フェイスネットワーク 1Q 決算速報

売上高・営業利益ともに1Q過去最高を更新、城南3区の投資用レジデンス需要を捉え粗利率23.7%に到達

配信日2026年8月14日 17:30 JST

1Q決算を踏まえた評価点

売上高4,735百万円(前年比+60.2%)、営業利益252百万円と前年同期の赤字から黒字転換し、いずれも1Qとして過去最高を更新。不動産商品の大型化と販売件数増が寄与し、物件価値向上の取り組みが収益性改善に直結している。

  • 不動産投資支援事業の売上高4,495百万円(前年比+66.0%)、セグメント利益190百万円と前年の▲104百万円から黒字化。不動産商品3件+建築商品1件の販売に加え、物件規模の大型化が奏功
  • 売上総利益率23.7%(同+0.3pt)で1Q過去最高を更新。ワンストップモデルによる外部委託費抑制と付加価値向上戦略が利益率改善を継続
  • 7件の用地仕入を完了、40件の開発プロジェクトを進行中。来期・再来期に向けたパイプラインが充実し、新ブランド「TOKYO MODULE」「MIDHOUSE」の展開も始動
  • 入居率は27.3期1Q時点で97.4%と高水準を維持。管理戸数は前期末比+56戸の2,654戸に増加

1Q決算を踏まえた懸念点

自己資本比率は29.4%(前期末35.8%から▲6.4pt低下)と、物件開発に伴う借入金増加が財務レバレッジを押し上げている。支払利息101百万円(前年比+21.9%)は金利上昇局面で今後も増加圧力が見込まれ、経常利益率への影響を注視する必要がある。

  • 借入金合計24,159百万円(前期末比+6,142百万円)、棚卸資産28,134百万円(同+5,727百万円)と、BS膨張が加速。不動産市況悪化時の在庫リスクが拡大
  • 営業外費用137百万円(前年比+34.8%)のうち支払利息101百万円が大宗。金利上昇局面で調達コスト増が経常利益を圧迫する構造
  • 入居率97.4%は前期末99.0%から▲1.6pt低下。新規竣工物件のリーシング途上による一時的要因と見られるが、今後の動向を確認したい
  • 販管費869百万円(前年比+17.8%)は本社移転に伴う地代家賃+42百万円、仲介手数料+64百万円など固定費増が含まれ、売上規模拡大に見合うか注視
  • 通期業績は4Q偏重(竣工10棟、売上計画322億円が2Q-4Qに集中)で、進捗の不確実性が残る

注目点/今後確認したいポイント

  • 下期偏重型の竣工計画の進捗状況と、金融機関紹介経由(販売総額の約40%)を含む販売パイプラインの充足度。建築資材・人件費高騰下でのコスト管理が通期利益率を左右
  • 新ブランド「TOKYO MODULE」(都市型テナント)「MIDHOUSE」(ホテルレジデンス)の受注・販売実績の立ち上がり。従来のGranDuo/THE GRANDUOとの顧客層・利益率の違いが事業ポートフォリオに与える影響
  • 金利上昇局面における調達戦略と、自己資本比率30%を下回る水準での財務規律のバランス。自己株買い(上限1億円)との整合性
経営陣への論点
  • 4Q偏重の竣工計画における進捗管理体制と、販売先の確保状況
  • TOKYO MODULE・MIDHOUSEの初号案件の想定利益率とGranDuoシリーズとの比較
  • 金利上昇シナリオにおける調達コスト増の業績インパクト試算
  • 自己株買いの目的であるM&A株式対価活用の具体的ターゲット領域
  • 新中期経営計画(NEXT VISION 2029)における売上高500億円達成に向けた開発用地の確保見通し
  • 城南3区以外(千代田区・港区・新宿区等)への展開による地域リスク分散の方針
  • オーダーメイドキッチンメーカー「Madre」子会社化のシナジー効果の定量化
  • 入居率97.4%への低下が一時的か構造的かの判断根拠
  • 佐藤可士和氏によるクリエイティブディレクションの費用対効果の測定方法

主要業績ハイライト

勘定科目数値前年同期比
売上高4,735百万円+60.2%
売上原価3,612百万円+59.6%
売上総利益1,122百万円+62.2%
売上総利益率23.7%+0.3pt
販売費及び一般管理費869百万円+17.8%
営業利益252百万円黒字転換
営業利益率5.3%-
経常利益117百万円黒字転換
純利益64百万円黒字転換
EPS2.16円黒字転換
包括利益64百万円黒字転換

前年同期は営業損失▲46百万円、経常損失▲148百万円、純損失▲112百万円であったため、全利益段階で黒字転換。売上高の+60.2%増収に対し売上総利益は+62.2%増と利益率改善を伴っている。

事業セグメント別の業績

不動産投資支援事業は販売件数増と物件大型化により大幅増収・黒字転換。不動産マネジメント事業はファンド向けバルク物件の管理解除で前年比微減収ながら、業務効率化により増益。

