辻・本郷 ITコンサルティング 2Q 決算速報

売上高は2Q過去最高の1,164百万円、セキュリティ・伊藤忠連携が牽引も上場費用で減益、下期の利益回復力が焦点

配信日2026年5月15日 18:30 JST

2Q決算を踏まえた評価点

売上高は前年比+14.2%と2Q累計で過去最高を更新、全3ドメインが増収を達成。顧客社数822社(同+15%)・士業紹介件数1,244件(同+15%)とKPIも良好に推移しており、士業エコシステムを起点とした顧客獲得モデルの有効性が確認された。

  • 売上高1,164百万円(前年比+14.2%)、2Q累計で過去最高。伊藤忠グループとのシナジーにより大企業・中堅企業向け受注が拡大
  • 2Q単独の営業利益率12%とQ1(7%)から改善。上場関連費用は一過性であり、下期に向け収益性の回復余地あり
  • withDXプラットフォームが2026年1月に商用開始、約100社の士業法人と提携し辻・本郷グループ外への顧客接点が拡大
  • 自己資本比率76.0%(前期末60.4%→+15.6pt)、IPOによる資本増強で財務基盤が強化
  • セキュリティコンサルティング受注増加。サイバー攻撃の高度化を背景に成長領域として確立しつつある

2Q決算を踏まえた懸念点

営業利益は前年比▲25.0%の114百万円、販管費が前年比+74百万円(+18.9%)と増加。上場関連費用▲30百万円、採用教育費▲14百万円が主因であり一過性の色合いが強いものの、人員+34名の増加に伴う固定費増が継続する中で、売上総利益率は50.4%(前年比▲3.5pt)と低下しており、原価管理の動向に留意が必要。

  • 売上総利益率50.4%(前年53.9%、▲3.5pt)。外注費・人件費増加が粗利を圧迫、売上拡大に対しコスト増が先行
  • 営業CFは61百万円(前年比▲31百万円、▲33.5%)。法人税等の支払額86百万円が重く、キャッシュ創出力が一時的に減退
  • 不正アクセス関連損失引当金71百万円が前期末から変動なく残存。解消時期・損失確定の見通しが不透明
  • 通期純利益計画302百万円に対し2Q累計78百万円(進捗率25.9%)と低水準。下期偏重が前提であり達成ハードルは高い

注目点/今後確認したいポイント

  • withDXの加盟士業法人数(現在約100社)の拡大ペースと、士業経由の案件紹介から売上転換に至るコンバージョン率の推移。プラットフォーム事業がどの程度の収益貢献を下期以降にもたらすかが中期成長の鍵
  • 上場関連費用(2Q累計約30百万円)の発生が3Q以降終息するか、また人員+34名の増員投資が下期の生産性向上・売上増へ結実するタイミング
  • 伊藤忠グループ連携による大企業向け案件のパイプライン規模と単価水準。コンサルティングドメインの利益率改善がどの程度見込めるか
経営陣への論点
  • 上場関連費用の3Q以降の発生見込みと通期費用総額
  • 2Q単独の営業利益率12%を下期も維持・改善できる根拠
  • withDXプラットフォームの加盟士業法人100社からのARPU(1法人当たり売上貢献)の現状と目標
  • 不正アクセス関連損失引当金71百万円の解消見通しと損失確定の時期
  • 伊藤忠グループ経由の案件紹介件数・受注額の定量的な実績
  • セキュリティコンサルティングのドメイン内売上構成比と成長目標
  • 人員186名体制における採用計画の通期着地見込みと定着率
  • AI活用プロジェクト「TH-AI」の投資規模と収益化のタイムライン
  • コロニーインタラクティブ(EC開発子会社)の業績寄与度
  • 配当開始の検討時期と株主還元方針の中長期的な考え方

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高1,164百万円+14.2%
売上原価577百万円+23.0%
売上総利益586百万円+6.6%
販売費及び一般管理費472百万円+18.9%
営業利益114百万円▲25.0%
経常利益118百万円▲25.3%
親会社株主に帰属する中間純利益78百万円▲28.2%
EPS41.84円▲35.2%
潜在株式調整後EPS40.29円-
EBITDA135百万円▲22.0%
包括利益78百万円▲29.0%
顧客社数822社+15.0%
士業からの案件紹介数1,244件+15.0%
従業員数(グループ連結)186名+34名

売上高は2Q累計で過去最高を更新。一方で営業利益は上場関連費用▲30百万円、採用教育費▲14百万円、その他販管費▲32百万円の増加が売上総利益の増加+36百万円を上回り、前年比▲25.0%の減益。2Q単独では売上602百万円・営業利益73百万円(利益率12%)とQ1(40百万円、7%)から改善。

