サマリー
26/7期は売上高7,113百万円(+15.6%)、営業利益3,017百万円(+10.0%)で7期連続の増収増益を達成し、修正計画も上回って着地。DGP手数料単価の調整局面が続くなかで総契約容量1,429MW(+38.3%)と月次平均解約率1.64%(前年同期間2.90%)の改善により単価下落を吸収した構図。3カ年で100億円としていた蓄電池投資は初年度で意思決定を概ね完了し、AS事業は27/7期に売上2,043百万円と前期比約4倍を計画。説明会では、AS事業の成長の大部分が外部オーナー電源由来であること、電力PFの減収計画がDGP手数料ではなく送配電精算額の保守的前提に起因することが口頭で明示された。
ポイント(決算の要点と成長アクション)
- 経営戦略と市場認識
- 22/7期~26/7期のDGP主軸フェーズから、27/7期以降はDGPと蓄電池の双極で成長を加速させる段階へ移行との位置づけ。
- 中東情勢に伴う電力価格のボラティリティ上昇について、電力PFはヘッジ需要発掘とコスト上昇のプラスマイナスでトントン、再エネPFは明確にポジティブとの見立て。
- 蓄電池は現時点では需給調整市場中心のため中東情勢の影響は小さいが、kWh市場への進出拡大局面では変動性が追い風との認識。
- 29/7期に連結売上高100億円超、調整後EBITDA 40億円超を掲げ、M&Aを含む非連続成長にも挑戦する方針。
- 足元の事業進捗と要因
- 4Q DGP手数料売上高は1,181百万円と前四半期比+13.8%、1契約容量あたり取引量+23.9%が1取引あたり利用料▲8.0%を吸収。
- 契約更新が集中する3~5月の解約容量は141MW→60MWへ減少、新規獲得195MWと合わせ5月末契約容量890MW(前年同期比+21%)。
- 解約率改善は営業体制の増強が主因であり、従前はショートスタッフでの対応だった体制を人員確保と総動員のフォローで転換したとの説明。
- AS取扱量165MWのうちEPRX参入済は100MW、差分は運転開始から市場参入までの3~5カ月の審査リードタイムに起因。
- 戦略的な重要施策や変化点
- 2026年7月にコールセンターを設立、最大27名体制のアウトバウンドコールを開始。26/7期の新規獲得には未反映で来期上乗せ要因との位置づけ。
- 一部固定価格取引を含む契約比率は4Qに容量ベース19%(162MW)へ上昇、電力先物・卸調達を活用したオーダーメイド型が拡大。
- 低圧系統用蓄電池のアグリゲーションを開始。低圧は最低入札ロット1MWで単独市場参加が不可能なため、束ねるシステムを実装済。
- 系統用蓄電所の売買マッチングサービスを開始し、RE Bridgeで培ったマッチングノウハウを蓄電所領域へ横展開。
- 26年7月に当社初の地熱発電所PPAを開始し、太陽光・風力・バイオマスに地熱を加えた電源ポートフォリオへ拡充。
今後の見通しと戦略
- 27/7期は売上高7,967百万円(+12.0%)、営業利益2,865百万円、調整後EBITDA 3,185百万円(マージン40.0%)を計画。蓄電所の減価償却増を踏まえ調整後EBITDAを新規開示。
- セグメント計画は電力PF 4,812百万円、再エネPF 816百万円、AS事業2,043百万円、その他294百万円。電力PFの減収計画はDGP手数料の減少想定ではなく、一般送配電事業者との精算額を保守的に置いたことが要因との説明。
- AS事業2,043百万円の増収の大部分は外部オーナー電源由来。DGAM保有分は27/7期末連系30.2MWにとどまり、既存165MWの運用ベースに対し外部電源が9割程度を占める構図。
- DGAMは高圧・特別高圧18案件36.3MWの投資決定済で、27/7期中に30.2MWの稼働を予定。高圧への投資は一巡し、今後は市況を見つつ特別高圧案件の組成に注力。
- 29/7期目標としてROE 20%+、営業利益率30%+(水準見直し)、総契約容量CAGR 30%+、調整後EBITDAマージン40%+(新規採用)を設定。営業利益率の引き下げは償却費見合いの調整で、注力指標はEBITDAマージンとの説明。
- 解約率1.64%は持続可能な水準にとどまらず、人員・システム・仕組みの改善により一段の改善余地があると経営陣は認識。
ポジティブ要因
- 売上総利益率81.4%(+7.0pt)、営業利益率42.4%と高収益を維持し、一人あたり営業利益33百万円で電力・ガス業種内でも上位水準。
- リカーリング収益比率70.3%。再エネPFは20年前後の長期契約、AS事業は複数年契約で、収益の継続性が高い。
- 蓄電池投資の前倒し達成の背景として、太陽光事業時代から土地ソーシング・接続検討・運開までを担う専門チームを保有し、開発経験10年近いメンバーが在籍。PF事業からの案件紹介シナジーも寄与。
