マツオカコーポレーション 1Q 決算速報

縫製事業の増産効果で1Q売上高が過去最高、為替差損益調整後営業利益の回復ペースが焦点の決算

配信日2026年8月7日 20:00 JST

1Q決算を踏まえた評価点

売上高18,958百万円(前年比+11.8%)は会社開示で第1四半期として過去最高。縫製事業がベトナム・インドネシア・バングラデシュの生産能力拡大を背景に販売枚数1,418万枚(同+12.0%)と伸長し、増収を牽引。期末円安による換算差益も加わり、経常利益・純利益は大幅増となった。

  • 売上高18,958百万円(前年比+11.8%)、1Qとして過去最高を更新(会社開示)
  • 縫製事業売上16,585百万円(同+16.2%)、セグメント利益1,278百万円(同+47.1%)と増収増益
  • 品目別ではカジュアルウェア10,313百万円(同+14.5%)が牽引
  • 生産地域別でベトナム5,472百万円(同+18.4%)、インドネシア1,009百万円(同+118.9%)と拡張拠点が寄与
  • 純利益549百万円(同+63.1%)、EPS52.36円(同+62.1%)。配当予想は年115円を据置

1Q決算を踏まえた懸念点

本業実力値を示す為替差損益調整後営業利益は850百万円(前年比▲21.7%)と減益。縫製事業の新設ライン立ち上げに伴う先行コストと、ラミネーションフィルム事業の数量減が重荷。経常利益の増益は財務取引由来の為替差益187百万円(前年▲354百万円)の寄与が大きい点に留意。

  • 為替差損益調整後営業利益率4.5%(前年比▲1.9pt)、増収に対し本業採算は低下
  • 縫製事業の為替差損益調整後営業利益1,066百万円(同+4.1%)、売上+16.2%との乖離が先行コスト負担を示唆
  • ラミネーションフィルム事業は販売ヤード数374万ヤード(同▲14.1%)、為替差損益調整後営業利益119百万円(同▲66.0%)
  • ラミネーションフィルム事業では原材料(石油由来樹脂)費の高止まりが下期以降の利益に影響すると開示
  • 棚卸資産17,846百万円(前期末比+14.3%)と短期借入金+1,532百万円で自己資本比率51.1%(同▲2.0pt)

注目点/今後確認したいポイント

  • 縫製事業の新設ライン立ち上がりに伴う先行コストのピークアウト時期と、下期の為替差損益調整後営業利益の回復幅
  • ラミネーションフィルム事業の顧客構成見直しの進捗、中国国内向け販売拡大とベトナム工場の顧客多様化の売上寄与時期
  • 通期の期中平均想定151.3円/USD、期末想定152.0円/USDに対する実勢との差異が、営業取引由来・財務取引由来それぞれの為替差損益に与える影響
経営陣への論点
  • 為替差損益調整後営業利益 通期5,300百万円に対する四半期別の回復シナリオ
  • 縫製事業における新設ライン稼働率と生産性の改善目標水準・達成時期
  • ラミネーションフィルム事業の顧客構成見直し完了時期と損益分岐点数量
  • 石油由来樹脂の価格上昇に対する販売価格転嫁の方針と下期影響額
  • 運転資本増加と短期借入増加を踏まえた設備投資・資金調達計画の優先順位

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高18,958百万円+11.8%
売上総利益1,913百万円+9.3%
└ 売上総利益率10.1%▲0.2pt
販売費及び一般管理費1,765百万円+14.2%
営業利益148百万円▲28.4%
為替差損益調整後営業利益850百万円▲21.7%
└ 営業取引から発生した為替差損益702百万円▲20.1%
為替差損益(合計)889百万円+69.6%
└ 財務取引から発生した為替差損益187百万円前年▲354百万円
経常利益1,113百万円+45.5%
親会社株主に帰属する四半期純利益549百万円+63.1%
EPS52.36円+62.1%
減価償却費536百万円+12.1%
販売枚数(縫製事業)1,418万枚+12.0%
販売ヤード数(ラミネーションフィルム事業)374万ヤード▲14.1%

営業利益と経常利益の方向感の乖離は為替差損益の計上区分に起因。営業取引由来の差益は702百万円へ減少した一方、財務取引由来が187百万円の差益に転じ、経常利益を押し上げた(会社開示)。期中平均レートは当社152.6→157.0円/USD、期末は159.9→162.4円/USDへ円安推移。

事業セグメント別の業績

縫製事業はカジュアルウェアとワーキングウェアの受注増を、増設ラインと人員拡充による供給力拡大で取り込み増収増益。ラミネーションフィルム事業は中国の市場環境低迷と顧客構成見直しで減収減益。セグメント利益は経常利益ベースで調整されている点に留意。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比セグメント利益前年同期比利益率
縫製事業16,585百万円+16.2%1,278百万円+47.1%7.7%
ラミネーションフィルム事業2,372百万円▲11.8%116百万円▲66.6%4.9%
調整額--▲281百万円--
連結(経常利益ベース)18,958百万円+11.8%1,113百万円+45.5%5.9%

