2Q決算を踏まえた評価点
売上高26,808百万円(前年比+20.1%)、営業利益2,012百万円(同+19.2%)と増収増益。健康食品ブランド群の立ち上がりでスキンケア他が+52.3%と全社を牽引し、滞留在庫消化と美容家電の中間マージン削減により売上原価率が改善、増収と原価改善が広告販促投資の拡大を吸収した構図。
- 売上総利益率61.3%(前年比+3.7pt)に改善。会社説明資料ベースの調整後売上原価率も38.5%へ▲3.7pt
- スキンケア他が6,608百万円(同+52.3%)。2025年ローンチの健康食品3ブランド合計で約23億円を計上
- 美容家電は2Q単体3,595百万円(同+31.8%)とQ別過去最高。フェイスカレントポインター等の新商品が寄与
- 人件費率7.1%(前年比▲1.6pt)。AI活用による業務プロセス効率化と人材配置適正化が奏功
- 通期見通しを期初から上方修正。売上高+30億円、EBITDA・営業利益+5億円
2Q決算を踏まえた懸念点
上期営業利益2,012百万円に対し通期見通しは0〜1,500百万円であり、通期レンジから逆算した下期営業損益は▲2,012〜▲512百万円。会社は下期に大型戦略投資を継続するほか、ホルムズ海峡影響として約5〜6億円の原価高騰、円安による原価高騰について期初想定から約3億円の上振れを見込む。
- 通期営業利益上限1,500百万円を前提としても下期営業損益は▲512百万円(当レポート試算)
- 広告販促費率22.3%(前年比+5.4pt)。上期で約14億円の追加投資を実施しており投資対効果の検証が必要
- 特別損失283百万円を計上。特別調査費用等219百万円、上場契約違約金33百万円、課徴金6百万円等
- 2026年6月18日付で宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入り(〜2027年6月18日)
- 海外事業は営業損失▲25百万円と赤字継続。全社売上に占める比率も3.7%(当レポート試算)にとどまる
注目点/今後確認したいポイント
- 下期の営業損益見通しの内訳。ホルムズ海峡・円安由来の原価高騰と大型戦略投資が、それぞれどの程度の減益要因となるか
- 広告販促費率22.3%への上昇に対するリターン。新ブランドUNIPLEX、Amprem、および健康食品3ブランドの四半期売上推移
- グローバル展開の実効性
- 上期営業利益2,012百万円と通期見通し上限1,500百万円の差分に係る下期費用計上の内訳
- 大型戦略投資の下期投下額とカテゴリー別配分、投資回収のKPI設定
- ホルムズ海峡影響約5〜6億円の前提条件(対象品目・調達ルート)と価格転嫁方針
- Artemis完全子会社化(取得原価2,910百万円)による美容家電の収益性改善効果の定量化
- 再発防止策の3Q制度設計完了・4Q運用開始に向けた進捗と、猶予期間解除に向けた見通し
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 26,808百万円 | +20.1% |
| 売上総利益 | 16,443百万円 | +27.8% |
| └ 売上総利益率 | 61.3% | +3.7pt |
| 販売費及び一般管理費 | 14,430百万円 | +29.1% |
| EBITDA | 2,891百万円 | +13.5% |
| 営業利益 | 2,012百万円 | +19.2% |
| └ 営業利益率 | 7.5% | ▲0.1pt |
| 経常利益 | 1,911百万円 | +20.4% |
| 特別損失 | 283百万円 | - |
| 税金等調整前中間純利益 | 1,633百万円 | +2.9% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 1,047百万円 | +13.5% |
| EPS | 58.92円 | +11.6% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,586百万円 | +1.0% |
営業利益が+19.2%増ながら税金等調整前中間純利益が+2.9%にとどまるのは、特別損失283百万円(前年同期0百万円)の計上による。内訳は特別調査費用等219百万円、上場契約違約金33百万円、子会社清算損24百万円、課徴金6百万円。EBITDA(会社開示、営業利益+減価償却費+のれん償却額)は減価償却費553百万円・のれん償却額325百万円を加算した水準。
事業セグメント別の業績
IRコミュニケーション軸である3カテゴリーは全てが2桁成長。ヘアケア系はBOTANISTの米国Costco展開とYOLUのバリアント拡充、美容家電は2025年4Q以降の新商品群、スキンケア他は健康食品ブランド群がそれぞれ牽引。報告セグメントベースでは国内事業が売上高25,818百万円(前年比+18.7%)・セグメント利益3,769百万円(同+16.5%)、海外事業が売上高989百万円(同+74.6%)・営業損失▲25百万円(前年同期▲51百万円)。
カテゴリー別売上高(IR開示軸)
