マクアケ 通期(4Q) 決算速報

家電/ガジェットの大型案件で取扱高+30.2%、中計目標を1年前倒しで達成し、初配当と自社株買いに踏み出した決算

配信日2026年10月27日 19:09 JST

通期決算を踏まえた評価点

家電/ガジェットへの集中で大型案件が相次ぎ、プロジェクト単価が上がったことで取扱高22,980百万円(前年比+30.2%)を確保。販管費の伸びを同+14.2%に抑え、営業利益881百万円(同+97.2%)と利益の伸びが売上を上回った。キュレーターによる単価向上支援が仕組みとして根づき、利益を生む力が一段上がった点を評価する。

  • 4Qの月次プロジェクト単価は183万円(+30.2%)。数億円規模の大型案件が多く生まれ、件数減を単価上昇で補って余りある成長
  • 実行者当たり応援購入金額(累計)は674.3万円(同+31.8%、当レポート試算)。実行者数がほぼ横ばいでも1社当たりの取扱拡大で成長できることを確認
  • 広告配信代行売上は通期1,215百万円(同+66.7%、当レポート試算)。成長を狙う実行者の利用拡大が上乗せ要因に
  • 営業利益率14.8%(前期9.8%)に改善。売上総利益率の低下を販管費の抑制で吸収し、売上規模拡大の効果が利益に表れた
  • 中計のFY2027/9目標(売上高52億円/営業利益7億円)を1年前倒しで達成。営業CF1,299百万円を原資に初配当と自社株買いを決定

通期決算を踏まえた懸念点

成長の中心は単価で、件数・リピート指標は前年を下回った。4Qの営業利益は37百万円(営業利益率2.4%)と、先行投資と賞与で利益が細った。収益は大型案件に左右されるフロー型で、FY2027/9予想のレンジ下限は営業減益となる。

  • 4Qの月中アクティブプロジェクト件数は1,044件(▲2.9%)、掲載開始数は1,384件(▲2.7%)。会社は低単価ジャンルの新規獲得とリピート定着を課題に挙げる
  • 実行者リピート率60.3%(▲2.2pt)、リピート応援購入率71.7%(▲4.5pt)と、実行者・サポーター双方でリピート指標が低下
  • 売上総利益率72.2%(前期75.0%)に低下。グロス計上の広告配信代行の構成比上昇が要因で、利益率の下押しが続く可能性
  • 4Qの販管費1,050百万円(+19.5%)。スポット人件費約80百万円と先行投資が重なり、四半期の利益振れ幅が大きい
  • 当期純利益には法人税等調整額▲58百万円が寄与。FY2027/9の純利益予想は▲16.1%〜+5.2%と営業利益予想より弱い

注目点/今後確認したいポイント

  • 年内に開示予定の新中計(FY2027/9〜FY2029/9)。取扱高・利益計画に加え、ROE10%台中盤超を掲げる資本政策の具体性が焦点。
  • KPIを「実行者数×実行者当たりの取扱高」へ切り替え、ストック型への移行を進める方針。実行者数(累計3,280、前年比▲1.8%)の反転と低単価ジャンルの件数回復を確認したい。
  • 先行投資(開発人件費、セキュリティ、オフライン体験)の執行ペースと、営業利益レンジ800〜1,000百万円のどこに着地するかの見極め。
経営陣への論点
  • 新中計での取扱高成長率・営業利益率目標と、3ヵ年の先行投資総額の水準
  • FY2027/9予想の下限が前提とする「機動的な追加先行投資」の規模と回収KPI
  • セキュリティ対応を優先することによる新機能開発の遅れの程度と、低単価ジャンルの件数回復時期
  • 広告配信代行の拡大に伴う売上総利益率の下限想定と、営業利益への貢献度
  • DOE3%基準の配当、機動的な自社株買い、M&A投資の間での資金配分の優先順位

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
取扱高22,980百万円+30.2%
売上高5,944百万円+29.9%
└ Makuake及びその他付随サービス売上4,727百万円+22.9%(当レポート試算)
└ 広告配信代行売上1,215百万円+66.7%(当レポート試算)
売上総利益4,294百万円+25.0%
売上総利益率72.2%前期75.0%
販管費3,412百万円+14.2%
営業利益881百万円+97.2%
営業利益率14.8%前期9.8%
経常利益888百万円+86.9%
特別損失(減損損失)50百万円前期18百万円
当期純利益798百万円+96.1%
EPS62.63円+96.0%
4Q売上高1,552百万円+26.4%
4Q営業利益37百万円+38.2%
月次プロジェクト単価(4Q)183万円+30.2%
月中アクティブプロジェクト件数(4Q)1,044件▲2.9%
会員数3,625,434人+11.9%

売上内訳は、決算説明資料に開示された四半期ごとの売上を合算した当レポート試算。経常利益の伸び(+86.9%)が営業利益を下回ったのは、前期の受取補填金23百万円がなくなったため。純利益は法人税等合計が38百万円にとどまり、経常利益に近い水準で着地した。

