辻・本郷ITコンサルティング 1Q 決算速報
上場後初の1Q決算、売上高は過去最高の562百万円も上場費用29百万円が利益を圧迫、withDXの本格稼働と顧客基盤拡大に注目
1Q決算を踏まえた評価点
2025年12月のスタンダード市場上場後初の四半期決算。売上高562百万円は1Q過去最高を更新し前年比+13%の増収、コンサルティング、テクノロジー両ドメインが牽引。営業利益は1Q社内予算を達成しており、上場関連費用を除けばトップラインの成長力は健在と評価。
- 売上高562百万円(前年比+13%)、1Qとして過去最高を達成。テクノロジードメインが331百万円(同+20.7%)と牽引
- 顧客社数661社(前年比+14%)、士業からの案件紹介数566件(同+29%)と営業基盤が拡大。「withDX」の本格稼働が寄与
- IPOによる公募増資(442百万円)で自己資本比率60.4%→73.1%へ上昇、有利子負債も74百万円圧縮し財務基盤を強化
- 不正アクセス関連損失引当金71百万円を前期から維持しつつも、追加損失計上なく問題が収束方向にある可能性
1Q決算を踏まえた懸念点
営業利益40百万円は前年比▲53%と半減。上場関連費用29百万円と採用教育費9百万円の一時要因が主因だが、通期営業利益428百万円に対する1Q進捗率は9.5%と低水準であり、残り3四半期での挽回が必要。
- 営業利益率7.3%(前年1Q:17.6%)に低下。上場費用は一時的だが、人件費増は構造的コスト増となりうる
- EBITDA 51百万円(前年比▲48%)。のれん償却7百万円/Qの負担が継続
- オペレーションドメインは140百万円で前年比横ばい。派遣事業の大型案件(前1Q 41百万円)契約満了の影響が残存
- 通期純利益302百万円に対し1Q実績26百万円(進捗率8.6%)。前期比+78.8%の高い増益計画の達成ハードルは高い
- 配当予想は年間0円を継続。成長投資優先の方針だが、株主還元策の提示時期が不透明
注目点/今後確認したいポイント
- 2026年3月にリリース予定のwithDXポータルシステムの稼働状況と加盟法人数(現在約80法人/社)の拡大ペース。プラットフォーム型収益への転換が中長期の成長を左右
- サイバーセキュリティ案件の増加トレンドの持続性と、同分野の売上構成比拡大の見通し。テクノロジードメインの収益ドライバーとしての位置付けの明確化が重要
- 上場関連費用の通期影響額(1Qに29百万円計上)の確認と、2Q以降の販管費正常化の度合い。通期営業利益428百万円達成には2Q以降の四半期平均129百万円の営業利益が必要
- 通期営業利益428百万円に対する1Q進捗率9.5%の評価と、残り3四半期の利益回復のシナリオ
- 上場関連費用29百万円の通期ベースでの総額見通し(2Q以降の追加発生有無)
- withDXプラットフォームの収益モデルの詳細(課金体系、加盟法人あたり収益単価)
- 人材採用計画の具体的な人数目標と、採用教育費の通期予算
- オペレーション事業における大型派遣案件の後継パイプライン状況
- セキュリティ事業の売上高・案件数の定量的な開示予定
- 伊藤忠商事グループとの協業による具体的な案件創出実績と今期の計画
- IPO調達資金の使途進捗(人材採用費、オフィス移転への充当状況)
- 不正アクセス関連損失引当金71百万円の今後の見通し(取崩し、追加計上の可能性)
- コロニーインタラクティブ子会社のEC開発事業の業績寄与状況
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 562百万円 | +13.0% |
| 売上総利益 | 272百万円 | - |
| 売上総利益率 | 48.4% | - |
| 営業利益 | 40百万円 | ▲53.0% |
| 営業利益率 | 7.3% | - |
| 経常利益 | 40百万円 | ▲53.0% |
| 四半期純利益 | 26百万円 | ▲56.0% |
| EPS | 15.10円 | - |
| 潜在株式調整後EPS | 14.33円 | - |
| EBITDA | 51百万円 | ▲48.0% |
| 包括利益 | 26百万円 | - |
※前年同期比は決算補足説明資料記載の管理数値に基づく。決算短信上は前年1Q連結財務諸表未作成のため増減率未記載。EBITDA=営業利益+減価償却費2.7百万円+のれん償却額7.634百万円(会社開示)。
