3Q決算を踏まえた評価点
3Q累計の営業利益率47.9%と高収益体質を維持しつつ、全利益項目で通期計画を上回る進捗を達成。総契約容量は前年比+33.9%の1,367MWと過去最高を更新し、プラットフォームのネットワーク効果が着実に拡大している。
- 売上総利益率80.6%(前年比+5.6pt)。売上原価が前年比▲17.3%と減少し、収益性が向上
- 再エネPF事業の売上高が前年比+54.6%、セグメント利益+113.5%と急伸。再エネ取扱容量377MWに到達
- その他事業(調整力事業)が前年のセグメント損失▲174百万円から利益+19百万円へ黒字転換。AS事業取扱量102MWに拡大
- 通期業績予想を上方修正。当期純利益は期初予算比+30%の1,919百万円へ引上げ
- 販管費は進捗率69.5%と抑制。人員は前年比+32.9%増ながら営業利益率の高水準を維持
3Q決算を踏まえた懸念点
電力PF事業のDGP手数料単価は前四半期比▲7.8%(指数ベース)と低下傾向が継続しており、契約容量拡大による取扱電力量増で補えるかが焦点。全社経費(調整額)は▲684百万円と前年の▲456百万円から+50.0%増加し、組織拡大に伴うコスト負担が重くなっている。
- 電力PF事業のセグメント利益が前年比▲1.0%と微減。DGP手数料単価低下と季節性の影響が重なる一方、取扱電力量は前四半期比で増加
- 1契約容量あたり取引量(指数)が前四半期比▲8.6%。契約容量拡大が取扱電力量に直結しない構造的リスク
- 有形固定資産が前期末比+1,168百万円と急増。蓄電池投資の本格化に伴い減価償却費の増加が今後の利益を圧迫する可能性
- 貸倒引当金(流動・固定合計)が前期末50百万円→126百万円へ+151%増加。取引先の信用リスク管理に留意
- 短期借入金が260百万円→1,040百万円と4倍に増加。運転資金需要の拡大に伴う借入依存度の上昇
注目点/今後確認したいポイント
- 法人低圧領域への本格参入(2026年7月受付開始)による契約容量・取扱電力量の上積み効果。DG Life設立による新規顧客獲得のペースと収益貢献の時期
- DGAM自社保有蓄電所の収益化タイミング。投資意思決定済16.2MW(中計進捗率40%)のうち大半が27年以降の連系予定であり、来期以降の減価償却費増加と収益計上開始のバランス
- DGP手数料単価の下落トレンドの底打ち時期。契約容量拡大とのトレードオフ関係の中で、1取引あたり利用料(指数)の反転可否
- DGP手数料単価の下落要因の内訳(競合値下げ圧力 vs 顧客ミックス変化 vs 戦略的値下げ)
- 法人低圧領域の初年度獲得目標(件数・契約容量)と損益分岐点の見通し
- DGAM蓄電池投資の資金調達方針(自己資金・借入・プロジェクトファイナンスの比率)
- 貸倒引当金の増加要因と個別案件の回収見込み
- 電力先物市場を活用した調達モデルの需要家浸透率と収益インパクト
- 中計目標の総取扱電力量CAGR30+%に対する26/7期着地見込み
- 容量拠出金精算益133百万円の一時性と来期以降の見通し
- EBITDAベースの開示検討の具体的スケジュール
- RE Bridge会員数100社突破後のマッチング成約率改善に向けた施策
- 東京以外の地域深耕の具体的進捗(営業拠点新設の時期・地域)
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,107百万円 | +6.6% |
| 売上原価 | 992百万円 | ▲17.3% |
| 売上総利益 | 4,114百万円 | +14.6% |
| 売上総利益率 | 80.6% | +5.6pt |
| 販売費及び一般管理費 | 1,666百万円 | +37.0% |
| 営業利益 | 2,447百万円 | +3.1% |
| 営業利益率 | 47.9% | ▲1.7pt |
| 経常利益 | 2,551百万円 | +12.2% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 1,871百万円 | +17.9% |
| EPS | 47.22円 | +6.1% |
| 潜在株式調整後EPS | 40.70円 | +13.9% |
| DGP手数料売上高 | 3,332百万円 | ▲7.1% |
| 取扱電力量 | 2,233GWh | - |
| 総契約容量 | 1,367MW | +33.9% |
売上原価の前年比▲17.3%減は売上総利益率を5.6pt押し上げる主因。一方、販管費は人員拡大(前年比+32.9%)を主因に+37.0%増加し、営業利益率は▲1.7ptの低下。営業外収益では容量拠出金精算益133百万円が新たに発生し、経常利益・純利益の伸びを押し上げた。
事業セグメント別の業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電力PF事業 | 4,357百万円 | +2.9% | 2,858百万円 | ▲1.0% | 65.6% |
| 再エネPF事業 | 493百万円 | +54.6% | 253百万円 | +113.5% | 51.4% |
| その他事業 | 256百万円 | +8.7% | 19百万円 | - (前年▲174百万円) | 7.6% |
| 調整額 | - | - | ▲684百万円 | - (前年▲456百万円) | - |
| 合計 | 5,107百万円 | +6.6% | 2,447百万円 | +3.1% | 47.9% |
- 再エネPF事業:売上高前年比+54.6%。RE Bridge第7回マッチングイベント実施、再エネ取扱容量377MW到達。非FIT移行に伴う需給管理ニーズの拡大を捉え、20年超の長期契約を中心にストック収益基盤が拡大
- AS事業(その他事業内):3Q累計売上2.3億円、利益1.2億円(前年比+2.2億円増収、+1.6億円増益)。系統用蓄電池取扱量102MWに拡大し、アグリゲーションサービスの収益化が本格化
