HEROZ 3Q 決算プレビュー

HEROZ ASKのARR拡大とAIエージェント機能の収益化進捗、通期上方修正後の計画達成確度が焦点

2026年3月12日 16:00 JST

サマリー

2Q累計で営業利益258百万円(通期計画比51.7%)を達成し、2Q時点で通期営業利益計画500百万円の過半を消化。AIX事業ではBtoB領域のAIソリューションが前年同期比+20%弱の成長を遂げ、主力SaaS「HEROZ ASK」のARRが1億円を突破した。3Qでは同プロダクトのID数・ARR拡大に加え、AIエージェントプラットフォームの商用展開が収益貢献のドライバーとなるか注視が必要。AI Security事業はゼロトラストサービス「Vario Ultimate Zero」の拡販が寄与し高利益率を維持しており、両セグメントの利益成長の持続性と、HEROZ3.0「AI BPaaS」戦略による中長期の収益構造転換の進捗が問われる四半期となる。

翌四半期の注目ポイント

注目点と焦点示唆

売上成長3Q累計売上高の通期計画6,400百万円に対する進捗率

2Q時点の進捗率48.4%は例年並み。3Q累計で73-75%程度の進捗が確認できれば通期達成の蓋然性が高まる

AIX事業トップラインBtoB AIソリューション関連売上の前年同期比成長率

2Qまで前年同期比+20%弱。下期の大型案件獲得・稼働案件数の積み上がり状況が鍵

HEROZ ASK収益化HEROZ ASKのARR推移と導入企業数

2025年10月にARR1億円突破。Box連携・クレジットプラン導入の効果でARR拡大ペースが加速するか注目

営業利益率連結営業利益率の推移と販管費コントロール

2Q累計の営業利益率8.3%(前年同期3.1%)。先行投資と利益率改善の両立が継続するか確認

AI Security事業バリオセキュア社のセグメント利益率推移

2Qセグメント利益494百万円(利益率34.8%)。中期経営方針最終年度にあたり、成長投資と利益率のバランスに注目

資本効率ROE・親会社株主帰属純利益の黒字化時期

通期純利益計画50百万円に対し2Q累計は▲14百万円。下期でののれん償却負担を吸収し黒字化できるか

AIエージェント戦略Meta Agent・AI Agent2.0の事業化進捗

AIエージェント市場が実証から本格導入へ移行する中、プラットフォーム型収益モデルの確立度合いが中期成長を左右

前回決算(2026年4月期 2Q決算)を踏まえた主要論点

2Q累計の売上高3,098百万円(前年同期比+9.6%)、営業利益258百万円(同+191.2%)と増収増益。同日に通期業績予想を上方修正し、売上高6,400百万円・営業利益500百万円・EBITDA 1,000百万円を掲げた。AIX事業・AI Security事業ともにセグメント利益が拡大する一方、親会社株主帰属純利益はのれん償却・非支配株主持分控除後で▲14百万円と引き続き赤字。利益の「質」の改善が通期黒字化の鍵となる。

1. HEROZ ASKのARR拡大とSaaS型収益モデルの確立

  • 前期: 2024年5月の本リリースから約1.5年で導入企業数・ID数が拡大し、2025年10月にARR1億円を突破。議事録AI、OCR・画像生成、コードインタープリター等の新機能を矢継ぎ早にリリース
  • 今期確認: Box連携機能(2026年1月30日提供開始)やクレジットプランの導入効果によるARR成長率。ID単価の推移と解約率(チャーンレート)
  • 注目指標: ARRの四半期推移(当レポート試算では3Q末1.5億円超到達が目安)、導入企業数の増加ペース

2. AIX事業BtoB領域の成長持続性

  • 前期: AIソリューション関連事業が前年同期比+20%弱の成長。稼働案件数・商談件数ともに増加し、VOIQ社のインサイドセールス機能が営業効率向上に貢献
  • 今期確認: 大型案件のパイプライン状況と受注率。AIエージェント機能の実装がアップセル・クロスセルにつながっているか
  • 注目指標: AIX事業セグメント売上高の前年同期比成長率(2Q累計+14.0%を維持できるか)、セグメント利益率の推移

3. AI Security事業の成長投資と利益バランス

  • 前期: セグメント売上高1,419百万円(前年同期比+4.8%)、セグメント利益494百万円(同+18.6%)。ゼロトラストセキュリティサービス「Vario Ultimate Zero」が主力サービスとして拡販進展
  • 今期確認: バリオセキュア社の中期経営方針(2024年2月期〜2026年2月期)最終年度のKPI達成状況。新規営業体制強化の成果
  • 注目指標: マネージドサービスの月次リカーリング収益推移、EDR・VDaP等の新規サービスの売上構成比

