True Data 1Q 決算説明会速報

ツルハHDへのSalesSensor導入決定とNEL社連携が加わり、面の拡大とAIクロスセルで粗利率再浮上を描く意思決定OS構想

配信日2026年9月3日 16:32 JST

サマリー

27/3期1Qは売上高489百万円(YoY+19.4%)、営業利益12百万円(同+13.0%)と、当初計画の営業赤字想定に対し黒字着地。説明会では決算資料未記載の新規案件として、ツルハホールディングスへのAI出店売上予測サービスSalesSensor導入決定と、NEL社の新サービスTrade Lift Adsへの広告用購買セグメントデータ連携決定を追加で説明。粗利率51.2%(▲9.1pt)への低下は、パートナー経由で顧客接点の面を最短で広げる戦略的選択であり、獲得基盤に高粗利AIソリューションをクロスセルして単価と粗利を引き上げる3段階モデルと説明。CVC等で3件の出資を実行済みで、M&Aは定性リサーチデータ・ショッパー行動データ・POS周辺技術を明示的なターゲット領域として探索段階に入った。

ポイント(決算の要点と成長アクション)

  • 経営戦略と市場認識
    • マーケティングSaaS企業から企業の意思決定を支える会社への進化を掲げ、購買データ×AIインサイトを中核に据える方針。
    • 生成AIの進化は追い風との認識、AIを持っているかではなくAIが正しく判断できるデータを持っているかが競争軸になると説明。
    • モートはデータ量に限らず、年間20億枚のレシートの表記揺れを名寄せ・統合する15年超の泥臭いデータ生成プロセスにあると強調。
    • 広告領域では自ら広告を販売するプレイヤーにはならず、配信前のターゲティング設計と配信後の効果検証の両端を押さえる構想。
  • 足元の事業進捗と要因
    • メーカー向け導入件数201社(YoY+39社、QoQ+21社)、年度初めの契約切替とFOODATA獲得の重複が純増を押し上げ。
    • リテール向けは前期立ち上げの大手小売向けソリューションが現場に定着し本格活用が始まったことが増収要因。
    • リテールメディア単体売上は好調だった前期4Qをさらに上回る水準で着地、大手消費財メーカーの継続受注と協業先の営業体制強化が背景。
    • 1Qの黒字化はストック型契約の積み上がりに加え、一部費用の発生時期が下期にずれ込んだことが寄与。
  • 戦略的な重要施策や変化点
    • ツルハホールディングスがSalesSensorを導入決定、ウエルシア薬局に続くドラッグストア大手の大型受注。
    • NEL社の新サービスTrade Lift Adsへ広告用購買セグメントデータを連携、SNS広告のクリエイティブ効果を購買データで検証。
    • 価格シミュレーションサービスは個別レポート形式でユースケースを蓄積後、クラウド型へ展開するロードマップ。
    • CVC等でAI・ディープテック領域のファンド等へ3件の出資を実行、スタートアップとのパイプライン構築は完了しつつある段階。

今後の見通しと戦略

  • 通期計画(売上高2,200百万円、営業利益80百万円)は据え置き、1Q進捗率は営業利益15.6%だがスポット収益の2Q・4Q集中とストック積み上げを踏まえ想定通りと説明。
  • 上振れ余地を認識しつつ計画を据え置いた理由は、データ量・顧客数が増えてもコストが比例増しない事業基盤への転換投資を今期集中実行するため。
  • 粗利率は長期的に再向上させる計画、面を取る→AIで深掘る→顧客単価と粗利を上げるの3段階モデルを提示。
  • メーカー向け導入件数は2Q以降1Qほどの純増ペースにならない可能性、今後は顧客数×顧客単価の掛け算で成長させる方針。
  • M&Aは投資枠を使い切ることが目的ではなく、ID-POSに定性リサーチデータ・ショッパー行動データ・POS周辺技術を掛け合わせる案件を機動的に検討。
  • 29/3期売上高30億円超・営業利益3~4億円は、顧客数増・単価上昇・粗利率改善・M&Aの4ドライバーで実現する構図。

ポジティブ要因

  • ストック型売上高440百万円(YoY+26.4%、QoQ+8.6%)、収益基盤の安定性が一段切り上がり。
  • リテール向けソリューション117百万円(YoY+118.5%)、大手小売案件の通期寄与が本格化。
  • 6月末のネットキャッシュ852百万円、自己資本比率76.8%と有利子負債ゼロの財務基盤でM&A余力を確保。
  • 26/3期実績でストック比率81.4%、年間契約中心の構造が景気変動下でも予測可能性を担保。
  • リテールメディアネットワーク市場は2028年に約2,760億円規模、当社のRevenue Opportunityは約360億円と試算。
  • フリークアウトのDSP「Red」は月間8,500億インプレッションを超える広告在庫を有し、データフィー収益の拡大余地が大きい。

