辻・本郷 ITコンサルティング 2Q 決算プレビュー

DXプラットフォーム事業の通期売上計画+37%成長に対する進捗と、セキュリティ需要を梃子にした利益率改善の確認が焦点

配信日2026年5月13日 15:30 JST

サマリー

辻・本郷税理士法人および伊藤忠商事との強固なネットワークを基盤とするDXプラットフォーム事業者として、上場後初の本格的な業績トラッキングとなる2Q決算を迎える。1Q売上高562百万円(通期計画比19.3%)に対し、営業利益40百万円(同9.5%)と利益進捗は低水準であり、2Qでの挽回ペースが通期計画達成の蓋然性を左右する。サイバーセキュリティ対策や情報セキュリティ体制の再構築支援といった高付加価値領域の受注動向、IPO調達資金を活用した人材投資とオフィス移転の進捗が、成長の質を測る重要な判断材料となる。上場後の資本市場との対話が本格化する局面において、中期的な収益構造の方向性を確認したい。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上成長1H累計売上高の通期計画2,913百万円に対する進捗率

1Q進捗19.3%は通期+37.2%成長計画に対して低水準。2Q単独で730百万円超(当レポート試算:25%超の累計進捗)が確認できれば計画達成の蓋然性向上

収益性営業利益率の四半期推移

1Q営業利益率7.3%は通期計画14.7%を下回る。2Q以降の原価率・販管費率改善が利益計画428百万円達成の鍵

人材投資採用進捗と連結従業員数の推移

連結従業員121名(2025年10月末)からの増加ペースと、IPO調達資金の人材採用費充当状況が成長持続性を左右

セキュリティ事業サイバーセキュリティ関連の受注・売上構成比

2026年度「セキュリティ対策評価制度」本格運用を控え、企業の体制整備需要の取り込みが中期成長の鍵

資本効率IPO資金の使途進捗と自己資本比率の推移

自己資本比率73.1%(1Q末)と財務余力は十分。オフィス移転等の戦略投資と資本効率(ROE)のバランスに注目

不正アクセス関連不正アクセス関連損失引当金71百万円の動向

引当金の取崩し・追加計上の有無が特別損益を通じて純利益に影響。進展の開示有無を確認

前回決算(2026年9月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

2025年12月に東証スタンダード市場へ新規上場し、上場後初の四半期決算として1Q実績を開示。売上高562百万円、営業利益40百万円と黒字を確保したものの、通期計画に対する利益進捗は9.5%にとどまる。「DXに関するプラットフォーム事業」の単一セグメントとして、コンサルティング・テクノロジー・オペレーションの3ドメインを展開する中、セキュリティ領域の需要拡大を追い風に2Q以降の加速が見込めるかが焦点。

1. 通期売上高計画2,913百万円に対する進捗ペース

  • 前期: 1Q売上高562百万円(通期計画比19.3%)。前年同期比較は非開示(前期1Q連結財務諸表未作成のため)
  • 今期確認: 2Q単独の売上高水準と1H累計の通期計画比。前期通期売上高は約2,123百万円(当レポート試算:通期計画の前期比+37.2%から逆算)であり、四半期平均530百万円相当。1Q実績562百万円はこれを上回るものの、今期は四半期平均728百万円が必要
  • 注目指標: 1H累計売上高の通期計画達成率(前期3Q累計1,548百万円との比較も参考)

2. 営業利益率の改善トレンドと販管費コントロール

  • 前期: 1Q営業利益率7.3%(営業利益40百万円/売上高562百万円)。売上総利益率48.4%に対し、販管費231百万円(売上高比41.2%)が利益率を圧迫
  • 今期確認: 2Q以降の販管費の伸び率。上場関連の一時費用が1Qに集中していた場合、2Q以降の販管費率低下による利益率改善余地がある。通期計画の営業利益率14.7%(前期実績15.1%)との乖離幅の縮小が重要
  • 注目指標: 2Q単独の営業利益率、販管費の前四半期比増減

3. IPO調達資金の活用と成長投資の進捗

  • 前期: 公募増資(260,000株×1,702円=442百万円)およびオーバーアロットメント(85,500株×1,702円=145百万円)で合計約588百万円を調達。資金使途として人材採用費等の運転資金およびオフィス移転資金を明示
  • 今期確認: 2Q時点での採用実績(連結従業員数の増加)とオフィス移転の進捗。固定費増加が先行する場合、短期的には利益率を圧迫する可能性
  • 注目指標: 連結従業員数、有形固定資産の増減(オフィス移転関連の設備投資)

