サマリー
3Q単独の取扱高6,216百万円(前年同期比+27.2%)、売上高1,579百万円(同+21.6%)、営業利益276百万円(同+74.3%)と、取扱高・売上高は四半期過去最高を更新。歴代応援購入金額1位がRokid AIグラス(6.4億円)、XGIMI Elfin Flip(9.3億円)と2件連続で更新され、AIガジェット/高機能家電領域の大型案件創出力が顕著。中山社長は中計(2027年9月期:売上高52億円、営業利益7億円)の1年前倒し達成を視野に入れ、次期中計の策定に着手していると言及。4Qは来期以降の成長に向けた先行投資を集中実行する方針で、営業利益は前年同期(4Q)並みの水準を見込む。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- 円安/原材料高の長期化で中小企業の高付加価値商品へのシフトニーズが拡大し、低リスクで新商品デビューできるMakuakeへの需要が堅調
- 生活者の節約志向は続く一方、充実感に繋がる商品への積極消費(メリハリ消費)が進行しており、当社の取扱高成長を下支え
- 地政学リスクの事業への直接的影響は当初の懸念より軽微と認識
- 足元の事業進捗と要因
- 家電/ガジェット領域への戦略的フォーカスが奏功し、1億円超案件数が前年同期比で倍増。超大型2件を除いた取扱高も前年比で伸長
- テイクレート27.9%(前四半期比▲1.2pt)は超大型案件創出に向けた条件調整が主因であり、サービス全体の収益性低下ではない
- 月中アクティブプロジェクト件数1,055件と前四半期比+5.0%。自力値の底上げを示唆
- 戦略的な重要施策や変化点
- MakuakeインサイトにAIチャットボット機能を搭載。分析専門人材がいない事業者でも生活者インサイトの分析精度を高められる仕組みに
- SB C&Sと連携しソフトバンク銀座でMakuake GINZA TOUCH LOUNGEを開催。オフライン体験価値の最大化に向けた新流通モデルを推進
- 楽天市場の特設ページDigglyにてMakuake STORE商品の掲載を開始。楽天ショップ・オブ・ザ・マンス(4月度アウトドア/レジャー部門)も受賞
今後の見通しと戦略
- 通期業績予想を上方修正済。売上高5,400百万円(前期比+18.0%)、営業利益670〜800百万円(同+49.8%〜+78.9%)、取扱高20,700百万円(同+17.3%)を見込む
- 4Qは先行投資(データ基盤、新機能、新サービス、ブランド強化、セキュリティ強化)を集中執行し、営業利益は前年4Q(27百万円)並みの水準を想定
- 中計(2027年9月期:売上高52億円、営業利益7億円)は1年前倒し達成が視野に入り、新たな中期成長イメージを策定中
- PDGサイクル(Plan/Debut/Growth)の循環構造確立を最優先課題とし、確立後は収益規模の桁が変わる成長を目指すと社長が言及
- Plan/Growth領域の売上構成比は全体の5%未満にとどまるが、Makuake本体への相乗効果を含め計画通り進捗
- 自社株買い等の株主還元は検討テーブルに乗せつつも、新商流確立に向けた投資を優先する方針
ポジティブ要因
- 取扱高6,216百万円、売上高1,579百万円が四半期過去最高を更新。営業利益は276百万円(前年同期比+74.3%)。累計営業利益844百万円は前年同期比+101.0%
- XGIMI Elfin Flipが応援購入額9.3億円で歴代1位を更新。公開1時間で5,000万円、24時間で2億円到達とプラットフォームの集客力を実証
- アクセスUU 11,873,511人(前年同期比+32.6%)、会員数3,544,401人(同+11.4%)とサポーター基盤が拡大
- Makuake STORE楽天市場店は出店当初比売上数十倍、取扱商品400超に成長し、ストック型収益基盤の構築が進展
- 販管費の増加率(+8.2%)が売上高増加率(+21.6%)を大幅に下回り、オペレーティングレバレッジが効いた収益構造
- 広告配信代行売上が引き続き増加し、付随サービスの収益貢献が拡大
懸念事項・リスク
- 超大型案件(Rokid 6.4億円、XGIMI 9.3億円)への業績依存度が高く、同規模案件の継続的創出は不確実。社長自身もこの点を率直に認識
- テイクレートは超大型案件の条件調整により27.9%へ低下。大型案件比率の上昇に伴い今後も下押し圧力の可能性
- 応援購入件数は332,336件(前年同期比▲6.5%)と減少傾向。単価上昇で金額はカバーするが、裾野の広がりに課題
- 実行者リピート率60.9%(前年同期比▲1.1pt)、リピート応援購入率71.6%(同▲2.4pt)と定着指標がやや軟化。効果の本格発現は来期以降の見通し
- 4Qに先行投資を集中執行する方針で、営業利益は前年4Q(27百万円)並みに急減する見込み
- 配当は当面内部留保優先の方針であり、株主還元策の具体化は未定
業績ハイライト
3Q累計の売上高4,392百万円(前年同期比+31.1%)、営業利益844百万円(同+101.0%)と、売上・利益ともに2桁成長を実現。通期業績予想は売上高5,400百万円、営業利益670〜800百万円へ上方修正済みであり、3Q累計の営業利益進捗率は修正予想下限比で126%に到達。
セグメント別業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| Makuake事業(単一セグメント) | 1,579百万円 | +21.6% | 276百万円 | +74.3% |