| カテゴリー | 売上高 | 前年同期比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| ヘアケア系 | 14,215百万円 | +12.2% | 53.0% |
| 美容家電 | 5,982百万円 | +12.8% | 22.3% |
| スキンケア他 | 6,608百万円 | +52.3% | 24.6% |
(構成比は当レポート試算。カテゴリー別の利益は開示対象外)
セグメント別業績表(報告セグメント/外部顧客への売上高ベース)
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内事業 | 25,818百万円 | +18.7% | 3,769百万円 | +16.5% | 14.6% |
| 海外事業 | 989百万円 | +74.6% | ▲25百万円 | - | - |
| 調整額(全社費用) | - | - | ▲1,731百万円 | - | - |
| 合計 | 26,808百万円 | +20.1% | 2,012百万円 | +19.2% | 7.5% |
- スキンケア他:+52.3%。2025年ローンチのTeaflex、Befas、Collateinの健康食品3ブランド合計で約23億円を計上、Befasは発売以降毎四半期連続増収
- 美容家電:2Q単体3,595百万円(前年比+31.8%)でQ別過去最高。コードレスアイロンとメタルカッサコームがインバウンド需要と海外での話題化、新規売り場拡大で伸長
- BOTANIST:上期+20.9%。米国Costcoでのオフライン展開に加え、リニューアルしたボディーソープフォームが+105.0%と伸び、ボディケア全体で+19.8%
- YOLU:上期+13.1%。4バリアント目メロウナイトリペアが寄与し、シリーズ累計販売数1億個を突破
- WrinkFade:+24.1%。定期販売の新規獲得とECモールでの売上伸長が牽引
- 海外事業:売上+74.6%と拡大も営業損失▲25百万円と赤字継続。売上成長に対して黒字化には至っておらず、今後の収益化が課題
- グローバル売上:2Q単体399百万円と1Qの590百万円から▲32.4%(当レポート試算)。上期累計では前年同期比+74.6%と伸長する一方、四半期ベースでは減速しており、3Q以降の推移を確認したい
- BOTANIST(2Q単体):3,196百万円で前年同期比▲3.6%(当レポート試算)。1Qの大幅伸長に対して2Qは前年割れとなっており、Costco展開を含む上期+20.9%の成長が3Q以降も持続するかを確認したい
業績予想比の進捗率
上期売上高は通期見通しレンジに対し47.0〜48.7%の進捗で、前年同期の対通期実績比45.6%(当レポート試算)を上回るペース。一方、営業利益・EBITDAは上期実績が通期見通しの上限に接近ないし超過しており、会社は下期に大型戦略投資と原価高騰(ホルムズ海峡影響約5〜6億円、円安影響で期初想定比+約3億円)を織り込む前提を明示している。
| 勘定科目 | 数値(中間期累計) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 26,808百万円 | 55,000〜57,000百万円 | 47.0〜48.7% |
| EBITDA | 2,891百万円 | 1,700〜3,200百万円 | 90.3〜170.1% |
| 営業利益 | 2,012百万円 | 0〜1,500百万円 | 134.1%(対上限) |
(進捗率は当レポート試算。営業利益の対下限は算出不可。通期見通しの開示科目は売上高・EBITDA・営業利益の3指標)
- 通期売上に占める上期比率は2025年12月期45.6%、2024年12月期45.1%(当レポート試算)と下期偏重の傾向
- 会社は下期に戦略投資と原価高騰影響を集中して織り込む計画としており、利益は上期偏重の見通し
業績予想の変更有無
2026年5月15日公表の通期連結業績予想を上方修正。上期に全カテゴリーが前年同期比2桁成長となった実績を反映し、売上高・EBITDA・営業利益の3指標を引き上げ。開示形式は地政学リスクと為替の不確実性を理由に引き続きレンジ。
- 売上高:従来52,000〜54,000百万円→新55,000〜57,000百万円(+3,000百万円)
- EBITDA:従来1,200〜2,700百万円→新1,700〜3,200百万円(+500百万円)
- 営業利益:従来▲500〜1,000百万円→新0〜1,500百万円(+500百万円)
- 修正理由:上期に全カテゴリーで2桁増収を達成した一方、下期はホルムズ海峡影響で約5〜6億円、円安影響で期初想定比+約3億円の原価高騰を見込み、大型戦略投資も継続する前提
株主還元への言及
年間配当予想15.00円は据え置きで、支払回数を年1回から2回に分割。中間配当7.00円(総額124百万円、基準日2026年6月30日、支払開始2026年9月10日)を2026年8月7日の臨時取締役会で決議し、期末は8.00円を予定。株主優待も2026年より年2回に分割し、100〜499株保有で1回あたり5,000円分、500株以上で10,000円分のデジタルギフトを付与。自己株式取得は株価水準・流通時価総額水準を勘案し機動的に判断する方針(直近実績は2024年5月の約5億円)。
