Aiming 3Q 決算速報

『イナズマイレブン クロス』の初フル寄与で3Q営業利益759百万円、ホロじゃん投入と新作投資の両立が次の焦点

配信日2026年10月27日 18:17 JST

3Q決算を踏まえた評価点

3Q会計期間は売上高4,296百万円(前年比+17.7%)、営業利益759百万円(同+198.3%)。6月配信の『イナズマイレブン クロス』が初めて四半期フルで寄与し、2Q比で増収増益となった。外部決済比率の上昇と販管費の抑制も効き、利益は会社の四半期予想を上回った。

  • 3Q会計期間の売上総利益率62.5%(前年比+5.7pt)、営業利益率17.7%(同+10.7pt)。新作の売上寄与で固定費負担が軽減
  • 3Q営業利益は四半期予想482百万円に対し+276百万円、純利益は予想239百万円に対し+279百万円で着地
  • 外部決済比率の上昇でPF手数料の伸びを抑制。PF手数料の対売上高比率は14.8%となり、前年同期の16.3%から低下(当レポート試算)
  • 3Q累計期間の持分法による投資損失は399百万円に縮小(前年同期947百万円)。経常段階の減益率は▲31.1%で、営業段階より小幅
  • 従業員数は649名(前年同期比▲56名)。運営人員の適正化を進めつつ、新作開発費等308百万円/四半期の投資を継続

3Q決算を踏まえた懸念点

累計では売上高▲11.6%、営業利益▲38.6%と減収減益。前年1Qの高水準な売上5,168百万円の反動が大きい。4Q予想の営業利益は130百万円で前四半期比▲82.8%となり、新作の初動に依存した収益の振れが改めて表れた。

  • 累計の売上総利益率59.0%(前年比▲4.3pt)。売上原価が4,583百万円と前年並みにとどまる一方、売上高は減少
  • 3Q売上高は予想を▲183百万円下回り、イナズマの初動を踏まえた想定に届かず。利益上振れの一因は広告宣伝費等のコスト未消化
  • 4Q予想は売上高3,509百万円(前四半期比▲18.3%)。イナズマのリリース直後の反動とDQタクト6周年の剥落を織り込む
  • Betimoは投資フェーズが続き、持分法損失が経常利益を圧迫。関係会社株式は426→262百万円に減少
  • 売掛金及び契約資産が+1,370百万円と増加した一方、現預金は減少。有利子負債は100→624百万円に増加

注目点/今後確認したいポイント

  • 『イナズマイレブン クロス』の2四半期目以降の定着度。リリース直後の反動を織り込んだ4Q売上高3,509百万円の達成可否が、通期着地の鍵
  • 『ホロライブ麻雀 -ホロじゃん-』の4Q配信と、2027年発売予定のコンシューマ『陰の実力者になりたくて!Phantom Echoes』。新作パイプラインの収益化が次年度の成長軌道を左右
  • Betimoの単月黒字化に向けた進捗と持分法損失の縮小ペース。経常段階の利益水準を決める要素として継続確認が必要
経営陣への論点
  • 『イナズマイレブン クロス』の3Q売上が予想に届かなかった要因と、4Q以降に想定する売上減衰カーブ
  • 『ホロじゃん』の配信時期と、4Q予想に織り込んだ売上・広告宣伝費の規模
  • Betimoの単月黒字化の目標時期と、持分法損失の縮小見通し
  • 外部決済比率の現状水準と、既存タイトルへの展開によるPF手数料率の改善余地
  • 売掛金倍増の内訳と回収時期、および借入増加の資金使途

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高11,167百万円▲11.6%
売上総利益6,584百万円▲17.6%
└ 売上総利益率59.0%▲4.3pt
販管費5,294百万円▲10.1%
営業利益1,289百万円▲38.6%
└ 営業利益率11.5%▲5.1pt
受取分配金111百万円▲63.1%
持分法による投資損失399百万円▲57.9%
経常利益1,023百万円▲31.1%
非支配株主に帰属する四半期純利益7百万円前年同期125百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益901百万円▲23.3%
EPS19.32円▲23.2%
3Q会計期間 売上高4,296百万円+17.7%
3Q会計期間 営業利益759百万円+198.3%
3Q会計期間 純利益518百万円+49.4%
研究開発活動の金額800百万円-

(利益率・前年比は当レポート試算。3Q会計期間の数値と前年比は会社開示)累計の減益は、前年1Qの高い売上ベースの反動が主因。3Q単独は前年同期比で大幅増益となり、累計の流れから反転した。純利益は法人税等調整額▲115百万円の計上で、経常利益より減益率が小幅。

