KeyHolder 2Q 決算プレビュー

映像制作・配給事業の成長持続と広告代理店事業の収益改善、乃木坂46夏ツアーの興行規模拡大が焦点

配信日2026年8月5日 15:30 JST

サマリー

2Q(4-6月)は、乃木坂46の東京ドーム3DAYS「14th YEAR BIRTHDAY LIVE」やNovelbright全国ツアーなど大型ライブが集中し、総合エンターテインメント事業の売上回復が問われる四半期となる。映像制作事業は配給事業「KeyHolder Pictures」の立ち上がりやKADOKAWAとのホラーIPのクリエイター発掘のための映画大賞の共催など新規パイプラインの具体化が進んでおり、1Qに続く高成長の持続力が確認ポイント。一方、広告代理店事業は1Qでセグメント損失が拡大しており、人員増強後の収益化と不採算案件整理の効果がどの程度顕在化するかが通期利益達成の鍵を握る。4月1日付の連結子会社4社間の組織再編による経営効率向上効果が2Q以降の数値に初めて反映される点も、グループ全体の収益構造の変化を測るうえで重要な観察対象となる。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上成長2Q累計売上収益の通期計画36,000百万円に対する進捗率

1Q進捗率23.1%(前年同期22.4%)で順調に推移。2Q累計で45-50%に達するかが通期達成の目安

エンタメ事業回復総合エンターテインメント事業の売上収益の前年同期比推移

1Qは▲5.1%と減収。2Qは東京ドーム3DAYS(14万人動員)により増収転換が期待される

映像制作事業の利益率映像制作セグメント利益率の持続性

1Qセグメント利益率4.2%(前年同期2.0%)と改善。配給事業の貢献度合いと制作案件の安定稼働が維持されるか確認

広告代理店の損益改善広告代理店事業のセグメント損益推移

1Qは▲75百万円の損失(前年同期▲28百万円)。人員倍増後のクライアント数12社への拡大効果と4月の組織再編による不採算案件整理の進捗が焦点

組織再編効果4月実施の連結子会社4社間組織再編による本社費・管理コストの変化

調整額(本社費等)は1Q▲86百万円と前年同期▲161百万円から縮小。再編効果の本格反映で一段の改善余地を確認

持分法投資利益乃木坂46合同会社の持分法投資利益の水準

1Qは269百万円(前年同期282百万円、▲4.8%)。41stシングル発売(4月)やツアー動員数増加による回復の兆しを確認

資本効率親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)の推移

1Q末43.0%(前期末41.2%)と改善傾向。有利子負債返済とリース負債圧縮の継続によるROE改善を注視

前回決算(2026年12月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

1Q連結業績は売上収益8,327百万円(+4.2%)、営業利益515百万円(+5.8%)と増収増益を確保し、通期営業利益計画1,600百万円に対する進捗率は32.2%と前年同期(31.0%)を上回る水準で着地した。セグメント別には映像制作事業の高成長が牽引する一方、エンタメ事業と広告代理店事業は前年を下回っており、成長の偏りへの対応が2Q以降の課題となる。

1. 総合エンターテインメント事業の売上回復と大型興行の寄与

  • 前期: 1Q売上収益3,321百万円(▲5.1%)、セグメント利益461百万円(▲2.7%)。乃木坂46関連およびアプリコンテンツの減収が主因
  • 今期確認: 2Qには東京ドーム3DAYS(14万人動員実績)、真夏の全国ツアー2026(8都市18公演、前期超の動員想定)、SKE48サマーツアー(5都市12公演)が集中。唐沢寿明氏・山口智子氏との業務提携による出演料収入の本格寄与も確認対象
  • 注目指標: 2Qセグメント売上の前年同期比(増収転換の有無)、ライブ興行動員数の前年比較

2. 映像制作事業の成長持続と配給事業の収益貢献

  • 前期: 1Q売上収益1,850百万円(+31.3%)、セグメント利益78百万円(+176.9%)。配給第1弾「小屋番 八ヶ岳に生きる 劇場版」が想定超の上映館数・動員を記録。レギュラー番組13件の安定制作も寄与
  • 今期確認: 2Qにはドラマ「GIFT」制作協力、timeleszの冠番組「タイムレスマン」レギュラー化などの制作積み上げに加え、KADOKAWAとの「日本ホラー映画大賞」共催やホラー国際映画祭立ち上げによる新規IP開発パイプラインの進捗が焦点
  • 注目指標: セグメント売上の+30%成長の継続可否、配給案件「キリコのタクト〜YELL〜」(10月公開予定)の動向

