トビラシステムズ 3Q 決算速報

ソリューション事業が牽引し3Q累計売上高+27.1%と過去最高、設立20周年記念配当で年間40円へ増額、4Q投資集中期の進捗が焦点

配信日2026年9月10日 18:25 JST

3Q決算を踏まえた評価点

ソリューション事業の売上高が前年比+79.0%と急拡大し、全社売上高2,636百万円(+27.1%)を牽引。成長投資を先行させる計画下でも営業利益755百万円(▲0.6%)と前年並みを確保し、通期計画に対する進捗率は営業利益96.2%、純利益97.3%と会社想定を上回る推移。3Q単独では営業利益269百万円(+15.6%)と増益に転じた。

  • ソリューション事業売上1,139百万円(前年比+79.0%)、セグメント利益321百万円(同+141.3%)と収益貢献が本格化
  • トビラフォン Biz累計販売台数8,588台、Cloud課金ID数17,399件へ拡大、いずれも四半期ベースで過去最高更新(会社開示)
  • ストック収益2,044百万円(同+22.0%)に拡大、契約負債は前期末比+908百万円で将来収益の前受けが進行
  • 固定電話向けは256百万円(同+56.8%)、ケーブルプラス電話での迷惑電話ブロック標準提供が契約者数増に寄与
  • 通期計画に対しEBITDA進捗88.9%、期首想定を上回る利益進捗を背景に設立20周年記念配当20円を上乗せ

3Q決算を踏まえた懸念点

増収に対し売上原価+44.3%、販管費+41.9%とコストの伸びが上回り、売上総利益率は66.0%(前年70.1%)、営業利益率28.6%(同36.6%)へ低下。4Qは名古屋本社移転関連費用と採用・開発投資が集中し、会社は四半期利益が3Qを下回る見込みと説明。

  • 全社費用590百万円(前年比+42.2%)と配賦外コストが増加、セグメント利益合計の伸びを相殺
  • モバイル向け売上1,240百万円(同▲1.3%)、開発案件の後ろ倒しと280blockerの減収が要因、通期進捗71.0%
  • 通期営業利益計画785百万円に対し3Q累計755百万円、4Q想定利益は薄く費用計上のブレに感応度が高い
  • 自己資本比率45.6%(前期末48.2%)へ低下、投資その他の資産+448百万円など資産サイドの拡大が先行
  • セキュリティ事業セグメント利益1,024百万円(同▲1.6%)と減益、価格条件更改の効果は3Qから3か月分の寄与に留まる

注目点/今後確認したいポイント

  • 4Q集中投資(名古屋本社移転関連費用、採用、新商材開発、コーポレートサイト刷新)の実際の計上額と通期着地。
  • プロディライトとの資本業務提携によるクラウドPBX領域の販売拡大効果が、いつからCloud課金ID数に反映されるか。
  • モバイル向けの回復シナリオ。後ろ倒しとされた開発案件の再計上時期と、政府による迷惑電話対策サービスの無償化を含む検討・要請が単価・数量に与える影響。
経営陣への論点
  • 4Q営業利益の想定水準と、通期計画785百万円に対する上振れ余地の考え方
  • ソリューション事業の増収に伴う代理店手数料・端末原価の構造、粗利率の中期的な着地イメージ
  • プロディライト提携の収益貢献時期とKPI(課金ID数、代理店経由比率)の定量目標
  • モバイル向けの前年割れ要因の切り分けと、通信キャリア価格条件更改の通期・来期寄与額
  • 中期経営計画2028(売上60億円、営業利益17億円)に対する2年目終了時点の進捗評価と修正要否

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高2,636百万円+27.1%
└ ストック収益2,044百万円+22.0%
└ フロー収益592百万円+48.4%
売上原価895百万円+44.3%
売上総利益1,740百万円+19.7%
販売費及び一般管理費985百万円+41.9%
営業利益755百万円▲0.6%
営業外収益合計24百万円+220.8%
経常利益771百万円+1.0%
四半期純利益516百万円+0.1%
EPS50.57円▲0.3%
減価償却費87百万円+6.7%
のれん償却額49百万円± 0.0%