- 電力PF事業(DGP手数料):DGP手数料売上高3,332百万円(前年3,587百万円、▲7.1%)。契約容量は+24.6%増も、1取引あたり利用料指数が▲7.8%、1契約容量あたり取引量指数が▲8.6%と双方低下
- その他事業(AS事業除く):3Q単独では売上8百万円・損失▲31百万円と赤字が継続
業績予想比の進捗率
3Q累計で当期純利益の進捗率は修正後通期計画に対し97.5%に達しており、4Q単独で47百万円の利益確保で通期計画を達成する水準。前年同期の通期進捗率(純利益ベース84.9%)を大幅に上回る。営業利益も修正後計画に対し86.3%と順調。売上高の季節性(夏場の電力需要増で4Qに売上が伸びる傾向)を踏まえると、修正後計画の達成確度は高い。
| 勘定科目 | 数値 (3Q累計) | 通期計画(修正後) | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,107百万円 | 6,595百万円 | 77.4% |
| 営業利益 | 2,447百万円 | 2,836百万円 | 86.3% |
| 経常利益 | 2,551百万円 | 2,660百万円 | 95.9% |
| 純利益 | 1,871百万円 | 1,919百万円 | 97.5% |
- 1Q(8-10月)は夏場の電力需要が高く売上・利益が最も大きい傾向。3Q(2-4月)は穏やかな気候で電力取扱量が減少しやすい
- 電力PF事業の契約更新は4月(3Q末)に集中し、契約容量が同時期に増加する傾向
業績予想の変更有無
3Q累計業績が期初予算を上回って推移したことに加え、直近の業績動向を慎重に勘案し、2026年6月11日付で通期連結業績予想を上方修正。電力PF事業・再エネPF事業の収益が当初予算を上回ったこと、調整力事業(AS事業)が堅調に推移したことが主因。
- 売上高:従来6,281百万円→新6,595百万円(+5.0%)
- 営業利益:従来2,363百万円→新2,836百万円(+20.0%)
- 経常利益:従来2,128百万円→新2,660百万円(+25.0%)
- 純利益:従来1,476百万円→新1,919百万円(+30.0%)
- 修正理由:電力PF・再エネPF事業の収益計上が当初予算超過、AS事業の堅調推移
株主還元への言及
2026年7月期の配当予想は期末0.00円(年間0.00円)で変更なし。自己株式の取得も実施なし。成長投資(系統用蓄電池への100億円投資)を優先する方針。
財務状況
自己資本比率48.0%(前期末46.5%から+1.5pt)と健全な水準を維持。純利益の積み上がりにより純資産は10,314百万円(前期末比+24.6%)に拡大。コミットメントライン総額100億円超を確保し、DGP取引量拡大に伴う運転資金需要に対応。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 6,822百万円 | 前期末比+46.8% |
| 売掛金及び契約資産 | 1,594百万円 | 前期末比+16.6% |
| 未収入金 | 10,108百万円 | JEPX立替に伴う構造的項目 |
| 流動資産合計 | 18,916百万円 | 前期末比+14.4% |
| 有形固定資産 | 1,276百万円 | 前期末比+1,088.2%(蓄電池投資) |
| 固定資産合計 | 2,566百万円 | 前期末比+99.7% |
| 総資産 | 21,482百万円 | 前期末比+20.6% |
| 有利子負債 | 2,131百万円 | 前期末比+31.9% |
| └ 短期借入金 | 1,040百万円 | 前期末比+300.0% |
| └ 1年内返済予定の長期借入金 | 220百万円 | 前期末比▲37.7% |
| └ 長期借入金 | 871百万円 | 前期末比▲12.8% |
| 自己資本 | 10,314百万円 | 前期末比+24.6% |
| EBITDA | 2,461百万円 | 営業利益2,447百万円+減価償却費14百万円 |
決算発表と同時に出たニュース
足許四半期中の主要発表
- 2026/03/30RE Bridge第7回オークション結果を公表。会員数は過去最多、マッチング22件・総設備容量約51MW 企業向け再エネ取引のマッチングプラットフォーム「RE Bridge」第7回オークション結果
- 2026/04/27子会社DGAM初の100%自社保有蓄電所(岐阜県大垣市、2.0MW)が竣工・試運転開始。自社保有アセット運用へ本格進出 初の100%自社保有蓄電所が試運転を開始 - 電力を「貯めて使う」時代へ 再エネ拡大に対応 -
- 2026/04/28系統用蓄電池の取扱量(AS事業)が100MWを突破。サービス開始から約1年4カ月での達成 系統用蓄電池の取扱量が100MWを突破 - サービス開始から約1年4カ月で達成 -
- 2026/06/01需給調整市場での運用容量が50MW超に到達。幅広い蓄電池メーカー対応で市場シェア拡大 需給調整市場での運用容量が50MW超に - 幅広い蓄電池メーカー対応で市場シェアが拡大 -
- 2026/06/02法人向け低圧領域への参入を発表。2026年7月1日から本格受付開始、中核子会社DG Lifeを設立 デジタルグリッド 法人向け低圧領域サービス参入 - 対象領域を拡大し電力プラットフォーム事業を全国で強化へ -
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- 東芝: 13.48%→12.37%(2026/04/07) - 協力関係維持のための政策保有。保有株数は不変、発行済株式数増加に伴う比率低下
- FD: 5.16%→5.16%(2026/03/05) - 協力関係維持のための政策保有。担保契約等重要な契約の変更に伴う変更報告
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