事業セグメント別の業績
| ドメイン名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| テクノロジー | 331百万円 | +20.7% | - | - | - |
| オペレーション | 140百万円 | +0.0% | - | - | - |
| コンサルティング | 91百万円 | +7.0% | - | - | - |
| 全社合計 | 562百万円 | +13.0% | 40百万円 | ▲53.0% | 7.3% |
- テクノロジードメイン:前年比+20.7%(274百万円→331百万円)。ソフトウェア販売の件数増加に加え、サイバーセキュリティ関連の相談・案件が増加傾向
- コンサルティングドメイン:前年比+7.0%(85百万円→91百万円)。業務改革・法令対応コンサルティングの件数増加
- オペレーションドメイン:前年比+0.0%(140百万円→140百万円)。派遣事業の大型案件(前1Q 41百万円)の契約満了が影響。経理労務業務代行の件数増で補完したが成長余地は限定的
業績予想比の進捗率
売上高の1Q進捗率19.3%は年間均等ペース(25%)を下回るが、前期通期売上2,124百万円に対する前期1Q売上499百万円の比率(23.5%)と比較すると今期も同水準。一方、営業利益の進捗率は9.5%にとどまり、上場関連費用29百万円が主因。2Q以降の費用正常化を前提とすれば通期計画の達成余地はあるが、人件費増の構造的影響を注視する必要がある。
| 勘定科目 | 数値 (1Q累積) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 562百万円 | 2,913百万円 | 19.3% |
| 営業利益 | 40百万円 | 428百万円 | 9.5% |
| 経常利益 | 40百万円 | 428百万円 | 9.5% |
| 純利益 | 26百万円 | 302百万円 | 8.6% |
- 当社は9月決算企業であり、4Q(7-9月)に企業のIT投資・DX案件が集中する傾向があると推察される。前期も下期偏重の業績推移であったと見られ、1Qの低進捗は構造的な季節性要因を含む可能性がある
業績予想の変更有無
2025年12月19日発表の業績予想から変更なし。通期計画は売上高2,913百万円(前期比+37.2%)、営業利益428百万円(同+33.8%)、純利益302百万円(同+78.8%)を維持。
株主還元への言及
2026年9月期の配当予想は年間0円(前期も0円)を継続。成長投資(人材採用・収益基盤多様化)への内部留保充実を優先する方針。株主優待制度の導入予定は未開示。
財務状況
IPOに伴う公募増資により自己資本比率が73.1%へ上昇、有利子負債の返済も進み財務基盤は健全。実質的にネットキャッシュの状態にあり、成長投資余力は十分。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 1,303百万円 | 前期比+38.6% |
| 総資産 | 2,022百万円 | 前期比+20.9% |
| 流動資産合計 | 1,613百万円 | 前期比+26.5% |
| 固定資産合計 | 408百万円 | 前期比+2.9% |
| └ のれん | 258百万円 | 前期比▲2.9%(償却進行) |
| 有利子負債合計 | 120百万円 | 前期比▲38.4% |
| └ 1年内返済予定の長期借入金 | 52百万円 | - |
| └ 長期借入金 | 67百万円 | - |
| 純資産 | 1,478百万円 | 前期比+46.4% |
| 自己資本比率 | 73.1% | 前期差+12.7pt |
| EBITDA | 51百万円 | 営業利益+減価償却費+のれん償却費 |
決算発表と同時に出たニュース
該当なし
足許四半期中の主要発表
過去1年間の大量保有報告/重要提案
Hongo holdings株式会社は有価証券届出書提出日現在における発行済株式総数の62.24%を保有する筆頭株主であり、IPOに伴う売出し後も継続保有方針を表明。伊藤忠商事株式会社は2024年9月末時点で議決権の26.7%を保有し、その他の関係会社に該当。
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