セーフィー 2Q 決算速報

売上高104億円・営業黒字転換を達成、ARR157億円到達と防犯AIの本格展開が成長ステージを押し上げる決算

配信日2026年8月7日 17:20 JST

2Q決算を踏まえた評価点

売上高10,418百万円(前年比+19.6%)、営業利益104百万円と前年同期の営業損失71百万円から黒字転換。ARR15,791百万円(同+22.8%)、課金カメラ台数38.5万台(同+20.7%)とストック指標が力強い成長を維持しており、プラットフォームとしてのスケール拡大が収益化フェーズへ移行しつつある。

  • 営業損益が▲71百万円→+104百万円へ黒字転換。売上総利益率52.1%(前年⽐+1.9pt)と収益性改善が顕著
  • Safie PRO直販の課金カメラ台数が前年比+32.0%と伸長、エンタープライズ顧客の導入拡大が成長を牽引
  • 小売/サービス業界のエンタープライズ顧客ARRが前年比+35.4%、顧客社数+16.5%・単価+16.2%の両輪で拡大
  • セーフィーセキュリティ社の見守りプラス稼働台数が累計50台に到達、不法侵入の未然防止率100%の実績を創出
  • 建設業界トップ50社中49社に活用実績、テレプレゼンス「窓」導入台数が1年間で約4倍に成長

2Q決算を踏まえた懸念点

調整後営業利益は2Q単独で18百万円と1Q(203百万円)から急減しており、先行投資によるコスト増が利益水準を圧迫。営業CFが▲1,437百万円と前年同期比▲638百万円の悪化を示し、棚卸資産が前期末比+1,032百万円と急増している点はキャッシュマネジメント上の注意を要する。

  • 調整後営業利益がQ1の203百万円→Q2の18百万円へ急減、S&M・G&Aの売上高比率が上昇。人材投資に伴う販管費増加ペースが売上成長を一時的に上回る局面
  • 営業CF▲1,437百万円(前年同期▲798百万円)、棚卸資産+1,019百万円が主因。下期の在庫消化スピードが焦点
  • 一人あたり粗利額が20.5百万円→17.6百万円へ低下(前四半期比▲2.9百万円)。採用先行による生産性低下が一過性か注視が必要
  • リカーリング粗利率62.0%と25Q1(61.0%)比改善も、為替変動・機能拡張に伴うクラウド原価増リスクが残存
  • 減損損失202百万円を計上(本社オフィス増床に伴う資産除去債務相当額)。成長投資の一環だが特別損失が純利益を圧迫

注目点/今後確認したいポイント

  • 下期の販管費コントロールと調整後営業利益の通期黒字確保の蓋然性。Q2の18百万円は通期計画(450〜650百万円)に対し低水準であり、Q3・Q4での回復パスが最重要論点
  • セーフィーセキュリティ社の見守り・警備ソリューションの本格提供開始後の受注・ARR貢献の定量的進捗。現在50台の稼働台数が下期にどこまでスケールするかがカギ
  • 棚卸資産(1,906百万円、前期末比+118%)の内容と下期の在庫消化見通し。エンタープライズ大口案件向けの戦略在庫か、需要見通しとの整合性を確認したい
経営陣への論点
  • 2Q単独で調整後営業利益が18百万円まで縮小した背景と、下期の販管費の増加ペースの見通し
  • 棚卸資産が前期末比+1,032百万円と急増した要因(特定顧客向け・特定製品向け等の内訳)
  • セーフィーセキュリティ社の収益化タイムラインと警備ソリューションの中期売上目標
  • 「Safie Trail Station」による既設カメラ市場(900万台)の攻略に関する具体的なKPI設定
  • Ailytics連携「不安全行動検知AI」の価格体系と建設業界以外(物流・製造等)への展開計画
  • RURA・BONX等グループ会社とのクロスセル比率および顧客あたり単価への定量的寄与
  • 物流業界のARR CAGR+35.7%の持続性と、同業界における差別化要因の強度
  • 本社オフィス増床に伴う減損損失202百万円の会計処理の詳細と今後の追加計上リスクの有無
  • クラウド粗利率低下の主因である為替影響の定量規模とヘッジ方針

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高10,418百万円+19.6%
└ スポット収益2,863百万円+13.6%
└ リカーリング収益7,555百万円+22.0%
売上総利益5,435百万円+25.0%
売上総利益率52.2%+2.3pt
営業利益104百万円黒字転換(前年▲71百万円)
経常利益219百万円黒字転換(前年▲83百万円)
親会社株主帰属中間純利益66百万円+73.8%
EPS1.18円+73.5%
調整後営業利益(2Q単独)18百万円前年同期比減益
ARR(2026年6月末)15,791百万円+22.8%
課金カメラ台数38.5万台+20.7%
ARPC40.9千円-
解約率(全社、12ヶ月平均)0.8%横ばい

