True Data 1Q 決算速報

ストック型売上が前年比+26.4%と伸長し1Qは黒字着地、先行投資局面での粗利率推移が今後の焦点

配信日2026年8月12日 18:05 JST

1Q決算を踏まえた評価点

売上高489百万円(前年比+19.4%)のうちストック型が440百万円(同+26.4%)と伸長し、メーカー向け導入件数は201社(同+39社)に到達。会社計画では1Qを営業赤字と想定していたが、ストック型契約の積み上がりと一部費用の未消化により営業利益12百万円で黒字着地。

  • 売上高489百万円(前年比+19.4%)、ストック型440百万円(同+26.4%)でストック基盤が全社成長を牽引
  • メーカー向け導入件数201社(前年比+39社、前四半期比+21社)、伊藤忠商事と協業する「FOODATA」契約が年度初めに積み上がり
  • リテール向けソリューション117百万円(同+118.5%)、前期立ち上げの大手小売向けリテールDXが通期寄与フェーズに移行
  • 契約負債143百万円(前期末比+25.1%)、ストック型案件の受注増により将来収益の源泉が拡大
  • 有利子負債ゼロ、自己資本比率76.8%(前期末75.9%)と財務基盤は厚く、CVC・M&Aを含む投資余力を確保

1Q決算を踏まえた懸念点

売上総利益率は51.2%(前年比▲9.1pt)へ低下し、増収に対し売上総利益は250百万円(同+1.4%)に留まる。会社は通期粗利率51.0%を計画に織り込み済み。協業契約増によるミックス悪化に加え、開発費等を両建て計上するスポット案件、システムコスト上昇が粗利率を押し下げており、今後はアップセル・クロスセルや価格転嫁による収益性改善が焦点。

  • 売上原価239百万円(前年比+46.6%)、うちシステム関連費120百万円(前年73百万円)が増加の主因
  • 経常利益13百万円(同▲12.4%)、純利益6百万円(同▲22.7%)。前年の雑収入4百万円が677千円へ減少し営業外収益が縮小
  • スポット型49百万円(同▲19.8%、前四半期比▲64.8%)。会社は2Q計上予定案件について9月予定ゆえの期ズレリスクを明示
  • 営業利益進捗率15.6%と通期計画80百万円に対し下期偏重。会社は営業利益の過半を4Qに稼ぐ見込みと説明
  • 投資有価証券および出資金の取得により現預金852百万円(前期末比▲12.3%)。投資有価証券の残高は149百万円、出資金の残高は118百万円で、投資回収は中期スパン

注目点/今後確認したいポイント

  • 2Q計上予定の大手小売向け追加開発スポット収益の計上タイミング。9月予定であり、期ズレ有無が2Q以降の利益進捗を左右する。
  • 協業契約経由の導入件数拡大に伴う1社あたり単価の推移。量的拡大からアップセル・クロスセルへの転換時期が粗利率回復の鍵。
  • リテールメディアその他領域の収益化ペース。当四半期は56百万円(前年比▲12.1%)で、フリークアウト等との新規連携が実収益に転じる時期を確認したい。
経営陣への論点
  • 協業契約と単独契約の1社あたり単価差、およびアップセル開始時期の目線
  • システム関連費120百万円への増加要因の内訳と価格転嫁の実行可能性
  • 2Q計上予定スポット案件の進捗状況と期ズレ発生時の代替シナリオ
  • 期末残高が投資有価証券149百万円・出資金118百万円となった投資の対象領域と本業シナジーの具体像
  • M&A投資枠10億円超の候補領域、資金調達手段および財務規律の基準

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高489百万円+19.4%
└ ストック型440百万円+26.4%
└ スポット型49百万円▲19.8%
売上原価239百万円+46.6%
売上総利益250百万円+1.4%
売上総利益率51.2%▲9.1pt
販売費及び一般管理費238百万円+0.9%
営業利益12百万円+13.0%
営業外収益1百万円▲76.6%
経常利益13百万円▲12.4%
四半期純利益6百万円▲22.7%
EPS1.34円▲23.0%
メーカー向け導入件数201件+24.1%