事業セグメント別の業績

好調な事業
  • コンサルティング:2Q単独143百万円、前年2Q(97百万円)を上回る水準。伊藤忠グループとのシナジーにより大企業・中堅企業向け受注が増加、セキュリティコンサルティングの引き合いも増加
  • テクノロジー:ソフトウェア販売件数の増加が牽引。CTC・CTCSPとの協業によるITインフラ構築・サイバーセキュリティ機能の補完も寄与
不調な事業
  • オペレーション(派遣事業):前2Qの大型派遣案件41百万円終了による反動があったが、経理・労務代行等の受託増で吸収し、ドメイン全体では増収を確保。相対的には派遣案件終了の影響が残る領域

業績予想比の進捗率

通期売上高2,913百万円に対し2Q累計1,164百万円(進捗率40.0%)、営業利益428百万円に対し114百万円(同26.7%)。前年同期の進捗率(売上高48.1%、営業利益47.9%)と比較すると低水準。会社側は業績予想を据え置いており、下期に売上高1,749百万円・営業利益313百万円の計上が必要となる。上場関連費用の剥落、人員増効果の顕在化、セキュリティ・大企業向け案件の積み上がりが下期偏重達成の前提条件となる。

勘定科目数値(2Q累計)通期計画進捗率
売上高1,164百万円2,913百万円40.0%
営業利益114百万円428百万円26.7%
経常利益118百万円428百万円27.6%
純利益78百万円302百万円25.9%
  • 前期(2025年9月期)は下半期(3Q+4Q)に売上高1,103百万円を計上し、上期1,020百万円を上回る下期偏重型。コンサルティング案件は年度末・期末に検収が集中しやすい傾向あり
  • 上場関連費用の剥落により下期の販管費率低下余地はあるが、人員増・採用教育費など人的資本投資の継続により、費用水準がどこまで下がるかは未確認

業績予想の変更有無

業績予想の修正なし。通期予想は2025年12月19日公表値を据え置き。売上高2,913百万円(前期比+37.2%)、営業利益428百万円(同+33.8%)、純利益302百万円(同+78.8%)を維持。

株主還元への言及

2026年9月期の配当予想は期末0.00円(年間0.00円)で前期から変更なし。無配を継続。上場後間もないことから、成長投資を優先する方針と推察される。

財務状況

IPOに伴う公募増資588百万円(一般募集+第三者割当)により資本基盤が強化。有利子負債は92百万円へ半減し、ネットキャッシュ1,370百万円と実質無借金経営に移行。自己資本比率76.0%と高水準。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金1,462百万円前期末比+522百万円(+55.5%)
総資産2,205百万円前期末比+533百万円(+31.9%)
└ 流動資産合計1,804百万円前期末比+528百万円
└ 固定資産合計401百万円前期末比+4百万円
のれん250百万円前期末比▲15百万円(償却進行)
有利子負債92百万円前期末比▲102百万円(▲52.8%)
└ 1年内返済予定の長期借入金32百万円-
└ 長期借入金59百万円-
純資産1,676百万円前期末比+666百万円(+66.0%)
自己資本比率76.0%前期末60.4%から+15.6pt
EBITDA135百万円営業利益+減価償却費+のれん償却費(会社開示)

決算発表と同時に出たニュース

該当なし

足許四半期中の主要発表

  • 2026/01/16
    オーバーアロットメント関連で第三者割当増資(85,500株)を実施。手取概算額145百万円は人材採用費・オフィス移転資金等に充当予定 第三者割当増資の結果に関するお知らせ
  • 2026/04/30
    株式会社ネットワークのソフトウェア販売・保守事業を譲受。顧客基盤拡大と提案機会の強化を狙い、当期業績への影響は軽微 事業の譲受に関するお知らせ
  • 2026/05/08
    辻・本郷税理士法人との業務変革プロジェクト「TH-AI」を本格始動。生成AIを核とした税理士業務の効率化・品質向上を推進 辻・本郷 ITコンサルティング、辻・本郷 税理士法人の業務変革プロジェクト「AI活用プロジェクト(TH-AI)」を本格始動

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • Hongo holdings: 0.00%→38.07%(2026/01/27報告、義務発生日2025/12/19) - 純投資目的
  • 伊藤忠商事: 0.00%→23.12%(2025/12/26報告、義務発生日2025/12/19) - 資本業務提携に基づく政策投資
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