- 再エネ取扱容量393MW、RE Bridge登録設備容量は約2GW、Econohashi取扱量は前年同期比+60%と、再エネ関連KPIが揃って拡大。
- コミットメントライン限度額を102億円→163.5億円へ拡大し、蓄電池投資向け借入予定額43億円超も協議進捗。運転資金と投資資金の両面で調達余力を確保。
- 需給調整市場の上限価格引下げ局面では蓄電池運用の難易度が上がり、複数市場を横断して最適化できるアグリゲーターの相対優位が高まるとの整理。
懸念事項・リスク
- DGP手数料売上高は4,514百万円と前期比▲5.8%、期初計画比▲11.2%。単価下落は緩やかになったものの調整局面は継続。
- 27/7期計画では競争環境が一段と激化する可能性を織り込み。前回中計比の作り込みも保守化。
- 需給調整市場は9月から一次調整力等の上限価格が15円→10円へ引下げ。計画には織り込み済だが、抜本的な制度変更が生じる余地は残存。
- 27/7期経常利益は2,394百万円と営業利益との差が拡大。借入利息増に加え、プロジェクトファイナンス組成時のアップフロントフィーがワンショットで発生。
- 蓄電所保有拡大により営業利益率は36.0%へ低下見込み。営業利益とEBITDAの乖離が拡大する局面に入る。
- 自己資本比率は46.5%→34.1%に低下、総資産に対する負債比率は53%→66%へ上昇。26/7期の営業CFは▲1,849百万円、フリーCFは▲6,246百万円。
業績ハイライト
26/7期は売上高7,113百万円(+15.6%)、営業利益3,017百万円(+10.0%)、当期純利益2,037百万円(+9.0%)で、前期比・修正計画比ともに増収増益を達成。DGP手数料売上高は減少した一方、AS事業489百万円の新規貢献と一般送配電事業者との精算額等の増加が売上を押し上げ、売上総利益率は81.4%へ改善した。販管費は人員採用とマーケティング費用の増加で2,775百万円(+51.0%)となり、営業増益率は売上成長率を下回った。
セグメント別業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 電力PF事業 | 5,884百万円 | +8.6% | 3,499百万円 | ▲0.9% |
| 再エネPF事業 | 711百万円 | +58.7% | 370百万円 | +208.3% |
| AS事業 | 489百万円 | ― | 283百万円 | ― |
| その他事業 | 28百万円 | ▲90.1% | ▲146百万円 | ― |
| 調整額 | ― | ― | ▲988百万円 | ― |
(前年同期比は当レポート試算。セグメント利益には本社経費等の調整額を含まない)
- 総契約容量: 1,429MW (前年同期比 +38.3%)
- 総契約企業数: 1,497社 (前期比 +249社)
- 総取扱電力量: 3,152GWh (前年同期比 +17.7%)
- DGP手数料売上高: 4,514百万円 (前年同期比 ▲5.8%)
- 契約容量の月次平均解約率: 1.64% (前年同期間 2.90%)
- リカーリング収益比率: 70.3%
- AS取扱量: 165MW(うちEPRX参入済100MW)
- 再エネ取扱容量: 393MW
- 人員数(役員・臨時雇用除く): 101名 (前年同期比 +27.8%)
- ROE: 21.7% / 自己資本比率: 34.1% / EPS: 50.80円
Q&A 一覧
- Q: 再エネプラットフォームが成長している背景を教えてください。A: このトレンドがどこから来ているかというと、今までFIT制度というところで、作っておしまいだった再生可能エネルギーが、作った後に誰かに販売をしなくてはいけないという制度に、2022年の4月から順次変わっていっている。当社はそのニーズをいち早くキャッチをして、業界の中でもこれだけの量のプロダクトを提供できている会社はそんなに多くはないと思うが、そういったものを手掛けていって、かつRE Bridgeというマッチングサイトも業界で初めて手掛けさせていただき、そこの中での商いが活発になったというところが大きな要因になる。
- Q: AS事業で低圧用の蓄電池に展開する狙いは何でしょうか。A: まさに今始めているところのビジネスだが、基本的に、特別高圧の蓄電池の運転開始に非常に時間がかかってしまうというところがネックになって、投資をしようと思ってもその機会がなかなかなかったり、その機会に出会えるまでだいぶ時間がかかるということは、もともと投資家の方々や皆さんから聞いていた話である。低圧の蓄電池の場合は、運転開始が他の高圧、特別高圧と比べると全然早かったりするので、今蓄電池マーケットに早く入りたいという方々のためにアグリゲーションサービスを開始するというところである。少し余談だが、高圧と特別高圧と比べると低圧系統蓄電池は、単独で需給調整市場などの市場には入れず、ミニマムの入札ロットが1MWだったりするので、文字通りアグリゲートする、束ねて入れるというところで、システム的にも一つ難易度のあるものではあったが、それも実装している。