3. 広告代理店事業の損益改善と組織再編効果

  • 前期: 1Q売上収益1,239百万円(▲3.0%)、セグメント損失75百万円(前年同期▲28百万円)。デジタル広告部門のクライアント広告出稿ボリューム縮小と広告代理店部門の利益率悪化が損失拡大の要因
  • 今期確認: 4月1日付の組織再編(旧allfuzとの統合、bijoux合併によるFAP内での事業継続)により不採算案件の整理が進行。デジタル広告部門はクライアント数12社まで拡大しており、2Qでの増収効果の顕在化が問われる
  • 注目指標: セグメント損益の赤字幅縮小(▲75百万円からの改善度合い)、デジタル広告部門のクライアント純増数

4. 物流事業の実質的な収益力

  • 前期: 1Q売上収益1,349百万円(+4.9%)、セグメント利益117百万円(▲33.8%)。減益は前年同期に計上した債務保証戻入益75百万円の剥落が主因であり、対計画比では売上・利益とも順調
  • 今期確認: 前年の一時的要因が剥落した後の実質的な収益水準が継続するか。アミューズメント機器保管(15万台超の保管能力)の稼働率と新規取引先の開拓状況
  • 注目指標: セグメント利益率の前年同期比(前年1Q一時益除くベースでの比較)

5. グループ再編と新規IP創出戦略の進捗

  • 前期: 4月1日付で連結子会社4社間の吸収分割・吸収合併を実施。SKE48第14期生オーディションやbijoux新人発掘オーディション2026を開催し、次世代IP発掘を推進
  • 今期確認: 組織再編後の経営効率改善(本社費・管理コストの圧縮)が損益計算書に反映されるか
  • 注目指標: 調整額(本社費等)の前年同期比推移、新規IP関連の収益化時期

今期中の主要な適時開示

  • 2026/05/31
    同賞受賞監督は商業映画デビューへ - KADOKAWAとの共催による第4回日本ホラー映画大賞で大賞作品決定。 第4回日本ホラー映画大賞発表!
  • 2026/05/15
    KADOKAWAとの「日本ホラー映画大賞」共催決定 - 受賞作品の配給・IP運用・海外展開を見込む戦略的提携。UPの海外進出戦略と連動。 株式会社KADOKAWAとの「日本ホラー映画大賞」共催に関するお知らせ

前四半期の着地(2026年12月期 1Q実績)

KeyHolderは、アイドル・俳優・バンド等のマネジメントを核とする総合エンターテインメント事業を軸に、映像制作、広告代理店、物流の4事業を展開する。乃木坂46合同会社を持分法適用会社として保有し、同グループのIPを起点としたメディアミックス戦略を推進。1Qは映像制作事業の+31.3%増収が全体を牽引し、連結売上は+4.2%と7期連続の増収基調を維持した。営業利益は+5.8%と増益を確保し、通期計画に対する進捗率は32.2%と前年同期(31.0%)を上回る。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上収益8,327百万円+4.2%進捗率23.1%映像制作+31.3%が牽引、エンタメ▲5.1%
営業利益515百万円+5.8%進捗率32.2%営業利益率6.2%(前年同期6.1%)
税引前利益396百万円+10.0%-金融収益の増加が寄与
親会社帰属四半期利益317百万円+7.0%進捗率31.7%実効税率21.3%
EPS16.87円+7.0%--

通期計画に対する進捗率(営業利益): 32.2%(前年同期:31.0%)

会社情報

  • 会社名
    : 株式会社KeyHolder
  • 証券コード
    : 4712
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 スタンダード市場
  • 決算期
    : 12月
  • 主要事業
    : アイドル・俳優・アーティスト等のマネジメント、イベント企画・運営、映像コンテンツ制作・配給、デジタル広告・プロモーション、運送・倉庫事業
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