Welby 2Q 決算プレビュー

新規疾患領域におけるPHRサービス及びPHRプラットフォームの受注拡大で、通期売上高+130.5%計画の進捗が試される2Q

配信日2026年8月10日 15:30 JST

サマリー

Welbyは通期売上高1,466百万円(前期比+130.5%)、営業損失▲30百万円と、損益分岐点到達を視野に入れた意欲的な計画を掲げている。1Qの売上高は133百万円(進捗率9.1%)にとどまり、通期計画達成には2Q以降に1,332百万円の積み上げが必要となる。同社の売上は例年Q4偏重(過去3期平均で通期の約41%がQ4に集中)であるため、1Qの低進捗は構造的要因でもあるが、2Qでは疾患ソリューションの受注パイプラインの具体的な積み上がりと、2026年4月開始の患者向け医療情報プラットフォームの収益貢献の初動を確認することが重要となる。加えて、自己資本比率15.0%・現預金516百万円という財務基盤のもとで先行投資を継続しつつ損益改善を両立できるかも焦点となる。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上進捗2Q累計売上高の通期計画1,466百万円に対する進捗率

前年2Q累計は287百万円(進捗率45.2%)。今期は計画規模が2.3倍に拡大しており、2Q累計で300百万円超に到達するかが計画達成の最低条件

疾患ソリューション製薬企業からの新規受注件数と売上パイプライン

1Qは93百万円(+80.5%)と好調。オンコロジー領域の新薬モニタリング需要やePROエビデンス蓄積を背景に、2Qも高成長を維持できるかが通期計画の鍵

マイカルテサービス期ズレ案件の回収状況と大型案件の受注動向

1Qは40百万円(▲41.7%)と期ズレで減収。前年2Qは167百万円と高水準であり、案件の大型化による受注リードタイム長期化が解消に向かうか確認

新サービス収益化患者向け医療情報プラットフォームの初期収益

2026年4月・7月以降にそれぞれ提供開始。通期計画の+130.5%成長を支えるには新規サービスの早期収益化が不可欠

財務健全性現預金残高と自己資本比率の推移

1Q末の現預金516百万円(前期末比▲195百万円)、自己資本比率15.0%。四半期あたり約150百万円の営業キャッシュ流出ペースが続く場合、追加資金調達の要否が論点に

資本政策転換社債の転換進捗と希薄化影響

1QにCB60百万円が転換され残高317百万円。全額転換時の追加希薄化と自己資本増強のバランスを注視

アライアンス戦略保険者向けソリューションの事業化進捗

中部電力・スズケン・日本生命・NTTドコモ等との提携による保険者・自治体向け事業の具体的な売上貢献の有無

前回決算(2026年12月期 1Q決算)を踏まえた主要論点

1Q決算は売上高133百万円(+10.7%)、営業損失▲157百万円と、前年同期比で損失幅を4百万円縮小した。通期計画は売上高1,466百万円(+130.5%)と前例のない高成長を掲げているが、1Q進捗率は9.1%にとどまる。同社のビジネスモデル上、Q4偏重の売上構成が常態化しているとはいえ、2Q以降の急速な売上積み上げの裏付けを具体的に確認する必要がある。

1. 疾患ソリューションサービスの成長持続性

  • 前期: 1Q売上高93百万円(前年同期比+80.5%)。製薬企業からの新規PHRサービス受注が寄与し、オンコロジー領域での新薬副作用モニタリング需要も顕在化
  • 今期確認: 製薬DX需要の継続性と受注パイプラインの充実度。特にePROの臨床研究実績(国際学術誌への掲載)が新規案件獲得につながっているかを検証
  • 注目指標: 疾患ソリューション売上高の前年同期比成長率(前年2Qは単独開示なし、通期ベースで成長率+80%超を維持できるか)

2. Welbyマイカルテサービスの期ズレ解消と大型案件化

  • 前期: 1Q売上高40百万円(前年同期比▲41.7%)。案件大型化による受注リードタイム長期化と一部案件の期ズレが主因
  • 今期確認: 期ズレ案件の2Qへの売上計上の有無。かかりつけ医療機関数33,376施設・アプリDL数約124万回のユーザー基盤拡大がマネタイズにつながるか
  • 注目指標: 前年2Q売上高167百万円(通期構成比26.3%)との比較。マイカルテサービスの回復が通期計画達成の前提条件

