3Q決算を踏まえた評価点
営業利益358百万円(前年比+126.4%)、EBITDA719百万円(同+46.1%)と利益面の改善が顕著。販管費の対売上比率が41.5%→37.9%へ低下(3Q単体ベース)し、コスト規律と売上成長の両立が確認された。
- 営業利益358百万円(前年比+126.4%)、EBITDA719百万円(同+46.1%)。販管費▲5.4%と費用抑制が利益押し上げに寄与
- HEROZ ASKのARRが2月末時点で約1.5億円に到達、売上QoQ+37.9%。解約率0.40%と低水準化が進行し、SaaSプロダクトの定着を確認
- AI Security事業のセグメント利益737百万円(前年比+21.0%)。価格改定効果が通期で寄与、解約率0.65%と安定的に1%未満を維持
- リカーリング売上比率70.2%(前年比+4.7pt)、ARR4,569百万円(同+11.3%)とストック収益基盤が拡大
- JOINT iPaaS for SaaSのライセンス+初期売上がQoQ+53.3%と急伸、SaaS連携プラットフォームとしての成長加速
3Q決算を踏まえた懸念点
親会社株主帰属純損失▲49百万円が継続しており、連結ベースでの最終黒字化が通期計画(50百万円)達成の最大のハードル。非支配株主持分(バリオセキュア等)への利益流出が構造的課題として残る。
- 親会社株主帰属純損失▲49百万円が3Q累計で継続。非支配株主に帰属する利益185百万円が連結純利益136百万円の大半を占め、親会社への利益帰属が限定的
- AIX事業のセグメント利益467百万円(前年比▲5.3%)と減益。人材採用先行・ティファナ社のAI事業シフトに伴う過渡期的コスト増が圧迫
- 売上原価率55.5%(前年同期比+1.6pt、3Q単体ベース)が上昇傾向。労務費・減価償却費の増加が継続しており、トップライン成長との見合いを注視する必要あり
- 暗号資産評価損26百万円、投資有価証券運用損11百万円など営業外費用96百万円が経常利益を圧迫。暗号資産保有(約74百万円)に伴う時価変動リスクが内在
- 通期業績予想は12月に下方修正済み(売上高6,700→6,400百万円、営業利益800→500百万円)。当初計画からの乖離がやや大きい点に留意
注目点/今後確認したいポイント
- HEROZ ASKの単月黒字化時期と新料金プラン(使い放題型)移行後のARPA推移。今期中の黒字化計画達成が来期の利益成長ドライバーとなるか
- 4Q偏重構造の中でBtoB事業の通期売上+15.6%見込みの達成可否。パイプラインが前年を上回るとの説明があるが、4Q単独で必要な売上規模の確認が重要
- 親会社株主帰属純利益50百万円(通期計画)の達成に向けた4Qの税金等調整額・営業外損益のコントロール。法人税等調整額の変動が最終利益に与える影響の精査
- HEROZ ASKの新料金プラン移行後のチャーンレートおよびARPAの具体的推移
- AIX事業セグメント利益のYoY減益要因(ティファナ社過渡期コスト)の解消時期の見通し
- 暗号資産保有方針の継続判断基準と評価損リスクの管理体制
- JPYC社への出資後のシナジー創出スケジュールと収益貢献の定量的見通し
- BtoB事業の4Q偏重構造を緩和するための施策の有無
- 「Meta Agent(AI Agent2.0)」の商用化タイムラインと収益モデル
- バリオセキュア社の中期経営方針(2024年2月期~2026年2月期)終了後の次期戦略方針
- グループ各社(ティファナ、エーアイスクエア、ストラテジット、VOIQ)のPMI進捗と個社別の収益性推移
- 親会社株主帰属利益の改善に向けた非支配株主持分の取り扱い方針
- のれん残高18億円の減損テスト結果と今後の償却負担の見通し
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,687百万円 | +7.8% |
| 売上原価 | 2,610百万円 | +10.1% |
| 売上総利益 | 2,076百万円 | +5.2% |
| 販売費及び一般管理費 | 1,718百万円 | ▲5.4% |
| 営業利益 | 358百万円 | +126.4% |
| 経常利益 | 265百万円 | +189.8% |
| 親会社株主に帰属する四半期純損失 | ▲49百万円 | - (前年▲180百万円) |
| EBITDA | 719百万円 | +46.1% |
| EPS | ▲3.25円 | - (前年▲11.96円) |
| 包括利益 | 140百万円 | +310.4% |
| 総資産 | 8,105百万円 | - |
| 純資産 | 5,379百万円 | - |
| 自己資本比率 | 56.3% | +0.2pt(前期末56.1%) |
| ARR(年次経常収益) | 4,569百万円 | +11.3% |
| リカーリング売上比率 | 70.2% | +4.7pt |
売上総利益率は44.3%(前年比▲1.1pt)と微減。売上原価の増加(労務費+11.0%、減価償却費増)が主因だが、販管費の圧縮により営業利益率は7.6%(前年3.6%)へ改善。
事業セグメント別の業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| AIX事業 | 2,568百万円 | +9.8% | 467百万円 | ▲5.3% | 18.2% |
| AI Security事業 | 2,118百万円 | +5.5% | 737百万円 | +21.0% | 34.8% |
| 調整額 | - | - | ▲846百万円 | - | - |
| 合計 | 4,687百万円 | +7.8% | 358百万円 | +126.4% | 7.6% |
- AI Security事業:売上前年比+5.5%、セグメント利益+21.0%。価格改定効果の通期寄与と解約率0.65%の低水準維持が収益性改善を牽引。ゼロトラストセキュリティサービス「Vario Ultimate Zero」の拡販が順調