事業セグメント別の業績

オンラインゲーム事業の単一セグメント。3Q会計期間の売上高は2Q比+673百万円で、内訳は配信サービス+570百万円、制作/運営受託+102百万円(会社開示)。新作の寄与と受託案件の検収が重なり、四半期ベースで回復が明確になった。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
オンラインゲーム事業(全社)11,167百万円▲11.6%1,289百万円▲38.6%11.5%
好調な事業
  • 『イナズマイレブン クロス』:初の四半期フル寄与で、配信サービス売上を2Q比+570百万円押し上げ。AUと課金率は引き続き高水準
  • 『ドラゴンクエストタクト』:6周年イベントと新キャラクター追加で収益に寄与。AUは減少した一方、課金率は上昇
  • 『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』:AUと課金率がともに増加。ベトナム・タイ向けライセンスアウトで海外収益化の新たな経路を確保
  • 制作/運営受託:複数案件の検収で2Q比+102百万円。『パワプロアドベンチャーズ』の運営協力等が安定収益を下支え
不調な事業
  • 既存タイトル群の課金効率:『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』は課金率・ARPPUとも減少、『リリサ』は課金率が減少。AU増加を課金に結び付ける余地が残る
  • 『剣と魔法のログレス いにしえの女神』:長期運営によるKPI低下は続くが、利益水準は堅実と会社は説明
  • Betimo(持分法適用):車券取扱高は積み上がる一方、投資フェーズが続き、累計で持分法投資損失399百万円を計上

業績予想比の進捗率

通期予想は3Q累計実績に4Q予想を加えた数値。このため進捗率は営業利益90.8%、純利益96.1%と高く、実質的な焦点は4Q予想(売上高3,509百万円、営業利益130百万円)の達成可否となる。4Q予想の売上高は前年4Q実績3,186百万円を+10.1%上回り、営業利益も前年4Qの▲18百万円から黒字転換を見込む(前年比は当レポート試算)。

勘定科目数値 (第3四半期累積)通期計画進捗率
売上高11,167百万円14,676百万円76.1%
営業利益1,289百万円1,419百万円90.8%
経常利益1,023百万円1,066百万円96.0%
純利益901百万円938百万円96.1%
  • 新作リリースや主要タイトルの周年イベントの時期で、四半期業績が大きく変動。会社は短期変動の大きさを理由に翌四半期の予想のみを開示
  • 4Qは既存タイトルの周年・年末年始イベントで広告宣伝費が増える傾向(会社説明)

業績予想の変更有無

業績予想は修正あり。今回、3Q累計実績に新規の4Q予想を加えて通期予想を設定した。3Q会計期間は売上高が予想を下回った一方、コストが計画を下回り、利益は予想を上振れた。

  • 3Q会計期間 売上高:予想4,479→実績4,296百万円(▲183百万円)
  • 3Q会計期間 営業利益:予想482→実績759百万円(+276百万円)
  • 3Q会計期間 純利益:予想239→実績518百万円(+279百万円)
  • 4Q予想(新規):売上高3,509百万円、営業利益130百万円、経常利益43百万円、純利益36百万円
  • 修正理由:イナズマの売上はやや予想を下回ったが、ロイヤリティとPF手数料の減少、広告宣伝費の抑制、外部決済比率の上昇で販管費が予想比▲371百万円となり、利益が上振れ

株主還元への言及

2026年12月期の第3四半期末までの配当は0.00円で、期末の配当予想は未定のまま。配当予想の修正はなく、自己株式の取得にも言及はない。

財務状況

自己資本比率73.4%を維持し、ネットキャッシュ4,730百万円の健全な財務体質。一方、売上債権の増加と借入の拡大で、運転資金の負担が増えている。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金5,355百万円前期末比▲2.6%
売掛金及び契約資産2,767百万円前期末比+98.0%
総資産10,598百万円前期末比+15.1%
自己資本7,777百万円前期末比+13.1%
有利子負債624百万円前期末100百万円
└ 短期借入金74百万円前期末100百万円
└ 1年内返済予定の長期借入金199百万円前期末なし
└ 長期借入金350百万円前期末なし
ネットキャッシュ4,730百万円現金及び預金−有利子負債(当レポート試算)
EBITDA1,359百万円営業利益+減価償却費70百万円、9ヶ月累計(当レポート試算)。前年同期2,150百万円から▲36.8%

決算発表と同時に出た適時開示

  • 2026/10/27
    3Q会計期間の予想と実績の差異を開示。売上高は未達、営業利益は予想比+276百万円と利益面の上振れを示す
  • 2026/10/27
    3Q決算と4Q予想の説明資料を公表。4Qは営業利益130百万円、『ホロじゃん』配信開始を織り込む
  • 2026/10/27
    エンヴァリス社によるリサーチ・カバレッジ開始を公表。スタンダード市場への移行と合わせ、投資家への情報発信を強化

足許四半期中の主要発表

  • 2026/07/29
    ゲーム製作委員会(特定子会社)の解散を公表。3Q累計でリリサ製作委員会が連結範囲から除外
  • 2026/09/04
    『陰の実力者になりたくて!』初のコンシューマゲームを2027年に発売すると発表。PS5、Switch 2、Steam等のマルチプラットフォーム展開
  • 2026/10/09
    ホロライブ初の麻雀ゲームを発表し事前登録を開始。タレント37名が参加し、4Q予想の増収要因に位置付け
  • 2026/10/19
    『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』のベトナム・タイ向け海外ライセンス契約を締結。既存IPのライセンスアウトによる収益源の拡大
  • 2026/10/19
    東証スタンダード市場への市場区分変更が承認され、10月26日付で移行

過去1年間の大量保有報告/重要提案

該当なし

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