特別利益にNEDO補助金収入107百万円を計上する一方、減損損失202百万円(本社オフィス増床に伴う資産除去債務相当額、中長期の人材拡充に向けた環境整備の一環)を特別損失に計上。営業利益の黒字転換は達成したが、特別損益では▲94百万円のネット損失となり純利益への寄与は限定的。

事業セグメント別の業績

映像プラットフォーム事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略。収益構造はスポット収益(カメラ販売・設置工事等)とリカーリング収益(クラウド録画・AI-App・レンタル・SIM等)に大別される。リカーリング収益の売上構成比は2Q単独で73%(前年同期70%)へ上昇し、収益の質的改善が進行。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
映像プラットフォーム事業(全社)10,418百万円+19.6%104百万円黒字転換1.0%
好調な事業
  • Safie PRO直販商流:課金カメラ台数前年比+32.0%(128千台→169千台)。エンタープライズ顧客の大口導入拡大が寄与、1社あたり台数増加トレンドが継続
  • 小売/サービス業界エンタープライズ:ARR前年比+35.4%。顧客社数+16.5%と単価+16.2%の両方が伸長し、RURA・BONX等のクロスセルによる1店舗あたりソリューション密度向上が貢献
  • 物流業界:期末ARR CAGR+35.7%(FY2022→FY2025)。モノタロウ等の大口顧客での導入台数拡大(約1,000台、2020年比2.6倍)と法規制(物流効率化法)対応需要が追い風
  • ソリューション売上高:2Q単独242百万円と右肩上がりで推移。AIソリューション(レジ前混雑可視化、万引き防止、不安全行動検知等)の活用領域が拡大
不調な事業
  • Safie GO/Pocket:課金カメラ台数前年比+16.7%と他商流比で成長率が鈍化(48千台→56千台)。建設現場の短期レンタル需要は堅調だが、直販PRO比での成長率差が顕著

業績予想比の進捗率

通期売上高計画23,215百万円に対し中間期10,418百万円で進捗率44.9%。前年同期(8,713/19,029=45.8%)と同水準であり、下期偏重の季節性を考慮すれば概ね順調な推移。一方、調整後営業利益は2Q累計で221百万円(通期計画450〜650百万円の中間値550百万円に対し進捗率40.2%)であり、下期の販管費抑制が計画達成の前提条件となる。

勘定科目数値(中間期累計)通期計画進捗率
売上高10,418百万円23,215百万円44.9%
売上総利益5,435百万円11,834百万円45.9%
調整後営業利益221百万円450〜650百万円34.0〜49.1%
  • 12月期決算のため、Q4(10-12月)に年度末集中のエンタープライズ案件が増加し、スポット収益・調整後営業利益が下期偏重となる傾向がある(FY2025実績:Q4の売上高5,564百万円は通期最大)

業績予想の変更有無

2026年2月13日公表の連結業績予想から変更なし。通期売上高23,215百万円(前期比+22.0%)、売上総利益11,834百万円(同+24.5%)、調整後営業利益450〜650百万円(同+11.6〜+61.2%)を維持。

株主還元への言及

2026年12月期の配当予想は中間0.00円、期末0.00円で据え置き。成長投資を優先するフェーズにあり、無配方針を継続。

財務状況

実質無借金経営を維持し、自己資本比率77.6%(前期末75.0%から+2.6pt)と財務健全性は高水準。現金及び預金は下期の在庫積み増しと定期預金預入により前期末比▲1,495百万円の5,324百万円に減少したが、有利子負債はゼロとなりキャッシュポジションに余裕がある。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金5,324百万円前期末比▲22.0%
現金及び現金同等物4,025百万円前期末比▲1,695百万円(定期預金を除く)
総資産11,831百万円前期末比▲2.1%
└ 流動資産10,712百万円前期末比▲2.0%
└ 固定資産1,117百万円前期末比▲2.6%
商品(棚卸資産)1,906百万円前期末比+118.0%
自己資本9,184百万円前期末比+1.3%
負債合計2,490百万円前期末比▲12.8%
有利子負債0百万円前期末比▲0百万円(1年内返済長期借入金完済)
EBITDA121百万円営業利益104百万円+減価償却費17百万円、弊社試算

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/08/06
    生成AI活用の「AI-App カスタム検知」ベータ版を提供開始。設定条件に基づく状況・人物検知を実現し、今秋には録画映像のテキスト検索機能も段階提供予定 セーフィー、状況をリアルタイムに判断する現場AXソリューションの提供を開始

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    既設IPカメラをローカル保存なしでフルクラウド化する「Safie Trail Station Cloud」を提供開始。900万台の既設カメラ市場への本格参入を加速 既設カメラを「フルクラウド」で統合管理する「Safie Trail Station Cloud」を提供開始
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過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 佐渡島隆平(代表取締役CEO): 25.81%→24.72%(2025/09/30) - 安定株主として保有。担保契約の変更(みずほ銀行への株式担保差入れ解除・再設定)
  • 下崎守朗: 8.88%→8.42%(2025/10/07) - 安定株主として保有。東海東京証券・三井住友銀行への担保差入れに伴う変更報告
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