株式会社Welby インタビューレポート

WelbyはTISIとの資本提携で自治体向けPHRを第二の柱に育て、医療機関と自治体の両輪で2027年の本格成長を狙う

配信日2026年10月29日 17:00 JST

エグゼクティブ・サマリー

エンヴァリスは、同社とTISIの業務提携と、Welby連結子会社WHSによる第三者割当増資を受けて、同社代表取締役 比木 武氏の取材機会を得た。 同社は、製薬企業・保険会社向けBtoBに続く第二の柱として、自治体向け事業を本格的に伸ばす段階に入った。TISIも共同で事業運営していくための資本関係と位置付けられている。医療機関に強い同社と、自治体に強いTISIの補完関係を土台に、同じ地域で自治体と医療機関の契約を同時に増やすドミナント戦略を進める方針である。2027年4月以降の自治体予算に向けた受注準備が順調に進んでおり、2027年12月期は自治体向け事業が業績を押し上げる年として注目される。

企業からのメッセージ

TISIは自治体にお客様を多く持ち、Welbyは各疾患領域に特化した医療PHRサービスを各地域の患者・医療機関に長く手掛けてきた。互いの強みで弱みを補い合い、自治体向け事業をさらに加速・拡大させていく。売上は昨年・一昨年の低調からはっきり回復に向かっており、今回の取り組みはその成長をさらに加速させるためのものである。成長にぜひ期待してほしい。

インタビューで示された主な論点

  • 自治体向け事業を第二の柱へ

    同社は従来の製薬企業・保険会社向けBtoBに加え、自治体向けを第二の収益の柱に位置付ける。TISIは自治体への営業網と顧客基盤を持ち、同社は自治体に提供できるPHR商品と保健指導・重症化予防のノウハウを持つ。2026年2月の業務提携から進めてきた協業を、資本提携によって一段と強化する狙いである。

  • 同じ地域で自治体と医療機関を同時に増やすドミナント戦略

    同社が想定するシナジーは、同じ地域の中で自治体と医療機関の受注が連動して増えていく形である。大阪・静岡などで具体化が進んでおり、一部地域では2026年度中にすでに成果が出ている。

  • 事業領域ごとのJV方式と、責任に見合った出資比率

    同社は顧客の領域ごとに法人を分けてきた。製薬・保険会社向けは本体、自治体・一部健保向けはWHS、医療機関向けの課金事業はメディカルデータカード社が担う。WHSにはすでに日本生命が出資しており、今回TISIが加わって3社体制となった。34%という比率は、共同での事業推進を行う上で、その役割分担を踏まえた資本構成である。

エンヴァリスの着眼点

インタビュー Q&A ハイライト

  • Q

    今回の提携で投資家に最も伝えたいことは何か。

    A

    自治体向け事業の加速である。TISIは同社より早くから自治体事業を手掛け、一定の顧客を持つ。一方、医療的なサービスは同社に一日の長がある。互いの補完で自治体向けを第二の柱に育てる。2026年2月の提携から準備を進めており、2027年に本格的に花開かせるため体制を一段強化した。2027年度以降の事業計画においては当該ドメインの戦略についてしっかり成長戦略を示していきたい。

  • Q

    受け皿が本体ではなくWHSである理由と、34.01%という比率の意味は何か。

    A

    顧客の領域ごとに法人を分け、領域ごとのパートナーと利益を分け合うのが従来からの方針である。本体への出資となると連結の全事業に関わることになるため、目的に合った子会社でのJV方式を採っている。34%は、TISIにも共同で事業運営していく前提での資本政策であり、既に人員交流含めた一体運営を先行して進めている。

  • Q

    調達資金は何に使うのか。

    A

    主な使い道は2つある。1つは自治体向けPHR商品の開発で、技術開発に加え、保健指導・重症化予防を担う人材の確保を含む。もう1つは契約自治体を増やすための営業・プロモーションである。ただし出資額は比率から決まったもので、この2つで大半を使い切るほどの資金需要はない。資金繰り対策ではなく、事業成長のための提携と理解してほしい。

  • Q

    提携の効果は損益にいつ、どのように表れるのか。

    A

    自治体向けは、前年度に営業して翌年度に売上が立つ仕組みである。2026年の活動は2027年4月以降の売上につながり、以後も毎年積み上がっていく。医療機関向けは月額課金で受注後すぐに収益化できるため、大阪・静岡など一部地域ではすでに2026年中から収益に貢献し始めている。ただし先行投資があるため、当初の利益は限られ、売上の伸びが先行する見通しである。

  • Q

    株主と投資を検討する人へのメッセージは何か。

    A

    売上は昨年・一昨年の落ち込みから回復しており、開示している業績予想では2026年12月期は200%程度の成長を見込む。2027年はさらに伸ばす事業計画がすでに承認されている。9月の第三者割当増資では、代表自身も持ち分が薄まらないよう引き受けており、経営者として成長にコミットしている。今回の提携はその成長を加速させるためのもので、事業の伸びにぜひ期待してほしい。

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