、夏季休暇、年末年始)に増加する傾向
  • DX関連は大型案件の受注タイミングにより四半期間の変動が生じうる

業績予想の変更有無

本決算は通期実績の発表であり、業績予想の修正は該当なし。2026年12月期の新規ガイダンスとして売上高5,760百万円、営業利益500百万円、経常利益707百万円、純利益493百万円を提示。純利益は前年比+1.7%と控えめな伸びに留まる計画であり、2025年12月期に計上した繰延税金資産効果の剥落が要因と推察される。

株主還元への言及

2025年12月期の配当は期末0.00円(無配)、2026年12月期予想も同0.00円(無配継続)。利益剰余金が▲4,685百万円と累損の状態にあり、配当実施は累損解消後の課題。

財務状況

実質無借金経営を維持し、自己資本比率19.9%は前年と同水準を確保。負債の大半は決済取扱に伴う預り金(301億円)であり、有利子負債はゼロ。預り金を除いた実質的な財務体質は極めて健全。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
総資産38,354百万円前期比+7.3%
└ 流動資産37,242百万円前期比+7.6%
└ 固定資産1,111百万円前期比▲1.9%
現金及び預金36,209百万円前期比+6.9%
純資産7,633百万円前期比+7.4%
└ 株主資本7,528百万円前期比+8.0%
負債合計30,721百万円前期比+7.3%
└ 預り金30,131百万円前期比+7.2%、決済取扱に伴う一時預り
有利子負債0百万円-
ソフトウエア(純額)494百万円前期比▲14.3%
EBITDA536百万円営業利益293+減価償却費242

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/02/05
    セルフオーダーで「手ぶらスキー」をサポートするサービスに関するプレスリリースを発表 ネットスターズ、セルフオーダーで「手ぶらスキー」をサポート

足許四半期中の主要発表

  • 2025/12/19
    スマホ新法施行を受け、子会社「StarPay-Entertainment」設立によるアプリ外課金事業への参入を発表 ネットスターズ、アプリ外課金事業に参入
  • 2025/12/23
    羽田空港第3ターミナルでステーブルコイン「USDC」による店舗決済の実証を発表。日本初の試み 日本初、ステーブルコイン(USDC)による店舗支払いの取扱いを羽田空港で実施
  • 2026/01/13
    琉球銀行と企業間キャッシュレス決済推進に関する業務提携を発表。宿泊事業者向け「StarPay-Biz for Hotel」を沖縄で展開 琉球銀行と、企業間キャッシュレス決済推進に関して業務提携
  • 2026/01/26
    日本空港ビルデングと共同で、羽田空港でのUSDC決済実証を開始。2026年2月末まで実施 1月26日より、羽田空港第3ターミナル内店舗でステーブルコイン(USDC)による決済が可能に

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • アセットマネジメントOne: 5%超(2024/10/7報告) - 投資運用目的
  • 李剛(代表取締役社長CEO): 5%超(2024/10/3報告) - 経営者保有
  • LUN Partners Capital Limited: 5%超(2024/10/3報告)→保有割合増加(2025/3/21変更報告書No.2) - 戦略的投資目的
  • ケイジェイピーツー・エルピー: 5%超(2024/9/28報告) - 投資目的
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