4. のれん償却負担と親会社株主帰属純利益の黒字化

  • 前期: 中間純利益(連結)は120百万円の黒字だが、非支配株主帰属分135百万円控除後の親会社株主帰属は▲14百万円。のれん償却額83百万円(半期)が利益を圧迫
  • 今期確認: 通期計画の親会社株主帰属純利益50百万円達成に向け、下期での繰延税金資産計上効果と税効果の寄与度
  • 注目指標: 3Q累計ベースでの親会社株主帰属純利益の黒字転換の有無(EPS 3.29円の計画達成には下期64百万円の黒字が必要)

5. 全社費用の効率化と投資対効果

  • 前期: セグメント利益合計800百万円に対し、全社費用(調整額)▲541百万円。前年同期の▲589百万円から47百万円改善
  • 今期確認: 人材採用強化に伴う人件費増と売上拡大のバランス。販管費率の改善トレンドが継続するか
  • 注目指標: 全社費用(調整額)の対売上高比率、販管費及び一般管理費の前年同期比増加率

今期中の主要な適時開示

  • 2026/02/16
    JPYC株式会社との業務提携、および同社が実施する第三者割当増資の引受け(B1種優先株式の取得)を決定。
  • 2026/02/16
    HEROZ×朝日新聞 棋神チャットYouTube提供開始 - 将棋LLMを活用しトップ棋士の対局を自然言語で解説する新サービス「棋神チャット」を提供開始。BtoCプロダクトの付加価値向上とメディア露出拡大に寄与。 HEROZ×朝日新聞_棋神チャットYouTube提供開始に関するお知らせ
  • 2026/02/04
    HEROZ ASK、クラウドストレージ「Box」との連携機能を提供開始 - Googleドライブ連携に加えBoxをご利用の顧客もシームレスにHEROZ ASKを活用可能に。エンタープライズ顧客獲得の促進要因。 法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」、クラウドストレージ「Box」との連携機能を提供開始
  • 2026/02/04
    法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」、クラウドストレージ「Box」との連携機能を提供開始し、使い放題型に料金刷新。
  • 2026/01/21
    HEROZ ASK、最新画像生成モデル「GPT Image 1.5」に対応 - 継続的な機能拡張として最新モデルへの対応を実施。マルチモーダル対応の拡充により競合優位性を強化。 法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」、最新画像生成モデル「GPT Image 1.5」に対応
  • 2025/12/12
    2026年4月期 通期連結業績予想の修正(上方修正) - 売上高6,400百万円、営業利益500百万円、EBITDA 1,000百万円へ引き上げ。2Q業績の好調を反映。 2026年4月期第2四半期(中間期)決算短信

前四半期の着地(2026年4月期 2Q実績)

HEROZはAI技術を核にAIX事業(旧AI/DX事業)とAI Security事業の2セグメントを展開するAI企業。HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、SaaSツール提供から生成AI・AIエージェントを駆使した業務自動化への事業モデル転換を推進。2Q決算と同日に通期業績予想を上方修正し、通期売上高6,400百万円(前期比+7.9%)、営業利益500百万円(同+63.2%)、EBITDA 1,000百万円を計画。AIX事業のBtoB領域では前年同期比+20%弱の成長を達成し、HEROZ ASKのARR1億円突破など、SaaS型リカーリング収益の積み上げが進んでいる。

項目金額前年同期比会社計画比備考
売上高3,098百万円+9.6%進捗率48.4%AIX事業+14.0%、AI Security事業+4.8%
営業利益258百万円+191.2%進捗率51.7%営業利益率8.3%(前年同期3.1%)
経常利益212百万円+331.6%進捗率50.5%支払利息12百万円、株主優待関連費用24百万円
当期純利益▲14百万円--非支配株主帰属利益135百万円控除後
EPS▲0.94円--通期計画EPS 3.29円

通期計画に対する進捗率: 売上高48.4%、営業利益51.7%、経常利益50.5%

会社情報

  • 会社名
    : HEROZ株式会社
  • 証券コード
    : 4382
  • 上場市場
    : 東京証券取引所 スタンダード市場
  • 決算期
    : 4月
  • 主要事業
    : AI技術を活用したAIX事業(AI関連ソリューション、SaaS導入支援、将棋ウォーズ等BtoCサービス)およびAI Security事業(バリオセキュア社によるマネージドセキュリティサービス)
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