3. 新規プラットフォームサービスの収益貢献

  • 前期: 2026年4月に患者向け医療情報プラットフォーム提供開始(PMDA連携)
  • 今期確認: 新サービスの初期導入件数・収益規模。通期売上高+130.5%計画(前期比+831百万円増)の内訳として新規サービスがどの程度寄与するか
  • 注目指標: 新サービスからの売上高(会社開示がない場合は売上高の内訳開示の有無自体が注目点)

4. 保険者向けソリューションの事業化進捗

  • 前期: 子会社Welbyヘルスケアソリューションズが保険者(健保組合・自治体)向けソリューションの事業化を推進。複数の健保組合・自治体の参画が決定済み。アボットジャパンのFreeStyleリブレを活用した重症化予防事業も展開開始
  • 今期確認: ウィーメックスとの健診DX協業(2026年6月発表)など新規パートナーシップの具体的な売上貢献。保険者向け事業がストック型収益として機能し始めるか
  • 注目指標: 保険者向け契約保険者数の増加ペースおよび保険者向け売上の開示

5. 財務基盤と資金繰りの持続性

  • 前期: 現預金516百万円(前期末比▲195百万円)、自己資本比率15.0%(前期末20.9%)。CB残高317百万円(1QにCB60百万円が株式転換、資本金・資本剰余金各+30百万円)。先行投資額35百万円
  • 今期確認: 四半期営業CFの改善傾向と現預金の減少ペース。通期営業損失計画▲30百万円の達成に向け、2Qで損失幅が縮小に転じるか
  • 注目指標: 2Q末現預金残高(当レポート試算では、1Qと同水準の資金流出が続いた場合、2Q末に320百万円程度まで減少する可能性)、自己資本比率の推移

今期中の主要な適時開示

  • 2026/06/03
    Welbyグループとウィーメックスが保険者向け健診DX領域で協業開始 - PHCホールディングス傘下のウィーメックスの「健診代行」にWelbyの「みなし健診」を統合し、特定健診未受診の岩盤層へアプローチ。保険者向け事業の収益基盤拡充に直結する戦略的提携。 Welbyグループとウィーメックス 保険者向け事業において新たな協業を開始
  • 2026/05/15
    WelbyマイカルテONC等のePROを用いたがん患者モニタリングの臨床効果が国際学術誌に掲載 - ePRO群で生存期間の有意な延長が示され、オンコロジー領域での製薬企業・医療機関向け展開を裏付けるエビデンスとして、疾患ソリューションの受注拡大に寄与する可能性。 WelbyマイカルテONC等のePROを用いたがん患者モニタリングの臨床効果が国際学術誌に掲載

前四半期の着地(2026年12月期 1Q実績)

Welbyは「Empower the Patients」をミッションに掲げ、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)プラットフォーム事業を展開する。製薬企業向け疾患ソリューション(PSP・ePRO)と、医療機関・保険者向けWelbyマイカルテサービスの2本柱で構成され、かかりつけ医療機関33,376施設・アプリDL数約124万回のユーザー基盤を有する。通期計画は売上高1,466百万円(+130.5%)・営業損失▲30百万円と、PHRプラットフォームの収益化加速による損益分岐点到達を目指す意欲的な内容。1Qは疾患ソリューションが+80.5%と牽引したものの、マイカルテの期ズレにより全体では+10.7%の増収にとどまった。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高133百万円+10.7%進捗率9.1%疾患ソリューション+80.5%、マイカルテ▲41.7%
営業利益▲157百万円--先行投資額35百万円を含む
経常利益▲157百万円--支払利息0百万円増
当期純利益▲153百万円--前年同期▲167百万円から改善
EPS▲18.41円--前年同期▲20.27円

通期計画に対する進捗率: 売上高9.1%(前年同期:18.9%)。ただし過去3期のQ1構成比は平均18.9%であり、通期計画が+130.5%成長という前提のもとでの低進捗。営業利益は通期計画▲30百万円に対し1Qで▲157百万円を計上しており、2Q以降での急速な損益改善が必須。

会社情報

  • 会社名
    : 株式会社Welby
  • 証券コード
    : 4438
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 グロース市場
  • 決算期
    : 12月
  • 主要事業
    : PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)プラットフォーム事業。製薬企業向け疾患ソリューション(PSP・ePRO)、医療機関・保険者向けWelbyマイカルテサービスを展開
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