- Q: 中期経営計画で取扱電力量、キロワットアワーからキロワットにKPIを変更した理由は何ですか。A: 今まで電力と再エネであればキロワットアワーだけで見て評価するのでも一定の評価になったと思うが、蓄電池は場合によってはほとんどキロワットアワーを出さない。待機をしていて、有事の時に放電をするというような運用を主に今しているので、その場合はアワーが全然出てこなかったりする。そのため、系統用蓄電池だったり蓄電池事業に対する成長というものが拾えなくなってしまうところもあるので、電力量ではなく契約容量というものをKPIとして置かせていただいた。
- Q: アペンディックスのスライドで、営業利益率をもともと40%という数字から30%というところに引き下げた理由は何ですか。A: まさに先ほどの蓄電池への投資というところと償却というところの話があるので、償却費用見合いのところで営業利益率自体の見直しを行っている。ただ、我々今後注力していきたいのがEBITDAマージンで、償却を足し戻した水準、実質的なキャッシュフロー、営業キャッシュフローに近い数字だと思うが、こちらは依然として40%という数字を掲げて、中期経営計画で事業に邁進していきたい。
- Q: 3年で100億円としていた蓄電池投資を、初年度でほぼ投資の意思決定が完了されました。これだけのスピードで案件を積み上げられた理由と、競合に対する強みを教えてください。A: そもそも当社は、もともと土地をきちんと探してくるチーム、その中で接続検討といって、それが本当に系統用蓄電池に資する土地なのかというものを申請するチーム、そして申請が通った後に運転運用開始まで持っていくチームと、プラットフォーム事業とは別に、きちんと開発するチームを、実は系統用蓄電池の前から従前ずっとチームとして活動させていた。当時は主に太陽光のビジネスをしていたので、ある意味、開発だったり土地のソーシングだったりというのは、もう10年近い選手が当社にはごろごろいる。ベテランが当社では腕を鳴らして待っていたというところである。加えて、プラットフォーム事業をやっている中での横でのご紹介なども非常にあるので、もともとそういうエキスパート、ベテランのメンバーがいたということに加えて、元来やっていた事業からのシナジーが相まって、だいぶ前倒しで目標を達成できた。
- Q: 2027年7月期の会社計画の営業利益について、セグメント別の内訳は非開示とのことですが、前期比での方向感、レベル感を教えてください。AS事業の増益が期待されるように思いますので、何がそれを打ち消しているのかに関心があります。A: まさにご名察の通り、AS事業で売上が4倍ぐらいに、前期と今期で成長を遂げて20億という、本当にこれは第3の柱といっても過言ではない規模には育っている。他方で、電力プラットフォームのところの売上をご覧いただくと、およそ半々になるが、プラットフォームからの収益とプラットフォーム以外の収益というものがあると思っており、このプラットフォーム以外の収益というものを一定モデレートに見込んだというところが、ASのオフセットしている部分になる。
- Q: 2027年の会社計画の営業外損益について、前期比で営業外が悪化するところを教えてください。これが保守的に置いているだけなのか、利息増なのかに関心があります。A: 大きく借入に伴うところが大きいのは、ご推察のとおりである。借入も、ただただ利息が上がったという話というよりは、もちろんそれも一部あるが、これからきちんと資本効率を効率化させていく上で、蓄電池に対するレバーもきちんとかけていきたいと思っているので、そのプロジェクトファイナンスやレバーをかけるときのアップフロントフィー、つまりワンショットの金額も一定額含まれている。
- Q: マクロ環境、中東情勢は、御社の各事業にどのような影響がありますか。A: 中東情勢で何が起きたかというと、比較的この電力のマーケットに対するボラティリティ、変動性というのが出てきている。電力PF事業は、その結果として市場から調達している方々は電気の調達額が高くなってしまって、なかなか電気のコスト削減というところに苦しむような一面が見えたりするが、他方でヘッジをするという当社オリジナルの機能をご活用いただく機会も増えてきているので、プラスマイナストントンなのかなというところ。再エネプラットフォーム事業は、どちらかというと結構明確にポジティブよりかなと思っており、電気代そのものが高くなると、再生可能エネルギーのコストを化石の燃料が上回るようなことがあれば、であれば再生可能エネルギーから調達しようというインセンティブが働きやすい構図はある。蓄電池関連は、今はどちらかというと需給調整市場といって、電気代そのもの、キロワットアワーそのものの世界というよりはスタンバイをしているような市場での活躍がメインなので、中東のところの大きなインパクトはないが、今後当然そのキロワットアワーの市場にもたくさん出てくることになるし、そういうときは変動性がある卸市場の方が蓄電池の活躍の場が多いというのはご想像に難くない。