懸念事項・リスク

  • 売上総利益率51.2%(YoY▲9.1pt)、協業契約増によるミックス悪化とスポット型の開発費両建て計上が重石。
  • 27/3期営業利益は前期比▲21.3%の減益計画、戦略投資予算の消化次第で着地が振れる構造。
  • 2Q計上予定の大手小売向け追加開発スポット収益は9月予定のため期ズレリスクが一定存在。
  • 営業利益の過半を4Qに稼ぐ計画であり、期末集中による下期偏重の進捗リスク。
  • 経営陣が挙げたバッドシナリオは、規制やクロスボーダー環境の変化などデータプラットフォーム構造全体に及ぶ地政学的変化。
  • ID-POSデータの提供を上位数社の小売業に依存しており、取引条件変更が業績に影響する可能性。

業績ハイライト

27/3期1Qは売上高489百万円(YoY+19.4%)、売上総利益250百万円(同+1.4%)、営業利益12百万円(同+13.0%)、経常利益13百万円(同▲12.4%)。当初1Qは営業赤字を計画していたが、ストック型契約の積み上がりと一部費用の未消化により黒字を確保。売上高・売上総利益の通期進捗率は22.3%、営業利益は15.6%。

セグメント別業績

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比
ストック型|メーカー向けソリューション266百万円+15.6%
ストック型|リテール向けソリューション117百万円+118.5%
ストック型|リテールメディアその他56百万円▲12.1%
スポット型49百万円▲19.8%
合計489百万円+19.4%12百万円+13.0%
  • メーカー向けソリューション導入件数: 201件 (前年同期比 +24.1%、+39社)
  • ストック型売上高: 440百万円 (前年同期比 +26.4%)
  • 売上総利益率: 51.2% (前年同期比 ▲9.1pt)
  • 営業利益率: 2.5% (前年同期比 ▲0.1pt)
  • EBITDA: 28百万円 (前年同期比 +6.4%)
  • 四半期純利益: 6百万円 (前年同期 8百万円)
  • 1Q末現預金: 852百万円、自己資本比率76.8%(当レポート試算)