事業セグメント別の業績

応援購入サービス事業の単一セグメント。家電/ガジェットの大型案件による単価上昇と、広告配信代行の拡大が増収をけん引した。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
応援購入サービス事業5,944百万円+29.9%881百万円+97.2%14.8%
好調な事業
  • 家電/ガジェットジャンル:月次プロジェクト単価+30.2%。4Qも応援購入総額5億円超の4Kプロジェクターなど大型案件が続き、3Qの超大型案件がなくなっても単価は高水準を維持
  • 大企業・海外ブランドの活用:4QはBLUETTI JAPAN、XGIMIが各2億円超。海外ブランドの新商品デビューや国内大手の新カテゴリ創出の場として定着
  • 広告配信代行:4Q売上357百万円(+58.0%、当レポート試算)。テイクレートは28.6%で、前四半期から回復
  • 生活者接点:会員数+11.9%、アクセスUU+9.2%。体験型ポップアップ「さわれるMakuake」の来場者は24,792人で、計画の約500%
不調な事業
  • 低単価ジャンル:4Qの掲載開始数▲2.7%、リピート実行者による掲載開始数▲6.2%。注力ジャンルへの集中に伴い、低単価ジャンルの新規獲得とリピート定着が遅れた
  • サポーターの購入動向:4Qの応援購入件数は▲7.2%。単価上昇で金額は伸びたが、購入件数とリピート応援購入率(▲4.5pt)は低下
  • 4Q取扱高:5,965百万円で前四半期比▲4.0%。3Qにあった超大型案件の反動

業績予想比の進捗率

取扱高・売上高・営業利益はいずれも期初計画を上回って着地(会社開示)。現中計のFY2027/9目標に対し、売上高114.3%、営業利益125.9%と1年前倒しで超過達成した(当レポート試算)。

勘定科目数値 (通期実績)中計目標(FY2027/9)達成率
売上高5,944百万円5,200百万円114.3%
営業利益881百万円700百万円125.9%
純利益798百万円--
  • 大型プロジェクトの有無で四半期業績が変動しやすいフロー型の収益構造(会社説明)
  • 前期・当期とも4Qは賞与と先行投資で販管費が四半期で最大となり、営業利益率は2%台

業績予想の変更有無

当期の通期予想は2026/9/1に修正済みで、今回はFY2027/9予想を新たにレンジ形式で開示した。売上高6,000〜7,000百万円(+0.9%〜+17.7%)、営業利益800〜1,000百万円(▲9.3%〜+13.4%)、純利益670〜840百万円(▲16.1%〜+5.2%)。レンジの中央値でみると、営業利益900百万円(+2.0%、当レポート試算)と先行投資を続けながらの横ばい圏の計画。上限は注力ジャンルの成長継続と計画内の投資執行、下限は投資の追加執行を前提とする。

株主還元への言及

  • 初配当として期末14円を実施(配当総額178百万円、配当性向22.4%、DOE3.1%)。FY2027/9も年14円を予想
  • DOE3%を基準に安定還元を目指し、利益成長に応じて還元額を増やす方針。中期的にROE10%台中盤超を目指す
  • 自己株取得:上限510,739株(発行済株式の4%)、上限600百万円、取得期間2026/11/9〜2027/3/31、市場買付。毎期継続する前提ではない

財務状況

無借金で自己資本比率70.3%を維持。FCFの黒字定着で現預金が積み上がり、成長投資と株主還元を両立できる財務余力がある。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金5,605百万円前期比+20.4%
現金及び現金同等物7,228百万円前期比+21.1%、プロジェクト預り用預金1,622百万円を含む
預り金1,634百万円前期比+24.7%
総資産8,793百万円前期比+18.0%
自己資本6,180百万円前期比+14.9%
有利子負債なし無借金
無形固定資産521百万円前期比▲28.5%
営業CF1,299百万円前期985百万円
FCF1,254百万円営業CF+投資CF、当レポート試算
EBITDA1,086百万円営業利益+減価償却費204百万円、当レポート試算

決算発表と同時に出た適時開示

  • 2026/10/27
    期末14円の初配当、上限600百万円の自己株取得、取締役向けストック・オプション報酬を同時に決定。還元強化を明確に打ち出す内容
  • 2026/10/27
    KPIを「実行者数×実行者当たりの取扱高」へ移行すると表明。新中計(FY2027/9〜FY2029/9)を年内に開示予定

足許四半期中の主要発表

  • 2026/08/03
    3Q決算の説明動画を公開。超大型案件が出た3Qの業績を説明
  • 2026/09/01
    2026年9月期の通期業績予想を修正
  • 2026/10/01
    通期決算説明会の開催を告知
  • 2026/10/09
    代表取締役の役職変更を公表。短信は「新たな経営体制」での次の成長ステージ入りを初配当の判断理由に挙げる

過去1年間の大量保有報告/重要提案

該当なし

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