マクアケ 2Q 決算プレビュー

広告配信代行の拡大と取扱高+45%成長の持続性、通期営業利益計画の上振れ余地が焦点

配信日2026年4月24日 00:00 JST

サマリー

2026年9月期1Qは取扱高が前年同期比+45.1%、売上高が同+49.2%と急伸し、営業利益334百万円は通期計画400百万円に対して83.5%の進捗となった。広告配信代行サービスの利用拡大がプロジェクト単価を押し上げ、トップライン成長と利益率改善を同時に実現した構図である。2Qでは、この高進捗に対して会社が通期計画を据え置いた背景にある投資計画の読み解きが最大の論点となる。「0次流通」プラットフォームとしての独自ポジションに加え、Makuake STORE for ECモールやノジマとの店頭連携といったGROWTHフェーズの収益貢献が始まるタイミングであり、プラットフォーム事業の「単発型」から「循環型」への質的転換の進捗確認が重要となる。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

通期計画の整合性1Q累計営業利益の通期計画に対する進捗率

1Q時点で83.5%(334/400百万円)と異例の高進捗。2Q以降に費用先行投資が集中するか、業績予想の上方修正があるかが最大の注目点

取扱高成長の持続性四半期単体の取扱高(GMV)前年同期比推移

1Qは+45.1%の5,689百万円。広告配信代行の利用率が2Qも維持されるか、一過性要因の有無を確認

売上原価率の変動売上原価率の前年同期比変化

1Qは26.6%(前年同期22.8%)に上昇。広告配信代行の仕入増が主因と推定され、粗利率73.4%でも営業利益率22.8%を確保しているが、原価構造の変化に注意

付随サービスの収益貢献Makuake STORE for ECモール、Makuakeインサイト等の売上寄与

PLAN・DEBUT・GROWTHの循環サイクル確立が中長期の収益安定性を左右。2Qでの初期的な売上貢献度を確認

資本効率ROE水準の推移

自己資本5,667百万円に対し1Q純利益290百万円(年率換算ROE約20%)。成長投資と資本効率のバランス、無配方針の合理性を評価

販管費コントロール販売費及び一般管理費の前年同期比伸び率

1Qは740百万円(+12.7%)と売上高伸び率+49.2%を大幅に下回るコスト規律を示した。2Qでも同水準を維持できるか

中長期成長基盤オフライン接点拡充の進捗

ノジマとの常設コーナー展開(2店舗)による認知拡大効果、リアル接点からの応援購入コンバージョンの初期データに注目

前回決算(2026年9月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

1Qは取扱高+45.1%、売上高+49.2%、営業利益+232.6%と全指標が急伸し、前期までの減収トレンドから一転して高成長軌道に復帰した。通期計画は増収減益(売上高+4.0%、営業利益▲10.6%)を据え置いており、1Qの利益高進捗と通期保守的計画の間にある「ギャップ」が市場の最大の関心事項となっている。以下、2Q決算に向けた主要論点を整理する。

1. 取扱高成長と広告配信代行サービスの拡大トレンド

  • 前期: 1Q取扱高は前年同期比+45.1%の5,689百万円。広告配信代行の利用拡大でプロジェクト当たり単価が上昇
  • 今期確認: 2Qも同等の取扱高成長率を維持できるか。広告配信代行の利用率がプラットフォーム全体に浸透する構造的変化なのか、特定大型案件による一過性なのかの見極め
  • 注目指標: 2Q単体の取扱高前年同期比(+30%以上なら成長加速の構造化を示唆)、アクティブプロジェクト件数の推移
1Q最大のドライバーは広告配信代行サービスの利用拡大によるプロジェクト単価の向上であり、取扱高は前年同期比+45.1%の5,689百万円に到達した。

2. 通期計画の保守性と上方修正の蓋然性

  • 前期: 1Q営業利益334百万円は通期計画400百万円の83.5%に到達。経常利益も334百万円で通期計画403百万円の82.9%
  • 今期確認: 2Q以降に大型の費用計上(開発投資、広告宣伝費等)を計画しているか。または2Q決算時に上方修正が行われるか
  • 注目指標: 2Q累計(上半期)の営業利益水準。仮に2Q単体で66百万円(通期計画残額)を超過すれば、上方修正の確度が一段と高まる
会社は1Q決算時点で通期計画を据え置いたが、営業利益進捗率83.5%は明らかに計画を上回るペースにある。

3. 原価構造の変化と利益率の質

  • 前期: 売上原価388百万円(前年同期比+74.1%)、売上総利益率73.4%(前年同期77.2%)。一方、営業利益率は22.8%(前年同期10.2%)と+12.6pt改善
  • 今期確認: 広告配信代行のテイクレート(手数料率)と原価構造。売上原価率が上昇しても営業利益率が改善する収益モデルの持続性
  • 注目指標: 売上総利益率70%以上の維持、営業利益率20%超の継続(当レポート試算:販管費成長率が売上高成長率を下回る限り、営業レバレッジが効く構造)
売上原価率は1Qで26.6%(前年同期22.8%)と+3.8pt上昇した。広告配信代行サービスの拡大に伴う仕入コスト増が主因と考えられる。

