3Q決算を踏まえた評価点
3Q累計の営業利益844百万円(前年比+101.0%)と倍増、通期計画上限800百万円を3Q時点で超過した。取扱高は四半期で6,216百万円と過去最高を記録し、プロジェクト単価188万円(同+22.2%)の上昇がトップライン成長の主因。売上高の伸長に対し販管費増が限定的にとどまり、オペレーティングレバレッジが効き始めた段階と評価。
- 3Q単体の取扱高6,216百万円(前年比+27.2%)、四半期過去最高。歴代最高額プロジェクト(XGIMI「Elfin Flip」、Rokid AIグラス)の連続創出が寄与
- 3Q累計営業利益率19.2%(前年比+6.7pt)。売上総利益率は累計73.0%と前年75.5%から▲2.5ptだが、広告配信代行の拡大によるミックス変化が主因であり粗利額は+26.8%
- 月次プロジェクト単価188万円(前年比+22.2%)は過去最高を更新。大型案件のキュレーター支援体制強化と広告配信代行の利用拡大が単価押上げに寄与
- Makuake STORE楽天市場店が「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」受賞、取扱商品数400超。Growth領域の拡販支援が実績として顕在化
- アクセスUU 1,187万人(前年比+32.6%)、会員数354万人(同+11.4%)。大型プロジェクトを起点にしたプラットフォームの集客力向上
3Q決算を踏まえた懸念点
3Q単体の売上総利益率72.4%は直近4四半期で最低水準。広告配信代行売上の構成比上昇はテイクレートの構造的低下圧力となりうる。また、大型プロジェクトへの依存度が高まっており、再現性の持続が焦点。
- テイクレート27.9%(前四半期29.1%、前年比▲1.3pt)。超大型プロジェクト向けのフィー調整が要因とされるが、恒常化すれば収益性に影響
- 応援購入件数332,336件(前年比▲6.5%)。単価上昇で金額は伸長するも購入件数は減少、サポーター1人当たり購入頻度の低下リスク
- 実行者リピート率60.9%(前年比▲1.1pt)、リピート応援購入率71.6%(同▲2.4pt)。新規獲得は進むがリピート定着構造強化は来期以降に持ち越し
- 減損損失50百万円を計上(前年4百万円)。無形固定資産168百万円減少と合わせ、開発投資の回収性に留意
- 4Q先行投資の一部が3Qから繰り越しとなっており、4Q営業利益は前年同期並み(27百万円水準)にとどまる見込み
注目点/今後確認したいポイント
- 大型プロジェクトの再現性。Rokid・XGIMIクラスの数億円規模案件が継続的に創出されるかがプロジェクト単価維持の鍵。パイプラインの定量的な可視化を確認したい
- Growth・Plan領域(Makuake STORE for ECモール、Makuakeインサイト)の売上構成比は全体の5%未満にとどまる。ストック型収益への転換スピードと収益貢献時期の見極めが必要
- 中計(2025年9月期〜2027年9月期)の1年前倒し達成を示唆しており、次期中計の定量目標とM&A方針が今後の株価評価の焦点
- 広告配信代行売上の構成比推移とテイクレートへの影響の定量的見通し
- プロジェクト単価上昇の持続性と大型案件パイプラインの現況
- Makuakeインサイトの有料導入社数・ARR規模の開示方針
- Makuake STORE for ECモールの黒字化時期と取扱高の中期目標
- TikTok Shop連携の進捗と海外EC展開の具体的スケジュール
- 応援購入件数の前年比減少が続く中でのサポーター活性化策
- 4Q先行投資の具体的な内訳と期待リターンの定量化
- 次期中計における売上高・営業利益の定量レンジ
- 減損損失50百万円の対象資産と追加減損リスクの有無
- 配当開始の検討時期および株主還元方針の見直しタイムライン
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 取扱高 | 17,014百万円 | +31.1% |
| 売上高 | 4,392百万円 | +31.1% |
| 売上原価 | 1,185百万円 | +44.6% |
| 売上総利益 | 3,206百万円 | +26.8% |
| 販管費 | 2,362百万円 | +12.0% |
| 営業利益 | 844百万円 | +101.0% |
| 経常利益 | 848百万円 | +100.2% |
| 四半期純利益 | 683百万円 | +77.3% |
| EPS | 53.64円 | +77.3% |
| 潜在株式調整後EPS | 53.49円 | +77.2% |
| 月中アクティブプロジェクト件数 | 1,055件 | +2.5% |
| 月次プロジェクト単価 | 188万円 | +22.2% |
| テイクレート(3Q単体) | 27.9% | ▲1.3pt |
売上高・営業利益ともに前年比+30%超・+100%超の高成長。売上原価の伸び率が売上高を上回る点はミックス変化(広告配信代行の拡大)に起因するが、販管費の伸びが+12.0%に抑制されたことで営業レバレッジが顕著に発現。
事業セグメント別の業績
当社は応援購入サービス事業の単一セグメントのため、セグメント別開示は行われていない。サービス構成としてはMakuake(Debut)を中核に、広告配信代行、Makuake STORE / STORE for ECモール(Growth)、Makuakeインサイト(Plan)等の付随サービスで構成。広告配信代行売上は3Q単体322百万円(前年比+51.9%)、全体売上高に占める比率は約20%と拡大傾向。
セグメント別業績表
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 応援購入サービス事業(全社) | 4,392百万円 | +31.1% | 844百万円 | +101.0% | 19.2% |