- Q: 2027年の会社計画の電力PF売上高は48億円ですが、こちらの前提となる電力取扱量と精算売上高を教えてください。この減収が、DGP手数料の減少を懸念すべき状況にあるためなのか、それとも電力の送配電との収益を保守的に見ているだけなのかに関心があります。A: 具体的な数字自体の開示は今は行っていないが、まさにお見立ての通りで、DGP手数料が10億円下がるという話では全くない。どちらかというと、その送配電さんとの精算額を一定保守的に見ているというところになる。
- Q: 1年前に公表された中計における2027年7月期計画と今回の計画において、特に売上高について何が上振れ要因となっているのかを教えてください。A: 基本的には先ほどの通りで蓄電池事業等々が順調に伸びているという話はその通りだが、電力のところについては送配電のところはかなり保守的に見ているというところと、単価の下落自体はかなりマイルドにはなってきてはいるが、もう少し競争環境というものは一段と激化する可能性を考慮した数字の作り込みになっている。というところが前回中計との差分になる。
- Q: 2027年のAS事業の売上高、利益の水準は需給調整市場の価格変動が影響するでしょうか。A: 基本的にはこの9月から需給調整市場の、特に多くの方々が参戦されている一次調整力を含む各市場の上限価格が15円から10円まで値下げをされているような状況だが、それは当初より織り込み済みで、そこに対するインパクトはもう事業にきっちり反映されている。基本的に今後何か抜本的にまたルールが大きく変わるというところも一部あるかもしれないが、基本的には単価の下落は十分に織り込んだ計画になっている。
- Q: 電力プラットフォーム事業において、2026年7月期は契約更新が集中する3月から5月において解約容量が前年の半分以下となり、契約容量が大きく増加しました。この新規獲得の成長性ならびに1.64%という解約率の数字は、持続可能、維持可能な水準なのでしょうか。A: 新規獲得は増えているし、これに反映されていないアウトバウンドだったりマーケティングだったりという、まさに今伸びているようなところは、来期またこれにオントップで追加して新規獲得に寄与してくれると思っている。解約についても、基本的にはかなりいろいろと体制も強化をしたというのは正直なところで、今まではかなり恥ずかしながらショートスタッフで何とかやってきたというところから人員もきちんと確保しつつ、みんなで総動員でお客様に対するアプローチを行っている結果になっている。人員のところもそうだが、システムだったり仕組みだったりというところの改善も見込めるので、十分にこの解約の水準、今までは少し高かったということもあるかもしれないが、この月次の1.64%というのはむしろもう少し改善の余地はあるのではないかと私は考えている。
- Q: ASの取扱量165MWとEPRX参入100MWの差は何で生じるのでしょうか。A: まず蓄電池は運転開始を行う。受電をして、そこで充放電のテストなどを行う。主に太陽光と比べるとこのテスト期間に相応に時間がかかったりするが、テストをして十分に充放電ができるという状況になったら、需給調整市場に参入できるかどうかのデータのテストを取得する。現地での実地テストである。当該データを持って送配電会社に提出をして、その間、3ヶ月から4ヶ月前後待って初めて参入できるので、運転開始から数ヶ月、3ヶ月から5ヶ月リードタイムがある。したがって、このグラフでいうと濃い青は運転開始をしている状態、運転開始したてほやほやのものも含まれる状態である。薄いスカイブルーの100MWは運転開始をして少なくとも3から5ヶ月経って準備万端なもので、そこでの差が生じる。
- Q: AS事業は売上計画が20億円超と、2026年7月期の5億円から4倍の大幅成長が計画されています。この売上増加の主因はDGAMの増加と外部電源の増加と、貢献はどちらが大きいですか。A: AS事業はDGAMのものも一部含まれはするが、大部分は外部電源になる。DGAMとして2027年7月末までに運転開始をするようなものが30MWぐらいあるという話をさせていただいたが、もう既に165MWの蓄電池を運用している。これは当然、我々の運転開始予定の30MW超の数字は含まれないものになるので、9割というか、かなりの大部分は外部の電源からの数字ということになる。
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