KeyHolder 2Q(中間期)決算速報

総合エンタメと映像制作が牽引し営業利益+63.9%、広告代理店の再構築進捗が下期の焦点となる中間決算

配信日2026年8月7日 19:00 JST

2Q決算を踏まえた評価点

売上収益+4.7%に対し営業利益+63.9%と収益性が先行改善。総合エンターテインメント事業のIPコンテンツ好調と持分法投資利益の伸長、映像制作事業の各部門利益改善が、広告代理店事業の減収減益を吸収した構図。売上総利益率は19.8%へ上昇し、中間利益は前年比87.6%増となった。

  • 売上総利益3,491百万円(前年比+16.1%)、粗利率19.8%(同+1.9pt、当レポート試算)へ改善
  • 総合エンタメ売上7,844百万円(+13.3%)、セグメント利益1,112百万円(+39.1%)。乃木坂関連+360百万円、AOI寄与+430百万円が押し上げ(会社開示)
  • 映像制作はセグメント利益134百万円(+367.3%)。バラエティ番組好調に加え人材派遣616百万円(+27.5%)が寄与
  • 持分法による投資利益456百万円(+46.8%)、乃木坂46合同会社等の収益貢献が拡大
  • 営業CF1,603百万円(+25.6%)、現金及び現金同等物5,624百万円で前期末比+10.4%

2Q決算を踏まえた懸念点

広告代理店事業はデジタル広告の大口クライアント出稿見直しで売上▲975百万円の減収、セグメント損失も拡大。物流事業は前期特殊要因の反動で減益となり、利益成長がエンタメ2事業への集中度を高めている点に留意。

  • 広告代理店売上2,011百万円(前年比▲32.7%)、セグメント損失▲115百万円へ拡大(前年同期▲74百万円)
  • デジタル広告はセグメント利益30百万円→▲70百万円へ転落。体制強化に伴う人件費先行も影響(会社開示)
  • 物流セグメント利益196百万円(▲39.0%)。前期計上の補助金47百万円・保証債務戻入益75百万円の反動(会社開示)
  • AM施設向け物流は売上522百万円(▲8.4%)、利益105百万円(▲51.2%)と縮小基調
  • デジタル・コンテンツ売上1,770百万円(▲2.2%)。利益はコストコントロールで改善も、トップラインは減少

注目点/今後確認したいポイント

  • デジタル広告のポートフォリオ入替の進捗。クライアント数は前期7社から14社へ拡大しており、下期に売上・利益がどこまで回復するか
  • 3Qは乃木坂46「真夏の全国ツアー2026」千秋楽、SKE48初の単独海外ツアー、Novelbrightアジアツアーなど大型興行が集中。乃木坂46の全国ツアーについては会社が観客動員数を前期超えと想定しており、各イベントの収益寄与を確認したい
  • KeyHolder Picturesの配給4作品(9月〜11月順次公開)の収益貢献。配給・スポーツ・海外部門は現状▲27百万円の損失段階
経営陣への論点
  • 営業利益進捗64.4%に対し通期計画1,600百万円を据え置いた前提条件
  • デジタル広告における脱毛業界依存の低下ペースと黒字転換の時期
  • 物流事業のAM施設向け縮小に対する構造対応と不採算案件撤退の判断基準
  • 主要コンテンツ内の持分法投資利益464百万円が総合エンタメ利益に占める寄与度と、連結子会社ベース収益の自律成長性
  • 配給事業(KeyHolder Pictures)の投資回収モデルと年間配給本数の目標

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上収益17,617百万円+4.7%
売上原価14,126百万円+2.2%
売上総利益3,491百万円+16.1%
販売費及び一般管理費3,010百万円+6.2%
持分法による投資利益456百万円+46.8%
その他の収益95百万円▲43.8%
営業利益1,030百万円+63.9%
└ 金融収益26百万円+13.1%
└ 金融費用270百万円▲3.9%
税引前中間利益787百万円+111.9%
中間利益564百万円+87.6%
親会社所有者帰属中間利益520百万円+81.3%
基本的1株当たり中間利益27.67円+81.3%
売上総利益率19.8%+1.9pt
営業利益率5.8%+2.1pt

利益率・前年同期比は当レポート試算。2Q単独(4-6月)は売上収益9,290百万円(前年比+5.1%)、営業利益515百万円(同+265.2%)と、期後半にかけ増益幅が拡大(会社開示の四半期別参考値)。

事業セグメント別の業績

総合エンターテインメントと映像制作の2事業で外部収益の66.0%を占め、増収額+1,603百万円を創出。広告代理店の▲975百万円を吸収し、全社増収増益を実現した。

セグメント別業績表(売上収益は外部収益ベース)

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
総合エンターテインメント7,844百万円+13.3%1,112百万円+39.1%14.2%
映像制作3,785百万円+22.0%134百万円+367.3%3.5%
広告代理店2,011百万円▲32.7%▲115百万円-▲5.7%
物流2,818百万円+5.4%196百万円▲39.0%7.0%
その他1,157百万円+1.0%80百万円+129.9%6.9%
調整額(本社費等)--▲377百万円--
連結17,617百万円+4.7%1,030百万円+63.9%5.8%