売上総利益率66.0%(前年70.1%、当レポート試算)、営業利益率28.6%(同36.6%、当レポート試算)。営業外収益の増加は受取利息12百万円、有価証券利息9百万円が主因。3Q単独では売上高962百万円(前年同期比+37.0%)、営業利益269百万円(同+15.6%)と増収増益(会社開示)。

事業セグメント別の業績

セキュリティ事業は固定電話向けの契約者数増で増収も、モバイル向けの前年割れとコスト増でセグメント利益は減益。ソリューション事業はトビラフォン Biz・Cloud双方の拡大で売上高が3Q累計で前期通期実績を上回り、利益率28.2%へ改善。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比セグメント利益前年同期比利益率
セキュリティ事業1,497百万円+4.1%1,024百万円▲1.6%68.4%
ソリューション事業1,139百万円+79.0%321百万円+141.3%28.2%
調整額(全社費用)--▲590百万円+42.2%-
合計(営業利益)2,636百万円+27.1%755百万円▲0.6%28.6%

(売上高は外部顧客への売上高ベース。利益率は当レポート試算)

好調な事業
  • トビラフォン Biz:累計売上793百万円(前年比+70.6%)。カスハラ対策需要の継続に加え、2026年2月開始のエントリーモデル「Biz Lite」が小規模事業者層を取り込み、累計販売台数8,588台へ。
  • トビラフォン Cloud:累計売上346百万円(同+101.8%)。直販でのエンタープライズ案件拡大が寄与し、J:COM等の代理店網も拡充、課金ID数17,399件、平均月次解約率は1%未満を維持。
  • セキュリティ事業/固定電話向け:累計256百万円(同+56.8%)。JCOM「ケーブルプラス電話」での迷惑電話ブロック無料提供開始により契約者数が継続増加、通期計画進捗115.6%。
不調な事業
  • セキュリティ事業/モバイル向け:累計1,240百万円(同▲1.3%)。開発案件の後ろ倒しと280blockerの減収が要因。「月間利用者数×単価」モデルの単価更改は3Qから3か月分の寄与に留まる。
  • セキュリティ事業/その他:累計売上は前年比3.2%の水準(会社開示)。通期計画も前期比3.9%と縮小前提。

業績予想比の進捗率

売上高進捗78.3%はソリューション事業の伸長で期首想定を上回る一方、利益進捗は営業利益96.2%、純利益97.3%と高水準。会社は4Qに名古屋本社移転関連費用、人員拡充、販売体制強化、新規プロダクト開発を計上する計画であり、概ね業績予想どおりの着地を見込むと説明している。

勘定科目数値(第3四半期累計)通期計画進捗率
売上高2,636百万円3,366百万円78.3%
EBITDA892百万円1,003百万円88.9%
営業利益755百万円785百万円96.2%
経常利益771百万円796百万円96.9%
純利益516百万円531百万円97.3%
セキュリティ事業売上1,497百万円1,968百万円76.1%
ソリューション事業売上1,139百万円1,397百万円81.5%

(進捗率は会社開示)

  • 前期(2025年10月期)は4Q営業利益139百万円と1〜3Q各四半期(233〜267百万円)を下回っており、期末に費用が集中する傾向。
  • 当期4Qも名古屋本社移転関連費用と成長投資の計上集中により、四半期利益は3Q(269百万円)を下回る見込みと会社が明示。

業績予想の変更有無

2025年12月10日公表の通期業績予想(売上高3,366百万円、営業利益785百万円、経常利益796百万円、当期純利益531百万円)から変更なし。3Q時点の利益進捗は高いものの、4Qの計画投資実行を前提に据え置き。