4. GROWTHフェーズのサービス群による収益循環の確立

  • 前期: Makuake STORE for ECモールを2025年10月に開始。PLAN・DEBUT・GROWTHの循環型事業モデルへの転換を推進
  • 今期確認: ECモール経由の取扱高や手数料収入の規模感。TikTok Shopにおけるライブコマースの初期成果。Makuakeインサイトのリサーチ案件数
  • 注目指標: GROWTHフェーズ関連サービスの売上構成比(決算説明資料での開示有無を含む)
Makuake STORE for ECモール(楽天市場・Yahoo!ショッピング・TikTok Shop)は2025年10月に開始され、1Qが初の通期寄与四半期となった。

5. 財務健全性と成長投資のバランス

  • 前期: 総資産7,916百万円、純資産5,706百万円、自己資本比率71.6%。現金及び預金は前期末比+137百万円の4,793百万円。減価償却費は50百万円(前年同期40百万円)と+26.6%増加
  • 今期確認: 無形固定資産692百万円の内訳と今後の開発投資計画。豊富な手元資金の活用方針(M&A、新サービス開発、株主還元等)
  • 注目指標: 無形固定資産の増減推移(開発投資の強度を反映)、ROE水準(当レポート試算:直近4Q年率換算で約20%。グロース企業として十分な水準だが、無配継続の場合は自己資本蓄積による希薄化リスクに留意)
自己資本比率71.6%、現金及び預金4,793百万円と財務基盤は盤石である一方、無配方針を継続している。

今期中の主要な適時開示

  • 2026/04/16
    2Q決算説明会の開催形式変更 - 2Q決算説明会の開催形式変更に関する適時開示。決算発表は4/28予定であり、説明会の形式変更が投資家コミュニケーションに与える影響は軽微と見られる。マクアケ 2026年9月期 第2四半期 決算説明会の開催形式変更のお知らせ
  • 2026/04/13
    「PDGサイクル」戦略の発表 - 新商品企画(Plan)・デビュー(Debut)・拡販(Growth)を一気通貫で支援する新戦略コンセプトを打ち出し、プラットフォームの位置づけを「応援購入」から「継続的な事業成長支援」へ深化させる方針を表明。中長期の収益構造の転換を示唆する重要な戦略メッセージ。マクアケ PDGサイクル発表
  • 2026/02/19
    ノジマとの店頭連携開始 - 家電量販店ノジマの首都圏2店舗に「Makuakeコーナー」を常設展開開始。オンライン中心のプラットフォームにオフライン接点を加え、家電・ガジェット領域の流通連携を強化。会社側は業績影響は軽微と記載。ノジマとの連携によるMakuakeコーナー展開

前四半期の着地(2026年9月期 1Q実績)

マクアケは応援購入サービス「Makuake」を基軸に、新商品の「0次流通」市場を創出するプラットフォーム企業。実行者からの手数料(応援購入総額の税抜20%)とサポーターからの安心システム利用料(税抜2.2%)を主な収益源とし、広告配信代行やMakuake STORE等の付随サービスで収益多角化を推進している。2025年9月期に通期黒字化を達成した後、2026年9月期は増収減益の通期計画としつつ、GROWTHフェーズのサービス基盤構築に注力する位置づけ。1Qは取扱高・売上高・利益の全項目で前年同期を大幅に上回り、通期計画に対して極めて高い進捗率を記録した。

項目金額前年同期比会社計画比(通期進捗率)備考
売上高1,463百万円+49.2%30.7%(4,763百万円)広告配信代行拡大とプロジェクト単価向上
営業利益334百万円+232.6%83.5%(400百万円)営業利益率22.8%(前年同期10.2%)
経常利益334百万円+231.7%82.9%(403百万円)営業外収益・費用は軽微
四半期純利益290百万円+178.7%81.7%(355百万円)法人税等44百万円(実効税率13.3%)
EPS22.76円+178.6%-発行済株式数12,748,700株

通期計画に対する進捗率: 前年同期:営業利益83.3%(1Q着地: 100百万円、当時の通期予想: 120百万円)。ただし前年同期1Q営業利益100百万円に対し、前期通期実績は当レポート試算で約447百万円=進捗率約22.4%)

会社情報

  • 会社名
    : 株式会社マクアケ
  • 証券コード
    : 4479
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 グロース市場
  • 決算期
    : 9月
  • 次回決算発表予定
    : 2026年4月28日(会社発表)
  • 主要事業
    : アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」、生活者の声とデータを活用した事業者向けリサーチサービス「Makuakeインサイト」、「Makuake STORE」及び「Makuake STORE for ECモール」等の一般販売支援サービス等の運用
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