利益率は当レポート試算。

好調な事業
  • ライブ・エンターテインメント:売上6,074百万円(前年比+18.8%)。主要3コンテンツが5,612百万円(+12.5%)、前期8月グループインのAOIが期初から寄与
  • その他コンテンツ(タレント・オーディション):売上462百万円(+269.6%)、利益▲85百万円→20百万円へ黒字転換。
  • 映像制作(バラエティ等):売上2,809百万円(+15.1%)。レギュラー番組が2件増え15件体制、放送各局からの評価が受注につながる
  • Empire Steak(飲食):売上196百万円(+226.7%)。前期5月のRed List子会社化が通期寄与
  • デジタル・コンテンツ:売上1,770百万円(▲2.2%)ながら利益96百万円(+405.3%)。リアルイベント展開とコストコントロールが奏功
不調な事業
  • デジタル広告:売上1,859百万円(前年比▲33.1%)、利益30百万円→▲70百万円。脱毛業界の出稿枠縮小と大口クライアントの出稿見直しが直撃、営業体制強化の費用も先行
  • AM施設向け物流:売上522百万円(▲8.4%)、利益105百万円(▲51.2%)。パチンコホール向けアミューズメント機器の取扱いが縮小
  • 不動産(その他事業内):売上101百万円(▲30.3%)、利益51百万円(▲12.1%)
  • 広告代理店部門:売上152百万円(▲26.2%)。広告契約金額の減少が影響も、損失は▲104百万円→▲45百万円へ縮小

業績予想比の進捗率

売上収益の進捗率48.9%、営業利益64.4%、親会社所有者帰属当期利益52.0%。会社は「対計画比でほぼ想定通りの進捗」「下期以降も目標達成に向けて足許順調」と説明している。前年同期実績を通期実績で除した進捗率は売上47.2%・営業利益39.9%(当レポート試算)であり、営業利益は前年同期の進捗ペースを上回る。

勘定科目数値(第2四半期累計)通期計画進捗率
売上収益17,617百万円36,000百万円48.9%
営業利益1,030百万円1,600百万円64.4%
親会社所有者帰属利益520百万円1,000百万円52.0%
基本的1株当たり利益27.67円53.14円52.1%
  • 大型ライブ・ツアーの開催時期に業績が左右される構造。2026年は乃木坂46「真夏の全国ツアー2026」が6月13日〜8月23日、SKE48サマーツアーが7月4日〜、Novelbrightアジアツアーが8月1日〜と第3四半期に集中(会社開示)
  • 前期(2025年12月期)四半期別営業利益は1Q487→2Q141→3Q519→4Q425百万円と、2Qが最も低い水準(会社開示)

業績予想の変更有無

通期連結業績予想(売上収益36,000百万円、営業利益1,600百万円、親会社所有者帰属当期利益1,000百万円)の修正はなし。営業利益進捗64.4%と先行しているが、会社は据え置きを選択している。

株主還元への言及

2026年12月期の配当予想は期末11円(年間11円)で、2025年12月期実績10円から+1円の増配予想。中間配当は0円で前期と同じ。配当予想からの修正はなし。会社は業績動向等を踏まえた増配も検討する方針を説明資料で示している。株主優待は2026年6月末基準でEmpire Steak Houseディナー食事券(1,000株以上)を新設。加えて「PBR1倍割れの解消」「高ROE水準の維持」「継続的成長投資」を意識した経営に取り組む方針を表明。

財務状況

親会社所有者帰属持分比率42.9%と前期末41.2%から上昇。社債及び借入金は現金及び現金同等物を下回りネットキャッシュ状態を維持する一方、IFRS第16号適用に伴うリース関連を含む「その他の金融負債」が17,385百万円と大きく、レバレッジ評価には区分の確認が必要。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び現金同等物5,624百万円前期末比+10.4%
営業債権及びその他の債権4,788百万円前期末比▲9.0%
有形固定資産20,303百万円前期末比▲7.7%
のれん5,915百万円前期末比横ばい
持分法で会計処理している投資8,431百万円前期末比+1.9%
契約負債1,093百万円前期末比+104.1%、ツアー等の前受
社債及び借入金4,525百万円前期末比+4.5%
└ 流動1,504百万円-
└ 非流動3,020百万円-
その他の金融負債(流動+非流動)17,385百万円前期末比▲9.0%
EBITDA2,287百万円営業利益1,030+減価償却費及び償却費1,256(当レポート試算)

決算発表と同時に出たニュース

該当なし

足許四半期中の主要発表

  • 2026/05/15
    KADOKAWA主催「日本ホラー映画大賞」に共同主催者として参画。UNITED PRODUCTIONSが実務を担当し、受賞作の配給・配信、海外セールス等を視野に入れたホラーIP創出の布石 株式会社KADOKAWAとの「日本ホラー映画大賞」共催に関するお知らせ
  • 2026/05/31
    第4回日本ホラー映画大賞で山城研二監督「chorus」が大賞を受賞し、長編商業映画監督デビュー権を獲得。IP・クリエイター発掘の初期成果 第4回日本ホラー映画大賞発表!山城研二監督「chorus(コーラス)」商業映画監督デビュー決定!
  • 2026/06/26
    KeyHolder Picturesが配給ラインアップを拡充。『キリコのタクト~YELL~』全国公開決定(5月15日)、『GUN FISH』公開決定(6月26日)等を順次公表 KeyHolder Pictures 配給ラインアップ拡充
  • 2026/07/21
    UNITED PRODUCTIONSがNetflixリアリティシリーズ「ラヴ上等」シーズン2に参加。大手配信プラットフォーム向け案件の実績を積み上げ Netflix「ラヴ上等」シーズン2、8/4(火)より配信スタート