Q&A 一覧

  • Q: 第1クォーターはストック型収益が成長し、このトレンドが続けば今期は利益が上振れそうだが、計画を据え置いた理由は。
    A: 第1クォーターはストック型収益が前年同期比26.4%と順調に拡大し、営業利益も当初想定を上回る形でスタートした。一方で、今期は短期的な利益の上振れを追うこと以上に、中長期で利益を生み出し続けられる収益構造への転換を進めることを重視している。具体的には、お客様の数、データ量の増加に対応する土台となるシステム基盤の自動化、高度化や、AIソリューションの開発を担う技術人材への投資などを今期集中的に進めていく。これらは単なるコスト増ではなく、AI連携とともに、データ量、顧客数が増えてもコストが比例して増えない事業基盤を作って、売上成長がより大きく利益成長につながる構造へ転換するための投資である。したがって、1Qの進捗だけを見れば上振れる可能性はあるが、現時点ではこうした成長投資を含めた通期計画を維持することが適切だと考えている。今期は足元の成長を確実に取り込みながら、来期以降の利益成長をさらに加速させるための基盤を作る期と位置づけている。現時点では通期計画の達成に向けて順調に進捗していると考えている。
  • Q: 第1クォーターの粗利率が前年同期の60.2%から51.2%へ大きく低下している。通期計画51.0%に沿った推移とのことだが、長期的にも粗利率はこの水準で推移するのか。SaaS企業としてマージンが低下していくことに懸念を感じる。
    A: 結論から申し上げると、長期的には粗利率を再び向上させていく計画である。現在の粗利率低下は、当社が今まさに面を取るための戦略的な投資フェーズにあることが背景である。伊藤忠商事様などの強力なパートナー網を通じて、レベニューシェア型のモデルでお客様の接点を一気に拡大している。短期的にはパートナー経由の売上比率が高まることで粗利率は低下するが、まずは当社のデータやサービスが使われる面を広げることを優先している。その上で獲得した顧客基盤に対して、価格シミュレーションなどの高付加価値、高粗利なAIソリューションをクロスセルして、顧客単価と粗利率を引き上げていく。つまり、面を取る、ついでAIで深掘る、ついで顧客単価と粗利を上げるという成長モデルになる。現在の粗利率だけを見るのではなく、お客様の基盤を拡大して、そのLTVと利益の総額を最大化する事業構造を作っているとご理解いただきたい。
  • Q: パートナー網で獲得した顧客へのアップセル、クロスセルが今後の成長の鍵とのことだが、具体的にどのようなサービスを売っていくのか。
    A: 代表例が、今回発表した価格シミュレーションサービスである。メーカー様に対して、いくら値上げをすれば粗利を最大化できるのか、値上げした場合に自社の別商品へ流れてしまうのか、もしくは競合の商品へ流れてしまうのかといった価格の耐性を、当社のID-POSデータを使って可視化する。小売業様に対しては、需要予測や新店の売上予測のセールスセンサーなどを展開していく。これまでの当社は、何が起きているのかを分析するサービスが中心だった。これからは、なぜ起きているのか、これから何が起きるのか、では、どう意思決定すべきかまで踏み込んでいく。つまり、データを見る会社からデータで意思決定する会社へ進化することが、当社の最大の成長余地だと考えている。
  • Q: 現在進捗中の中期経営計画が終了した次の中期計画、長期計画の時点において、米倉社長がお考えになるさらなるAI進化による御社にとってのグッドシナリオ、逆にこういう環境変化が起きると困るなと考えているバッドシナリオは、どのような想定になっているか。
    A: リテールデータ、ID-POSという人軸での購買を見るデータにAIを掛け合わせるというのが今の戦略だが、その先に何が待っているかというと、そこにいろんなデータを組み合わせていくことで、誰よりも消費者を理解できるデータプラットフォームになる。意思決定するときにTrue Dataに確認すれば、消費者がどのような動きをしていて、これからどうなっていくかが分かる、だから意思決定ができる。このような唯一無二のプラットフォームになっていけるのではないかと思っている。そのような未来があるとしたときに、AIがどこまでどう進化していくかを今、予見できる方はいないと思うが、その価値がフルに発揮されると、どんな形に広がっていくか想像もつかないところまで価値を出していけるのではないかというのがグッドシナリオだと思う。逆にバッドシナリオは、現時点で思い浮かばないが、規制でありますとか、クロスボーダーでの環境が変わったりとか、そのような地政学的な変化とか、今の想定を超えたようなもの、AIとかデータプラットフォームの構造全体に影響を及ぼすようなことが何か起こるのであれば、それは影響を受ける可能性があると思っている。当社のこういった構造のインフラ自体はグローバルなプラットフォームの上に構築しているので、ここで作った強いものについてはそのまま海外含めてグローバルに展開していけるものだと考えているが、何らかの制約が生じてグローバルに展開しづらいということが起こるとすると、そのようなことがバッドシナリオだと思っている。
  • Q: 今回、価格シミュレーションなど購買データでAIを分析して、顧客の意思決定まで支援する方向性を示されている。今後、AI機能が増えていった場合、既存サービスへの機能追加という位置づけなのか、それとも、AIによる付加価値を価格に反映し、顧客単価を引き上げる収益モデルを想定されているのか。
