HEROZ 1Q 決算プレビュー

バリオセキュア完全子会社化とAI BPaaS始動、2027年4月期1Qの売上構成変化と利益進捗を確認する四半期

配信日2026年9月9日 15:30 JST

サマリー

2027年4月期は、2026年4月期に決定した3つの構造変化(バリオセキュアの完全子会社化、AKMコンサルティングの連結子会社化、ストラテジットの譲渡)が同時に損益へ反映される最初の期となる。1Q(2026年5月1日〜7月31日)は、AKM社の連結開始(2026年5月1日)とバリオセキュア株式交換の効力発生(2026年6月30日)がいずれも期中に位置づけられ、売上構成と非支配株主持分の双方が動く四半期。会社計画は売上高6,800百万円(前期比+5.8%)、営業利益800百万円(同+52.9%)、EBITDA1,300百万円(同+26.7%)であり、ストラテジット売上329百万円の剥落を吸収したうえでの増収と、AI Security事業の利益寄与拡大が焦点。加えて、前期に計上した関係会社株式売却益311百万円の剥落を織り込んだ親会社株主帰属純利益計画300百万円(同▲20.2%)に対し、四半期段階での利益の質をどう確認できるかが論点となる。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

グループ再編非支配株主に帰属する四半期純利益と親会社株主帰属利益の関係

前期は非支配株主に帰属する当期純利益244百万円が計上され親会社株主帰属利益376百万円と乖離。株式交換の効力発生日は2026年6月30日であり、1Qでの非支配株主持分(前期末800百万円)の変動を確認したい。

AIX事業の成長AIX事業セグメント売上高の前年同期比

前期AIX事業売上高は3,581百万円で、うちストラテジット分329百万円が翌期以降剥落。剥落分を除く実質ベースでの増収基調が維持されるかが焦点。

新規連結の寄与AKMコンサルティング連結開始後の売上高・利益寄与

2026年5月1日連結開始のため1Qからフル寄与。会社計画売上高6,800百万円(前期比+5.8%)の達成可否を左右する。

収益性/EBITDA営業利益率とEBITDAの進捗

前期1Qは売上高1,514百万円・営業利益117百万円(営業利益率7.8%、当レポート試算)。通期計画は営業利益800百万円、EBITDA1,300百万円であり、1Q時点の水準を確認する。

営業外・特別損益営業外費用の内訳と経常利益の進捗

前期は暗号資産評価損30百万円、株主優待関連費用47百万円等で営業外費用119百万円。通期経常利益計画700百万円に対する1Q進捗率(前期1Qは実績408百万円に対し23.0%、当レポート試算)が目安。

前回決算(2026年4月期 通期決算)を踏まえた主要論点

2026年4月期は売上高6,424百万円(前期比+8.3%)、営業利益523百万円(同+70.7%)、経常利益408百万円(同+78.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益376百万円(前期は▲177百万円)と、増収と利益回復を同時に達成。同時に、バリオセキュアの完全子会社化決定、AKMコンサルティングの取得決定、ストラテジットの譲渡という3件のポートフォリオ再編を実行し、「AI Security」と「AI BPaaS(HEROZ Cowork構想)」の2大領域への集中を打ち出した。2027年4月期1Qは、これら再編の損益・資本構成への反映が始まる最初の四半期となる。

1. バリオセキュア完全子会社化とAI Security事業の利益寄与

  • 前期: AI Security事業の売上高2,842百万円(前期2,667百万円)、セグメント利益929百万円(同789百万円)。非支配株主に帰属する当期純利益は244百万円、期末の非支配株主持分は800百万円。
  • 今期確認: 株式交換の効力発生日は2026年6月30日で1Q期間中に位置づけられ、共通支配下の取引としてのれんは発生しない見込みと開示。みなし取得日は1Q末となるものとみられ、2Q以降の非 支配株主帰属利益の縮小と親会社株主帰属利益への反映度合いを確認する。
  • 注目指標: AI Security事業のセグメント売上高・セグメント利益の前年同期比、非支配株主に帰属する四半期純利益、四半期末の非支配株主持分残高。

2. AIX事業の実質成長とHEROZ ASKの拡大

  • 前期: AIX事業売上高3,581百万円(前期3,262百万円)、セグメント利益696百万円(同775百万円)。「HEROZ ASK」は2025年10月にARR1億円、2026年4月にARR2億円を突破。
  • 今期確認: ストラテジット(前期売上329百万円、営業損失31百万円)は翌期より報告セグメント対象外となるため、剥落後ベースでの増収持続を確認する。会社計画売上高6,800百万円は、前期売上高からストラテジット分を除いた6,094百万円に対し+11.6%(当レポート試算)。
  • 注目指標: AIX事業セグメント売上高・セグメント利益の前年同期比、会社が四半期開示する場合のHEROZ ASKのARR・利用企業数。