※売上高は外部顧客への売上高。セグメント間内部売上は無し。利益率は当レポート試算。

好調な事業
  • カジュアルウェア(縫製):10,313百万円、同+14.5%。縫製事業売上の62.2%を占め全体を牽引
  • ワーキングウェア(縫製):2,254百万円、前年比+26.9%。猛暑常態化でファン付きウェアの受注が継続
  • その他品目(寝装・寝具):902百万円、同+261.6%。衣料からアイテム転換した中国工場で機械化・省人化を進めやすい商材が拡大
  • インドネシア(生産地域):1,009百万円、同+118.9%。新規ライン稼働で拠点分散が進展
不調な事業
  • ラミネーションフィルム事業:売上2,372百万円、同▲11.8%。中国の市場環境低迷と需要回復の遅れ、主要顧客構成の見直しで受注低調
  • インナーウェア・カットソー(縫製):3,114百万円、同▲3.6%。引き取り時期のずれによる微減で、会社は通期計画への影響はないと説明

業績予想比の進捗率

売上高進捗率23.7%は前年同期の対通期実績比22.8%(当レポート試算)を上回る一方、為替差損益調整後営業利益は16.0%と前年同期比較の22.5%(同)を下回る。縫製事業の売上・利益が下期に厚い季節性を踏まえ、新設ラインの生産性改善と樹脂価格上昇の転嫁が下期進捗の鍵。

勘定科目数値(第1四半期)通期計画進捗率
売上高18,958百万円80,000百万円23.7%
営業利益148百万円3,400百万円4.4%
為替差損益調整後営業利益850百万円5,300百万円16.0%
経常利益1,113百万円4,900百万円22.7%
親会社株主に帰属する当期純利益549百万円3,400百万円16.2%
販売枚数(縫製事業)1,418万枚7,000万枚20.3%
販売ヤード数(ラミネーションフィルム事業)374万ヤード1,500万ヤード25.0%

※進捗率は会社開示。

  • 縫製事業の四半期売上は下期が厚い(前期実績1Q14,266→3Q18,062→4Q18,265百万円)
  • ラミネーションフィルム事業は前期3Qにセグメント損失▲57百万円を計上、四半期変動が大きい
  • 連結・当社・ミャンマー子会社は4-6月、その他海外子会社は1-3月が第1四半期に対応(会社開示)

業績予想の変更有無

2026年5月14日公表の通期連結業績予想から変更なし。売上高80,000百万円(前期比+7.7%)、営業利益3,400百万円(同+56.3%)、為替差損益調整後営業利益5,300百万円(同+10.1%)、経常利益4,900百万円(同▲9.1%)、純利益3,400百万円(同+9.1%)を据置。

株主還元への言及

2027年3月期の配当予想は期末115円(年間115円)で据置。前期年間配当100円は普通配当90円と記念配当10円の内訳であり、普通配当ベースでは90円→115円。第1四半期中の配当金支払額は1,049百万円。

財務状況

棚卸資産の増加と設備投資等により総資産が増加し、短期借入金の増加を主因に有利子負債も増加。一方、現金及び預金21,737百万円が有利子負債16,229百万円を上回り、ネットキャッシュを維持。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金21,737百万円前期末比+0.6%
棚卸資産(商品及び製品・仕掛品・原材料等)17,846百万円前期末比+14.3%(当レポート試算)
有形固定資産21,626百万円前期末比+3.0%
総資産78,266百万円前期末比+4.1%
支払手形及び買掛金11,559百万円前期末比+25.4%
有利子負債残高16,229百万円前期末比+8.6%(会社開示)
└ 短期借入金6,232百万円前期末比+1,532百万円
└ 1年内返済予定の長期借入金1,092百万円前期末比+65百万円
└ 長期借入金7,736百万円前期末比▲302百万円
└ 転換社債型新株予約権付社債750百万円取得条項(現金決済条項)付
自己資本39,972百万円前期末比+0.1%
EBITDA684百万円営業利益+減価償却費(前年同期684百万円)

決算発表と同時に出たニュース

該当なし

足許四半期中の主要発表

  • 2026/05/14
    2027年3月期計画(売上高800億円・営業利益34億円)を公表。中期経営計画「BEYOND2028」初年度としてインドネシア新工場建設約30億円、バングラデシュ工場拡大約5億円、MES関連ソフトウェア投資約2億円を予定 2026年3月期決算補足説明資料
  • 2026/07/10
    個人投資家向けIRセミナーで「BEYOND 2028」の基本方針を説明、2029年3月期に売上高900億円・経常利益60億円・ROE9%以上を目標として提示 マツオカコーポレーション、主力の縫製事業は前年比+67.6%の大幅増益 29年3月期の売上高900億円を目指す

過去1年間の大量保有報告/重要提案

  • 該当なし
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