- 取扱高: 6,216百万円(前年同期比 +27.2%)
- 月中アクティブプロジェクト件数: 1,055件(前年同期比 +2.5%)
- 月次プロジェクト単価: 188万円(前年同期比 +22.2%)
- 月次応援購入金額: 1,991百万円(前年同期比 +25.2%)
- テイクレート: 27.9%(前四半期 29.1%)
- アクセスUU: 11,873,511人(前年同期比 +32.6%)
- 会員数: 3,544,401人(前年同期比 +11.4%)
- 掲載開始数: 1,357件(前年同期比 +1.1%)
- リピート応援購入金額: 4,275百万円(前年同期比 +21.1%)
Q&A 一覧
- Q: 4Qについて先行投資の影響により前年同期並みの予想と説明資料に記載されているが、この数字はプロジェクターの4Qに計上される売上や高圧洗浄機の大型プロジェクトの発生を加味された結果か。また、3Qまでの好結果を受けた投資増額が行われるのか、上方修正時点で予想されていた投資の範囲内のみの投資かA: トップラインに関しては、1案件で6億円や9億円といった超大型を織り込むのは難しいため、特に織り込んでいない。大体1Qと2Qの間ぐらいのトップラインになるイメージで、3Qほどではないと考えている。ボラティリティもあるのでそのレンジぐらいで見ていただきたい。投資に関しては上方修正時に予想していた投資とほぼイコールで考えている。ただし、投資をマストなものとウォントなものに分けて考えており、上振れしてきたことによってウォントだった部分も使いやすくなっている。伸びに繋がる、安全に繋がる、基盤に繋がるような投資は使っていきたいが、上方修正時の投資の範囲をものすごく大幅に上回るものではないと考えている。
- Q: 利益が回復してきたが、そもそもなぜ数年前に急激に業績を悪化させていたのか。今だから振り返られる当時の原因や判断の誤りを聞きたいA: 一言で言うと自力値を見誤った。外部要因としては、コロナで1年強で3倍ぐらい伸びたが、この伸びの原因をデジタルシフトだと自分たちも世の中も思っていた。しかし実際は、旅行や外食に使わなくなったお金が物販に流れてきていたこと、加えて全員に配られた助成金もあり、消費者市場が倍になっていた。これが正常に戻って半分に戻ったということ。一方で、デジタルシフトが不可逆に進んだと見誤り、大量の人員採用やそれに付随する投資を行いコストが増えてしまった。トップラインとコスト面のダブルパンチで赤字に転落した。この立て直しを進め、ようやく今期はコロナの追い風を乗り越えるぐらいのトップラインになってきた。
- Q: 会社として投資フェーズであることは理解しているが、キャッシュ残高を持て余しているように見える。上場企業としてこの有効活用を検討すべきであり、有効な使途がないのであれば自社株買いなどの株主還元を実施すべきではないかA: おっしゃる通りだと思う。ただ、見立てが立たない中で大きくお金をかけるのは違うと考えており、順序が大事。PDGの基盤を固めた上で攻めどころを定め、そこに対してM&Aであれば相手もいる話だし、開発もお金をかければすぐにものができるわけではないので、技術的な負債の改善やセキュリティ強化を進めている。キャッシュを将来シナリオを持って有効活用するための伏線を今張っている。それでも使途がないのであれば、自社株買いや株主還元は1つの選択肢だと思う。この新商流を確立し切れば倍々ゲームでポジションを大きくしていけるので、今はそちらを優先するステップを踏ませてほしい。常にバランスを持って検討テーブルに乗せた中でジャッジしている。
- Q: 大型案件2つで応援購入金額15億円ということで、仮にこれを差し引くと3Qの取扱高は50億円を切るくらいになるが、家電ガジェット分野が牽引したというのは本当かA: 2つで15億円に見えるが、実はRokidスマートグラスの方は半分くらいが2Qに計上されているので、3Q単独への影響はそこまでではない。それを踏まえても家電ガジェットの大型案件が牽引しており、昨年同時期と比較して1億円超の案件数は倍くらいに増えている。その多くが家電ガジェットであるため、家電ガジェット分野が牽引したという説明は正しいと考えている。
- Q: コロナ以降の赤字体質から脱却したと見ていいか。今後は最終赤字になる可能性は低いかA: 絶対に赤字にならないと宣言するようなものではないが、今の収益構造やコスト構造を考えると、自力値的にはしっかり黒字体質になったと見ていい。ただしイレギュラーなことが発生した場合に赤字になる可能性が絶対0%とは言い切れないが、通常時においては黒字体質になっていると言っていいと思う。
- Q: グロース領域の売上高が全体の5%未満とのことだが、3Qは7,000〜8,000万円ぐらいになるのか。それでも計画通りなのかA: 具体的な数字は開示していないので金額に対してイエスとは言いづらいが、計画通りという点に関してはイエスと答えたい。まだ全体に占める割合は小さいのでしっかり底上げしていくが、例えばMakuakeインサイト自体がMakuake本体の売上に繋がるといった相乗効果が非常に大きい部分もあるので、単独の金額だけのインパクトではない点も踏まえて、計画通りに進捗していると認識している。
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