2Q決算を踏まえた評価点
経常利益進捗率77.6%、純利益進捗率82.4%と通期計画に対し高水準で推移。再エネPF事業の売上高前年比+67.2%が示すように、投資領域の収益貢献が加速し始めた。
- 売上総利益率79.2%(前年比+4.8pt)に改善。売上原価は前年比▲18.2%と低減、プラットフォーム型ビジネスの限界費用の低さが顕在化
- 再エネPF事業はセグメント利益186百万円(前年比+129.8%)、再エネ取扱容量354MW到達。20年超の長期契約中心でストック収益基盤が拡大
- AS事業が黒字転換(2Q単体で売上高88百万円、利益41百万円)、系統用蓄電池取扱量62MWに到達。需給調整市場一次オフラインの落札量シェア18.7%
- 契約容量は1,177MW(前年同期比+25.1%)と過去最高を更新し、プラットフォーム利用社数の裾野拡大が継続
- 営業CFは+2,809百万円(前年同期は▲1,492百万円)と大幅改善、FCFも+2,005百万円を確保
2Q決算を踏まえた懸念点
電力PF事業の売上高は前年比▲1.7%と減収に転じ、DGP手数料売上高は前年比▲5.4%。競争激化による1取引当たり単価下落が主力事業の伸長を抑制しており、契約容量拡大だけでは売上成長を補いきれていない。
- 営業利益1,536百万円(前年比▲10.1%)、営業利益率46.2%(前年同期51.7%から▲5.5pt)。販管費は前年比+46.5%(+348百万円)増加し、人員拡大(前年比+35.4%)コストが先行
- 電力PF事業のセグメント利益1,844百万円(前年比▲8.9%)。手数料単価の下落トレンドが継続しており、中計目標の営業利益率40%超を下回るリスクに留意
- その他事業は依然セグメント損失▲46百万円。前期のJ-クレジット販売一時収益の反動もあり、新規収益の柱としての安定化には時間を要する
- 有形固定資産取得に▲744百万円を投下(前年同期▲9百万円)、蓄電池投資の本格化で今後のCF負担増が見込まれる
- 短期借入金が260百万円→1,490百万円に急増。コミットメントライン活用による運転資金確保だが、取引量拡大に伴う資金需要の増加を注視
注目点/今後確認したいポイント
- 電力PF事業の手数料単価下落がどの水準で底打ちするか。3Q以降の契約更新シーズン(4月集中)における継続率と新規獲得動向が通期計画達成の鍵
- 系統用蓄電池事業の投資回収サイクル。中計で3ヵ年100億円投資を掲げるが、DGAM保有容量はまだ0.2MWにとどまり、28/7期目標40MWへの具体的なパイプライン充足度
- 容量拠出金精算益133百万円が2Q営業外収益を押し上げたが、これは制度要因による一時的な性質を有しており、下期以降の再現性
- DGP手数料単価の下落トレンドに対する底打ち時期の見通しと価格戦略
- 電力PF事業における4月契約更新シーズンの継続率見込みと前年実績との比較
- 先物取引・オーダーメイド方式のDGP手数料単価への影響と付加価値向上効果の定量化
- AS事業の黒字化持続性と需給調整市場への参入拡大スケジュール
- DGAM蓄電所の開発パイプライン充足状況と28/7期40MW目標達成の確度
- 3ヵ年蓄電池投資100億円の資金調達方針(自己資金・借入・エクイティファイナンスの比率)
- 法人低圧領域への進出時期と初年度のターゲット規模
- 風力発電の需給管理開始による再エネPF事業への収益インパクト
- Econohashi会員205社のPPAへのコンバージョン率実績
- 容量拠出金精算益の下期以降の発生見通し
主要業績ハイライト
| 勘定科目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,328百万円 | +0.6% |
| └ DGP手数料売上高 | 2,293百万円 | ▲5.4% |
| 売上原価 | 693百万円 | ▲18.2% |
| 売上総利益 | 2,635百万円 | +7.1% |
| (売上総利益率) | 79.2% | 前年比+4.8pt |
| 販売費及び一般管理費 | 1,098百万円 | +46.5% |
| 営業利益 | 1,536百万円 | ▲10.1% |
| (営業利益率) | 46.2% | 前年比▲5.5pt |
| 経常利益 | 1,651百万円 | ▲0.5% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 1,216百万円 | +2.6% |
| EPS | 31.02円 | ▲6.8% |
| 潜在株式調整後EPS | 26.39円 | - |
| 取扱電力量 | 1,493GWh | - |
| 契約容量 | 1,177MW | +25.1% |
| 従業員数 | 88名 | +35.4% |
事業セグメント別の業績
| セグメント名 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電力PF事業 | 2,864百万円 | ▲1.7% | 1,844百万円 | ▲8.9% | 64.4% |
| 再エネPF事業 | 343百万円 | +67.2% | 186百万円 | +129.8% | 54.4% |
| その他事業 | 121百万円 | ▲36.0% | ▲46百万円 | - | - |
| 調整額 | - | - | ▲448百万円 | - | - |
| 合計 | 3,328百万円 | +0.6% | 1,536百万円 | ▲10.1% | 46.2% |