- AIX事業BtoB:3Q累計で前年比+15.0%の売上成長。HEROZ ASKのARR約1.5億円到達(2月末)、JOINT売上QoQ+53.3%と新規プロダクトが成長を牽引。稼働案件数は前年比+19.4%
- AIX事業BtoC:3Q単体で前年比+2.5%成長。対局数4四半期連続3千万局超、累計11億局突破。「棋神チャット」リリースにより新規ユーザー獲得を推進
- AIX事業(利益面):セグメント利益467百万円(前年比▲5.3%)と減益。人材採用先行投資とティファナ社のAI事業シフトに伴う過渡期的コスト増が要因。3Q単体のセグメント利益161百万円は前年232百万円から▲30.7%
業績予想比の進捗率
修正後通期計画に対し、売上高73.2%、営業利益71.7%、EBITDA72.0%と概ね計画線上。同社は4Q偏重の売上構造(BtoB事業の大型案件検収集中)を有しており、過年度も同様の傾向にあることから、現時点の進捗率は達成圏内と評価。ただし、親会社株主帰属純利益は3Q累計で▲49百万円であり、通期計画50百万円の達成には4Qでの大幅な改善(+99百万円)が必要。
| 勘定科目 | 数値(3Q累計) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,687百万円 | 6,400百万円 | 73.2% |
| 営業利益 | 358百万円 | 500百万円 | 71.7% |
| 経常利益 | 265百万円 | 420百万円 | 63.2% |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲49百万円 | 50百万円 | - |
| EBITDA | 719百万円 | 1,000百万円 | 72.0% |
- BtoB事業は4Q(2月~4月)に大型案件の検収が集中する4Q偏重構造が継続。過年度も同様のパターンで通期着地しており、4Q売上・利益の大幅な増加が前提
業績予想の変更有無
今回の3Q決算発表時点での業績予想修正はなし。現在の通期予想は2025年12月12日に修正済みの数値(売上高6,400百万円、営業利益500百万円)を据え置き。
- 修正履歴:当初予想(売上高6,700百万円、営業利益800百万円)→修正後(売上高6,400百万円、営業利益500百万円)
- 修正理由:バリオセキュア社の通期業績修正を受けたグループ全体の精査。AIX事業▲165百万円、AI Security事業▲135百万円の営業利益減額
株主還元への言及
2026年4月期の配当予想は年間0.00円(無配)で変更なし。前期(2025年4月期)も無配。現時点で自己株式取得等の株主還元施策の公表なし。
財務状況
長期借入金の返済が進み有利子負債は減少傾向にあるが、M&Aに伴うのれん残高18億円が無形固定資産の大半を占める。自己資本比率56.3%と安定的水準を維持。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 1,546百万円 | 前期末比▲187百万円 |
| 預け金 | 1,417百万円 | 前期末比+6百万円 |
| 暗号資産 | 74百万円 | 新規計上(ビットコイン保有) |
| 総資産 | 8,105百万円 | 前期末比▲42百万円 |
| └ 流動資産合計 | 4,600百万円 | 前期末比+61百万円 |
| └ 固定資産合計 | 3,504百万円 | 前期末比▲104百万円 |
| のれん | 1,817百万円 | 前期末比▲78百万円(償却進行) |
| 有利子負債合計 | 1,765百万円 | 前期末比▲289百万円 |
| └ 短期借入金 | 350百万円 | 前期末比+150百万円 |
| └ 1年内返済予定長期借入金 | 467百万円 | 前期末比▲15百万円 |
| └ 長期借入金 | 948百万円 | 前期末比▲422百万円 |
| 自己資本 | 4,562百万円 | 前期末比▲7百万円 |
| EBITDA | 719百万円 | 営業利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却+株式報酬費用+棚卸資産評価損 |
決算発表と同時に出たニュース
足許四半期中の主要発表
- 2026/02/26JPYC株式会社との業務提携およびB種優先株式の引受けを実施。ステーブルコイン×AIの新領域での事業基盤構築を目指す JPYC株式会社との業務提携及びB種優先株式の引受けに関するお知らせ
- 2026/02/16朝日新聞社と協業し、将棋LLMで対局を自然言語解説する新サービス「棋神チャット」をYouTubeチャンネルで提供開始 HEROZ×朝日新聞_棋神チャットYouTube提供開始に関するお知らせ
- 2026/02/04HEROZ ASKでBox連携を提供開始し、既存業務環境への組み込みを強化。あわせて「クレジットプラン」投入を公表 法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」、クラウドストレージ「Box」との連携機能を提供開始
- 2026/01/21HEROZ ASKで最新画像生成モデル「GPT Image 1.5」への対応を完了、生成AI SaaSの機能拡張を推進 法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」、最新画像生成モデル「GPT Image 1.5」に対応
- 2025/12/19HEROZ ASKでOpenAIの最新モデル「GPT-5.2」対応を決定し提供予定日を明示 法人向けAI SaaS「HEROZ ASK」、最新モデル「GPT-5.2」に対応!
過去1年間の大量保有報告/重要提案
該当なし
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