株主還元への言及

配当予想を修正。2026年10月期の期末配当を従来の1株当たり20円00銭から40円00銭(普通配当20円00銭+設立20周年記念配当20円00銭)へ引き上げ、前期実績21.30円から増配。中期経営計画2028では配当性向35%目安・1株20円を下限とする方針を掲げており、成長投資に必要な資金を確保したうえで資金余力を還元に充当したと説明。自己株式は当3Q累計で譲渡制限付株式報酬等として162,400株を処分(処分価額総額203,812千円)、期末自己株式数は389,050株へ減少。

財務状況

無借金に近い財務構造を維持し、現預金4,301百万円に対し有利子負債は長期借入金58百万円のみ。契約負債の積み上がりで負債総額は増加したが、これは将来のストック収益の裏付けであり、実質的なネットキャッシュポジションは厚い。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金4,301百万円前期末比+15.1%
有価証券100百万円前期末比▲50.6%
商品及び製品235百万円前期末比+500.6%、トビラフォン Biz端末等
投資その他の資産1,093百万円前期末比+69.5%、プロディライト株式取得等を含む
総資産6,737百万円前期末比+25.2%
契約負債3,124百万円前期末比+41.0%
有利子負債58百万円-
└ 長期借入金58百万円前期末比▲39.2%
自己資本3,070百万円前期末比+18.3%
EBITDA892百万円会社開示(営業利益+減価償却費+のれん償却額)

決算発表と同時に出た適時開示

  • 2026/09/10
    期末配当を1株20円00銭から40円00銭(普通配当20円+設立20周年記念配当20円)へ増額修正。成長投資資金を確保したうえでの還元充実を明示(配当予想の修正(設立20周年記念配当)に関するお知らせ ※決算短信本文に同日公表として記載)
  • 2026/09/10
    2026年10月期第3四半期決算説明資料を公表。4Q投資計画と通期着地見通し、想定質問への回答を開示(2026年10月期第3四半期 決算説明資料)

足許四半期中の主要発表

  • 2026/06/25
    NTTタウンページと協業の警察庁推奨アプリ「詐欺対策 by NTTタウンページ」が提供開始から約100日で累計100万DL突破 警察庁推奨アプリ「詐欺対策 by NTTタウンページ」累計100万ダウンロードを突破
  • 2026/07/14
    クラウドPBX「INNOVERA」を展開するプロディライト株式を100,000株(議決権5.948%)取得し資本業務提携。Cloud販売加速の中核施策 株式会社プロディライトとの資本業務提携に関するお知らせ
  • 2026/07/29
    J:COMと「トビラフォン Cloud」の販売代理店契約を締結。エスケーアイ、クロップス、No.1に続く代理店網拡充 トビラシステムズ、J:COMと「トビラフォン Cloud」の販売代理店契約を締結
  • 2026/07/30
    迷惑情報データベースをWeb API形式で外部提供開始。データベースの提供形態・提供先拡大に向けた新収益機会 トビラシステムズ、迷惑電話番号などをリアルタイムで照合できる「迷惑情報データベースWeb API」を提供開始
  • 2026/09/03
    NTT東日本と「サギトレ」の販売代理店契約を締結。法人・自治体向けチャネルを活用した拡販 トビラシステムズ、NTT東日本と「サギトレ」の販売代理店契約を締結

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • Smoak Capital Management, LLCほか: 新規5.02%(2025/12/02) - 純投資
  • Smoak Capital Management, LLCほか: 5.02%→6.33%(2025/12/17、2025/12/18訂正) - 純投資
  • Smoak Capital Management, LLCほか: 6.33%→7.34%(2026/02/04) - 純投資
  • 明田篤氏(代表取締役社長): 44.28%→43.17%(2026/03/03、2026/03/12訂正) - 創業者かつ代表取締役として経営参加を目的とした安定保有
  • 明田篤氏(代表取締役社長): 43.17%→43.17%(2026/09/04) - 担保契約等重要な契約に関する変更、保有目的・比率に変更なし
  • (参考)当社によるプロディライト株式の新規5.94%保有報告(2026/07/22提出) - 資本業務提携に基づく協力関係の構築および企業価値向上
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