セグメント別業績表

セグメント名売上高前年同期比営業利益前年同期比利益率
不動産投資支援事業4,495百万円+66.0%190百万円黒字転換4.2%
不動産マネジメント事業239百万円▲2.8%61百万円+5.7%25.6%
好調な事業
  • 不動産投資支援事業:不動産商品3件(前年2件)、建築商品1件(前年0件)を販売。物件規模の大型化(平均販売単価は26.3期通期で約13.9億円、27.3期計画で約14.3億円)により1件あたり収益が向上。城南3区の投資用レジデンス需要は富裕層の資産承継ニーズを背景に底堅く推移
  • THE GRANDUOシリーズ:1Qの5物件(HANEGI(3棟)、KAMIMEGURO、FUTAKOTAMAGAWA)が竣工。著名建築家との協業による差別化が販売単価の上昇に寄与
不調な事業
  • 不動産マネジメント事業:前期のファンド向けバルク物件の管理解除により管理棟数が前年同期比▲1棟、管理戸数▲155戸。売上高は▲2.8%の減収となったが、管理ツール更新等の業務効率化でセグメント利益は+5.7%を確保

業績予想比の進捗率

売上高の通期進捗率は12.8%と低水準だが、当社は4Q偏重型の業績構造(4Q竣工10棟、2Q-4Q売上計画322億円)であり、計画どおりの推移。前期(26.3期)も1Q売上高は通期の9.0%にとどまり、4Qに集中した実績がある。営業利益進捗率4.0%も同様の季節性を反映しており、現時点で計画未達リスクは限定的と判断。

勘定科目数値 (1Q累積)通期計画進捗率
売上高4,735百万円37,000百万円12.8%
営業利益252百万円6,300百万円4.0%
経常利益117百万円5,800百万円2.0%
純利益64百万円3,800百万円1.7%
  • 物件竣工・引渡しが4Qに集中する事業構造。27.3期も4Qに竣工10棟(延床面積6,712㎡)を計画し、2Q-4Qの売上計画は322億円と全体の87.2%を占める

業績予想の変更有無

通期業績予想に変更なし。2026年5月15日公表の予想を据え置き。

株主還元への言及

累進配当を導入済み。27.3期の年間配当予想は45.00円(前期42.50円、+2.50円)で、7期連続増配予想。配当予想に変更なし。決算発表と同時に自己株式取得(上限160,000株、1億円、2026年8月17日~11月13日)を決議。目的は将来のM&Aにおける株式対価活用と資本効率向上。

財務状況

棚卸資産28,134百万円の積み上がりに伴い借入金が拡大し、自己資本比率は29.4%に低下。一方、物件開発パイプラインの充実が将来の売上・利益を支える構図であり、財務レバレッジの活用局面にある。

  • 主要数値
  • レバレッジ指標
勘定科目数値補足情報
現金及び預金6,660百万円前期末比▲27.1%
販売用不動産6,181百万円前期末比+167.5%
仕掛販売用不動産21,953百万円前期末比+9.2%
棚卸資産合計28,134百万円前期末比+25.6%
総資産38,009百万円前期末比+9.9%
自己資本11,191百万円前期末比▲9.7%
有利子負債24,239百万円前期末比+34.0%
└ 短期借入金3,178百万円前期末比+331.2%
└ 1年内返済予定長期借入金4,781百万円前期末比+2.8%
└ 長期借入金16,199百万円前期末比+28.3%
└ 社債(流動・固定合計)80百万円前期末比▲23.8%
EBITDA295百万円営業利益252+減価償却費15+のれん償却27

決算発表と同時に出たニュース

  • 2026/08/13
    建築家・永山祐子氏設計の高級賃貸レジデンス「THE GRANDUO GAKUGEIDAIGAKU」メディア発表会の開催を告知。学芸大学エリアにおけるブランド訴求を強化 建築家 永山祐子氏が手がけ、学芸大学の街に新たなカルチャーをもたらす『THE GRANDUO GAKUGEIDAIGAKU』のメディア発表会を開催!

足許四半期中の主要発表

  • 2026/05/14
    連結子会社・岩本組が徳島大正銀行と借入極度額3.4億円の当座貸越契約を締結。開発案件の推進に向けた機動的な資金対応力を強化 連結子会社における当座貸越契約の締結に関するお知らせ
  • 2026/05/15
    新中期経営計画「NEXT VISION 2029」を策定。2029年3月期に売上高500億円、経常利益75億円、ROE30%以上を目標に掲げ、開発棟数・規模拡大とブランド力強化を推進 新中期経営計画策定に関するお知らせ(NEXT VISION 2029)
  • 2026/07/31
    都市型テナント「TOKYO MODULE」とホテルレジデンス「MIDHOUSE」の2新ブランドを発表。用途・顧客層の拡張により収益源の多角化を図る 新ブランド「MIDHOUSE」「TOKYO MODULE」を発表

過去1年間の大量保有報告/重要提案

該当なし

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