財務状況
実質ネットキャッシュを維持し、自己資本比率は53.1%へ上昇。Artemis完全子会社化に伴う非支配株主持分の消滅と長期借入金の約定返済により総資産・純資産はともに圧縮されたが、営業CFは2,586百万円を確保し財務基盤は安定。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 6,896百万円 | 前期比▲19.2% |
| 自己資本 | 17,739百万円 | 前期比▲3.8% |
| 有利子負債 | 5,999百万円 | 前期比▲9.7% |
| └ 1年内返済予定の長期借入金 | 1,285百万円 | - |
| └ 長期借入金 | 4,714百万円 | 前期比▲642百万円 |
| 棚卸資産(商品+原材料及び貯蔵品) | 5,035百万円 | 前期比▲6.2%、滞留在庫消化が進展 |
| のれん | 5,428百万円 | 前期比▲5.7%、上期償却額325百万円 |
| 無形固定資産合計 | 11,368百万円 | 総資産の34.0% |
| 非支配株主持分 | 0百万円 | Artemis完全子会社化により消滅 |
| EBITDA | 2,891百万円 | 会社開示(営業利益+減価償却費+のれん償却額) |
決算発表と同時に出たニュース
- 2026/08/05SALONIAのペン型美顔器「フェイス カレントポインター」に新色ピンクを追加、8月21日より順次発売。発売から約4カ月で計画比401%を達成 <ペン型美顔器>ご好評につき新色ピンク 8月21日新発売!
- 2026/08/05BOTANISTから泡量3倍の医薬部外品「ボタニカルボディーソープフォーム マイルドケア」を9月1日発売、伸長中のボディケア領域を強化 BOTANISTから、1プッシュで“たっぷり3倍泡”の「ボタニカルボディーソープフォーム マイルドケア」が9月1日より新発売
- 2026/08/04YOLUのバスタブレットからギフト需要対応の「3つの香りのアソートセット」を9月2日発売 人気のバスタブレットから、ギフトにもぴったりな「3つの香りのアソートセット」が9月2日新発売
足許四半期中の主要発表
- 2026/05/15YOLUがブランド誕生から約4年半でシリーズ累計販売数1億個を突破、ナイトケア市場の主力ブランドとして規模拡大 YOLU、ブランド累計販売数 1億個突破
- 2026/06/01質感改善ヘアケア新ブランド「UNIPLEX」を6月16日発売。EC、ロフト、ツルハ・ウエルシア・イオン等へ展開、発売1カ月でECランキング15冠 「硬毛・太毛・ダメージ毛」のお悩みに。質感改善ヘアケア「UNIPLEX(ユニプレックス)」6月16日新発売
- 2026/06/19東京証券取引所より宣誓書違反に係る再審査の猶予期間入り(〜2027年6月18日)および上場契約違約金の徴求を受領 宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入り及び上場契約違約金の徴求に関するお知らせ
- 2026/07/17自社研究所JBISTがイオン液体技術による「キューティクル遮断膜浸透技術」を確立、ヘアケア製品の差別化技術として展開 自社研究所JBIST、イオン液体技術を用いた「キューティクル遮断膜浸透技術」を確立
- 2026/07/23新ヘアケアブランド「Amprem」を8月28日にローンチ。EC先行後、ロフト・PLAZA・全国ドラッグストアへ順次展開 新ヘアケアブランド『Amprem(アンプレム)』8月28日(金)誕生
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- 大西洋平氏(共同保有者:株式会社COH): 60.13%→59.67%(2025/09/03) - 代表取締役としての経営安定化目的、COHは資産管理会社として安定株主・長期保有目的
- 大西洋平氏(共同保有者:株式会社COH): 59.67%→58.59%(2025/09/17) - 同上
- 大西洋平氏(共同保有者:株式会社COH): 58.59%→57.02%(2025/09/24) - 同上
- スパークス・アセット・マネジメント: 6.15%→4.68%(2025/11/19) - 投資一任契約・投資信託委託契約に基づく純投資、5%未満へ低下
- りそなアセットマネジメント: 6.64%→4.93%(2025/11/20) - 投資信託・投資一任契約に基づく運用目的、5%未満へ低下
- 大西洋平氏(共同保有者:株式会社COH): 57.02%→56.97%(2026/01/06) - 株式の消費貸借契約締結に伴う変動、保有目的は経営安定化・長期保有
- 大西洋平氏(共同保有者:株式会社COH): 56.97%→56.96%(2026/07/21) - 同上
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