- 再エネPF事業:前年比+67.2%増収。RE Bridgeの第6回オークション(需要家会員73社、発電所登録426件)を通じたPPAマッチング拡大と、Econohashi会員数205社(FIT非化石証書取扱量累計2,485GWh)の拡大が牽引。蓄電池併設型太陽光発電所の需給管理初受注など新領域も開拓
- AS事業(その他事業内):2Q単体で売上高88百万円、利益41百万円と黒字転換。系統用蓄電池取扱量62MW(前四半期比+38MW)、容量市場メインオークションで147MW落札(前年比+124MW)
- 電力PF事業:前年比▲1.7%減収。1取引当たり手数料単価が前四半期比▲1.9%と下落継続。競争環境激化でDGP手数料売上高は横ばい圏推移。2Q単体の営業利益率35.5%(前四半期53.2%から▲17.7pt)
- その他事業(セグメント全体):前年比▲36.0%減収。前期のJ-クレジット販売による一時的売上の反動が主因
業績予想比の進捗率
売上高進捗率53.0%はやや控えめだが、営業利益65.0%、経常利益77.6%、純利益82.4%と利益面は高進捗。会社側も一部科目で80%超と順調な推移を認識しつつ、3Q以降の競争環境継続・取引量や市場価格動向に不確実性があるとして通期予想は据え置いた。純利益ベースでは上振れ余地が意識される水準。
| 勘定科目 | 数値 (上半期累計) | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,328百万円 | 6,281百万円 | 53.0% |
| 営業利益 | 1,536百万円 | 2,363百万円 | 65.0% |
| 経常利益 | 1,651百万円 | 2,128百万円 | 77.6% |
| 純利益 | 1,216百万円 | 1,476百万円 | 82.4% |
- 電力PF事業は単年契約が基本で、契約更新は毎年4月(3Q)に集中する傾向。3Qは契約更新に伴う解約・新規獲得の影響が大きい
- 取扱電力量は夏場(1Q:8-10月)に高く、冬場(2Q:11-1月)に低下する季節性がある。前年同期も同様の傾向
- DGP手数料以外売上高(一般送配電事業者との精算額等)は四半期ごとの変動が大きい
業績予想の変更有無
通期連結業績予想の修正なし。2025年9月11日公表の業績予想を据え置き。一部科目で進捗率80%超も、競争環境継続・取引量や市場価格の不確実性を勘案し現時点では変更せず。
株主還元への言及
配当予想の修正なし。2026年7月期は期末配当0.00円(年間0.00円)の予想を維持。無配方針継続。
財務状況
自己資本比率46.3%(前期末46.5%から▲0.2pt)と概ね安定。純資産は利益計上により+1,346百万円増加し9,623百万円。コミットメントライン総額100億円超の借入枠を確保し、DGP取引量拡大に伴う運転資金需要に対応。
- 主要数値
- レバレッジ指標
| 勘定科目 | 数値 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 7,875百万円 | 前期末比+69.4% |
| 総資産 | 20,787百万円 | 前期末比+16.7% |
| └ 流動資産合計 | 18,662百万円 | 前期末比+12.9% |
| └ 固定資産合計 | 2,124百万円 | 前期末比+65.3% |
| 自己資本 | 9,623百万円 | 前期末比+16.3% |
| 有利子負債合計 | 2,705百万円 | 前期末比+67.7% |
| └ 短期借入金 | 1,490百万円 | 前期末260百万円から増加 |
| └ 1年内返済予定長期借入金 | 286百万円 | - |
| └ 長期借入金 | 928百万円 | - |
| 未収入金 | 8,972百万円 | JEPX立替に起因 |
| 未払金 | 6,586百万円 | 需要家代行費用 |
| EBITDA | 1,545百万円 | 営業利益1,536+減価償却費8 |
決算発表と同時に出たニュース
該当なし
足許四半期中の主要発表
- 2025/12/25九州おひさま発電の太陽光発電所2カ所をFITからFIPへ移行、蓄電池併設型として運転開始。蓄電池併設PVの需給管理を初受注 再エネ有効活用で出力抑制対策に デジタルグリッド初 蓄電池併設型の太陽光発電所をFIP制度へ移行
- 2026/02/03系統用蓄電池の取扱量が50MWを突破。AS事業の拡大を加速する方針を表明 系統用蓄電池の取扱量が50MWを突破
- 2026/02/26蓄熱蓄電システム開発「ESREE Energy」に出資。次世代の熱事業領域での知見獲得を目的とした戦略投資 蓄熱蓄電システム開発「ESREE Energy」に出資 ー次世代の熱事業領域で将来的な知見獲得へー
- 2026/03/09風力発電の需給管理を開始。自社開発のAI予測技術を活用し、対応電源を太陽光から風力へ拡大 風力発電の需給管理を開始-新たに自社開発したAI予測技術を活用-
過去1年間の大量保有報告/重要提案
- 東芝: 13.48%→12.90%(2026/01/23) - 協力関係を維持するため政策的に保有。変更事由は担保契約等重要な契約の変更
- FD: 5.39%→5.39%(2025/11/10) - 協力関係を維持するため政策的に保有。担保契約等重要な契約の変更に伴う変更報告書提出
- 近清拓馬(取締役COO): - →5.00%(2025/04/28) - 発行会社の取締役として経営参加・安定株主として保有
- 東芝: - →13.48%(2025/04/25) - 協力関係を維持するため政策的に保有(初回大量保有報告書)
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