3. AKMコンサルティング連結によるAI BPaaS領域の立ち上がり

  • 前期: 2026年4月20日に発行済株式の70.0%取得を決議、取得原価105百万円、取得関連費用35百万円(概算額)。連結子会社化は2026年5月1日付で前期業績への影響なしと開示。
  • 今期確認: 1Qからフル連結される同社の売上・利益寄与と、「HEROZ Cowork構想」に基づくAIバックオフィス関連の進捗を確認する。のれん計上額と償却負担の開示も論点。
  • 注目指標: 連結売上高の前年同期比(前期1Q実績1,514百万円)、四半期ののれん償却額(前期通期170百万円)。

4. 費用構造とEBITDA計画の進捗

  • 前期: 販管費2,398百万円(前期2,381百万円)、売上原価3,503百万円(同3,241百万円)。人材採用強化、HEROZ ASK等への先行投資、株式交換アドバイザリー費用・AKM取得関連費用の発生を会社は費用増要因として説明。
  • 今期確認: 会社はEBITDAを重要業績指標と位置づけ、2027年4月期1,300百万円(前期比+26.7%)を計画。M&A関連の一過性費用が一巡する一方、投資継続下で四半期の利益率がどこに着地するかを確認する。
  • 注目指標: 四半期の営業利益・営業利益率(前期1Qは117百万円、7.8%、当レポート試算)、四半期EBITDAの通期計画1,300百万円に対する進捗。

5. 営業外・特別損益と純利益計画の読み解き

  • 前期: 営業外費用119百万円(暗号資産評価損30百万円、株主優待関連費用47百万円、支払利息25百万円等)。特別利益に関係会社株式売却益311百万円、特別損失20百万円を計上。
  • 今期確認: 会社計画は経常利益700百万円(前期比+71.4%)に対し親会社株主帰属純利益300百万円(同▲20.2%)で、前期特別利益の剥落が前提。1Qでは営業外費用の内訳、特別損益および法人税等の計上状況を確認する。
  • 注目指標: 経常利益の通期計画700百万円に対する1Q進捗率(前期1Qは通期実績比23.0%、当レポート試算)、暗号資産(前期末残高70百万円)の評価損益。

今期中の主要な適時開示

  • 2026/08/26
    日本生命におけるAI内製化・自走体制の確立に向けた共創型伴走支援(Business Embedded Model)を開始 - 大手金融機関向けの伴走型AI導入支援であり、BtoB領域の大型案件獲得方針と整合。売上計上は2027年4月期2Q以降に反映される見込みで、1Q決算では受注・商談動向の定性説明を確認したい。 HEROZ、日本生命におけるAI内製化・自走体制の確立に向けた共創型伴走支援(Business Embedded Model)を開始
  • 2026/08/03
    当社子会社における事業譲受に関するお知らせ/エキストラ社の生成AI事業譲受に関する補足資料 - 生成AI領域の事業譲受により、AI導入の入口となる研修・教育領域を取り込む案件。損益反映は2027年4月期2Q以降となる見込みで、1Q決算ではのれん・取得関連費用の前提を確認する。 当社子会社における事業譲受に関するお知らせ
  • 2026/06/30
    法定事後開示書面(株式交換)(バリオセキュア株式会社) - 株式交換が2026年6月30日に効力発生し、バリオセキュアは完全子会社化。1Q期間中の事象であり、非支配株主持分の変動と親会社株主帰属利益への影響が1Q決算の主要確認点。 法定事後開示書面(株式交換)(バリオセキュア株式会社)

前四半期の着地(2026年4月期 通期実績)

HEROZは「AIX事業」と「AI Security事業」の2セグメントを展開し、AI・SaaS技術とドメインナレッジを活用したBtoB/BtoCサービス、およびバリオセキュアによるセキュリティBPOサービスを提供。2026年4月期は「HEROZ3.0=AI BPaaS」を掲げ、AIエージェント機能の実装とグループポートフォリオ最適化を並行して推進した。増収に加え、前期の減損を含む特別損失が縮小し、関係会社株式売却益311百万円の計上もあって親会社株主帰属利益は黒字転換。会社はEBITDAを重要業績指標と位置づけ、2027年4月期に1,300百万円を計画する。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高6,424百万円+8.3%-AIX事業3,581百万円、AI Security事業2,842百万円(外部顧客売上高)
営業利益523百万円+70.7%-売上高営業利益率8.1%(前期5.2%)、EBITDAは1,025百万円
経常利益408百万円+78.9%-営業外費用119百万円(暗号資産評価損30百万円等)
親会社株主に帰属する当期純利益376百万円--前期は▲177百万円。関係会社株式売却益311百万円、特別損失20百万円
EPS24.75円--前期▲11.79円、潜在株式調整後24.71円

(注)2026年4月期の期初会社計画値は本短信に記載がないため、会社計画比およびEPSの会社計画比は「-」とする。

通期計画に対する達成率(経常利益ベース): 期初計画値が本短信に記載されていないため算定不可(参考:2027年4月期の経常利益計画は700百万円、前期比+71.4%)

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