- 広告配信代行:3Q単体売上高322百万円(前四半期比+28.3%)。大型プロジェクト実行者の利用拡大が牽引、プロジェクト当たり単価向上の主因の一つ
- AIガジェット/高機能家電領域:Rokid AIグラス(6.4億円)、XGIMI Elfin Flip(7.7億円)等、数億円規模の歴代最高額プロジェクトが連続創出。プロジェクト単価188万円への押上げに直結
- Makuake STORE for ECモール:楽天市場店が「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」受賞、取扱商品数400超。楽天市場内特設ページ「Diggly」での商品掲載も開始
- 応援購入件数ベースの取引:3Q単体332,336件(前年比▲6.5%)。単価上昇の裏側で購入件数は減少しており、中小規模プロジェクトの成約数が伸び悩み
業績予想比の進捗率
3Q累計の売上高進捗率81.3%は通期計画に対して高い水準。営業利益は通期計画上限800百万円を既に超過しており、4Qに先行投資を積み増す計画があるものの、上限超過の蓋然性が高い。前年3Q累計の通期進捗率(売上高73.2%、営業利益93.9%)と比較しても上回っており、計画達成は確実視される局面。
| 勘定科目 | 数値(3Q累計) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,392百万円 | 5,400百万円 | 81.3% |
| 営業利益 | 844百万円 | 670〜800百万円 | 105.6〜126.0% |
| 経常利益 | 848百万円 | 670〜800百万円 | 106.0〜126.6% |
| 純利益 | 683百万円 | 590〜700百万円 | 97.6〜115.8% |
- 家電・ガジェット系プロジェクトは年末商戦を見据えた4Q(7-9月)にも掲載が活発化する傾向があり、4Qの取扱高は例年高水準を維持。ただし今期は先行投資の4Q集中により営業利益は前年同期(27百万円)並みにとどまる見込み
業績予想の変更有無
今回の3Q決算発表時点での業績予想修正はなし。2026年4月28日に公表した修正予想(売上高5,400百万円、営業利益670〜800百万円)を据え置き。3Q累計で営業利益が通期計画上限を超過しているが、4Qに先行投資(事業成長投資の3Qからの繰越分含む)を実施するため、修正は行わない判断。
株主還元への言及
2026年9月期の配当予想は年間0.00円(無配)を継続。成長過程にあることから内部留保を優先し、事業規模拡大や収益力強化に向けた投資を優先する方針を堅持。配当実施の時期は未定。
財務状況
実質無借金経営を維持し、自己資本比率67.1%と健全な水準を確保。プロジェクト預り用預金の増加に伴い総資産が膨張したものの、対応する預り金増加と相殺され、実質的な財務体質は安定。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 5,460百万円 | 前期末比+804百万円(+17.3%) |
| プロジェクト預り用預金 | 2,166百万円 | 前期末比+853百万円(+65.0%) |
| 売掛金 | 613百万円 | 前期末比+113百万円(+22.8%) |
| 流動資産合計 | 8,357百万円 | 前期末比+1,767百万円 |
| 固定資産合計 | 679百万円 | 前期末比▲179百万円 |
| └ 無形固定資産 | 562百万円 | 前期末比▲168百万円 |
| 総資産 | 9,037百万円 | 前期末比+1,588百万円(+21.3%) |
| 預り金 | 2,181百万円 | 前期末比+870百万円(+66.4%) |
| 自己資本 | 6,061百万円 | 前期末比+683百万円(+12.7%) |
| EBITDA | 998百万円 | 営業利益844百万円+減価償却費154百万円 |
決算発表と同時に出たニュース
該当なし
足許四半期中の主要発表
- 2026/05/29Makuake STORE楽天市場店が2026年4月度「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」アウトドア・レジャー部門を受賞。取扱商品数400超、出店当初比売上数十倍の実績 「Makuake STORE 楽天市場店」が「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」2026年4月度のアウトドア・レジャー部門を受賞!
- 2026/06/01Rokid スマートAIグラスが応援購入6.4億円を集め、約5年ぶりにMakuake歴代1位を更新 AIグラスの世界的リーディングカンパニー、Rokid inc.による「Rokid スマートAIグラス」のプロジェクトが、6億3,673万円を突破し、「Makuake」歴代応援購入金額1位を更新
- 2026/06/25SB C&Sと連携し、ソフトバンク銀座で体験型ポップアップ「Makuake GINZA TOUCH LOUNGE」を7/9-17に開催 体験型ポップアップ「Makuake GINZA TOUCH LOUNGE」を マクアケとSB C&Sが7月9日〜17日にソフトバンク銀座で開催
- 2026/06/30XGIMI「Elfin Flip 4K」「Elfin Flip Laser」が応援購入6.4億円超でMakuake歴代1位を再更新。公開1時間で5,000万円、24時間で2億円を突破 家庭用プロジェクターXGIMI「Elfin Flip 4K」「Elfin Flip Laser」が応援購入総額6億3688万円を突破し、「Makuake」歴代応援購入金額1位を更新
過去1年間の大量保有報告/重要提案
該当なし
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