    A: 基本は、SaaSが一番お客様の数を効率的に増やしやすい、面を広げるにはSaaSが得意な領域ではあるが、AIのサービスは、お客様に必要なAIとデータ、インサイトを組み合わせたサービスとして、既存のお客様にクロスセルするとか、新規を取るだけではなくてアップセルするといったことを積極的にやっていく。したがって、お客様ごとのARPU、顧客単価は上がっていくが、既存サービスにオプションとして機能追加という形でくっつけるケースも、その方がフィットしている、戦略的に有利だということであれば、その方がお客様が使いやすいというケースもあるだろうし、付加価値を乗せて追加で新しく販売していくこともあると思うので、これは組み合わせで、どちらかフィットする方法で組み合わせていくという流れだと思っている。
  • Q: 楽天、博報堂DY ONE、SMN、MBKデジタル、今回のフリークアウトと接続先が広がっているが、御社としては将来的に広告を自ら販売するプレイヤーになるというより、複数の広告プラットフォームが共通して利用する購買データ基盤になることを目指しているのか。その場合、御社が最も価値を取りやすい収益ポイントはどこだと考えているか。
    A: 私たちは広告を自ら販売するプレイヤーになるということは考えていない。むしろ、そういった広告を作って販売される代理店の方々とか、そういう会社がたくさんあるが、そういった方がその手前でターゲティングするときに、誰に対してターゲットしたらいいのか、訴求ポイントは何が一番響くのかといったことをTrue Dataに確認する。その上で、そこにリーチするためのデータの動線を提供する。要は前段のところである。それに合わせて、別の会社がクリエイティブを作ったり、広告を販売して実際に実現する。その後、もう1回我々に出番があると思っており、効果検証である。実際にかなりの精度で効果検証をスピーディーに行う。したがって、広告を作る、売る、実行するというところの前と終わりのところにおいて、ここはTrue Dataに聞くのが一番だ、True Dataに確認するのが一番だというポジションを作って、皆様に使っていただく。これが一番の価値を出しやすい収益ポイントだと考えている。戦略上もそのように考えてエコシステムを作っていっている。
  • Q: 伊藤忠商事などとの協業によって、メーカーの導入社数が大きく増える一方、短期的には収益シェアによって粗利率が低下する。顧客基盤が一定規模まで拡大したあと、AI機能などのアップセルによって1社あたりの収益を高め、粗利率を再び引き上げていくモデルを想定されているのか。それとも、今後も顧客数拡大を優先する考えか。
    A: 先ほどお話ししたことの繰り返しになるが、短期的にはパートナー経由の売上比率が高まることで粗利率は低下するけれども、これはまずは当社のデータやサービスが使われる面を広げることを優先しているからだとお考えいただきたい。その上で、獲得したお客様の基盤に対して、価格シミュレーションとか、そういった高付加価値、高粗利なAIソリューションをクロスセルしていく。それで初めて顧客単価と粗利率を引き上げていく。このような構造である。したがって、面を取る、AIで深掘る、顧客単価と粗利を上げるという成長モデルが基本形になっている。顧客数拡大はずっと継続的にはやっていくが、その先にAIで深掘って顧客単価と粗利を上げるということを組み合わせていくという流れになっている。
  • Q: 他のAI関連やビッグデータ分析の新興上場企業を見ると、経営陣を含めて働いている人材の傾向として、勉強ができるがビジネスが下手という印象を受ける事例が多い。True Dataに関しては、働いている方々がビジネスが下手という印象は受けないが、現在の時価総額水準感に関しては、将来のビジネス化が下手だと懸念されているように映る。また、近年の決算説明会では、時価総額の水準感を改める試みがあまりなされていない印象も受ける。お話できる範囲で結構だが、米倉社長が考えている御社の実力を将来のポテンシャルとして時価総額水準に転換させるために必要な要素を聞かせてほしい。
    A: まず、企業、事業にはステージがあると考えており、そのステージを次々とクリアしていくことが必要だと思っている。今、何ができてきたかというと、ファンダメンタルとバリュエーションという言葉を使うのが分かりやすいかどうかはあるが、本当に強いサービス、事業として収益を継続的にどんどん拡大していくという部分と、それを市場にご評価いただくという、2通りの組み合わせで考えたほうが分かりやすいと思っている。まず、ファンダメンタルのところ、事業の強さとか、市場変化、環境変化の中でどういうモートを作って、どういう模倣困難性を持ってどう成長していくかという、ここが信頼していただけない限り、バリュエーションだけでは限界があると考えている。今は一刻も早く、そこのファンダメンタルのところをどう作り上げるかというステージだと思っているが、これは数字に出てきたとおり、売上がオーガニックで20%成長ペースには上がってきた。その上で成長投資ということで、今度はようやくBSのほうを活用した成長を合わせて作り始めたというのが今のステージである。こういったものがどんどん実現する中で、当然ながらIRもやっていくし、そこの戦略の意図であるとか、KPIですとか、KPIがどう将来変化していくのかということを、ようやくお見せできるような段階に到達しつつあると考えている。したがって、ファンダメンタルズとバリュエーション両方だが、かなりやれることが増えてきた、整ってきたので、これからそのようなIRを含めた将来に対するご説明を強化していくというフェーズにようやく入れると思っている。ぜひご期待いただきたい。
  • Q: メーカー向けソリューションの導入件数が前年同期比で39社純増、累計201社と大きく伸びているが、今後の純増ペースや売上の見通しはいかがか。