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • Jトラスト: 29.82%→29.82%(2026/02/02) - 担保契約等重要な契約の変更に伴う変更報告。保有目的は投資および状況に応じた経営陣への助言、重要提案行為等
  • Jトラスト: 29.82%→37.77%(2026/05/12) - 共同保有者として藤澤信義氏および表参道キャピタルが加わったことによる増加。共同保有者は長期保有を前提とした純投資
  • Jトラスト: 37.77%→37.77%(2026/06/16) - 担保契約等重要な契約の変更に伴う変更報告
  • Jトラスト: 37.77%→37.77%(2026/08/04) - 提出者の保有目的の変更に伴う変更報告
免責事項

株式会社エンヴァリス(以下「エンヴァリス」といいます。)は、国内外の機関投資家、国内の個人投資家に対して、本邦の上場会社への投資を検討する際に必要な情報を提供することで、グローバルならびに本邦資本市場の発展に貢献することを目的として、専属リサーチ・カバレッジ業務を行っております。

  • 目的と投資判断に関する免責

    本レポートは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券その他の金融商品の取得、売却、または保有を勧誘するものではありません。また、特定の投資、財務、または税務に関する助言を構成するものでもありません。本レポートに含まれるいかなる意見、判断、または推奨も、投資活動の誘導を意図するものではなく、投資決定は、投資家ご自身の責任と判断に基づき行われるべきものであり、エンヴァリスおよび対象企業は当該投資決定にいかなる関与もしない点、ご留意ください。

  • 情報源、正確性、および保証の否認

    本レポートは、対象企業からの正式な依頼に基づき、当該企業への取材や提供された情報を利用して作成されています。本レポートの利用にあたっては、以下の点をご承諾いただいたものとみなします。 1. 情報源 エンヴァリスは、公に入手可能な情報、対象企業より開示された情報および取材等で提供された情報が真実かつ信頼できるものである前提で本レポートを作成しています。エンヴァリスにおいて、これらの情報の真実性に関する独自の事実確認や検証は行っておりません。 2. 正確性 本レポートに記載されている提供情報の解釈、分析、およびそれに基づく仮説や結論は、前項の情報を基に、エンヴァリスが独自の視点と分析手法を用いて独立して導き出したものです。 3. 保証の否認 対象企業により開示された情報に誤りや遺漏があった場合、それに起因する本レポートの内容の誤謬について、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責を負いかねます。本レポートの正確性、安全性、妥当性、完全性等ならびに対象企業の過去のパフォーマンスや将来のパフォーマンスについて、明示的にも黙示的にもエンヴァリスおよび対象企業はいかなる保証もいたしません。

  • 責任の限定

    本レポートまたは本レポートから得られた情報を利用したことにより発生したいかなる費用、損害、または損失(直接的、間接的、付随的、結果的、または懲罰的損害を含む)についても、エンヴァリスおよび対象企業は一切の責任を負いません。本レポートの利用者は、その利用が自己の責任において行われることを承諾するものとします。

  • 利益相反の可能性

    エンヴァリスは、対象企業と、現在または将来において、取引関係を有する可能性があります。したがって、本レポートの客観性に影響を及ぼす可能性のある利益相反が存在する可能性があることを、投資家の皆様はご認識ください。

  • 報告内容の変更・更新義務の否認

    本レポートの内容および意見ならびに本レポートの作成の前提とした情報は、作成日時点のものであり、今後、予告なく変更される場合があります。エンヴァリスは、本レポートの内容を最新のものに更新する義務を負わず、投資家の皆様は情報の最新性についてご自身でご確認いただく必要がある点、ご留意ください。

  • 言語の優先順位

    本レポートは、日本語、英語および中国語で作成されていますが、各言語版の内容に相違または解釈上の差異が生じた場合には、日本語版を正本として取り扱い、日本語版の内容が優先されるものとします。

  • 著作権

    本レポートに関する一切の権利(著作権を含む)はエンヴァリスに帰属します。エンヴァリスの事前の書面による許可なく、本レポートの全部または一部を複製、再配布、またはその他の方法で利用することを禁じます。

  • 他の投資商品への利用

    本レポートならびにエンヴァリスおよび対象企業の商標および商号は、エンヴァリスが書面により事前に承認した場合を除き、いかなる投資商品(価格、リターン、パフォーマンスが、本レポートに基づいている、または連動している投資商品、例えば金融派生商品、仕組商品、投資信託、投資資産等)の情報配信・取引・販売促進・広告宣伝に関連して使用することを禁じます。