売上総利益率・前四半期比等は会社開示(決算説明資料)。前年同期比の%は決算短信および同資料に基づく。営業利益が増益となる一方で経常利益が減益となった主因は、前年同期に計上した雑収入4,367千円が当期677千円へ減少したことによる営業外収益の縮小。

事業セグメント別の業績

データマーケティング事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略(会社開示)。サービス区分別ではストック型が440百万円(前年比+26.4%)と全社成長を牽引し、スポット型は大型案件不在で49百万円(同▲19.8%)に留まる構図。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
データマーケティング事業(全社)489百万円+19.4%12百万円+13.0%2.5%
好調な事業
  • リテール向けソリューション:117百万円(前年比+118.5%、前四半期比+13.0%)。前期に開始した大手小売向けリテールDXサービスとAIソリューションが通期寄与。
  • メーカー向けソリューション:266百万円(同+15.6%、同+7.7%)。伊藤忠商事との協業「FOODATA」を軸に契約社数が201社へ拡大、卸商社パートナー網経由の新規導入が積み上がる。
不調な事業
  • スポット型:49百万円(同▲19.8%、同▲64.8%)。前四半期の大型案件計上の反動で平常水準に回帰。会社は2Q・4Qへの収益計上集中を予定と説明。
  • リテールメディアその他:56百万円(同▲12.1%、同+4.0%)。前四半期比では増加も前年水準には未達で、新規データ連携先の収益寄与はこれから。

業績予想比の進捗率

売上高進捗率22.3%は通期計画2,200百万円に対し四半期均等ペースに近い一方、営業利益15.6%・純利益10.3%と利益面の進捗は先行しない。会社は2Qおよび4Qにスポット収益計上が集中し、営業利益の過半を4Qに稼ぐ計画と説明しており、下期偏重の期間配分を前提とした進捗と位置付ける。

勘定科目数値 (第1四半期累計)通期計画進捗率
売上高489百万円2,200百万円22.3%
売上総利益250百万円1,122百万円22.3%
営業利益12百万円80百万円15.6%
経常利益13百万円78百万円17.1%
純利益6百万円63百万円10.3%

進捗率は当レポート試算(会社開示の進捗率と整合、純利益は短信の千円値ベース)。

  • 会社計画では2Qおよび4Qにスポット型収益の計上が集中し、27/3期営業利益の過半を4Qに稼ぐ見込み(会社開示)
  • メーカー向けは年度初めに新規契約が積み上がる傾向。1Qは導入件数が前四半期比+21社と伸長

業績予想の変更有無

2027年3月期通期業績予想は2026年5月15日公表値から変更なし。会社は1Qが計画の営業赤字想定に対し黒字着地したものの、必要な費用投下は実施する方針として計画を据え置いている。

株主還元への言及

2027年3月期の配当予想は無配(年間0.00円)で、直近予想からの修正なし。中期経営計画では剰余金がプラスに転じ次第、中計期間中に株主還元を開始する方針を掲げる(会社開示)。当第1四半期末の利益剰余金は▲412百万円。

財務状況

有利子負債ゼロの実質無借金を維持し、自己資本比率76.8%と高水準。1Qは投資有価証券・出資金の取得に資金を振り向け、現預金は前期末比で減少したものの、総資産の過半を占める流動性を確保。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金852百万円前期末比▲12.3%
売掛金171百万円前期末比▲34.2%、売上代金の回収による減少
投資有価証券149百万円前期末2百万円から増加
出資金118百万円前期末比+112.4%
総資産1,523百万円前期末比▲0.7%
契約負債143百万円前期末比+25.1%、ストック型案件受注増
負債合計353百万円前期末比▲4.6%
自己資本1,170百万円前期末比+0.6%
有利子負債-短期・長期とも残高なし
EBITDA28百万円会社開示(1Q、前年比+6.4%)

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