    A: 第1クォーターは、新年度の予算とか契約切り替えのタイミングということと、それからFOODATAの契約獲得が重なったことで大きな純増となった。そのため、第2クォーター以降は第1クォーターほど急激な純増ペースにはならない可能性がある。ただし、今後は顧客数と顧客単価の2軸で成長させていく。1つ目は、大手の卸・商社様との連携強化による顧客数の拡大である。2つ目は、AI機能や新しいソリューションの追加による顧客単価の引き上げである。したがって、今後は単純な社数の増加だけではなく、顧客数×顧客単価の掛け算で成長させていく考えである。
  • Q: ストック型のリテール向けソリューションの今期第1クォーター売上高が前四半期比でプラス13%と成長しているが、要因とともに今後の見通しについて教えてほしい。
    A: 前期に立ち上がった大手の小売業様向けのソリューションが現場に定着し、本格的に活用され始めたことが主な要因である。一方で、サービスによっては季節性とか、お客様側の拡販の方針の影響があるので、四半期ごとの売上には一定の波が生じる可能性がある。ただ、全体としては安定したストックの収益基盤として着実に拡大している。今後はこの小売業様との接点を起点として、セールスセンサーなどの高付加価値のAIソリューションを横展開して、顧客単価の向上につなげていく。
  • Q: リテールメディアその他が前四半期比で微増となっているが、リテールメディア単体の売上水準は好調だった第4クォーターと同程度という認識で良いか。また、今後の見通しを教えてほしい。
    A: 第1クォーターのリテールメディア単体の売上は、大手メーカーからの継続受注などが寄与し、非常に好調だった前期の第4クォーターをさらに上回る水準で着地した。大手の消費財メーカーからの継続受注に加え、協業先における営業体制の強化が進んでいることが背景になっている。また、新たな協業パートナーとの連携、増加する案件に対応する当社のデリバリー体制の効率化も進めている。当社が目指しているのは、単なる広告枠の販売のご支援ではない。購買データを活用して、誰に届けるか、何を伝えるか、実際に購買につながったか、ここまで一気通貫で支援するデータビジネスへと進化させていく。これによって、リテールメディアを当社の重要な成長領域として、さらに拡大していく。
  • Q: 新サービスである価格シミュレーションサービスについて、競合他社との差別化ポイントと今後の販売戦略を教えてほしい。
    A: 最大の差別化ポイントは、SAS社の最新のAI基盤と当社のID-POSデータの掛け合わせである。一般的な需要予測では、POSデータとか気象データなどから需要変動を予測する。一方で、当社はID-POSを活用することで、値上げしたときに、どの顧客が自社に残って、どの顧客が競合へ流れるのかという消費者の価格耐性まで分析できる。つまり、売上がどう変わるかだけではなく、顧客がどう動くかまで予測できることが強みである。まずは個別企業へのレポート形式でユースケースを蓄積して、その後、スケーラビリティの高いクラウド型サービスへ展開するロードマップを描いている。
  • Q: 生成AIの進化が著しいが、メーカーや小売業が自社で生成AIを使えば、True Dataの分析ツールやサービスは不要になってしまうリスクはないのか。
    A: むしろ、生成AIの進化は当社にとって最大の追い風だと考えている。生成AIというエンジンがどれだけ高性能になったとしても、正しい判断をするためには質の高いデータという燃料が必要になる。各社が自社で保有するデータだけでは、市場全体の動きや競合との関係は把握できない。また、商品名の表記揺れなどが残ったままでは、AIが正しい分析をすることもできない。当社は15年以上にわたり、全国規模の購買データを名寄せして、クレンジングして、AIが使える状態に磨き上げてきた。これから重要になるのは、AIを持っているかではなくて、AIが正しく判断できるデータを持っているかだと考えている。この点において、当社は非常に強いポジションにあると考えている。
  • Q: 今後の成長戦略について、改めて教えてほしい。
    A: 当社が目指しているのは、単なるマーケティングSaaSの企業から、企業の意思決定を支える会社へと進化することである。そのために、4つの成長ドライバーがある。1つ目は、顧客数を増やすことである。伊藤忠商事様をはじめとする強力なパートナー網を活用して、当社のデータやソリューションが使われる面を広げる。2つ目は、顧客の単価を上げることである。価格シミュレーションやセールスセンサーなど、AIを活用した意思決定支援サービスを既存顧客にクロスセルしていく。3つ目は、粗利率を上げることである。データ基盤の自動化や高度化によってスケールメリットを高め、高付加価値なAIサービスの比率を上げていく。4つ目が、M&Aによって非連続に成長することである。15年以上培ってきた10兆円規模のID-POSデータをコア資産として、AIとか、定性データとか、ショッパーの行動データまで組み合わせて、データを見るから、未来を予測して、企業の最適な意思決定を支援する会社へと進化していく。中計の2029年3月期、売上高30億円超、営業利益3から4億円という目標は、顧客数を増やす、顧客単価を上げる、粗利率を上げる、M&Aで非連続に伸ばす、この4つの成長ドライバーの掛け算で実現していく、突き抜けていくことを考えている。この第1クォーターは、まさにこの構造転換が本格的に動き始めた四半期だった。今期は利益を最大化する年ではなく、将来の利益が大きく伸びる構造をつくる年だと考えている。そして、その構造を来期以降の売上成長、利益成長につなげていくことが、今回の中期経営計画の本質である。
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