4. サイバーセキュリティ関連需要の取り込み状況

  • 前期: 決算短信において「サイバーセキュリティ対策」の強化や「情報セキュリティ体制」の再構築支援ニーズが堅調と記載。技術的・組織的セキュリティの両面からの支援を推進
  • 今期確認: セキュリティ関連の案件受注動向と、3ドメイン(コンサルティング・テクノロジー・オペレーション)ごとの売上構成比の変化。高付加価値のコンサルティング比率上昇は利益率改善に直結
  • 注目指標: テクノロジードメイン売上比率(前期実績54.4%)、コンサルティングドメイン売上比率(同12.3%)の変化

5. 不正アクセス関連損失引当金の処理動向

  • 前期: 不正アクセス関連損失引当金71百万円を流動負債に計上(前期末から変動なし)
  • 今期確認: 当該引当金の取崩し・追加計上の有無。解決に至った場合は戻入益が純利益を押し上げる一方、追加損失の可能性もリスク要因
  • 注目指標: 引当金残高の増減、関連する特別損益の計上有無

今期中の主要な適時開示

  • 2026/03/31
    非上場の親会社等の決算に関するお知らせ - 上場に伴いHongo holdingsが親会社に該当しなくなった旨の開示済みだが、旧親会社の決算開示は引き続きガバナンス面で注視が必要。 辻・本郷ITコンサルティング 非上場の親会社等の決算に関するお知らせ
  • 2026/03/31
    エンヴァリスによるインタビューレポート公開 - 独立系調査機関による詳細分析レポートの公表は、スタンダード市場の小型株としてアナリストカバレッジ補完の意義がある。 辻・本郷ITコンサルティング エンヴァリスによるインタビューレポート公開のお知らせ
  • 2026/01/16
    第三者割当増資(オーバーアロットメント)の結果 - SBI証券を割当先に85,500株(145百万円)を発行し、2026年1月21日に払込が完了。発行済株式数は2,037,488株に拡大し、調達資金は人材採用費・オフィス移転資金に充当予定。 第三者割当増資の結果に関するお知らせ
  • 2025/12/19
    親会社の異動に関するお知らせ - 上場に伴う公募増資・売出し等により、Hongo holdingsが親会社に非該当。資本構成の変化はガバナンス体制の独立性向上として評価可能。 親会社の異動に関するお知らせ

前四半期の着地(2026年9月期 1Q実績)

辻・本郷ITコンサルティングは、辻・本郷税理士法人を母体とし、伊藤忠商事との資本業務提携(2024年3月~)を基盤に「DXに関するプラットフォーム事業」を単一セグメントで展開。コンサルティング、テクノロジー、オペレーションの3ドメインで中堅・中小企業のバックオフィスDX支援をワンストップで提供する。2025年12月に東証スタンダード市場へ新規上場し、通期では売上高2,913百万円(前期比+37.2%)、営業利益428百万円(同+33.8%)を計画。1Qは上場直後の四半期として売上高562百万円、営業利益40百万円を計上した。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高562百万円-進捗19.3%前期1Q連結未作成のためYoY比較不可
営業利益40百万円-進捗9.5%営業利益率7.3%(通期計画14.7%)
経常利益40百万円-進捗9.5%営業外損益は軽微(▲0百万円)
当期純利益26百万円-進捗8.6%実効税率36.1%
EPS15.10円--潜在株式調整後14.33円

通期計画に対する進捗率: 売上高19.3%、営業利益9.5%(前年同期比較なし。前期は1Q連結財務諸表未作成のため進捗率比較不可)

会社情報

  • 会社名
    : 辻・本郷ITコンサルティング株式会社
  • 証券コード
    : 476A
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 スタンダード市場
  • 決算期
    : 9月
  • 主要事業
    : DXに関するプラットフォーム事業(各種業務コンサルティング、ソフトウェア販売導入支援、システム開発等のDX支援、SaaSと専門知識を基盤とした経理労務代行、専門人材供給等のオペレーションコンサルティング)
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